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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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ボンクラーズ、ドントクライ 

ボンクラーズ、ドントクライ (ガガガ文庫)ボンクラーズ、ドントクライ (ガガガ文庫)
(2012/01/18)
大樹 連司

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読書期間:2012/2/27~2012/2/29

【評価……B
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
 … 3
青春
恋愛
友情
浪漫
切なさ

 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6


 あの頃の僕らは、恋がどんなものかも知らなかった――。
 ネットもケータイもまだ馴染みがなかった1999年、とある片田舎の高校。主人公の肇とカントクは、夢だけは大きく「日本の特撮映画を変えること」だが、映画の撮影準備と称して憧れの特撮ヒーローになりきる「ごっこ遊び」に興じてばかりのボンクラ映画研究部。そんな「撮らない」映画研究部に、わけありの美少女が飛び込んできて――。
 男子ってやつは、バカで、むき出しで、まっすぐで、最低だけど最高だ!!
 誰しもが通り過ぎる、恥ずかしく、苦く、痛々しい青春模様。

【感想】


1999年、舞台は田舎の空気が香る高校。
男2人と女1人の高校生達が、本気で映画撮影に精を出す青春小説です。

もう題材が好み過ぎる。
携帯電話の普及が学生にまでは広がりきっていない時代。
ろくな活動をしていない映研部員である男2人の前に現れた元映研部所属の美少女。
世代的にど真ん中ということもあって、あらすじを読んだ時点で購入が確定しました。

大した数を観ていない人間でも、映画は永遠の浪漫だと思いますね。
映画撮影に情熱を注ぐ若者達の物語を何本も読んできたので、汗と涙の結晶という言葉が過言でないことぐらいは分かります。
まさに青春の1ページの代表格として、古典から幾度となく使用されてきた題材です。

ただ今作は、そんな熱さよりも、三角関係の恋愛方面に焦点が当てられています。
甘酸っぱい恋模様ではなく、キリキリと胸が痛むような感じ。
思わず学生時代を思い出してしまい、主人公達が堪らなく羨ましい。
世界の全てがたった一つのことに収束してしまっているような錯覚……いや、当の本人にとっては間違いなく真実で、だからこそ身体の内から震え、連動するように心も不安定になるんですよね。

しかし、残念なことに、この作品ではあと一歩が届いていません。
主人公の立ち位置は素晴らしいですし、配役も王道から外れず、見事な関係を形成しています。
結論は悪くないのに、作者が物語から逃げちゃっているのが非常に勿体無い。
ここからが本番だろうというところで、軸が若干ズレちゃっているんですよね。
だからこそ美しいともいえなくもないのですが、もっともっと心を掻き乱させて欲しかった。
250p弱で一冊完結ならば、ここが限界だったのでしょうか。

著作「ほうかごのロケッティア」と比べると、文章に力強さが見られませんね。
サラサラと綴られた言葉は、軽めで読みやすい反面、心に訴えかける力も弱かった。
意識してテイストを変えたのかなぁ。

雰囲気は終始良かった。
中盤で登場人物の根幹に触れるようなエピソードがあれば、ラストへのカタルシスへと繋がったんですけどね。
このままでも面白かったと言えますけど、更にワンランク上に行くチャンスがあった本でした。

映画撮影に青春を注ぐ裏で紡がれる男子高校生の切ない恋物語

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ボンクラーズ、ドントクライ  大樹連司  白味噌  評価B 

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