アクセル・ワールド10 ―Elements―
2012/05/21 Mon 23:44:29 [edit]
![]() | アクセル・ワールド〈10〉Elements (電撃文庫) (2011/12/10) 川原 礫 商品詳細を見る |
【評価……B-】
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 設定 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6 物語 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6 人物 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6 文章 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 挿絵 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 | SF 燃え | ★★★★★★☆☆☆☆ … 6 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6 |
『遠い日の水音』――西暦二〇四六年、秋。新生≪ネガ・ネビュラス≫の一員となったシルバー・クロウことハルユキだが、とある過失でバーストポイントを急激に減らしてしまう。窮地に立ったハルユキに、タクムは加速世界の≪用心棒≫を雇うことを提案する。 『最果ての潮騒』――西暦二〇四七年、春。新入生・能美征二の策略によって、かつてない危機に陥ってしまったハルユキ。時を同じくして、黒雪姫は修学旅行先の沖縄で、奇妙なバーストリンカーに≪対戦≫を仕掛けられていた。 『バーサス』――西暦二〇四七年、春。ハルユキはブレインバースト内で、黒い剣士の姿をしたアバターと出会う。次元の壁を越えて、二人の主人公が激突する! 待望の特別編! |
【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>
「アクセル・ワールド」10巻にてシリーズ初の短編集です。
収録されているエピソードは、いずれも時系列的に随分前の話ですね。
『遠い日の水音』は、1巻と2巻を繋ぐお話。
アニメ放送前に文庫化したかったんでしょうね、きっと。
レベルアップにポイント消費することを知らなかったハルユキが、バーストリンク消失の危機に陥り、用心棒の力を借りてポイントを安全圏まで回復しようという展開。
リアバレの恐怖を作中で散々説いておいて、この流れは不自然だと思いました。
というか、もしハルユキが逆の立場ならば、タクムの提案をそっくりそのまましたでしょうし、仲間に助けを請うことは何ら恥ずべきことではないんですから、二人で協力して苦難を乗り越えればいいのに。
その割には、用心棒ことアクア・カレントを安易に信頼しすぎだしなぁ。
己のポリシーを貫くことも立派ですが、時と場合によるでしょう。
『最果ての潮騒』は、3,4巻のダスク・テイカー編の裏で黒雪姫に起きた事件が描かれています。
ハルユキのピンチに颯爽と天馬に乗って現れたことから、何かあったんだろうなとは思っていましたが、思ってた以上に濃い時間を過ごしていたんですね。
ただ、これまた設定的に無理があるような気がします。
前々からこの作者は、面白そうな世界観を作り上げ、緻密な設定があるように見せかけて、希望と勇気とノリで破壊してく傾向があるんですよねぇ。
これで燃えたり感動したりするか、矛盾を感じて楽しめないかは人次第なのでしょうか。
基本的には面白いだけに、強引さは目立ちます。
良かったのは、珍しく味方サイドにクリムゾン・キングボルトという男性アバターが出てきたこと。
まぁ、女キャラはそれ以上に出てきていますけど。
最後は、川原礫さんが書くもう一つの大作「ソードアート・オンライン」とのコラボ作『バーサス』。
AW4巻直後辺りのハルユキと、SAOの主人公・キリトのデュエルが描かれた内容です。
両作品とも読んでいる身としては、お祭り的なSSとして楽しめました。
まぁ、何だか相手側をべた褒めしているのが自画自賛っぽく映ったのと、実力拮抗しているのに違和感を覚えましたがw
二人が勝負するということだけは知っていたので、夢オチとかifストーリーとかパラレルワールドとか、色んなパターンを妄想しました。
結果としては、ジャンプ系アニメの劇場版みたいな感じでしたね。
しかしながら、SAOを知らない人にとっては微妙だったでしょうから、人を選びますね。
一応伏線もばら撒いてはいますが、いかにも番外編といった一冊でした。
そういえば、初めて黒雪姫ピンの表紙から、ヒロイン勢3人になっていますね。
楓子も謡も作中に出てきませんから、本当にサービス以外の何物でもありません。
▼ | 物語の合間や裏側を補間する意味合いの強い短編集 |
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 アクセル・ワールド 川原礫 HIMA 評価B-
« 正捕手の篠原さん2
アクセル・ワールド 第7話「Restoration;修復」 »
コメントの投稿
この記事に対するコメント
トラックバック
| h o m e |