明日へと続く記憶

アニメ、ゲーム、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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BLACK BLOOD BROTHERS 7-ブラック・ブラッド・ブラザーズ 王牙再臨- 

BLACK BLOOD BROTHERS 7 (7) (富士見ファンタジア文庫 96-11)BLACK BLOOD BROTHERS 7 (7) (富士見ファンタジア文庫 96-11)
(2007/04)
あざの 耕平

商品詳細を見る

【評価……S
舞台 ★★★★★★★★★★
 … 10
物語 ★★★★★★★★★★
 … 10
人物 ★★★★★★★★★★
 … 10
文章 ★★★★★★★★★
 … 9
挿絵 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
オススメ度 ★★★★★★★★
 … 10
燃え ★★★★★★★★★★
 … 10
完成度 ★★★★★★★★★★
 … 10

――いま、余らに必要なものは?
「覚悟を」
東の龍王セイに答えた賢者の一言は、特区の状況を端的に表現していた。
『赤い牙』への奇襲、そして『黄昏橋』の爆破で宣戦布告してきた『九龍の血統』。彼らの用意した罠は着々と機能し、父たる九龍王の遺灰を封じていた真銀刀を奪い、墓所の結界を消滅させた。状況は特区を守る側に、圧倒的に不利――。
ミミコは思い浮かべる。ゼルマンのそばにいると言ったサユカの顔。開戦を誇るように優雅に一礼するカーサの姿。彼女たちは、それぞれの“覚悟”を秘めていた。ならばあたしも、できることをしよう。
ジローさんと一緒に、戦い抜く覚悟を。今、特区で全てを乗り越え、新たなる力を生み出すための物語が始まる――。



凄い。

他に言葉が出てこないくらい、何と表現すればいいのか分からないくらい凄すぎる。
評価を限界突破のSランクにしたことで、少しでも僕が感じたこの本の凄さを伝えられているでしょうか。

著者が各所でスロースターターと言われる由縁がよーく分かりました。
7巻になってようやく真価を発揮するんですから、最初の数巻だけ読んだ人にとっては、あざの耕平の本当の実力を知らずじまいになってしまいますよ。
しかし、3巻をはじめ、ここまででも十分面白い内容を書いているわけですから、スロースターターというのはちょっと忍びない。
ここは、尻上がりと言っておきましょうw

5巻から始まった第2部は、この7巻で幕を閉じます。
6巻と7巻は続けて読むことを強くお勧めします。
まぁ、そんなこと言わなくても、6巻のあのラストを見て短編集に手を伸ばすことなんて出来ないかと思いますがね。
リアルタイムで追っていた人は、間に短編集が挟まれてヤキモキしたことでしょうw
良かった。ある程度巻数が発売されてから手を出してw


■ 物語
超大作映画に匹敵――いや、それを凌ぐほどの濃密で劇的な展開にただただ圧倒されます。
これまでに築き上げてきた様々なピースを土台にして、これでもか!と言わんばかりの大嵐が吹き荒れます。
見せ場の連続に息をつく暇なんて、とてもじゃないですがありません。

極上の一冊。
ボリュームも結構あるので、中途半端に読み進めるよりも時間がある時に間を置かずに読むことを激しく推奨します。
読了後は、続きが読みたい気持ちよりも、余韻に浸りたい思いの方が勝りました。
これほどまでの完成度の高さを誇るライトノベルは、後にも先のそうそうないでしょう。
僕が今まで読んできた本の中では、今作に並ぶ程の作品は2,3冊くらいしか知りませんね。


■ 燃え
いやはや燃えた燃えた。燃え過ぎた。
バトル物のラノベをあまり読んでこなかったということも多少ありますけど、燃え部門では間違いなく今まで読んできたラノベの中でトップに位置します。
予想だにしなかった展開と、期待通りの展開が絶妙のバランスでミックスされ、手に汗握るという言葉を身をもって実感させられました。

特区全土で火花が散っているため場面が目まぐるしく切り替わります。
各地での戦いの始まりに、鼓動の高まりを止められません。
そして、開戦後の、まるで吸血鬼になったかのように血が躍る程の興奮は、留まることを知りません。


■ キャラクター
様々な思いが錯綜し、そのどれもがとても重いものだというのがヒシヒシと伝わってきます。
心が張り裂かれるかのような想いに、涙腺が緩むのを自覚しました。

