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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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とある飛空士への夜想曲 上 

とある飛空士への夜想曲 上 (ガガガ文庫)とある飛空士への夜想曲 上 (ガガガ文庫)
(2011/07/20)
犬村 小六

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読書期間:2012/5/19~2012/5/22

【評価……B+
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
ロマンス
燃え
世界観
期待感


 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8



 「美姫を守り単機敵中翔破一万二千キロ」その偉業を成し遂げたレヴァーム皇国軍の飛空士「海猫」の前に立ちはだかった最大のライバルにして、天ツ上海軍の撃墜王・千々石武夫。
独断専行により一騎打ちを仕掛け、海猫に敗れた千々石は、再戦を胸に秘めていくつもの空戦場を渡る。
「出てこい、海猫」激情の赴くままに襲撃を重ねる千々石のその背には、天ツ上の国民的歌手・水森美空の歌があった……。
空前の大ヒットとなった『とある飛空士への追憶』の舞台、中央海戦争の顛末を描く、新たなる恋と空戦の物語。上下巻で登場!

【感想】


「追憶」「恋歌」から繋がる「とある飛空士」シリーズ第三部。
こちらは、上下巻構成の上巻となります。
一応、単独でも読めますが、「追憶」の内容に大きく関わっているので、未読の方は先に読むことをお薦めします。

書き手も読み手も慣れてきた頃合いでしょうかね。
昨今のラノベには見慣れない堅苦しい文章も読み方が分かっていると苦労せず読めます。
最初は抵抗のあった専門用語や単語も気にならなくなりました。
むしろ、やみつきになりつつありますね。

どちらかといえば、スロースターターな傾向があるので、盛り上がるのは下巻からなんでしょう。
舞台の土台作りや説明に徹した内容となっていました。

「追憶」では敵側として描かれた天ツ上のエース・千々石武夫が主人公。
彼の生い立ちから始まり、海猫こと狩野シャルルとの一戦や、レヴァーム皇国と天ツ上の戦争の行方を追った内容となっています。
そして、その裏で人知れず切ないロマンスが繰り広げられています。

「恋歌」ではラノベに寄り添った印象を受けましたが、今作は原点回帰した硬派な作風となっていますね。
粗暴で不器用な男である千々石と、歌手を夢見る快活な少女・吉岡ユキ
幼い頃は、ただがむしゃらに上だけを見続けていれば良かったものが、歳を重ねることで身動きが取れなくなってしまう窮屈さが世知辛い。
時代と社会が許してくれない恋愛は、このシリーズにおける共通のテーマですね。
制限のある中でのロマンスは、もどかしさとなって心の奥底を刺激してきます。

好戦的な性格をしている主人公ということもあってか、空戦描写は増量しています。
大して知識のない自分でも、どこかで聞いたことのあるような戦局ですね。
一つの判断が局面を大きく左右する戦いに自然と手汗が湧きあがってきます。
国内でも随一の腕を持つ飛空士である千々石のエースたる所以を見せつけられました。
まだ前半ですから比較的優位な立場が続くこともあり、余裕はありますけどね。

千々石が海猫を好き過ぎて困る。
……というのは冗談ですが、戦闘中も常に海猫の影を探す千々石は、恋しているようにも見えます。
好意を寄せてくれる女性に背を向けて、何もない空を睨む彼が報われる日は来るのでしょうか。
「追憶」読者としては、海猫にも当然ながら思い入れがあるため、結末が見るのが不安でもあります。

とにかく伏線は仕込み完了。
果たして、これをどこまで仕上げてくれるのか、期待が高まりますね。

空のライバルへの渇望と切ないロマンスが交差する戦中物語

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  とある飛空士への夜想曲  犬村小六  森沢晴行  評価B+ 

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