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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない 

二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない (集英社スーパーダッシュ文庫)二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない (集英社スーパーダッシュ文庫)
(2010/10/22)
朝田 雅康

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読書期間:2011/9/29

【評価……A-
発想 ★★★★★★★★★ … 9
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
構成
青春




 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7





 私立伯東高校。問題児ばかりで構成されたクラス、それが二年四組だ。
 クラスのボスである委員長は強権を発動し「皆の心をひとつにする」ために交換日記を開始する。日記は誰が書いているのかわからないようにされ、登場するクラスメイトも属性に基づく異名や派閥で表現される。日記には予想外の事件や恋が描かれて…?
 第9回SD小説新人賞佳作受賞作、パズル感覚で読み明かされる、学園青春小説が登場です!!

【感想】


どこの学校、学年にも問題児は数人いるもの。
そんな問題児達を一クラスにまとめてしまったら一体どうなってしまうのか。
あらゆる方面から舞い込んでくる事件を交換日記形式で綴る新感覚の青春学園ストーリーです。

これぞまさに発想の勝利というべきでしょう。
ゲーム感覚で楽しめる新しいラノベの形がここにありました。

まず最初に、二年四組在籍生徒35名の顔とあだ名が提示されます。
カラーの折り込みページにて、クラスメイト全員の紹介があるんですが、名前だけが伏せられている状態です。
公式の作品紹介ページでもPDF形式でDLすることができますので、是非ご覧ください。

本名が隠された状態で書く交換日記を読みながら、名前を当てていくというパズル的なギミックが非常に面白い。
これは新しいなぁ。
いや、ある意味昔懐かしのゲームブックを彷彿とさせるような、遊べる本ともいえますか。

はっきりいって難易度は低く、1/3読んだ辺りでほぼ全員特定出来てしまいます。
それでも、パズルのように一つ一つのピースを当て嵌めていく過程に夢中になりました。
面白い作品は多くても、楽しいという感情を得られる作品は結構貴重です。

そして、何気に凄いのは、これだけの人数のキャラを個性立てて、なおかつ出番を用意している点です。
もちろん程度の差はあるんですが、各自にしっかりと見せ場を作っているのは素晴らしい。
しかも、読者が名前当てを必死になることで、作中のキャラを意識的に覚えようとし、印象を強める効果が生まれています。
そこまで狙ってやったのかは不明ですが、相乗効果が期待できる仕組みを考案した時点で評価したいですね。

ストーリーは、収束していく複数の事件が思わぬ展開に……どころか、作品の方向性さえ捻じれる超展開。
強引というか豪快というか、ぶっ飛んでいる部分があるので、許容する心が必要ですね。
関連のある生徒を一クラスにまとめたという経緯があるにしろ、クラス内で話が完結してしまっているところは、ちょっと突っ込みを入れたい箇所ではありますが、下手に入り乱れると収拾がつかなくなるので仕方がないかな。
クラスメイトそれぞれの特技を活用して、解決していく様は実に爽快でした。

そして、忘れてはならないのは、イラストです。
庭さんの仕事があってこそ成功した作品だと断言できるでしょう。
素朴でありながら描き分けが出来ており、人間的な味を表現する魅力溢れるキャラばかりです。
装飾に頼らずとも、これだけ魅せることができる腕前に、惚れ惚れしました。

良キャラが多くて、続きが見たい気持ちもありますが、それ以上にこのギミックを使用した難易度の高い作品を描いて欲しいですね。
それこそ答え合わせをしたくなるような難しい問題を読んでみたいです。
新作に注目ですね。

クラス内の相関図と名前当てが楽しい交換日記形式の新感覚ラノベ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  二年四組交換日記  朝田雅康    評価A- 

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