ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!disc8
2011/11/22 Tue 23:59:45 [edit]
![]() | ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc8 (ファミ通文庫) (2011/08/29) 田尾 典丈 商品詳細を見る |
【評価……B】
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8 設定 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 物語 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 人物 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 文章 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 挿絵 ★★★★★☆☆☆☆☆ … 5 | 恋愛 SF | ★★★★★★★☆☆☆ … 7 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 |
「一緒の世界で、共に歩もう」 ヒロイン達とお互いに気持ちを確かめ合った、俺こと都筑武紀。本来の世界と『例外レイヤー』を統合し『現実補正』を使って二つの世界にいる人々の記憶を融合……トゥルーエンドへの道筋は見えている。 しかし、そこに至るにはこの世界に存在しないあるアイテムが必須……。どうする俺!無いものは作るしかないのか?俺が、あの『エターナルイノセンス』を!! 選択肢無限の真世界を奔走する青春ADVノベル、遂に完結! |
【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>
「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!」シリーズ、本編最終巻。
コンスタントに刊行されたおかげで、2年半ちょっとで11冊も積みあげられました。
当初は一発ネタかと思っていた本作が、ここまで来るとは感慨深いものがあります。
シリーズ途中のテコ入れが成功した数少ない例ですね。
満を持しての最終巻というよりは、ちょっと急だったかなと感じられました。
詰め込み過ぎな面が多々あり、設定や物語の強引さが散見されます。
伏線を無理矢理活用したり、唐突な問いかけがあったりと、不自然さが目立ちました。
テーマや主張は良いんですけど、見せ方が悪かったと言うべきでしょうか。
もう1冊とは言わずとも、もう少しページがあれば、説明も付けられたと思うんですがね。
でもこの作品には、数字では表せられない面白さが内包されています。
欠点が見えやすく、他の要素でカバーしている訳でもないんですが、全て込みで楽しむことが出来ます。
正直なところ、今でもその理由をハッキリとは解りません。
ただ、もしかしたらストーリーの流れが綺麗であることが関係しているのかもしれませんね。
物語上に配置されるキャラとSF設定がパズルのピースのように組み込まれているため、作品の一体感を増大させているように感じました。
材料が別段凄いわけではなく、調理の腕が極めて優秀というわけでなくとも、見事な仕上がりとなったのは、感性の良さと文章的な配慮によるものだったのかなと思います。
主人公・都筑武紀は結局最後まで思考に余裕がないけれど、その必死さは嫌いじゃありません。
幾度となく障害に立ち塞がれ、それでも泥臭く塗れてでも答えを探し続ける根気は、主人公として相応しい姿だと思います。
もどかしい気持ちにさせられた初期と比べると、今では尊敬すらできるぐらいに成長を果たしました。
まぁ、ハーレム願望はないので、そちらは遠慮しますけどw
前回の愛子のターンは、さすがに続きませんでしたけど、時折見せるいじらしさは健在でした。
やっぱりメインヒロインは、愛子で決まりだなー。
表紙にいなかったのが残念でした。
ゆうきの伏線を拾ってくれるとは思いませんでしたね。
正体については、予想は当たっていたのですが考えが浅かったので、半分正解で半分不正解という感じ。
なるほどなぁと感心させられつつも、あっさりしすぎていたのが勿体無くて少々不満。
1冊使っても良かったぐらいのネタだと思うんですけどね。
もう一人の主人公・高橋秀之は、正真正銘デキる男で格好良いのですが、本編での出番は少なめでした。
これは外伝&後日談の短編集でシリーズ本当の最終巻となる「Extradisc」に期待かな。
みんな幸せで終わる大団円を読めることを願いたいと思います。
▼ | 共感は出来なくともハーレムを目指す男と女の子達の幸せを願わずにはいられない本編最終回 |
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! 田尾典丈 有河サトル 評価B
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