捨てキャラというのが、本当に一人たりともいない作品だなぁと感じてなりません。
これだけの数の登場人物をただ書き分けるだけでなく、しっかりと肉付けし、読者にドップリと感情移入させてくれる作者に感服いたしました。

キャラクターというのは作家の色が一番反映されやすい項目で、同じ作品内で似たようなキャラばっかりだったり、違う作品でも見たことがあるような造形だったりすることは少なくないかと思います。
あざの耕平さんの場合、引き出しが非常に多くて、被っていることがほとんどありません。
本物の人間が一人一人演じているかのようにさえ見えてきます。

特に男キャラは、同性でもカッコ良すぎて惚れてしまう人物に溢れかえっています。
中年男性を書かせたら、右に出るものないんじゃないでしょうか。
陣内は当然ながら、尾根崎会長や張など『カンパニー』の漢たちの生き様が素晴らしすぎます。

女キャラは、個人的にストライクど真ん中のキャラがいないということで、男キャラに比べると入れ込み具合は落ちてしまうんですが、それでも魅惑たっぷりのラインナップになっているかと。
ミミコ、カーサ、サユカ……。意志の力強い女性陣も見所の一つですね。
自分は、意志薄弱なアリスを推しますがねw


■ 総評
現段階では、紛れもなくBBBシリーズ最高傑作です。
今後、これ以上の盛り上がりを見させてくれるのか不安になるくらい、圧巻でした。
著者の実力に疑いの余地は一片たりともありませんが、あまりにも今作が傑作すぎて、これを超える物語を書き上げるのは至難の業ではないでしょうか。
ストーリーは、中盤よりも終盤の方が予想がつきやすいからね。
……といいつつ、そんな読者をあざ笑うかのような予想の遙か上を超えるクライマックスを期待w

締めも完璧。
綺麗すぎるまとめ方で、もう何というかお見事。

文句なしにSランクです。
これに満点の評価をつけなければ、今後付ける機会がないでしょう。
気にならないところがないわけでもないですが、まぁ突っ込むのも野暮ってもんです。

改めて、勧めてくれた八神さんに感謝!


以下、ネタバレ感想です。
どうしても今作の内容について語りたかったので、特別に折りたたんであります。

まだ読んでいない人は、絶対に見ないで下さい!
(コメントやトラックバックを表示すると、全文表示になってしまうので注意)


















































■ 陣内
6巻のラストで、覚悟はしていましたが……。
特区は、あまりに惜しい人を亡くしてしまいました。

 「あんたの代わりなんて、どこにもいねえんだぞ!」

リンスケの絶叫が胸に響きました。
セイが駆け付けたとき、間に合ったと喜んだのはリンスケだけでなく、自分も同じでした。
だからこそ、陣内が素直に死を受け入れたことにもどかしさが残ります。

陣内の根幹ともいえる人間と吸血鬼に対する思想は理解できますし、感動を覚えるほどです。
それでこそ陣内だと言えるし、ここで吸血鬼に転化するようであれば、それはもはや別人だということも重々承知しています。
でも、それでも、陣内には泥臭く生に執着して欲しかったと思う自分がいます。

陣内さえここで脱落していなければ、特区の被害はここまで甚大にはならなかったでしょうね。
そういう意味では、ザザ以外は意識していないでしょうが『九龍の血統』からして見ると、特区を崩す上でセイに次いで重要人物でした。
特に『カンパニー』に与えた衝撃は、はかりかねません。

 「見ていろ、九龍の死に損ないども。必ず根絶やしにしてやるぞ」

尾根崎会長のこの言葉に、胸が熱くなるのと同時に思わず涙。
信用はイマイチでも信頼はしていたことが如実に表しているセリフです。

 「これは個人的な見解ですが、どうも『あの若造』は、格好を付けすぎますな」
 「……ああ、同感だ」

上に同じ。
死してなおも魅せてくれる陣内。
一体どこまで先を見通せていたんでしょうね。

そんな陣内の想いを丸々引き継いだミミコは、いつか陣内が思い描いた世界を実現してくれることでしょう。
陣内には真似のできない、ミミコにしかできない方法で。
逆を言えば、ミミコではまだまだ実力不足のところも多々あって、陣内にしか出来ないことことは山ほどあります。
ミミコを裏から支えて欲しかったと願いやみません。

