明日へと続く記憶

アニメ、ゲーム、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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ミミズクと夜の王 

ミミズクと夜の王 (電撃文庫 こ 10-1)ミミズクと夜の王 (電撃文庫 こ 10-1)
(2007/02)
紅玉 いづき

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【評価……A
舞台 ★★★★★★★★★
 … 9
物語 ★★★★★★★★★
 … 9
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
オススメ度 ★★★★★★★★★★
 … 10

魔物のはびこる夜の森に、一人の少女が訪れる。
額には「332」の焼印、両手両足には外されることのない鎖。自らをミミズクと名乗る少女は、美しき魔物の王にその身を差し出す。
願いはたった、一つだけ。
「あたしのこと、食べてくれませんかぁ」
死にたがりやのミミズクと、人間嫌いの夜の王。
――それは、絶望の果てからはじまる小さな少女の崩壊と再生の物語。
第13回電撃小説大賞<大賞>受賞作、登場。

何という……。

なんて優しく、なんて美しいお話なんでしょうか。 


もう手放しで褒めちぎる選択肢しか残っていませんよ。
お見事。

ずっと読みたいなと思いつつも、ライトノベルらしからぬ雰囲気で実際に手に取るまでに時間がかかりました。
読んでみて、評判の良さに納得。
これは本当にお勧めしたくなる、素晴らしい作品でした。
絶賛したくなる気持ちもよく分かります。

正直、読む前までは不安でいっぱいでした。
これだけ各所で絶賛されているのを見ると、構えてしまって心の底から楽しむことできなくなる――いうことは「とある飛空士への追憶」でも経験したばかりです。
そういう例は個人的には珍しくなく、世間一般の評価とズレを感じることが多々あるんですよね。
それに加えて、ラノベとしては明らかに異質な作品というのが分かっていたので、読み始めるのに勇気が要りました。

最初の方は、そこそこ面白いけど言う程ではないなと感じていました。
このブログの査定でいうと、BからB+くらいの評価です。
それが中盤から動き出した物語に夢中になり、見る見るうちにこの世界にハマってしまいました。
読了後は、この話を読むことができて本当に良かったと満足感に浸ってましたね。

内容は、ライトノベル的童話とでもいえばいいでしょうか。
本来は子供に読み聞かせる童話を、大人でも楽しめるように作り、そこにライトノベルの要素(具体的には剣や魔物や魔術といったもの)を仕上げに少量まぶしたようなものです。
それにより小学生から大人まで幅広くお勧めできるため、良い意味でラノベらしくないですね。
これならオタクっぽさも皆無なので、一般人(笑)にもこんな本を読んでいるんだと打ち明けることできますw
逆にいえば、ラノベの毒気がないので、ラノベ読みの人の中には好みから外れていると感じる人がいるかもしれません。

ストーリーは、凄惨な過去を持つ少女・ミミズクと魔物の森を統べる夜の王の心の触れ合いが描かれています。
人間社会で精神がボロボロになるまで破壊されたミミズクは、魔物に食われたい願望を持つようになり、魔王である夜の王に自分を食べてくれと申し出るけれども……といったところからお話は始ります。

ミミズクが人間らしい感情を取り戻していく姿には素直に感動を覚えます。
登場する魔物も人間もみんな優しい心を持っていて、温かい気持ちにさせてくれますね。
驚くぐらいイイ人ばかりで、嫌いなキャラが1人もいません。

物語の捻りに関しては甘いかもしれません。
先の展開や、最終的な着地点などは途中から薄々感じてしまいます。
それでも、最後まで読んで良かったと思えるのは、とても素敵な物語だからでしょうね。

あと、ライトノベルとして異色である点がもう1つ。
この作品は口絵も挿絵も一切ありません。
御影瑛路さんの作品以外では、この『ミミズクと夜の王』くらいではないでしょうか。

唯一あるのが、表紙のイラスト。
独特なタッチに見覚えがあるなと思っていたら、イラストレーターは聖剣伝説のイラスト描いている方でした。
この起用はビンゴで、作品の雰囲気とマッチしていて素晴らしかったです。

発売されてもう1年以上経っていますが、まだ未読の方は是非読んでみてください。
読書が習慣でない人にも読みやすい切り口なので、強くプッシュしておきますよ。

またいつか絶対にもう一度読み返そうと思わせてくれる、素敵な本でした。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ミミズクと夜の王  紅玉いづき  磯野宏夫  評価A 

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この記事に対するコメント

挿絵のないラノベなら……

 こんにちは。ひとつ、紹介しておきたい作品があるので、話させて下さい。
 挿絵のないラノベなら、『夏月の海に囁く呪文』 雨宮諒 電撃文庫 がありますよ。『シゴフミ』の作者が書いているんですけど、個人的には『シゴフミ』より、この作品の方が断然好きです。挿絵はありませんが、風景写真はあります。夢久島という島の民宿などを描いた、短編連作です。挿絵はありませんし、「ラノベはラノベっぽくないといやだ」という人にはおすすめできません。おすすめ度は7です。

