fc2ブログ

明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

01«1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.»03

【漫画総評】 あさひなぐ 





作者巻数連載期間
こさぎ亜衣34巻2011年1月~2020年9月

【感想】


平凡な女子高生が薙刀に出会って特別な自分に成長していく青春スポ根ストーリー。

熱いスポーツ漫画をお探しの方は是非一度手に取ってみて欲しい作品。
メッセージ性が強めで、読者の心に何かしらの感情を残していきます。
それは羨望だったり、ほろ苦さだったり、憤りだったり、感動と呼べる昂りだったり。

実直に頑張る姿が美しい。
挫折して涙を流す姿が愛おしい。
時折後ろ向きになるけれど、それでもひたむきに前を向こうと努力する彼女達の積み重ねに心を掴まされます。

一番のセールスポイントは心情の移ろいでしょうね。
クセの強い登場人物達の心の奥底が暴かれる様は、深みがあってリアルに感じられます。
表面的なキャラクター性もコメディとして面白かったり、シンプルな格好良さがあったりと非常に魅力的。
名前のある人物が何十人と存在するので、共感を覚えるキャラが一人や二人は見つかるはずです。

もちろんスポーツ漫画である以上、勝負に勝った負けたという展開にワクワクさせてくれます。
試合結果が予想し辛くて、単純に物語の先が気になります。

作中でも取り上げている通りマイナーな競技なのですが、ルールはしっかり説明してくれているので問題ありません。
体の動きが自然と表現されていて、防具を付けた重量感、薙刀の鋭さ、ドタドタと響いてきそうな足音など画力の高さは目を見張るものがあります。
迫力のある見開きページも多いので、電子書籍で見る場合はタブレットで横にして読むことをお勧めします。

読み始めると止まらない、止められない作品ですね。
推奨しなくてもハマってしまえば最後まで一気に読んじゃうと思います。


★こんな気分の時にオススメ!
・熱血モノに飢えている
・努力が報われて欲しい
・感極まって泣きたい


★この漫画が好きならこの作品も好きかも?














【ネタバレあり感想】 (クリックorタッチ)





巻数内容
1インターハイ予選
2vs國陵高校 練習試合
3体育祭で部活対抗リレー 夏合宿開始
4夏合宿終了
5昇級昇段審査 八十村将子の過去
6新人戦団体戦開始
7新人戦団体戦終了
8福留やす子登場
9和歌山合同合宿開始
10合宿交流戦開始
11vs愛山高校
12vs熊本東高校 選抜予選 紺野さくら離脱
13選抜本選 宮路真春vs戸井田奈歩 進級 新一年生メンバー追加
14関東大会予選開始 東島旭vs八十村将子
15関東大会予選終了
16部内戦 180本目ノッポとボブ
17インターハイ予選開始 第1回人気投票結果発表
18愛知薙vs新田桂香
19二ツ坂vs藤ヶ丘 宮路真春負傷 二ツ坂vs國陵
20団体戦決勝 東島旭vs一堂寧々
21代表戦 東島旭vs一堂寧々 関東大会本選
22東島旭vs河丸摂
23寒河江純&三須英子引退試合 男子表彰式
24熊本東エピソード 夏合宿開始
25夏合宿
26夏合宿終了 二ツ坂エピソード
27インターハイ本選開始 第2回人気投票結果発表
28vs弦平高校
29インターハイ個人戦開始
30インターハイ個人戦終了 団体戦決勝トーナメント vs出雲英豊高校開始
31vs出雲英豊高校終了
32vs熊本東高校開始
33大倉文乃&野上えり引退試合
34東島旭vs島田十和 宮路真春vs戸井田奈歩


▼心技体の成長

この作品の魅力は、思春期を過ごす学生達の成長する姿に詰め込まれているといえます。

地道な努力の末に上達する巧さは、主人公の旭を中心として見事に描かれています。
しかし、それ以上に各々のメンタルに重きを置いた感情の揺れ幅が素晴らしい。

成長というのは一歩ずつ着実に階段を登れるものではなく、時には立ち止まったり下りてしまうことだってあります。
過去に引っ張られている将子、周囲のスピードに置き去りにされるさくら、未来のために選択を迫られるえり。
創作物ならではない等身大の高校生が悩む問題に共感を覚える人が多かったのではないでしょうか。

「孵化しそうな卵があったら、見届けたくなるでしょ」

11巻のやす子のセリフがまさに本質を捉えています。
努力を積み重ねた旭の覚醒する瞬間に目頭が熱くなり、転んでも立ち上がる部員達に感動させられます。
主人公達と同年代の読者なら気分爽快な場面かもしれませんが、学生時代から遠ざかった大人にとっては子を見守る親の気分になりますね。


▼脇役というにはあまりにも輝いているキャラクター

登場人物の掘り起こしが深く、全員が青春を捧げていることが伝わってきます。
脇役だからといって手を抜くことなく、主人公と同じ一人の人間を描ききっています。

例えば、13巻から登場した愛知薙はその筆頭。
通常、この手の新メンバーは受け入れがたいことが多くなるものです。
どうしても初期から登場しているキャラと比べて、下級生キャラというのは愛着が薄くなりがちなんですよね。

