明日へと続く記憶

アニメ、ゲーム、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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告白 

告白告白
(2008/08/05)
湊 かなえ

商品詳細を見る
読書期間:2009/5/26~2009/5/28

【評価……B+
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 なし
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
構成 ★★★★★★★★☆☆
 … 8

我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。

【感想】

2009年本屋大賞第1位に輝いた話題作。
湊かなえ氏のデビュー作でもあります。

◆ 内容 ◆

全6章からなる構成で、登場人物が「告白」する形式で話が進行されます。
語り部を繋いでいくことで見えてくる物語の全体像の前に、人間社会の難解さを感じずにはいられません。
人間というのは、誰もが主人公であり、主観的に物事を判断するものなんだなと、当たり前のことを認識させられました。

基本的に、人間の負の面が厭らしく描かれているため、雰囲気は最初から最後まで暗いです。
陰鬱とした話には耐性があるので、このレベルならどうってことないですが、苦手な人には辛いかもしれません。

物語の進め方、折り畳み方には目を見張るものがありますね。
鬱々とした作品に対して、スーっと心の隙間を縫うように入り込んでくる登場人物たちの心情は、素直には共感できないものばかりなのに、理解できてしまうところもあって、驚くほどスラスラと読めてしまいました。
スピーチの構成が巧い人みたいな感覚といえば伝わるでしょうか。
先の気になる話し方で、途中でだれることなく好奇心を引っ張ってくれます。

読了後、気分が悪くなるという声が多いのは仕方がないかなといった内容ですね。
個人的にはアリだと思える、というか、この作品に相応しい締め方だったと感じました。

昨年の本屋大賞受賞作である「ゴールデンスランバー」とは全く異なる色合いをもった本でした。
エンターテイメント性に富んでいた「ゴールデンスランバー」に対して、テーマと人間の内面重視で描いた「告白」とでは単純な比較は難しいのですが、「告白」は一般受けはしにくい作品でしょうね。
それだけに、本屋大賞に選ばれているのが驚きとも言えます。
デビュー作であるという点も評価に繋がったのかもしれませんね。

◆ 感想 ◆

これは……考えさせられる本だなぁ。

面白いという感想も間違いではないんだろうけども、純粋な気持ちでは言えない引っかかりを覚えます。
テーマは重く、それと同時に苦味があり、単一の感情では語れない内容となっています。

勝手に絶対的なものとして作り上げられた世論というものの危うさが浮き出ていますね。
人が人を裁く基準に正解を求めようとする現代社会の倫理観に対して、問題提起しています。
重要なのは、正しい事と決めつけるのではなく、考えることなんでしょうね、きっと。

小説自体の全体的なレベルとしては、標準よりは上なんじゃないでしょうか。
構成、伏線なども光りますが、何より凄いと思ったのは物語へ引き込む強さ。
登場人物の独白が、徐々に積み重なっていき、息苦しさを募らされます。
鬱屈とした空気を取り払いたいのに、さらに読み進めたくなるほどの怖い魅力がありました。

◆ 総評 ◆

良かったと思います。

それにしても、登場人物の言動や行動が不愉快だから、または作者の偏見で書かれた内容に腹が立つから、この本は嫌いだという意見が散見されるのは少々残念ではありますね。
そんな単純な話ではないと思うんですがねー。
まぁ、確かに分かりやすい面白さはないですし、娯楽として愉しむ本ではないので、わざわざ小説を読んで気分を悪くしたくない方には向かないでしょう。

この本を糧とするには、表面上の物語だけではなく、根底にある大きなうねりを思考する必要性があります。
世の中の不条理さ、異なる倫理観を写し出した素晴らしい作品だったと思います。

欠点はというと、全体の雰囲気重視のために、リアリティに欠ける場面があったところかな。
感情面については、かなり良く出来ている分、登場人物の行動に多少の違和感がありました。
しかし、それによって生まれたプラス要素も大きいので、絶対に悪いというわけでもないですね。

人の悪意に慣れているかどうかによって判断が大きく分かれることになるのかな。
大したことないという人もいれば、ギブアップする人だっているでしょう。
誰かに薦めたくなる本ではないけれど、感想は聞いてみたい本ではありますね。

立ち位置によって同じ事象でも善悪の所在が変わるところがミソ

テーマ: 読書感想文

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  告白  湊かなえ  評価B+ 

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