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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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龍ヶ嬢七々々の埋蔵金1 

龍ヶ嬢七々々の埋蔵金1 (ファミ通文庫)龍ヶ嬢七々々の埋蔵金1 (ファミ通文庫)
(2012/01/30)
鳳乃一真

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読書期間:2012/2/15~2012/2/26

【評価……B-
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
浪漫
ラブコメ
ミステリー
構成
期待感

 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8


 「八真重護、島流しの刑に処す」と親父に勘当された俺を待ってたのは人工学園島の極貧生活と、激安アパートの美少女地縛霊だった!
 その名も龍ヶ嬢七々々様、生前はGREAT7の中心人物だったが今やネトゲ三昧のニート地縛霊。コレって一応美少女と同棲?俺、始まった!?否、始まったのは島中に隠された≪七々々コレクション≫を巡るノー冒険・ノ―ライフな争奪戦の日々!!
 第13回えんため大賞「大賞」受賞の奇想天外トレジャーハント・ロワイヤル!!

【感想】

第13回えんため大賞<大賞>受賞作品。
「吉永さん家のガーゴイル」以来、8年振りとなる<大賞>となります。

家業を継がないと宣言した途端に勘当された主人公・八真重護は、文字通りの島流しに遭う。
辿り着いた先は、≪学生特区≫とも呼ばれる学生のための施設が充実した学園島だった。
極貧生活を強いられた重護に選択の余地はなく、格安の物件を紹介されたところ、そこは美少女地縛霊が住む部屋だった……という展開。

なるほど、大賞に選ぶ理由も納得できる魅力的な本でした。
様々な要素が入り乱れつつも、最低限まとめるべきところでまとめていると思います。
並みの新人ならば、ここまで詰め込んだ段階で破綻してしまっているでしょう。

タイトルにナンバリングある通り、最初からシリーズ化が約束された作品です。
それこそ埋蔵金のように随所に伏線が埋められており、期待感を存分に煽ってくれます。
とはいえ、風呂敷を広げるだけではなく、しっかりと土台となる部分で物語を完結させていることに好感を覚えますね。

地縛霊・龍ヶ嬢七々々が生前に島のどこかへ隠した埋蔵金こと≪七々々コレクション≫を探し出すというコンセプトが目新しくて面白い。
チート的能力を持つアイテムに目を眩んだ人間や組織が暗躍し、こぞって宝探しを始めます。
二転三転する痛快なドタバタコメディのタッチに描かれるため、陰湿さはありません。
少年心をくすぐるドキドキワクワクさせられるアドベンチャー小説というのは、最近なかったですね。
エンターテイメント作品として生み出された物語というのが、良く分かります。

登場人物が多い割には混乱することなく、一人称で群像劇が楽しめますね。
ただ、キャラ描写には偏りがあります。
特に表紙とタイトルを飾る龍ヶ嬢七々々が、大して出番がないところが活かしきれてないなと感じました。
地縛霊という設定はインパクトがありますが、場所移動できないのが致命的に物語を動かしにくいですね。
単なる一発ネタとは考え辛いですし、何かしらの意図があるんでしょう。

一方で本当のメインヒロインは彼女ではないかと言わんばかりに活躍するのが、名探偵・壱級天災
常に自信を漲らせ、例え周囲から馬鹿にされようが探偵を夢見る突き抜け具合が格好良い。
天災に限らず、この作品のキャラは一貫した信念を持っていて、気持ちが良いですね。
重護の父親の台詞一つを取ってみても、潔くて痺れます。

難点もいくつかあります。
焦点がブレる物語、地味な脇役、ライト感覚であやふやな設定などなど。
素材は良くても調理がたどたどしく、面白いとは思ったシーンも飛び飛びで、読むのに時間がかかりました。
同じく過去のえんため大賞受賞作「ココロコネクト」「空色パンデミック」などと比べると完成度は明らかに劣ります。
ですが、磨きあげると輝き出す原石という意味合いで<大賞>を受賞したということならば、相応しいのではないでしょうか。
面白そうな仕掛けを用意したんですから、今後のハードルは高いですよー。

大人も子供も関係なく不可思議な道具に魅せられて追い求める冒険小説

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  龍ヶ嬢七々々の埋蔵金  鳳乃一真  赤りんご  評価B- 

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