“夕顔”ヒカルが地球にいたころ……2
2013/02/05 Tue 23:59:02 [edit]
![]() | “夕顔” ヒカルが地球にいたころ……(2) (ファミ通文庫) (2011/08/29) 野村 美月 商品詳細を見る |
【評価……B】
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 設定 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 物語 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 人物 ★★★★★★★★☆☆ … 8 文章 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 挿絵 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 | ミステリー 恋愛 ツンデレ 期待感 | ★★★★★★★☆☆☆ … 7 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★★☆☆ … 8 |
取り憑かれ、うっかり友達になってしまった幽霊のヒカルのため、その“心残り”を晴らす約束をした是光。ヒカルが示した次の相手は、内気な引きこもりの少女だった。 夜にだけ咲く儚い花のような少女、夕雨。閉じた世界で幸せに微笑む彼女と過ごすうち、徐々に放っておけない気分になる是光だったが……。 何故か約束の内容を告げないヒカル。そんな中、夕雨を不登校にした“怨霊”の噂が学園に甦る。その正体を前に、是光は――!? 大人気シリーズ第2巻、登場!! |
【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>
源氏物語をモチーフにした淡く切ない、そして冷徹さを感じさせるシリーズ第2弾。
ひんやりと冷たい表面だからこそ、温もりが熱く実感出来るような作品ですね。
成仏し損ねたヒカルには、心残りのある女性が数十人いるらしい。
その中の一人、引きこもりの少女、奏井夕雨。
ヒカルと彼女の約束を果たすために、またしても赤城是光は人情で動くストーリーです。
物語が見事に練られていて、読み応えがあります。
ミステリー要素を含んだストーリー展開に振り回されるのが楽しい。
ヒカルの関係者は訳あり顔で慎重な姿勢を見せる中、強引に突破する是光が格好良いです。
やはり著者のキャラは掘り下げた分だけ、新たな一面を見せてくれますね。
しかしながら、ヒカルの肝心なことに関して黙秘する態度が気に食わない。
1巻でも指摘した部分ですが、あまりにも都合が良過ぎではないでしょうか。
言い訳らしきことも綴ってありましたけど、要するに結局是光のことを信頼していないわけです。
もちろん、ヒカルが隠していた事実が驚愕もので、最終的に語ることが出来なかった理由が判明するのでしょう。
それは分かっていても、是光に秘匿して裏から誘導しているように見えるヒカルの姿勢には納得がいきませんでした。
夕雨のキャラクターは、男性受けしそうだなと思いました。
か弱い存在で守ってあげたくなるような儚さを併せ持つ少女で、庇護欲をそそられます。
繊細で、しかし心に滾る想いは強くて、彼女の魅力がいっぱい詰まった内容だったと思います。
個人的には前回の葵の方が好きなので、出番がほぼなかったのが残念でしたけどね。
その代わりといっては失礼ですが、帆夏が素晴らしいツンデレっぷりを見せつけてくれました。
まさかこんなに早くデレデレになってくれるとは。
彼女の視点になった途端に、雰囲気がガラリと変わりますね。
素直になりきれずに葛藤する女の子は、もどかしくてたまりません。
是光にハーレムを形成する素質があると見込んで、ヒカルは取り憑いたのだろうか?
順調に女の子を囲みつつある是光は、一刻も早く女心を理解するべきだと思います。
この世界観では、下手すると刺されかねないですよw
最後の引きは強烈でした。
次巻の展開が非常に楽しみです。
▼ | 引きこもり少女に外の世界を見せたくなった主人公が彼女の過去に介入する話 |
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 ヒカルが地球にいたころ…… 野村美月 竹岡美穂 評価B
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