薙の生意気な性格により部の和を乱されて、異分子混入したかのような不穏な状態にも陥りました。
結果的には、部内戦でさくらからえりの部長バトンタッチや旭と将子の確執解消という名場面続出となりましたが、読者視点からすると薙に対して負の感情を抱いてしまう流れだったと思います。
そんな薙が桂香にプライドをへし折られ、母への想いを吐露し、泣きながら薙刀をやめる発言する時にはもう大事な仲間の一人になっていました。
母から離れ、仲間に支えられ、泥臭く勝利をもぎ取ろうとする様には応援したくなりました。
最後まで生意気なままなところも根は変わらなくて良かったです。

毒舌で自己中なのに周囲を見れるさくらもお気に入りの一人。
後半は実力的に出番が少なめでしたが、彼女が背骨として部を支えてくれたおかげで旭や将子が輝けたんだと思います。
最終回でえりに抱き着いて号泣しているシーンが、部内戦の時と逆転していて印象的でした。

せっちゃんこと河丸摂も好きなキャラですね。
身体的な事情から短期決戦となったスタイルが、まるで居合の達人かのよう。
余分なものを削ぎ落して鋭くなった切っ先で一撃で仕留める姿は、彼女の生き様を表していました。

他にも挙げたらキリがないくらい、魅力的なキャラでいっぱいで語り尽くせないですね。


▼全国大会より地方大会の方が盛り上がるという漫画あるある

この作品は途中で一度事実上の完結を見せています。
それは、21巻のインターハイ予選団体決勝代表戦・東島旭vs一堂寧々。

表の主人公が旭であれば、裏の主人公は間違いなく寧々でしょう。
部内で交流を持とうとしない一匹狼で、それこそ薙なんて比べ物にならないくらいのプライドの塊。
事あるたびに旭と衝突してきた彼女との最大の一戦がそこにありました。

物語冒頭では文字通り天と地ほどの差があった実力が勝負になるぐらいにまで差を縮めたことに感嘆。
汗が飛び散り涙を流しながらも熱い想いで薙刀を振るう彼女たちの姿に心を震わされます。
互いの生き様を愚直なまでにぶつけ合ったことで、理解し合える関係となったのが嬉しかったですね。
一皮むけて吹っ切った寧々は、きっとこれからもっと強くなるんだろうなと想像させてくれます。

しかし、その反動というべきか、全国大会に向けて旭にとってのライバルが不在となってしまいました。
作者もその後の展開に苦労したそうですが、抜擢されたのが熊本東高校の島田十和。
後付けで肉付けした割りには良い立ち位置のキャラでしたが、寧々に比べると魅力は一歩劣ってしまうのは仕方ないですね。


▼描かれなかった宮路真春vs戸井田奈歩のラストバトル

東島旭vs一堂寧々と並ぶ黄金カードとして相応しかったのが宮路真春vs戸井田奈歩。
勝ち星予想から代表戦で戦ってくれるはずという期待通りの展開でテンション爆上げでした。
しかし、実際には勝負の行方は省略されることになり、賛否両論となったようですね。

単行本で読んでいると残りページ数から描かれないんだろうなとは予想できてしまいました。
個人的には納得はしているけど、正解だったかと言われると微妙なところだったと思います。

作者がWEB上の完結インタビューでも語っている通り、真春が代表戦に出て決戦を迎えられたことが全てなんですよね。
あの展開以上の盛り上がりを描くことは難しいですし、熱戦にしすぎると主人公の旭が霞んでしまう。
そういう意味では描かれなかったことは間違いではなかったのでしょう。

ただそれなら、真春のエピソードをあまりにも丁寧に描きすぎたのは逆効果だったかもしれません。
合宿と選抜で戦って再戦フラグを立てました。
真春が怪我をして仲間との団体戦を諦めてでも個人戦に絞ったのも奈歩と戦うためでしょう。
怪我を抱え何度も挫折し雨でも消せない泣き声を漏らした彼女が、決勝直前で負けた時の苦しみはどれほどだったのか。
どん底に落ちた彼女が、これからもずっと歩み続けるであろう薙刀の道を仲間から教えてもらい、舞台を用意してくれたことはどれだけ嬉しかったんだろう。
旭の物語は寧々との勝負で一度完結していましたし、真春と奈歩の勝負に没頭したかったとも思ってしまいますね。


▼マイナー部活作品好きにはたまらない

競技人口が少ない作品のメリットとして、主人公が素人でも成長して活躍することに違和感がないという点が挙げられます。
この作品が好きな人は「あさひなぐ」「とめはねっ!」「灼熱カバディ」なども好んで読んでそうなイメージがありますね。
薙刀を扱った別漫画を読みたいという欲よりも、マイナー部活モノを読みたいという気持ちが強くなりました。
もちろん、作者が新作発表した時はチェックしますけどね。

▼総評

シンプルに面白くて、出逢えて良かったとしみじみと思える作品でした。

それにしても、どうして実写映画化はされてアニメ化はされなかったのでしょうか。
完結作品でもまだチャンスはあるかもしれませんが、このままだと期待薄でしょうね。

テーマ: 漫画の感想

ジャンル: アニメ・コミック

タグ: 漫画総評  あさひなぐ  こさぎ亜衣 

△page top

« 2020年を振り返るPart1・新型コロナウィルス
涼宮ハルヒの直観 »

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

△page top

この記事に対するコメント

トラックバック

トラックバックURL
→http://akikakeru.blog117.fc2.com/tb.php/1925-bdea84c0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

△page top