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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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BLACK BLOOD BROTHERS 9-ブラック・ブラッド・ブラザーズ 黒蛇接近- 

BLACK BLOOD BROTHERS9  ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 黒蛇接近― (富士見ファンタジア文庫 96-15)BLACK BLOOD BROTHERS9 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 黒蛇接近― (富士見ファンタジア文庫 96-15)
(2008/06/20)
文庫

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【評価……A+
舞台 ★★★★★★★★★
 … 9
物語 ★★★★★★★★★
 … 9
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★★
 … 9
挿絵 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
オススメ度 ★★★★★★★★★★
 … 10
燃え ★★★★★★★★
 … 9
期待感 ★★★★★★★★
 … 9

「人と吸血鬼は共存することができると思いますか?」
ミミコは問いかける。
もしそうならば。手を取り合うことができるならば。いや、そんな未来が来ると信じるからこそ。頑張れる。たとえひとりぼっちでも。明日はきっと、ひとりじゃないって信じてるから。
十年前の香港で。今このシンガポールで。再び蘇る赤き血と黒き血の戦い。特区ではリンスケやバドリック、そしてサユカが、絶望的な状況の中、戦いを続ける。そんな中カーサたち『九龍の血統』は遂にシンガポールに上陸。狙いは今や『乙女』として世界の要となったミミコ!ミミコの危機にジローは間に合うのか!?

<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


やべえ!面白すぎる!

十分過ぎるほど身に染みていたはずなのに、もう凄すぎて笑うしかないね。

そんなBBBシリーズ第9巻です。
全てを網羅したわけでもないのに、現在続いているラノベシリーズ物でこの作品以上のものはないんじゃないかなと思えてしまうくらいクオリティが頭二つ分くらい飛び抜けてます。

7巻でSランクをつけたときに、今後7巻を超えるようなものは書けないんじゃないかと言いましたが、そんな心配もどこ吹く風。
やっぱりこの作者、スゲーわ。

1巻こそ掴みが微妙でしたが、それ以降は最初の1ページ、1行を読むだけで力強く物語に引き込んでくれます。
今回は、カラーページ1ページ目がそうでした。
開いてみた瞬間、ゾワッと体が震えましたよ。
本屋で見たとき、「他の本を悠長に眺めている場合じゃねえ!一刻も早く帰って読みてえ!」という気持ちになりました。

ストーリーは予想できそうで全然できません。
本来、血を吸ってしまえば転化させることができる『九龍の血統』は、小説的には非常に書きづらい要素のはずです。
何故なら、こういう一撃必殺の能力を持っていると、それだけで情勢を大きく変えることができるため、作者の観点からすると安易に乱用することができないはずなんですよ。
それに加えて、最終的には主人公側が勝つだろうというある種の安心感を持って読者は本を読んでいるため、実際に主人公サイドのキャラが危険に陥っても、心の底では大丈夫だろうと腹を括っていて、緊迫感が欠けてしまう――なんてこともあります。
そうなってしまったら、物語は盛り上がりません。

しかし、このBBBは違います。
本当にどう転ぶのかが分からないんです。
既にセイが『九龍の血統』の牙の前に倒れてしまったこともあって、誰がやられてもおかしくないという認識にさせられてしまっています。
安心感なってあったもんじゃありません。いつでもハラハラドキドキしっぱなしです。

逆からいうと、予想したくないという思いも強いですよねぇ。
この作品が、傑作として完結するためには、中途半端なエンディングはあってはなりません。
でもそうなると、どう足掻いても哀しい未来、いや、乗り越えないといけない現実が待っているわけで……。
どれだけの血がこれからも流れることになるのかと考えると、鬱になりそうで目を背けたくなってしまいます。

前回は、再出発の回だったことでバトルがほとんどありませんでしたが、今回は痺れる戦闘がありました。
血が流れるごとに、心揺さぶられました。。

いつものようにキャラ語りをすると片手では数えきれないくらいいます。
その中でも特に挙げるとすると、ジロー尾根崎会長でしょうか。
二人とも今巻で漢を上げ過ぎですよ。
この間やったBBBキャラソートは、この9巻が大きく影響してます。

ああ、カーサの存在を忘れるところでした。
サブタイトルにもあるように、カーサにとっても大きな局面を向かえた回でしたね。
彼女の深い因縁と複雑な想いに、哀しみを覚えずにはいられません。
あぁ、いつになったらカーサは報われる時が来るんだろう。

他にも短編の「BLACK BLOOD CHRONICLE」に出てきた吸血鬼たちも登場します。
ファンであれば、思わずニヤリとしてしまう演出がニクイ。

あと、今まで微妙だと感じていた絵が気合を入れなおしたかのように描かれていて嬉しかったです。
これくらいは描ける方だというのは分かっていましたので、手を抜いていたわけではないでしょうが、ようやく本腰を入れて描いてくれたか、という感じですね。

読み応え抜群のこのシリーズも、どうやらあとがきによるとあと2冊で終わりらしいです。
終わりのクロニクル』みたいに最後は1000ページとかでも大歓迎ですよ!

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  BLACK_BLOOD_BROTHERS  あざの耕平  草河遊也  評価A+ 

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