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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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『骨ドラゴンのマナ娘』4巻 感想 



骨ドラゴンのマナ娘」4巻のネタバレ感想です。

今までより温かみを感じさせる表紙ですね。
3巻までは青色の寒色系でまとめていたので緑と夕焼けが新鮮です。

しんみりと心に沁みるエピソードと小気味の良いコメディの応酬が楽しい。
シリアス一辺倒にならない匙加減が独特で、作者のバランス感覚が素晴らしい。

サトモリの一件は解決し、新たな竜との出会いは来訪という形でした。
過干渉の姉竜から離れた弟竜を探しに行くというストーリー。
作中内でも語られていますけど、レアな存在である竜と頻繁に遭遇するので感覚が狂ってきますね。

行方をくらました理由が寿命を悟り独りになるためだった、というのはまるで死期が近付いた猫のよう。
長寿であるので一体何年生きているのか不明ですが、兄や姉が寿命とは程遠い振る舞いからすると、平均から相当離れているのだと思われます。
ネムにとっては子の死が近いことを知り、少なからず複雑な思いだったでしょうね。
イブが察した時の唇を噛み殺した沈痛な面持ちには胸が痛くなりました。

本来、相手の話を聞かないのは人だろうと竜だろうと気分が良いものではないです。
コミカルに描いていますが、弟竜からしたら姉竜をウザったいと思ったのは本当でしょう。
読者から見てもそう思いますし。
でも、締めの言葉でもある通り、気に病みがちな弟竜にとっては丁度良い間柄なのでしょうね。

それにしても、兄弟竜たちは名前がないことが不便じゃないのだろうか。
姉さん、弟君では他の兄弟と区別付かないと思うんだけど。
ミィ姉さん、ヨウ兄さんと呼ぶイブの案を採用してもいいんじゃないかな。

兄弟の母親竜は一匹ではなかったことが判明。
四の群まで数えていたけど、全員死別なのかな。
渡りの竜に「古の」と呼ばれるぐらいネムは特別長寿だったのかもしれませんね。

人に対して警戒するエルフとしては、らしさ全開の里でした。
観光スポット化しているのは色んな意味で賢い。
隠したいものは秘密にしつつ、表面上は交流を深めて里を豊かにしているわけですからね。

細かい部分まで描写されていることに拘りを感じさせてくれます。
メッセージボイスを花の蕾に籠めて青い鳥に運ばせたり。
猫パンチで木の蔓をほどいて里の裏口を開放したり。
森林の中を泳ぐ霧鯨や、通行人を確認するワンコだったり。

この作品の世界観が本当に素敵です。

毎度のことだけど、イブが可愛くて愛おしいなぁ。
ネムだけでなく、ユウルやロゼが保護者気分で甘やかすのも共感が深い。
普段は生い立ちもあってか、淡々としたリアクションでシュールな笑いを引き起こさせてくれて面白くて。
それが竜のこととなると一変し、表情を大きく変化させるのでギャップによる破壊力がエグい。
魂召喚したことに引け目を感じてるイブがネムから肯定されて涙を流すシーンはエモかった。
次コマでロゼがイブの背中を押すシーンも含めて良かったです。

巻構成が考えられていて、長編がしっかり1冊でまとめられているのは好感が持てます。
非常に読みやすいうえに、次回への引きもバッチリでお見事。

そんなわけで、ネムの頭蓋骨に亀裂が入った続きが待ち遠しい。
残りの竜も3匹となりましたし、本作も折り返し地点には来ていそうですね。

テーマ: 漫画の感想

ジャンル: アニメ・コミック

タグ: 骨ドラゴンのマナ娘  骨ドラゴンのマナ娘(巻感想)  雪白いち 

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