バタフライ×ブレイクダウン 1 君が世界を救うというなら
2013/01/16 Wed 23:58:27 [edit]
![]() | バタフライ×ブレイクダウン 1 君が世界を救うというなら (ファミ通文庫) (2012/05/30) 佐々原史緒 商品詳細を見る |
【評価……B-】
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6 設定 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6 物語 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6 人物 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6 文章 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 挿絵 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 | SF ラブコメ コメディ | ★★★★★☆☆☆☆☆ … 5 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 |
祐吾の前に突然“空から降りてきた”少女、桜庭せせりは未来から来た「時軸修復士」だった。 何でもこの時代の些細な出来事が巡り巡って未来の世界滅亡に繋がるのだと! ところがそれを阻止するための彼女の任務は恋のキューピッド役など何かと地味。果ては「はぁ!?トップアイドルの○○を××する!?」「協力してください!」「え?ま、任せとけ!ってか、そんなんで人類助かるの!?」 時代を越え運命を越える、崖っぷちのボーイ・ミーツ・ガールズ!! |
【感想】
「暴風ガールズファイト」の佐々原史緒さんが紡ぐ新たな物語。
未来から来た少女の手助けをすることになるタイムトラベル&ラブコメ作品。
タイトルは、バタフライエフェクト、又はバタフライ効果から。
日本人的には「風が吹けば桶屋が儲かる」の方が馴染み深いのかもしれません。
現代の些細な出来事が遠い未来で世界滅亡に繋がることを知った主人公・岡崎祐吾は、おっちょこちょいな時軸修復士・桜庭せせりに頼まれて世界滅亡を阻止する協力をすることになるストーリー。
読書中はそれなりに面白かったけれど、振り返ってみるとあまり印象に残るものはなかったかぁ。
良い意味でも悪い意味でも。
設定的にどんな無意味に見える任務であろうと実は意味として成すというのは、作者としては楽でしょうね。
好きなように話を弄りたい放題ですから。
しかし、何でもありだからこそ、物語の主軸を作り辛いのかもしれません。
遠い未来の結果を防ぐために、現代の関連なさそうな事象を食い止めるというのは、眼前の目的がどうしても希薄となってしまう傾向にあります。
ギミックとしては定番ではありますが、現代人の主人公側に危機感が足りないので、シリアスにはなりきれません。
おそらく狙ってコメディ重視の作品としているのでしょうね。
実際、祐吾とせせりのやり取りはなかなか楽しめました。
一見おっとり系の可愛い女の子に見えるせせりが、パワフルで豪快な性格で祐吾を振り回すのが面白い。
若干天然気味でポカをする彼女は、やるべきことに一生懸命で憎めませんね。
妙に思考が根暗だったり極度に自虐的だったりするのも良いスパイスになっています。
もう一方のヒロインである高峯揚羽は、見た目通りのツンと澄ました少女でした。
トップアイドルである彼女との関わり合いで芸能界の裏側などが描かれているわけですけど、何だかそちらの方がメインとして相応しい舞台だったような……。
彼女が所属するアイドルグループの面々も個性的で面白かったですし。
文章センスはさすがですが、ちょっと流行を意識し過ぎかな?
もっと作者自身の色を出しても良いのではないかなと思いました。
イラストは、H2SO4さん。
カラーイラストの女の子達が煌びやかで目を奪われました。
そのぶん挿絵になると、ちょっと魅力が落ちてしまうのは残念でしたが。
どうやら事情により2巻が最終巻となってしまったようですね。
伏線散りばめているけれど、回収できているのかなぁ。
▼ | 世界の未来を救うために少年少女が芸能界の裏側でアレコレする話 |
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 バタフライ×ブレイクダウン 佐々原史緒 H2SO4 評価B-
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