人類は衰退しました2
2008/08/15 Fri 11:28:22 [edit]
![]() | 人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫 た 1-2) (2007/12/19) 田中 ロミオ 商品詳細を見る |
【評価……B】
舞台 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
人物 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
挿絵 ★★★★★★★★☆☆ … 8
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆ … 8
ほのぼの ★★★★★★★☆☆☆ … 7
わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は“妖精さん”のものだったりします。そんな妖精さんと人間の間を取り持つのが、国際公務員の“調停官”であるわたしのお仕事。……なんですが。高い知能を持つ妖精さんのまわりは不思議なことだらけ。理解不能なおかしな道具を創って、わたしの身体を小さくしたり。現場復帰する祖父の助手さんのお迎えに、何度も何度も行かせたり。……そんなこと、報告書には書けません!えっ?わたしが一因?ではないですよ!?お疲れの人類の脳に刺激と安らぎを……。 |
ゆるーい妖精さんたちの観察日記がお仕事である「わたし」の物語、第2弾。
今巻もちっこい妖精さんたちが自由気ままに暴れております。
妖精さんたちの愛くるしさは相変わらずで、ちっこい姿が縦横無尽に走り回る様はある意味無敵。
何気にドSな「わたし」と、明らかにM属性な妖精さんたちとのやり取りは和まされます。
話は2編に分かれています。
「人間さんの、じゃくにくきょうしょく」は、妖精さん並、またはそれ以上に可愛らしい「わたし」が見どころ。
一見ほのぼの描かれていますが、冷静に読めばシュールというか微妙に怖い話っすね、これ。
パロネタも豊富ですが、作品名を挙げると内容バレしてしまうので言えませんw
「妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ」は、なかなか凝った構成になっていて、意外と難解な内容です。
話の造りは面白い試みをやっているなと思うんですが、ちょっと読み難かったかな。
どちらも面白かったのは確かなんだけど、自分がこのシリーズに求めているものと若干のズレを感じました。
もっと「わたし」と妖精さんたちのニヤニヤするような絡みが欲しいんですよ!
非常に残念なことに、今回は肝心の妖精さんたちとの接触シーンが少なかったんですよねぇ。
その部分で、少し星を落としてしまいました。
しかし、しっかりと読み込むと実は深いテーマが隠されていることに気付きます。
そういう意味では、作者の実力を感じさせる一冊ですね。
まるで絵本のようなタッチで描かれるイラストは温もりを感じさせてくれます。
この作品の雰囲気作りに一役買っていますね。
1巻とはちょっと毛色の違いを感じましたが、十分楽しめました。
田中ロミオさんのファンなら買って損はないんじゃないかなと思います。
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 人類は衰退しました 田中ロミオ 山崎透 評価Bコメントの投稿
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