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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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会長の切り札 軍師ゲームの裏を読め! 

会長の切り札  軍師ゲームの裏を読め! (角川スニーカー文庫)会長の切り札 軍師ゲームの裏を読め! (角川スニーカー文庫)
(2009/08/01)
鷹見 一幸

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読書期間:2009/10/31~2009/11/5

【評価……C
発想 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
設定 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
物語 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
人物 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
文章 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ラブコメ ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5

見事二連勝を果たし、楢山高校の危機を救った朋絵と光明たち生徒会メンバー。
ところが今度は、樫森高校と桜川女子の対決のプロデュースを任されてしまう。
どうやら勝負の内容についての話し合いが決裂したらしく、光明の手腕を見込んだ藍山が依頼してきたのだ。
しかもその結果は、市の合併問題をも左右するらしく!?
勝負に燃える高校生たちの未来は!?
現代版国盗絵巻第3幕、軍師光明、すべての運命を背負い、あらためて出陣!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


高校存続をかけた対抗戦、第3ラウンド。
楢山高校に敗れた樫森高校と桜川女子高の決着をつける運命の最終戦の前半戦となります。

何故、主人公たちの学校が関わらない勝負が一番文章量が多いのだろう……。
これまでの勝負は一冊で終わっていたのに、今回だけは前後編に分かれているんですよね。
最初からシリーズ化が約束されていた作品なのに、この意図は読めませんね。

ただでさえヒロインの朋絵が空気と化しているのに、一応主役であった光明が当事者でなくなったために主人公不在のような形になってしまっています。
長編作品のシリーズ途中だったら、脇役に焦点を当てるという意味合いも理解できるのですが、次巻完結でこの展開は盛り上がりに欠けます。

まぁ、それはいいとしましょう。
それよりも問題な点がいくつかあります。

まず、今まで以上にキャラの台詞が説明口調すぎるというところ。
急に語り始めたりする登場人物たちを見ていると、NHKや教材用ビデオを見ているような感覚に陥りました。
2巻の感想で渡鬼風と表現しましたが、あれはあれで好みの差は出るだろうけど味があると思うんですよ。
しかし、このシリーズの場合、真面目すぎるというのか、文章に面白味が感じられず、wktk感がありません。

次に、現実世界でも起こりうる話ということを意識しすぎなところ。
これは長所でもあって、1巻では上手く引き込まれたなぁと思わされました。
ただし裏を返せば、それはゲームの規模がどうしても実現不可能だと思われるラインを越せません。
1,2巻での戦国勝負は、その範囲内でありながらもスケールを大きく見せようという工夫などがあったように感じます。

それが、この3巻での勝負が端的に言うとミニゲーム集になってしまったので、ショボく見えて仕方ありません。
しかも、学校全体の話なのに一部の生徒のみだけの勝負となっているのも、いささか不満です。

そもそも一介の男子高校生に過ぎない子どもに、町の問題を押し付ける時点で、非現実的ではあるんですがね。
どれだけ大人たちは情けないんだ。

そんなわけで、この3巻はちょっと微妙でした。

一方で、KeGさんのイラストは、相変わらず素晴らしかったです。
カラーイラストももちろんですが、作中の挿絵に質の衰えがまるで見えないのが凄い。
これからもっとラノベのイラストの仕事をしてくれると嬉しいなぁ。

安全な位置にいる主人公が、脇役達の今後を左右するゲームを企画する話

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  会長の切り札  鷹見一幸  KeG  評価C 

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この記事に対するコメント

 来訪者40000人突破、おめでとうございます。頻繁に更新されていて、投票や新刊チェックなども欠かさずこなしつつ、非常に参考になるレビューをしてくださっているのですから、これで人気が出ないわけがありません。この調子で頑張ってください。

 さて。このシリーズのレビューを見守ってきましたが、とうとうやっちゃったなあ、という感じです。

 完結に至るまでのラノベの流れについても話したりしましたが、話に聞くだけでも、これ以上ないほど悪いですね。まあ、未完で終わるよりはいいのかもしれませんが。
 一行のまとめも、何だかすごい内容になってるなあ、と感じます。

URL | 紫電 #hfCY9RgE

2010/02/16 22:57 * 編集 *

>紫電さん
ありがとうございます。
なんだかんだで2年半もやっていますし、閲覧数も増えてきましたね。有難いことです。
もっと早め早めの情報を更新できるといいんでしょうけどねー。

読み返すと好意的なことをほとんど書いていませんね。
ラノベの基本は抑えているので、物語が崩れているわけではありません。
たまたま悪い面が多く出てしまった、みたいな感じですね。
それ以上の魅力を感じることができるのであれば、問題ないレベルかと思われます。

URL | 秋空翔 #3huMpp/w

2010/02/19 04:30 * 編集 *

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