AHEADシリーズ 終わりのクロニクル6<下>
2012/02/21 Tue 23:58:51 [edit]
![]() | 終わりのクロニクル (6下) (電撃文庫―AHEADシリーズ (1176)) (2005/11) 川上 稔 商品詳細を見る |
【評価……B+】
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8 設定 ★★★★★★★★☆☆ … 8 物語 ★★★★★★★★☆☆ … 8 人物 ★★★★★★★★☆☆ … 8 文章 ★★★★★★★★☆☆ … 8 挿絵 ★★★★★★★★☆☆ … 8 | SF 世界観 構成 | ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★★☆☆ … 8 |
“軍”の元9th-Gの将軍ハジの糾弾により全てのGの信頼を失ったLow-G。それに対して、各Gは概念核の返却を求め行動を開始し、全竜交渉部隊に再び高いを挑む。 一方、出雲へと向かった佐山と新庄はそこで8th-Gの全竜交渉を行い、更にはTop-G崩壊の鍵となった新庄の母親・由紀緒の過去を知るために堺へと向かうこととなった……。 その後に佐山が取り行おうとしている“最終手段”とはどのようなものとなるのか、その場で明かされる衝撃の真実とは!?全竜交渉の結末は!? 次巻、「終わりのクロニクル」シリーズ、遂に完結! |
【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>
終わりのクロニクル第6章、後編。
これは来た。
これだけ面白いと感じたのは第1章の上下巻以来でしょうか。
今更言うまでもありませんが、非常に癖の強い作家さんですよね。
物事の運ぶための手段として文章が並べられていて、機械的な印象を受けます。
それは冷たいイメージがあると言っている訳ではなく、緻密で正確であるということです。
物語を描くというよりも、世界を作っているという感じ。
絶妙なバランス感覚で重ねられた事柄を、必要なタイミングで開示する構成力が素晴らしい。
緻密な設定を矛盾させずに綴ることができるのは、それだけで一種の能力だと思います。
今回何と言っても見所は、各Gとの交渉でしょう。
シリーズの特徴ともいえるんですが、それが読み応えたっぷりとなる量が詰み込まれています。
いかなる不利な状況下でも、口達者な佐山が打破していく展開が楽し過ぎます。
作品の性質上、戦闘描写が多いのですが、細か過ぎて逆に分からないことが多々あります。
動き全体を説明するのではなく、個々の動作を繋げていく文章は、時折見失ってしまいます。
ギャグを織り交ぜたセンスは、好みの差はあっても、優秀であることには違いないでしょうね。
毎度ながらラノベトップクラスの量を誇るさとやすさんのイラストに惹かれました。
R指定入っちゃうエロい意味ではないですよ?
まぁ、まさかの○○解禁には驚きましたけどw
そうではなく、各G代表の絵や最終章のカットが見事だった章題のことですね。
コミカルな絵柄が目立ちますが、シリアスな表情も息をのむ完成度です。
物理的に長かった物語も遂に次でラスト。
とうとう伝説の鈍器に手が届くところまできました。
あの物量だと、丸一日費やしても読み切る自信がありません。
続きが気になる最後だったので、時間を見つけては読み始めてみたいと思います。
▼ | 会話の組み立てが面白い交渉術が存分に味わえます |
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 終わりのクロニクル 川上稔 さとやす 評価B+
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