 いつもは、バランスを考えて書き込みするように考えていますが、現在、秋空翔さんの人柄に惹きつけられて、たくさん書き込みしています。
 話題の豊富さに関してですが、たしかに、話題を絞った方がいいのは、何となく分かります。とはいえ、秋空翔さんご自身が思っている以上に、ラノベはしっかりとした柱になっているように感じます。 まあ、僕自身、雑多な話題がわりとイケるクチ(聞き手として)であるということもありますが……。
 それでは、また。

URL | 紫電 #6PAIDQmo

2008/10/26 12:11 * 編集 *

翔さんも気に入りましたか、「ミミズクと夜の王」
私も大好きです。なんかジブリ映画のような雰囲気なんですよねー。
なんて言って実際ジブリ映画化されたらどうしようw
表紙の絵が聖剣伝説のイラスト描いてる方っていうのは初めて知りました。
確かに言われてみればタッチが同じですね~。
紅玉いづき先生の作品はコレと、「MAMA」の2冊がありますが
「MAMA」の方もとても素敵な本ですので是非読んで感想をお聞かせください(´∀`)

URL | 黒依 #2qaJ23q.

2008/10/26 20:39 * 編集 *

>紫電さん
お勧め作品を教えて頂きありがとうございます。
雨宮諒さんの作品は読んだことありませんが、「シゴフミ」はアニメで見ていました。
正直ちょっとアニメの方は微妙だなぁと思っていたのですが、『夏月の海に囁く呪文』はちょっとチェックしてみたいと思います。

それと、八神さんのところに書き込みされているのを拝見しているときからずっと思っていたんですが、紫電さんは自分のブログを持つべきだと思いますよ。
僕も自分のブログを持つまでは、どれぐらいのペースで書き込むべきかと悩んでいたことがあります。
ブログのトラックバックを使えば、どれだけの長文を書いても気にすることありませんし、脱線しようが関係ありませんから。

>黒依さん
ええ、ようやく読んで、お気に入り作品となりました。
映画化はないでしょうー……たぶん。
この作品の絵は見たいようで見たくないなぁw
さすがに、このイラストレーターの絵でアニメは無理でしょうから、普通に輪郭のある作画になってしまうでしょうしね。
「MAMA」も既にずいぶん前から買って積んであります。
予想以上に「ミミズクと夜の王」が面白かったため、「MAMA」も絶対に面白いだろうなと思うと、中途半端な気持ちで読みたくないと思っちゃうんですよねw

URL | 秋空翔 #3huMpp/w

2008/10/27 09:26 * 編集 *

あるんですねえ。こういう作品が。

 コメント欄を見てから、以前この記事にコメントを書いたことを思い出しました。この時点では、読むつもりはなかったのに、いつの間にか読んでいました。不思議ですね。
 秋空翔さんが話題にされていた本作が、角川文庫夏の100冊の中に入っていたことで、読む決心がつきました。読むにあたって、「オススメ度10。どれほどのものか、とくと見させてもらおう」と、呟きました。
 角川文庫夏の100冊の中には、よく見ればラノベもたくさん入っていたんですね。ラノベの売れ行きが伸びる=角川の一人勝ち、という図式になったりするのかなあ、と思いました。
 
 もっととろい展開かと思っていたら、いい方に予想は裏切られました。
 ミミズクは、場合によっては途中で呼ばれ方が変わってもおかしくなかったのに、終始ミミズクで通したところはよかったと思います。
 たしかに、人に勧めやすい物語だと思います。その点では、ほんと、まいりました。

 作者の紅玉いづきさんは、きっと女性なのでしょうね。そうだとしたら、納得できます。登場人物に根っからの悪人がいないことや、行動の理由づけがしっかりしていることや、瞳がとてもきれいに輝くことに。
 あとがきにて、『歴史になんて絶対残りたくない。』という一文がありましたが、徹頭徹尾そういう姿勢で書かれたであろうこの作品は、今後もライトノベルの歴史に残っていくんだろうな、と思いました。
 他の作品を読むとしたら、『MAMA』は通り越して、2月に発売される『雪蟷螂』の方を読んでみたいかな、と思いました。
 
 ちなみに、個人的に一番気に入ったセリフは、251ページの後ろから2行目のセリフです。

URL | 紫電 #6PAIDQmo

2009/01/30 23:01 * 編集 *

>紫電さん
電撃大賞受賞作品なうえ、発売直後の評判もかなり良かった作品でしたね。
オススメ度はあくまで万人に勧めやすいかという観点からの評価ですので、個人的な感想はまた別になります。
とはいえ、この本は上記のように絶賛してますけどね。

確かに作者の紅玉いづきさんは女性ですね。
ただ、女性ならではの作品かと問われると同意しかねますかねぇ。
むしろ、登場人物に悪人がいない作品というのは、夢見がちな男性の方が多いような気がします。
僕の場合、女性作家さんは生々しい人間関係を描くのが巧いという印象が強いですね。

最後のあのセリフは良かったですね。
言葉に温かみが感じられましたよね。

URL | 秋空翔 #3huMpp/w

2009/01/31 05:39 * 編集 *

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