ココロコネクト アスランダム 上
2013/05/30 Thu 23:27:58 [edit]
![]() | ココロコネクト アスランダム 上 (ファミ通文庫) (2012/09/29) 庵田定夏 商品詳細を見る |
【評価……B+】
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8 設定 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 物語 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 人物 ★★★★★★★★☆☆ … 8 文章 ★★★★★★★★☆☆ … 8 挿絵 ★★★★★★★★☆☆ … 8 | 青春 ラブコメ 家族愛 構成 SF | ★★★★★★★☆☆☆ … 7 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6 |
<ふうせんかずら>が五人に終わりを告げて四カ月。――その異変はクラスメイトから起きた。 唯の友人が、太一たち文研部を見て怯えるような態度を取り始める。さらに五人は、時折生徒の話し声が聞こえなくなるという不思議な感覚を味わう。終わらない現象に落胆しながらも、『他人から敵視される・隔絶される現象』だと推測するメンバー。しかし時を同じくして五人の中では一時的な記憶の消失が起こり始め……。 愛と青春の五角形コメディ。最終章、開幕。 |
【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>
ココロコネクト最終章の幕開け。
ラストエピソードは、上下巻構成かつ厚めの本となっています。
不思議な現状を打破するため、あえて考えてこなかった原因。
何故<ふうせんかずら>は、文研部メンバーに特殊な環境を強いるのか。
語られなかった物語が、暴かれます。
正直、最後までスルーされる設定だと思っていたので、正面から取り組んでいることに驚きました。
この作品の売りは、SF設定ではなく、その状況下における人間関係と成長でしたので、どちらでも良かったんですよね。
これまでとは異なる展開に、新たな面白味がありました。
しかしながら、今回の話はスケールが大きくなりすぎた気がします。
元々<ふうせんかずら>の超常的な力に際限は見られませんでしたが、これはさすがにやりすぎかも。
もっともらしい設定付けはありますが、何でもありという印象は拭えません。
もう少し小規模で収めていた方が、変に引っかからずに読めたかな。
文研部に留まらず、事態が大きくなっていき、次第に絶望感が漂います。
必然的に行き詰まっていき、明日はどっちだ?という状態。
その中で、太一たちが見つけた光が、今までと異なるアプローチで良かったです。
いつの間にか登場人物同様に視野を狭められていて、作者にしてやられたなぁと思いました。
そうですよねぇ、敵か味方かといったら、味方に決まってますよねー。
たとえ前提が覆ろうとも、作品の根幹は変わらなくて安心しました。
上巻だけあって、説明描写多く、トラブルもちっとも解決していません。
それでも読了感が悪くない構成となっており、むしろ盛り上がってきたところで次回に続くので、非常に気になります。
デレばんを始め、キャラの魅力が出にくい話だったのは、少々残念かな。
シリアスでも構いませんが、真面目な話を繰り広げている最中にボケをかますのがイイ味出しているので、コメディ抑えめだったのは物足りなさを感じますね。
キャラが多くなったことで、掘り下げが浅くなってしまっているのも否定できません。
展開的にはテンプレート通りとはいえ、じわじわと湧き上がってくるかのような高揚感があります。
システム側、主催者、超常現象的存在などと対峙するストーリーは、やはり燃えますね。
▼ | 当たり前のように近過ぎて、だからこそ気付かなかったことに気付く話 |
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 ココロコネクト 庵田定夏 白身魚 評価B+
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この記事に対するコメント
この引きで待たされるのは焦らされましたね。
記憶を消された状態でずっと話が展開していくのかと思っていましたから、『忘忘詐欺』だと感じていました。
今までのボスが普通の敵キャラになったみたいな印象を持ちました。 文研部の5人は、何だかんだ言っても、どうにかこうにか上手く解決してきた方だったんだな、ってしみじみと感じました。
アニメの方も落ち着いたらまた見ます。
記憶を消された状態でずっと話が展開していくのかと思っていましたから、『忘忘詐欺』だと感じていました。
今までのボスが普通の敵キャラになったみたいな印象を持ちました。 文研部の5人は、何だかんだ言っても、どうにかこうにか上手く解決してきた方だったんだな、ってしみじみと感じました。
アニメの方も落ち着いたらまた見ます。
URL | 紫電 #-
2013/05/31 01:38 * 編集 *
>紫電さん
下巻が待ち遠しかったのは確かですが、まだ区切りとしては良いタイミングだったなと思いました。
上巻だけでもキチンと起承転結で物語を完結しているところに好感を覚えましたね。
家族のことといい、文研部5人の異常さといい、当たり前のことを逆手に取るのが巧い作者さんですね。
下巻が待ち遠しかったのは確かですが、まだ区切りとしては良いタイミングだったなと思いました。
上巻だけでもキチンと起承転結で物語を完結しているところに好感を覚えましたね。
家族のことといい、文研部5人の異常さといい、当たり前のことを逆手に取るのが巧い作者さんですね。
URL | 秋空翔 #3huMpp/w
2013/06/01 02:19 * 編集 *
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