未練たらたらですね、すみません。
それだけ陣内が好きだったということで、ここは一つ見逃してください。

香港編があると信じて、再登場に期待します。


■ セイ
一言でいうならば「まさか」。
あのセイが討たれるとは、しかもこうも容易く敵の手に堕ちるとは、全くの予想外でした。
陣内の殉職は前巻の時点で避けるのが難しかったですし、ゼルマンだって伏線が張りまくられていたので覚悟していましたが、セイがやられるなんて青天の霹靂もいいとこですよ。

レーザーガンで撃たれた瞬間、血の気が引きました。
それでもセイなら踏ん張ってくれるはず、頑張れ!と心の中で応援してましたとも。
ザザの視経侵攻にだって耐えきって「余を誰だと思っている」という展開だと思ったのに。

カーサの吸血に恐怖しました。
今作は衝撃的なことがいくつも立て続けに起こりましたが、最もショッキングな場面でした。
もうお先真っ暗、絶望だとさえ思いました。

それだけ、セイの力が圧倒的だということが身に染みて感じていたんですよね。
今振り返ってみると、セイvsゼルマン戦の時に、余裕でゼルマンをあしらったところを見せたのは巧いですね。
あの『緋眼のゼルマン』でさえ子供扱いしたセイがいたからこそ、『九龍の血統』に攻め込まれても何とかなると思ったし、逆にザザに乗っ取られたことで勝ち目がなくなったと思わされました。
一騎当千を言葉通りに実行できる特区唯一の吸血鬼ですからね。

セイに死亡フラグが立つなんて考えてみたこともなかったです。
転化でも何でもいいから、最後まで生き残って欲しいなぁ……。


■ ゼルマン
陣内に続いて、どうして好きなキャラは皆先立っていくんだ……。
確かにゼルマンは一番死が近かったキャラですが、だからこそ最後まで粘り強く生き残る可能性もあると思っていました。
完全な主人公側というわけではないけど、ピンチになったら助けてくれるヒール役だというのは当たっていたのに、願いは儚くも散りました。

ジローとケインの劣勢時に登場したシーンは、お約束なのに鳥肌が立つくらい格好良かった。
しかも、参戦した理由が、お気に入りのラーメン屋に通うのに邪魔だからっていうんですから。
ゼルマンは憎たらしいくらい格好付けている様が似合います。

セイがザザに乗っ取られたことを気配を感じた直後に、ジローとケインに対して発した最初のセリフもそう。

 「……おい。お前ら、力を蓄えておけ」

それがどれ程信じがたいことであっても冷静に状況を判断し、即座に次に移すことができるのは、さすが800年生きた大吸血鬼です。
続いて出た「あと1,2回は螺炎を撃てる」という言葉は、セイvsゼルマンの再戦フラグだと思いました。

だからこそ、まさか真銀刀のダメージで倒れるなんて思わなかった。
結果的に、ラウは陣内とゼルマンの2人を殺したようなもんですよね。
頑張りすぎだろう……ラウ。

それでもまだ、陣内よりも救いのある終わりだったかと言えるのかな。
サユカに希望を、血を繋げられたことが嬉しかった。

ここだけの話、サユカには手首でも何でも吹っ飛ばして、ゼルマンに血を注いで欲しかった気持ちがあります。
駄目元でも、やるだけのことをやってから諦めて欲しかった。
まぁ、それは僕の中で圧倒的にゼルマン>サユカの図式が成り立っているからですが……。

笑って逝くことができて、良くないけど良かったです。
サユカにとってみれば、耐え難い哀しみでしたが。
頑張れサユカ頑張れ。


■ キャラクター総評
ジャネットに著者の人物描写の真髄が表れています。
彼女は6巻でその存在だけは書かれていましたが、実際に登場したのは今回が初めてのキャラです。
下手すると、何の思い入れもないキャラが緻密な物語内に混入することによって、不協和音となることも十分すぎるほど考えられるというのに、これだけのキャラがいる中で埋もれないほどの個性を持ちつつ、物語を盛り上げるために一役買っているのは驚愕と言っても過言じゃありません。

存在だけが語られていた人物としては、神父もいますね。
こちらの方は、1巻からの長い伏線がようやく花開きました。
これからは、陣内の立ち回りを彼がしてくれるんでしょうかね。

主要キャラのジロー、コタロウ、ミミコも言うまでもなく素晴らしかった。
まだまだ語りたいことは山ほどありますが、キリがないのでここで止めておきます。

この7巻は、あざの耕平さんの書く世界を思う存分堪能できる一冊でした。
大満足。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  BLACK_BLOOD_BROTHERS  あざの耕平  草河遊也  評価S 

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