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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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シュガーダーク 埋められた闇と少女 

シュガーダーク  埋められた闇と少女 (角川スニーカー文庫)シュガーダーク 埋められた闇と少女 (角川スニーカー文庫)
(2009/11/28)
新井 円侍

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読書期間:2010/2/1~2010/2/4

【評価……B
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
ロマンス
世界観
完成度



 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8




 えん罪により逮捕された少年ムオルは、人里離れた共同墓地に送られ墓穴を掘る毎日を送っていた。
 そんなある夜、自らを墓守りと名乗る少女メリアと出逢う。彼女に惹かれていくムオル。だが謎の子供カラスから、ムオルが掘っている墓穴は、人類の天敵・死なずの怪物“ザ・ダーク”を埋葬するものだと聞かされる!
 混乱するムオルは、さらにダークに殺されるメリアを目撃してしまい――!?

【感想】


「涼宮ハルヒの憂鬱」以来、実に6年振りのスニーカー大賞受賞作ということで話題を掻っ攫った今作。
既に各所で多くのレビュー、感想が書かれているので、読んだことがない人でも知っている人は多いかと思われます。

純粋に面白かったと思います。
作風は地味で、なおかつ物語の始動が遅いために、冒頭でつまづいてしまうかもしれません。
しかし、序盤を乗り越えたあとはサッパリとした文章に導かれるように、読み進めていくことができます。

舞台はとある共同墓地、時代設定は近代の欧州を彷彿とさせます。
冤罪により墓穴掘りの労働を強いられる、元歩兵の主人公・ムオル
連れてこられたのは、未知の巨大な化物“ザ・ダーク”を埋葬する墓地。
淡々と穴を掘る日々のムオルだったが、一人の墓守りの少女・メリアと出逢うことで物語が動き始めます。

ラノベのお手本というべきボーイミーツガールですね。
最近よくあるエロさを混入させたラブコメとは異なり、一昔前の作品の実直な匂いがします。
軽すぎず、かといって読み進めていくと意外にも重すぎない内容で、透き通った暗さのある雰囲気が感じられる良作でした。

文章は取り立てて癖もなく、読みやすいのが好印象を抱かせます。
特別キャラに魅力があるわけでもないですが、十分キャラは立っています。
設定や伏線もしっかり練り込まれていて、混乱することはありません。
というか、余計な部分を意識させない、真っ直ぐな恋愛モノとして成り立っています。
どの点においても及第点以上で、全体的な質の高さは、新人離れしていると言っていいでしょう。

それでも地味な印象を抱いてしまうのは、エンターテイメント性の低さに問題があるのかな。
小説としては綺麗なんだけど、もっと読者の感情をアップダウンさせる仕掛けがあっても良かったかも。
王道がゆえに物語の展開が先読みしやすいのも、人によっては評価を下げる要因となります。
淡々と進むものの、個人的には偶にこんな本があってもいいと思いますがね。

<大賞>という冠に相応しいかどうかといわれると、確かに疑問は残ります。
でも、そういった色眼鏡をかけずに読んでもらいたいところですね。
まぁ、帯や宣伝で煽りまくった編集部には責任があるとは思いますよ。
期待度を上げすぎると、相対的に辛口になってしまうところはありますから。

作者のブログによると、二巻の計画が頓挫してしまったようなので、これにて完結のようですね。
多少気になる謎がいくつか残りましたが、締め方がまとまっていただけに、その選択で良かったと思います。
何かと比べられて大変でしょうが、プレッシャーに負けずに次回作も頑張ってもらいたいです。

怪物を埋葬する墓地にて、墓掘りの少年と墓守りの少女が出逢い惹かれあう話

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  シュガーダーク  新井円侍  mebae  評価B 

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