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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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バカが全裸でやってくる Ver.2.0 

バカが全裸でやってくる〈Ver.2.0〉 (メディアワークス文庫)バカが全裸でやってくる〈Ver.2.0〉 (メディアワークス文庫)
(2011/09/23)
入間 人間

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読書期間:2012/4/24~2012/4/27

【評価……B
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 なし
 … 7
構成
完成度




 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8





 ついに僕はデビューした。
 ずっと夢だった、憧れの職業。小説家になった。すべてがバラ色、これからは何もかもがうまくいく……はずだった。
 デビュー作の『バカが全裸でやってくる』は、売れなかった。それはもう悲しいほどに。そして僕の小説家人生はまだ始まったばかりだった。
 担当編集から次作に課せられた命題は、『可愛い女の子を出せ』。まてまて。なんだその意味不明な無理難題は。好きなものを好きなように書くのが小説家じゃないのか?
 業界を赤裸々(?)に描く問題作登場。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


続編が出るとは思っていなかった「バカが全裸でやってくる」第2巻。
普通に読んでいたら、まんまと騙されました。
前回同様に、あとがきが最大のネタバレとなっているので、後ろからめくる人は要注意です。

しかし、これ感想書き辛いな。
内容に触れようとすると核心を突いてしまうので、表面上をなぞるぐらいしか出来ませんよ。

とりあえず、使用されたギミックは面白い試みでしたね。
その代わり、物語の起伏の無さは少々退屈だと感じる人がいても仕方がないかな。
入間人間さんのファンならば、著者自身のことを書いているんだろうなというニュアンスが多分に含まれているので、作品とは別口で楽しめましたけどね。
「電波女と青春男」はそんなにも苦痛だったのか……w

一応の体裁としては、小説家デビューを果たした『僕』の後日談。
縛られずに全裸でいられたアマ時代とは違い、作家として着膨れしていく若き小説家の日々を綴ったものです。
小説以外には何もなく、ただひたすらに書き続けるスタンスが、脳内の入間人間像と被ります。
きっと本音も混ざっているんだろうなと思いつつ、ニヤニヤしながら読みました。

ライトノベルに「可愛い女の子を出せ」という指令は、編集として至極当然であるとは思います。
魅力的な女の子キャラがいるだけで、華々しいってもんです。
昨今のラノベ業界は、些か一辺倒が過ぎるのも否めませんがね。

そういう意味では、ラノベキャラっぽくない甲斐抄子が素敵でした。
いかにもだらしのない女性として描かれるのに、何故か可愛いヒロイン役になっています。
普段から素であるが故に厳しさの割に嫌味がなく、言動に温かみを感じられるのが大きいのかな。
直接的な表現に頼らず、雰囲気で人となりを見せる術はお見事でした。

最後の問い掛けは、正解する自信がありません。
読書回数の問題なのか、読み解く力がないだけなのかは分かりませんが、答えが絞りきれないんですよねぇ。
でも、こうやって混乱しつつも推理するのが、この作品の楽しみ方なのかもしれません。

小説を書くことが生きがいであると作品の隅々から感じられる一冊

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バカが全裸でやってくる  入間人間  評価B 

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この記事に対するコメント

作家としての苦悩

 この本のギミックには全然気がつきませんでした。読み返してみると、まあ言われてみればたしかにそういう感じなんですね、と思ったくらいです。
 前半は話があまり盛り上がらなかったので退屈でした。

 入間作品を読むのはこれが6冊目になりますが、この本を楽しむには、僕が入間人間さんのことを知らな過ぎると思いました。
 毎月刊行とかも、速筆だから平気な顔してやってるのかと思っていました。
 『電波女と青春男』について現時点で僕が知っていることと言えば、水色の髪の毛のエリオという女の子が布団でぐるぐる巻きになっている、ということぐらいです。 メディアワークス文庫だけのお付き合いをしてみるつもりでしたが、とりあえず、みーまーと電波女の最初の1巻くらいは読んでみるかなあ、と考えました。

 執筆の苦悩や出版業界の事情が、当然ながらものすごくリアルですね。さまざまな作品を書いてこられて、出版業界の世知辛い面をたくさん味わってこられたんだろうなあ、と想像します。あるラインを境に印税が倍になるとか、生々しいです。

 今時のライトノベルっぽい展開について考えました。 邪神とか箱とかシスターとかが突然やってきて、それ以後は彼女たち中心の生活になったり。 ヒロインが性別を偽っていたり、実はオタクだったり、実はラノベ作家だったりして、秘密を共有して協力しているうちに仲が深まったり。 ひょんなことから妙な部活に勧誘されて、女性恐怖症を治すためだとか将来友達ができた時のためにとかいろいろ名目をつけて女の子に引っ張り回されて、実はそれが嫌じゃなかったり。 セカンド幼馴染が2組に転校してきたり。
 そういういかにもな話をできれば書きたくない人がラノベ作家をするには、今はちょっとやりにくい時代なのかもしれないな、と思いました。

URL | 紫電 #-

2012/06/06 23:38 * 編集 *

>紫電さん
ギミックとしては面白いけれど、理解しても爽快感みたいなものは薄めですね。
前巻と連続して読めばまだ良かったのでしょうが、忘れてしまっている部分もいくつかありました。
入間さんの話にはよくあることですけど、物語が平坦なので、どこで楽しんでいいのか分からないという人はいるかもしれません。

MW文庫だけ読んでいる人では拾えないネタも多かっただろうなと思います。
元々クロスオーバーが大好きな方なので、他作品を読まないと意図が理解できないものもあったりしますね。
そういう意味では敷居の高い作家さんだと言えます。

定番ネタを並べればある程度計算できるというのが出版社の本音でしょうね。
読み手としては、その上を行って欲しいと常々思っているのですが。

入間さんの作品で一番好きなのは、みーまーですが、最もお薦めし辛い作品でもあります。
気に入っていただけると嬉しいんですけどね。

URL | 秋空翔 #3huMpp/w

2012/06/09 00:21 * 編集 *

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