嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん3 死の礎は生
2008/03/15 Sat 04:52:49 [edit]
![]() | 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 3 死の礎は生 (電撃文庫 い 9-3) (2007/12/10) 入間 人間 商品詳細を見る |
【評価……A-】
舞台 ★★★★★★★★☆☆ … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆ … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆ … 8
文章 ★★★★★★★★★☆ … 9
挿絵 ★★★★★★★★★☆ … 9
オススメ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆ … 4
ヤンデレ ★★★★★★★★☆☆ … 8
バレンタインの季節。街では、複数の動物殺害事件が発生していた。 マユがダイエットと称して体を刃物で削ぐ行為を阻止したその日。僕は夜道で死んだはずの妹(多分)と出会う。 そして妹っぽいものに遭遇した翌日。 僕は学校の朝礼で知る。無自覚の悪意の伝染について。 三ヶ月の短い静穏へ精一杯の反抗を示す惨殺死体事件。最悪な、殺人街としての街興しが、再び始まったらしい。 あー。この立て役者は、僕の妹(暫定)なんだろうなあ、きっと。 ……口癖の出番は、あるなら早めによろしく。 |
<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>
ラノベ業界のヤンデレ部門で着々と注目を浴びている作品、第3弾。
まーちゃんが飛び抜けているため霞んでしまいますが、他の登場人物も相当なもんだと思う。
特にこの3巻からは、出てくるキャラがどいつもこいつも危険思想を持っているため、みーくんが常識人に見えてしまうw
1巻と2巻は、かなり限定的な空間で物語が進んでいましたが、今回は学校生活が主体です。
ようやく学生らしい話に……なるわけがないですよね、このシリーズの場合。
2巻の元彼女に続いて、今度は死んだはずの妹が立ちはだかります。
それに加え、可愛い女の子たちに囲まれて、みーくんは命の危機にさらわれます。主に嫉妬心に駆られるまーちゃんから。
本当にそのうちコロっと死んでしまってもおかしくない作風なので、怖いッス。
前巻同様、推理要素が散りばめられた構成となっています。
2巻では、説明不足でそんなのありかよと感じたところもありましたが、今回はきっちりとまとめられていますね。
犯人の見当は割とつきやすいんじゃないかなーと思います。
でも、話が二重三重に絡まっているので、真相は見抜けにくいかもしれません。
まぁ、もとよりこの作品は推理部分がウリってわけじゃないですけどね。
本当にこの人の文章は、いい意味で嫌な気分にさせてくれますw
この本を読んだ後に1巻を読み直してみて気づいたのですが、彼の嘘をつく頻度が異常なほど増えていますね。
感覚的には1ページに最低でも1回は言ってるんじゃないかな?というくらいの数の嘘をついています。
初めて1巻を読んだときは、嘘ばかり言ってて読み辛いなと思いましたが、今ではすっかり虜となってしまいました。
荒く雑な文章と単純には片づけられない魅力があります。
間違った単語の使い方が面白くて癖になるね。
かなり意見が分かれるところでしょうが、僕は最近読んだ文章の中でもトップクラスで好きです。
新キャラは総勢5,6人ぐらい登場します。
その中では、伏見柚々が個人的に一押しです。
電波度が高いのにある意味一番純情なところが魅力たっぷりです。
こういうギャップのあるキャラに弱いんですよ。
決して、E作戦やF攻撃に屈服したわけじゃないですよ?ホントだよ?
あとは、これだけ危ない面子の中だと、恋日先生が貴重な存在になりますね。
この話には休憩ポイントが必要ですw
それに、先生の癒しがあることで、逆に彼の周囲の異常さを際立てる効果もありますし。
今まで嘘で塗り固められていた彼の内面が少しだけ描かれています。
傷つき過ぎた心が救われることはあるんでしょうかね。
……ないような気がするなぁ、この巻のオチを見る限り。
まぁ、最後のあの文章も、どちらとも見て取れるけど、きっと素直に汲み取る方で当たっているんだろうなー。
人には勧めにくいけど、気がついたら今追っているシリーズ物の中でも優先的に読みたい作品となってますね。
おかげで、1,2巻の評価が大きく上昇しました。
4,5月に2カ月連続で出る新刊が今から待ち遠しいですね。
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 入間人間 左 評価A-コメントの投稿
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