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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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バッカーノ!1932-Summer man in the killer 

バッカーノ!1932‐Summer―man in the killer (電撃文庫)バッカーノ!1932‐Summer―man in the killer (電撃文庫)
(2011/06/10)
成田 良悟

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読書期間:2012/4/4~2012/4/8

【評価……B
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
構成





 ★★★★★★★★☆☆ … 8






 その夏、死を恐れる新聞記者は殺人鬼と出会い――死にたがりの少年は、不死者と出会った。

 1932年、NYの街を恐怖に陥れていたのは、『アイスピック・トンプソン』が現れるのは決まって雨の日。アイスピックを凶器に何度も何度も突き刺され、雨が血を流していく――。
 DD新聞社をはじめ、連続殺人鬼の記事や話題で持ちきり中、警察はグラハム・スペクターという不良少年に疑いをかける。一方、NYを訪れていたエルマーも殺人鬼にあたりを付け始め、グラハムと出会うことに。そして、自分の関係者が殺されていくガンドールたちも、徐々に事件の中心へと近づいていき……。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


「バッカーノ!」シリーズ通算16冊目。
1930年代でも時系列はまたまた遡って、2冊目となる1932年のエピソードになります。

元々、アニメDVDの特典として執筆された話を加筆して出版したものらしいです。
以前にもドラマCDの特典を通常販売されていましたが、この配慮は非常に有難い。
限定版などを買い揃えている人からすると、納得がいかないであろうとは思いますけどね。

連続殺人鬼が出没した街を舞台に、表と裏で多数の組織が関与し、思わぬ方向へと話が流れていきます。
思惑が入り乱れた結果、誰もが予想だにしない結末へと展開する構成は、もはやお手の物。
作者らしいパズル的な物語構造は、先が読めそうで読めないバランス加減が面白く、単に物語を受け止めるだけではなくて、楽しませて貰っている気分になれます。
さすがに、これだけの数を読んできたら、無闇に死人を作らず、哀しみを悲劇ではなく喜劇に変える作風が得意だというのは百も承知です。
おかげで、読了感が良く楽しめますね。

既存キャラで物語の中心に存在するのは、表紙にも登場するエルマーとグラハム。
登場人物が多過ぎる作品ですので、もはやどこで交流があるのか覚えきれなくなってきました。
最初、この二人が出逢っていたことに驚きましたが、考えてみれば気が合いそうな性格してますよね。
異常気質を持った人間同士、共感する部分があったようです。

しかし、どちらかといえば、彼らは傍観者というか付添人みたいな感じかな。
殺人鬼を軸として、新キャラが物語を動かしています。
ただでさえ、一部キャラ背景を忘れつつあるのに、これ以上増やされると、理解が遠のいてしまいそう。
人物関係図が欲しくなってきました。

一つの事柄に集結していくのではなく、小刻みにどんでん返しがあるような印象でした。
推理する楽しみもあると思いますけど、バカ騒ぎに乗っかって、まんまとミスリードに騙されるのも楽しくなります。

残すところ「バッカーノ!」シリーズは3シーズンだそうで。
これだけ撒き散らした伏線と相関図をどのように回収してくれるのか。
期待したいと思います。

断片的な情報で紡がれる得意の群像劇が先の展開を渇望させます

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バッカーノ!  成田良悟  エナミカツミ  評価B 

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