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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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会長の切り札 忍者ガールで罠をはれ! 

会長の切り札  忍者ガールで罠をはれ! (角川スニーカー文庫)会長の切り札 忍者ガールで罠をはれ! (角川スニーカー文庫)
(2009/03/01)
鷹見 一幸

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読書期間:2009/7/23~2009/7/25

【評価……B-
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
ラブコメ ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5

母校存続を賭けた勝負の次なる相手は、伝統を誇る桜川女子高校。対決種目は市街全域を使った陣取合戦に決定した。
戦術が重要と考え、作戦会議を重ねる楢山高校生徒会だったが、桜川女子のスパイが楢高の男子生徒を誘惑し、情報を聞き出していた事が発覚する!
作戦内容が筒抜けと知り、焦る朋絵たち。しかし光明は、すでに対策を練り始めていた。
その鍵を握るのは、日本オタクの留学生・リタだった――!現代版国盗絵巻、第2幕!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


高校の存続を賭けた戦国風勝負、第二番。
むさ苦しい男子校の次は、可憐な女子校が相手です。

面白いのは面白い。
ただ、感想を問われるとまず突っ込みどころを挙げたくなってしまう本だなぁ。
何というか、上手くまとめようとしすぎている、とでも言えばいいでしょうか。

相変わらず説明口調なところが多々見受けられるのは、作品の性質上仕方ない面もあるとは思いますが、ちょっと度が過ぎるかなー。
某ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」の演技のように、言葉に堅苦しさを感じることがよくあります。
一人のセリフが長々と続く場面も少なくなく、某ドラマを彷彿とさせますね。
しかし、これはある意味では独特のノリで、味があるともいえるので、一概には否定できません。
拒否反応が出ずに済むのは、丁寧な文章のおかげでしょう。

ストーリーの展開は、ほぼ1巻と同じですね。
導入部分を省ける分、勝負のルール決めと本番にページが割けるのはイイ感じ。
思いがけず話が大きくなっていくワクワク感は薄れてしまいましたが、その分内容が充実しました。
1巻の感想で書いた構成の難は、展開が似すぎていたために完全にとは言えませんが、随分と解消されたと思います。

キャラクターは主に新登場の面々が良かった。
おっぱいがメジャーリーグ級の留学生・リタや、それに対抗心を燃やす桜川女子高生徒会長・華之宮姫子、桜川からの刺客・秋野茜の3人はキャラが立っていて、会話シーンが楽しかったです。
欲を言えば、もう少し姫子に活躍するシーンがあれば嬉しかったかな。

今回の光明はまとめ役になっていますね。
ゲームの戦略性を高める要素を周りが思いつき、それをルールに組む込むことに躍起になっています。
1巻ではまだ良かったんですが、2巻では言うほど凄い作戦を思いついているわけでもないのに、周囲から持ち上げられすぎていて、何だかムズムズします。
他の誰もが光明の策を思いつかないってのは都合が良すぎるんじゃなかなと思ってしまうんですよね。

作者があとがきで仰っている通り、この作品は「現実世界で高校生が戦国バトルを繰り広げることができる理由」を、しっかりと関連付けしながら説明しているおかげで、現実味を与えるのに成功しています。
しかし、実際の勝負の展開に関しては、非現実的な内容がいくつかあって、下手にリアリティを求めている分、そこが逆に浮いてしまっていました。
この勝負、もしも本当にリアルでやったとしたら、きっと盛り上がらないと思います。

ラブコメ分が妙に注入されているのは、編集部の指示か何かなんだろうか。
嫌いじゃないけど、あまりに唐突すぎで何度か噴き出しました。

KeGさんのイラストは、やはりどれも美麗でした。
そういえば、元々表紙買いだったんだよなぁ。
そう考えると、これだけ内容に言及したくなるってことは、十分引き込まれている証なのかもしれません。
今のところ、続きを買わないという選択肢はないですしね。

きちんと回収する伏線が好印象の高校生による戦国バトル

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  会長の切り札  鷹見一幸  KeG  評価B- 

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この記事に対するコメント

 世の中には不思議な作品もあるものだなあ、と思いました。珍しい本のご紹介、ありがとうございました。
 にしても、こうして滅多にないタイプの作品の評価を読んでいると、あちらを立てればこちらが立たぬで、作品としてのバランスをとることの難しさをかんじさせられます。

URL | 紫電 #OUa1nsV.

2009/10/21 06:27 * 編集 *

>紫電さん
SF系であれば珍しくない文体なのかと思うんですけど、現代を舞台にしたコメディ重視の本としては、あまり見かけない類のものですね。
作品のバランスって観点は意識したことはほとんどなかったりします。
その代わり、全体の雰囲気は重視したい項目になりますね。

URL | 秋空翔 #3huMpp/w

2009/10/23 00:25 * 編集 *

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