明日へと続く記憶

アニメ、ゲーム、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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カスタム・チャイルド ―罪と罰― 

カスタム・チャイルド ―罪と罰― (メディアワークス文庫)カスタム・チャイルド ―罪と罰― (メディアワークス文庫)
(2009/12/16)
壁井 ユカコ

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読書期間:2010/8/25~2010/8/27

【評価……A-
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 なし
青春
友情
家族愛
世界観


 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★★★
 … 9



 至高の美少年ながら母に遺棄された過去を持ち、“犯罪者の遺伝子”に傾倒する春野。父が愛好するアニメキャラクターの実体化として作られた少女レイ。遺伝子操作を拒絶する両親を持つ“遺伝子貧乏”清田――16歳の夏に出会った3人は、反発しあい傷つけあいながらもかけがいのない友情を築いていく。
 遺伝子工学が発展し、子どもの容姿の“デザイン”が可能になった仮想現代を舞台に、社会によって歪められた少年少女の屈折や友情を描く、著者渾身の青春ストーリー。

【感想】


愛情の裏側に淀みがある青春物語。

面白かった。
眩しい光の対極に、暗く重い陰がのしかかるようにあって、何とも重厚な話でした。
ドロドロとした展開が続くのに、充実感が得られるのは、それだけ世界観に惹きこまれている証でしょうか。

400P超えのボリュームもさることながら、内容の深さに唸りました。
読み応えのある、素晴らしい一冊だったと思います。

無印版「カスタム・チャイルド」を読んでいなくても、全く問題ありません。
既読済みのはずなのに、ほとんど忘れていた人間でも楽しめたくらいですから。
舞台は一緒で、チラホラと無印版のキャラの名前が見え隠れする程度で、物語の本筋は完全に別物です。

遺伝子工学分野が発達し、生まれてくる子どもをカスタマイズすることが社会通念となった世界。
希望通りに育たなかったとの理由で母に捨てられた少年・春野倫太郎、父の嗜好の存在として生まれてきた少女・冬上、遺伝子操作することなく生まれ育った少年・清田の3人が出会い、歪な三角形を描く青春ストーリーとなっています。

細かな人間関係の構築を、見事なまでに描ききっています。
この構成と文章力は、凄いの一言。
人付き合いってのは、ゲームのように好感度を上下させるような単純なものではないんですよね。
ウザいけれど惹かれたり、好きだけどムカついたり、一緒にいる理由が分からないのに何故かそれが自然となってたり、そんな回りくどさを表現できる作家さんは貴重です。

モンスターペアレントを彷彿とさせるような親が、あまりにリアルっぽくて嫌になりますね。
いるんだよなぁ、こういう人間って。
それとは反対に、倫太郎を育てた春野知佳は、格好良くて尊敬してしまいますね。
歪んだ社会の中で、清き心をもった知佳さんが眩しすぎます。
家族の愛情って、こんなにも温かいものなんですね。
倫太郎は、この母親には頭が上がらないのもよーく分かりますよ。

危うさを感じながらも、喧嘩しながら育む友情にニヤニヤさせられる。
……と思っていたら、ラストシーンが、予想外の方向へ転がっていき驚かされました。
正直、不気味な終わり方で、お世辞にも後味がイイとは言えませんが、これぞ著者の味だとも思います。

電撃文庫とMW文庫の違いを意識して執筆しているのか、確かにラノベ色は抑え気味ですね。
これは是非多くの人に読んで欲しい。

どろっと粘り気のある気持ち悪さがまとわりつく読了感が人を選びます

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  カスタム・チャイルド  壁井ユカコ  評価A- 

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この記事に対するコメント

親と子と

 無印版よりも親しみやすかったです。

 モンスターペアレントはぞっとしますね。見ていて、全然笑えないと思いました。

 知佳さんは知佳さんとして、年頃の女の子が冬上一人っていう構成で大丈夫なんだろうか、と余計な心配をしましたが、杞憂でした。女の子がたくさん出ていないと何となく不安になるのは、僕がそういうのに慣れきっているからなんでしょうね。

 知佳さん、マジかっこよかったです。あそこで連れ帰らないところに痺れました。

 男の沽券って、捨てられるようなら捨てても構わない気がしました。 もちろん、簡単な問題ではありませんけれど。

 企業の抱えている秘密が、個人的にツボりました。

 春野を見ていると、どうしても由良と重ね合わせずにはいられませんでした。 自分は春野と清田のどっちに近いかなあ、と考えてみると、やっぱり清田かなと思います。 でも、春野の生粋のひねくれ具合には好感が持てました。

 ラストにはやられました。この作品のことも、長く記憶に留まることになるだろうな、と感じています。

 あとがきの言葉から考えると、このシリーズは著者のライフワークと呼べるものになるかもしれないと思いました。何年か後に新作が出たらまた読みたいです。

URL | 紫電 #-

2011/03/29 21:41 * 編集 *

>紫電さん
人を選ぶ内容だったので心配でしたが、問題なかったみたいですね。
楽しんで貰えて何よりです。お薦めした甲斐があります。

無印版から読了間もない人であるほど、ニヤリする場面が多かったんでしょうね。
僕の場合、上にも書いた通り、忘れていることが多くて、ちょっと損したかなと思いましたから。

多くの人が共感できるのは清田なんでしょうね。
だからこそ、春野や冬上の異様性が際立っているように感じました。

ラストは驚きましたよね。
爽やかに終わるのかと思いきや、一転してアレですからねぇ。
あれは電撃文庫ではなく、MW文庫だからこそできたのかもしれないなーと思いました。

URL | 秋空翔 #3huMpp/w

2011/03/30 23:58 * 編集 *

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