モーフィアスの教室2 楽園の扉
2008/12/09 Tue 02:10:32 [edit]
![]() | モーフィアスの教室〈2〉楽園の扉 (電撃文庫) (2008/03/10) 三上 延 商品詳細を見る |
【評価……B-】
舞台 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
挿絵 ★★★★★★★★★☆ … 9
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
現実を侵食する悪夢<夢神>の一人・ヨミジを辛くも倒した直人。彼は夢と現実世界を隔てる<扉>を開く黒い鍵・モーフィアスを手に、<扉の民>として<夢神>と闘う決意を固める。 一方、直人と共に闘うことを心に決めた綾乃は、直人の家に半ば無理矢理住み着いてしまう。同居の事実を周囲にひた隠すため苦心する直人と綾乃だが、棗は何かに気が付いたようで……。 そして事情を知らない直人の妹・水穂は綾乃に嫉妬の念を燃やすが、その周囲には新たな<夢神>の気配が! 今回も口絵は椎名優描き下ろしのプレビューコミック仕様!! |
【感想】 <前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>
現実に実体化する悪夢と闘う若者たちの物語、第2弾。
2巻にして、早くも教室が関係なくなってきました。
飛び抜けて凄いところがあるわけではないんですが、代わりに目立った短所も見当たらないですね。
フツーにラノベの平均的な読みごたえはあると思います。
あと一歩、設定でも物語でもキャラクターでもいいから練られていたら、もっとお勧めしやすい作品になるんだろうなぁ。
さすがに、ラノベ作品で「イラストがいいから買おうぜ!」という理由では推奨しにくいですしw
1巻では主人公・岸杜直人が何も知らない側の人間でしたが、今回はもう既に<夢神>に関して知識がある状態からスタートするので、どのように物語が展開されるのかなと注目していました。
事件そのものをミステリー風に仕立てているのは前回同様で、主要人物の人間関係を中心に描かれていますね。
複数の視点から進行するので、途中で先が読めてしまうという人もいるかもしれません。
また、学校のクラスで起きた事件に比べ緊迫感が薄いこともあり、気味の悪さでは1巻より下回ってます。
インパクトはどうしても1巻に劣ってしまうものの、安定した出来なのは間違いありません。
事件のストーリーが進むにつれて徐々に明らかになっていく真相の見せ方や構成に無理がなく、引っかかるところなく流れるように文章が読めるところは長所だと思いますね。
直人・綾乃・棗の三角関係が表面化しはじめ、さらにそこへ妹の水穂が加わってきて、恋愛方面もなかなか面白くなってきました。
良キャラの予感がしていた妹・水穂は、思っていた以上に上玉でしたね。
基本はクールで、綾乃に対してだけはツンツン。
そして、実はあまり自覚していないけど結構ブラコン入っていて、こんな妹がいたらいいなぁって思わせてくれます。
水穂と並んでピックアップされているのが、直人と綾乃の共通の友人である棗です。
しかし、棗って、こんなに怖い女の子でしたっけ……?w
何だか妙にいや~なフラグが立っている気がしてなりません。
暗い雰囲気で包まれている作品なので、棗はひょっとしたらブラックサイドに堕ちてしまうのでは……という考えがよぎります。
衝撃を受けて忘れられない作品にはなるだろうけど……望みはしませんw
椎名優さんのイラストは、今回も素晴らしいの一言。
若干キャラクターデザインに古臭さを感じる面もありますが、些細なことです。
黒の細い斜線で影が描かれているところが、すごい好きです。
トーンを惜しみなく使用していて、モノクロの挿絵なのに鮮やかにさえ感じられるほどですね。
この大胆かつシャープな線の引き方には憧れるなぁ。
続巻を買うのは確実なんだけど、すぐに買って読まなければと思うほどではないかな。
面白いんだけどなー。ちょっと惜しい。
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 モーフィアスの教室 三上延 椎名優 評価B-
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