ココロコネクト 第4話「二つの想い」
2012/07/31 Tue 23:59:50 [edit]

挿絵と同じシーンを見ると嬉しくなるのは、自分だけではないはず。
「ココロコネクト」第4話視聴しました。
こうしてみると第1巻であるヒトランダム編は、5話以上必要だったなということがよく分かりますね。
前回の唯に引き続き、今度は稲葉が太一に救われる回でした。
原作1巻第七章「終わる。始まる。変わる。」の途中から、第八章「そういう風に生まれた人間」の終わりとなる183~238Pまでの55P分の割には、随分と端折っているように感じるのはどうしてでしょうか。
世間的には「オカズコネクト」とか「オカズランダム」と呼ばれているみたいですね。
その気持ちはよく分かる。
原作で初めて読んだ時の衝撃は凄まじかったですもん。
みゆきちボイスで囁かれると破壊力は増し増しでしたね。
ただ、アニメでは、先の展開を知っていたが故に、オカズインパクト以外の部分に目が行きました。
一番気になったのは、稲葉の人間不信に重みが足りなかったところ。
正直、ここは凄く共感できるところだっただけに、もどかしさを覚えました。
創作物において、いわゆる二次元キャラは、人間臭い思考を剥ぎ取る傾向があります。
単純に可愛かったり、格好良かったりする方が当然ながら受けがいいですから。
それをあえて青臭く描いているのが「ココロコネクト」の最大の特徴であり、売りなんだと思っています。
太一を始めとして、青木も唯も伊織も、真っ当な常識人なんですよね。
稲葉に言われるまで、犯罪云々など考えもしなかったくらいピュアな心を持っています。
疑心暗鬼になる方がおかしいのかと自分を責める稲葉の葛藤が痛いほどよく分かりますよ。
しかし、アニメでは台詞のチョイスが悪いのか、イマイチ稲葉の深刻度が伝わってきません。
確かに「小銭をくすねる」とも言っていますが、それだけをピックアップされると、何だかせこいイメージしか沸きませんよ。
原作から抜粋
「つーか、アタシはみんな多かれ少なかれ、人間はそんな一面を持ち合わせていると思っていた。 表ではどんなに『みんなのことを信頼してます』みたいな顔をしている時でも、裏では、やっぱある程度疑ってるんじゃないか、って。 でも、入れ替わってわかった。お前ら、アタシも含めてみんなのこと、本当に信用してるじゃん。そこの観点に関しては、恐いとか、全然、思ってないじゃん。 ……じゃあアタシは、なんなんだ?」 |
個人的には、稲葉の考え方は突飛ではなく、正常な思考パターンだと思います。
いくら仲間同士であっても、信用しきれないところがあるのは当たり前ではないでしょうか。
入れ替わりなんて超常現象が発生し、自分の身体が乗っ取られる状況で不安に思うのは、至極当然です。
この辺りの心情が弱く感じられたのは、ちょっと残念でした。
だからこそ、伊織の「心配性」という言葉が落差となって面白かっただけにね。
ラノベ特有の言い回しによる長文会話が多いのは、原作的に仕方がないところ。
では、それを如何に解消するかが脚本家の腕の見せ所なのではないかなと思うんですよ。
例えば、会話を短めに区切って間を空けるというのは、一つの手法ではないでしょうか。
伊織にしろ稲葉にしろ、告白という名の垂れ流しをしているように聞こえましたが、間を取り入れるだけでも受ける印象は大きく異なると思います。
何度も指摘してしまうくらい気になってしまいます。
内面描写を省かざるを得ないアニメだからこそ、間が必要になるのかと。
声優さんの抑揚だけではカバーしきれない部分もあるため、そこは構成側がフォローして欲しいですね。
まぁ……尺が許さないと言われると、反論しようがないです。
他にも構図で視聴者の目線を惹きつける手段もあります。
ただ、それ以前に、今回から作画が不安定になってきてますからねぇ。
作画崩壊までは達していないので、何とか踏ん張ってもらいたい。
稲葉だって子供。
人よりも優れた頭脳と洞察力で人間関係を円滑に掌握する彼女でも、精神が成熟しているわけではない。
大人びて見えても、稲葉も太一達と同じ高校一年生に過ぎないんだ――というニュアンスが果たして視聴者に伝わったのかなぁ。
そういえば、授業中に入れ替わりが起きて、稲葉の身体になった太一が吐き気を催し、即座にトイレに駆け込むシーンは演出的に見てみたかったな。
稲葉がどれほど辛い状況を我慢しているのかよく分かる流れだっただけに。
ところで、稲葉のオカズ発言の真偽が疑われているようですが、順調にいけばアニメ内でも判明するかと思われます。こうご期待。
