明日へと続く記憶

アニメ、ゲーム、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

05«1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.»07

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 /  Trackback -- /  Comment --

△page top

プシュケの涙 

プシュケの涙 (電撃文庫)プシュケの涙 (電撃文庫)
(2009/01/07)
柴村 仁

商品詳細を見る
読書期間:2009/4/29~2009/4/30

【評価……A-
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ミステリー ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
構成 ★★★★★★★★
 … 9
切なさ ★★★★★★★★
 … 9

「こうして言葉にしてみると……すごく陳腐だ。おかしいよね。笑っていいよ」
「笑わないよ。笑っていいことじゃないだろう」……
あなたがそう言ってくれたから、私はここにいる――あなたのそばは、呼吸がしやすい。ここにいれば、私は安らかだった。だから私は、あなたのために絵を描こう。

夏休み、一人の少女が校舎の四階から飛び降りて自殺した。彼女はなぜそんなことをしたのか?その謎を探るため、二人の少年が動き始めた。一人は、飛び降りるまさにその瞬間を目撃した榎戸川。うまくいかないことばかりで鬱々としてる受験生。もう一人は“変人”由良。何を考えているかよく分からない……そんな二人が導き出した真実は、残酷なまでに切なく、身を滅ぼすほどに愛しい。

【感想】


「我が家のお稲荷さま。」シリーズの柴村仁さんの一冊完結モノ。

これは傑作。

重い、というのとは少々異なる気がします。
切なくて、苦くて、そしてあまりにも哀しい……そんな物語でした。

あぁ、何という報われのなさ。
読み進めるにつれて、じわりじわりと心臓が締め付けられるかのような痛みに苛まれます。
これは、やるせない……。
読了後も、時間が経つほどに泣きたくなってきます。

ストーリーは二部構成となっており、前後半の対比が素晴らしく秀逸。
後半を読むと、前半の印象が全く別のものへと変化していきます。

ミステリー展開で描かれる前半は可もなく不可もなくといった出来栄え。
その代わりに登場人物たちの心理描写が的確引き出されていて素晴らしかったです。

人は多角的に見て初めて物事の真理に肉薄できるという持論を再確認させられました。
運命なんて陳腐な言葉で片付けたくはありませんが、世の中の無常さを嘆かずにはいられません。

しかし、この作品、電撃文庫で出版する必要性が全く無いですね。
良い意味で内容的にライトノベルらしさがなく、イラストもオタクっぽさは皆無です。
一般小説として出版されてもおかしくないですね。

読んだ感想を1,2ヶ月遅れで書く時の数少ないメリットとして、冷静な評価ができるという点があります。
時間が経っても良作は風化するどころか逆に心にしっかりと残るもんなんですよね。
この作品はまさしくそうでした。
何となく気になるなと思って買ってみましたが、当たりでした。

きっと楽しむのは難しい本だと思います。
しかし、読んだ人の心に確実に何かしらの感情を残します。
そのため誰にでも好意的な評価を受けられるわけではないと分かっているんですが、お勧めしたくなってしまう良作でした。

切なすぎて胸が切り刻まれるような哀しい高校生たちの物語

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  プシュケの涙  柴村仁    評価A- 

△page top

« アスラクライン 第1~13話
ドラクエ9プレイ日記Part1 »

この記事に対するコメント

どうして、そんなことになっちゃったんだろう?

 気にはなっていました。こんなテーマで物語を書いて、果たして無事に着地できるんだろうか、みたいな。
 これほどのレビューを見ては、読まないわけにはいきません。今すぐアマゾンで注文してきます。 どうやら、ラノベらしくないラノベは僕の守備範囲らしいです。

URL | 紫電 #-

2009/07/14 06:47 * 編集 *

>紫電さん
ああ、僕も好きですよ、一般小説っぽいラノベ。
わざわざラノベで出すだけあって、当たり作品が多いのも特徴ですね。
紫電さんがどのような評価を下すのか、非常に楽しみです。

URL | 秋空翔 #3huMpp/w

2009/07/15 01:57 * 編集 *

冷めない内に書いておきます

 今日一日で読みました。せっかくですから、今すぐ感想を書いておきます。
 それにしても……ネタバレしないように内容に触れるのが、なんと難しい作品でしょう。
 前半と後半の話に、つながりはないんだと自分に言い聞かせました。そうしたら、楽しむことができました。 やや感情移入しすぎてしまう傾向のある人には、あまり勧めない方がいいなと思いました。
 想像していたよりは危険性が少なかったので安心しました。そもそも……。
 表紙の絵を、斜め逆さにしてみると、間に合っているように見えるんですけど、そんなことは気休めにならないでしょうね。
 熊野みたいなキャラは、世の中の大多数の中に溶け込んで、大学生になり、社会人になっていくのかな~、なんて思いました。現代の学生の実態なんて知っているわけではありませんが、随所の物語がそれっぽくていいなあ、と思いました。
 二回目読みをした時に、もうひとつの秘密について意地悪く楽しませてもらいました。結構抉りますね、作者。
 ラノベの中の母親は、あまりにもリアリティのありすぎる、容赦のないことは言わないでほしいと思いました。
 由良とは、友達として上手くやっていけそうだと感じました。 37ページでの由良のセリフ全体に、特に共感を持っています。
 秋空翔さんに比べれば、僕は報われない物語に対してすれていると思います。
 この作品に関しては、僕から人に勧める類の本じゃないなあ、と思いました。この本のことが頭の片隅に引っ掛かって、この本と縁があってめぐりあった人だけが読めばそれでいいんじゃないかな、と思いました。 ちなみに、僕は発売から半年後という妙な時期に読んだので、作中の夏休みという季節感を読みながら感じられて幸運だったと思っています。

URL | 紫電 #OUa1nsV.

2009/07/18 22:51 * 編集 *

>紫電さん
おおー、買って読んで感想書くまで早いですね。
自分も見習わねばw
一応コメント欄はネタばれOKとなっているので、語りたければ存分に語って頂いても良いですよ。

熊野なんてキャラいたかなと思って、読みなおしました。
そういえばこんな脇役いましたね。完全に忘れてましたよw

結局、この作品の肝は話の順序に尽きるんですよね。
読者は、少女の身に降りかかる悲劇を知りながら、彼女がどん底から這い上がっていく話を読まされて、胸の中に残るしこりの処理の仕方に悩まされることになります。
ぶっちゃけ、この本を読む前から構成の妙については予想付いていたんですが、それでも衝撃は受けましたね。

URL | 秋空翔 #3huMpp/w

2009/07/19 03:25 * 編集 *

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

△page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://akikakeru.blog117.fc2.com/tb.php/564-f9b00f74
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

△page top

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。