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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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AHEADシリーズ 終わりのクロニクル7 

終わりのクロニクル〈7〉―AHEADシリーズ (電撃文庫)終わりのクロニクル〈7〉―AHEADシリーズ (電撃文庫)
(2005/12)
川上 稔

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読書期間:2012/4/9~2012/4/24

【評価……B
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
燃え
世界観



 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7




 2nd-Gの概念化で命刻の攻撃を受け、危篤状態に陥った新庄……。
 一方、その命刻は詩乃を抱え、かつてTop-Gで新庄の両親が作り上げた、概念創造機械ノア=バベルへと向かった。
 そして、マイナス概念の活性化により、全てが喪われる運命の日――。
 佐山たち全竜交渉部隊は、己の全ての力と想いを込め、最後の戦闘を開始する!
 果たして、彼らは滅亡の危機から世界を救うことができるのか!?
 全竜交渉は、未来への道を拓くことができるのか!?
 オールキャストが揃い、「終わりのクロニクル」、遂に感動の完結!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


終わりのクロニクル、最終章。
長く続いたAHEADシリーズは、ここで一つの完結を迎えます。

まず最初に語らねばならないのは、内容ではなく厚さでしょう。
電撃文庫初となる1000ページ越えは、噂に違わぬ重量感で鈍器と呼ばれる所以を身を持って体感しました。
確かに最初から最後までクライマックスが続くのですが、一冊にまとめる必要性があったのかと問われると、ただ読みにくかっただけだと思います。
改行が多くて、紙面に載る文字の割合が少ない。
本の値段は安くなったのかもしれませんけどねぇ。

そんなわけで四苦八苦しながら読み進めました。
物事を段階的に捉えた書き方をする特徴は、とうとう最後まで変化ありませんでしたね。
話が盛り上がるところと単調なところの差が激しく、一定のペースで読むのは難しいです。
作者のアクが強い文章が、全てを同じ彩色にしてしまっているような印象がありますね。

登場人物が増えれば増えるほど、一人当たりの見せ場が減るはずなんですが、この方は万遍なくレギュラーメンバーに機会を与えています。
だからこその量で、面白いんだけどゲップが出てしまいますね。
もう少し直接的かつ簡略的に書いてくれると、ページをめくる手も早く動いたんですがね。
メリハリが足りなかったかな。

川上節のおかげで、キャラ造形が似通っており、人数の割には幅は狭く感じました。
良キャラ揃っているし皆好きだと思う反面、お気に入りキャラは特になく。
強いて言えば、口が立つ佐山かなぁ。
そして、彼が本気で動揺すればするほど物語的には面白かったですね。
中盤で気持ちの整理をつけようとする佐山は、普段見ることが出来ない哀愁を漂わせていて、珍しく直に心を触れたかのような感覚でした。

ギャップという意味合いでは飛場竜司の活躍は嬉しかった。
10代の癖して妙に達観している面子の中で、がむしゃらさが輝いて見えました。

至とsfの関係性は、もはや一種の様式美とさえ言えると思います。
幾度となく繰り返してきた禅問答により作り上げられた二人だけの距離感が良かったです。

全竜交渉と大々的なことを掲げながら、争いの種は限りなく個人的な事柄が発端なのか。
結局のところ、それが人の動機や指針となるのかもしれませんけど、如何せん小物っぽく感じてしまいました。
世界を巻き込んでおいて、命刻は詩乃に比べると覚悟が足りなさ過ぎます。
全竜交渉部隊の面々もそうですが、死人が出ていることを頭で理解していても感情は麻痺しちゃっていたのかなぁ。
第1章の頃は、そうではなかったはずなのに。

その一方で、身近な人物や親、過去に護国課に携わってきた者たちの想いは余すところなく引き継いでいます。
それは素晴らしいことなんですが、その熱意をちょっとでも端役に分けてやって欲しかったな。
まぁ、シリアスなはずの場面でギャグで流されることが常の作品では、野暮ってもんかもしれません。

さとやすさんの絵は安定しているなと思っていましたが、1巻と7巻を見比べるとまるで違いますね。
気付かないうちに、相当腕を上げていたことに驚かされました。
ラノベでエロの限界に挑んでいるかのようなモロな絵が多かったのもビックリしました。

さすがに達成感はありますね。
通算14冊で1冊単位のページ数が半端じゃないので、本当に長かったです。
すぐさま「境界線上のホライゾン」に取り掛かる気力は沸きませんが、いつかまた挑戦してみたいなとは考えています。

長距離を短距離走のスピードで駆け抜けるかのような最終決戦

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  終わりのクロニクル  川上稔  さとやす  評価B 

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