ちなみに、最も面白かったのは次回予告でした。
毎回、予告からEDの流れが秀逸で、惹き込まれるように観てしまいます。
太一の叫び声に鳥肌が立ちました。
次は1巻のラストかな。
とことん重たいシリアス展開になることを望みます。
テーマ: ココロコネクト
ジャンル: アニメ・コミック
タグ: ココロコネクト ココロコネクト(アニメ話感想) 2012年放送開始アニメ
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この記事に対するコメント
ていうか、自分は稲葉んファンなのでもっと表現を多くしてほしい感情が全くおさまりません(;´д`)
最後に、ココロコネクトは神アニメだと
みんなに言わせるぐらいの演出を目指してほしいです
URL | アニメの息抜きに受験勉強を… #-
ラノベの原作1巻で5話構成にしてくれているところなど、比較的恵まれてはいるんですけどね。
人間欲深いもので、最低限のレベルをクリアしたら、更に上へ上へと期待してしまいます。
稲葉にしろ伊織にしろ、もう一段回深い心情をアニメで表現してくれると嬉しいなぁ。
それで、神アニメだという評価が付いてきたら、最高ですね。
URL | 秋空翔 #3huMpp/w
私も同感です。
時間の関係だということは分かっているのですが、むず痒いですよね。やっぱりアニメじゃ再現できない雰囲気っていうのもありますよね。
私も原作からの大ファンで、もう一人の自分と言えるくらい共感できる、大切な作品です。言葉にできないくらい大好き、というかなければならない存在です。
私も原作ファンとしても、稲葉が好きなものからしても、やっぱり全体的に重みが少し足りないなと思いました。
ココロコの魅力…もう少し引き出せるのでは…とも思います。
キズなんかでは、細かなとこでのそれぞれの優しさとか、陰で泥臭く頑張る姿とか細かな部分が重要になってきますからね。
私も5人、特に稲葉や伊織には凄く共感できて、ここは大切なところなので、もう少し台詞のチョイスを頑張って欲しいかもです。
確かにココロコはシリーズが長いので、アニメでは難しいかもしれませんが、見ていると、大切な部分だけ切り取っているという感じがしてしまっている気がします。
そのためか、やはり少しテンポが早いような気がします。急に展開が変わることも多いかと。
内容を知っているだけに、色々気になってしまいますよね。(私だけでしょうか。)
ココロコネクトをアニメにするとなるとかなり難しいですよね。少しずつ成長し、解決していくのが、やっぱり難しいですかね。
でも、30分もない中でも流れはちゃんとできているので、とりあえずは大丈夫かと。
なんてぐだぐだ言いましたが、結局は楽しんで観させてもらっています。
ただ、物足りなさを感じてしまうのが、少し引っ掛かりますが。
…嫌では無いのですが、
あら…無いや…。
という感じです。
ヒト最終回は稲葉、太一、伊織の作画が若干変わっていて嬉しかったです。今後も期待してます!
URL | あおば #-
どうしても原作の色眼鏡付きで観てしまいますよね。
伊織も稲葉も唯も抱える問題が軽く見えてしまうのは、仰る通り雰囲気の差なんだと思います。
まだ「ヒトランダム」は会話で成り立つ方だと思われますが、内面描写が多くなるキズランダムでは、地の文を上手く取り込めないと説明不足に陥りそうで少々不安です。
稲葉のあの心の揺れ動きをアニメで再現するのは、相当難しいでしょうしね。
伊織の多面性や、稲葉の人間不信は、今後も非常に重要なキーとなるので、下地はしっかりと作って欲しいという思いがあります。
ラノベ原作のアニメというのは、丁寧過ぎるぐらいでちょうどいいんでしょうね、きっと。
「大切な部分だけ切り取っている」という言葉に、なるほどと思いました。
確かにそんな印象を受けますね。
だからこそ、原作ファンからしても楽しんで観られる反面、歯痒く感じるのでしょうね。
忠実なまでに原作通りの筋書きなのですが、部分的に虫食い状態のため、結果的にテンポが早く感じるのだと思います。
元から細かい内面を多分に含んだ作品なので、アニメでは難しいと予想していました。
現時点では、下げていた期待のハードルをキッチリ超えてくれているので、ひとまずは安心しています。
後半になるにつれて、尺の融通が利かなくなる、なんてことだけはないようにお願いしたいですね。
URL | 秋空翔 #3huMpp/w
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