明日へと続く記憶

アニメ、ゲーム、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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空色パンデミック④ 

空色パンデミック4 (ファミ通文庫)空色パンデミック4 (ファミ通文庫)
(2011/03/30)
本田 誠

商品詳細を見る
読書期間:6/28~6/30

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
世界観
構成




 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7





 最近、仲西景の様子がおかしいことに俺、青井晴は気づいていた。
穂高結衣の発作に巻き込まれ続けた仲西は、自らも「現空混在病」という病に蝕まれていたんだ。
幻聴や己の中の別人格に悩まされ、現実と空想の狭間で苦しみ、やがて恋人の結衣の存在すら忘却してしまった……。
結衣は失意の中で、それでも仲西を救う方法を探している。
そして俺もまた、あいつを救うために、ある「芝居」を計画したんだ――。
狂騒と純真の「ボーイ、ミーツ、空想少女」終幕。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


空想に侵された思想の果てで、信じるべきものとは一体何か。
大事なものを気づかせてくれるシリーズ最終巻です。

うん、面白かった。
満足度としてはあと一歩届かなかったかなとは思いましたが、見所はいっぱいありました。

シリーズ通して不鮮明なところがありましたけど、今回はそれまでの比じゃないですね。
仲西だけではなく読者も現空混在症に罹ってしまったかのように、先が見通せません。
いや、そもそも目の前の出来事が、現実なのか空想なのかの判断すら付かないレベルです。
森崎や青井の視点から描かれているシーンがなければ、混乱しきっていたでしょうね。

状況判断が付かないというのは、面白い試みではありますが、構成的には難のあるギミックでした。
正直読み辛い。
3巻の時のような作品内に引き込まれる力強さはなく、散らばっている印象を受けました。
しかし、それもまた意図的のように感じられ、何だか作者の術中にハマってしまったような気がします。

終始シリアス展開で空想病の本当の恐ろしさを思い知りました。
他人になりきっていたという恥ずかしさがある方がまだマシですね。
記憶の整合性や自己の喪失を体感しているようで、恐怖を覚えました。

ネタ切れなのか打ち切りなのかは不明ですけど、急に最終巻となったため駆け足すぎる部分が目立ちます。
もっとじっくり練って欲しかったところですが、この設定で世界を広げることに限界を感じたんでしょうかねぇ。
複雑な内容と比べて、ラストがあっさりしすぎかな。
これが最終巻でなければ、素直に賞賛していたんでしょうけど、触れずに終わってしまった伏線が多過ぎて勿体無い。
作品の内容的に、平然と続きが出てもおかしくはありませんが、おそらく次はないでしょうね。

結衣の空気化に伴う青井のメインヒロインっぷりは俺得でしたけど、作品的には首を傾げてしまいましたね。
結局Wヒロインを上手く活用出来ずに終わってしまいました。
それならいっそのこと、結衣を空想の人物というオチで青井とくっつく形でも良かったんじゃないでしょうか。
どちらにせよ、ラブコメをもうちょっと楽しみたかった。
森崎と今井さんの関係は良かったんだけどなー。

空想病患者のクーソーとのやり取りは、しんみりとさせられました。
寂しいけれど、前向きになれるイイ話でしたね。

庭さんのイラストは、表情が柔らかく優しいのが素敵で大好きです。
しかし、P219の絵だけはないですね。
身体のバランスがおかしすぎて、萎えてしまいました。
あれならイラストなしの方が想像をかきたてられて良かったなぁ。

1巻を読んだ時の衝撃は、ラノベの新しい時代を感じたものです。
乱発される微エロ系ラブコメとは違い、新鮮さが魅力だっただけに、終幕は残念。
また設定が凝った次回作に期待したいですね。

現実と空想の境目がぼやけている中で、確固たるものを見つける物語

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  空色パンデミック  本田誠    評価B+ 

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この記事に対するコメント

ヒロインの条件

 この一ヶ月、ここに書くコメントを頭の片隅で考えていました。

 ココロコと、このシリーズは、同時期に始まった期待の新作で、木がすくすくと育つように、お互い切磋琢磨していってくれるものと思っていました。1巻を読み終えた時点では、ここまでの差はなかったように思います。 まあ、どっちかひとつしか残せないんだったら、ココロコの方を選ばずにはいられないんですけど。
 3巻までの時点では、森崎と今井の間には何もなかったような気がしたんですけど、これはありでした。ペンタゴンでは、3番目ヒロインは2番目男とくっつくのがいいという定石になったような気がします。

 短編も含めて、全編通じて、結衣が空想病を発症している場面としていない場面のページ数の割合を比べてみると、結衣がメインヒロインになるか、円環の理になるかは、自ずと決まってきそうに思えます。
 そばにいない女の子を救おうと奔走しているうちに、読者としては、いつもそばにいて協力してくれる女の子の方に心が惹かれてしまいます。

 青井の抱えている爆弾が爆発して、自分が分からなくなっている青井を仲西が支える、なんていう巻が読みたかったです。

 そうそう、料理漫画のノリを、食材を船で釣りに行く段階から演じるのは、僕にとって新鮮でした。

 というわけで『空色パンデミック』は終わってしまいましたが、本田誠さんが作家として一皮向けないと、何作書いてもまたこんな風に終わってしまうんじゃないかって思います。いや、ギミックのない普通のラブコメだったらさすがに続くでしょうか。 ただ、もっといろんなことをやってほしかったという思いはあります。

 庭さんのイラストが好きなので、このシリーズを通して庭さんの認知度が高まって、活躍の場が増えたのであれば、すごく嬉しいことだと感じます。欠点もあげつらえなくはないですが、概ね好きです。

URL | 紫電 #-

2011/09/18 15:36 * 編集 *

>紫電さん
1巻発売時は、ファミ通文庫の新たな看板となる資質は十分に秘めていましたね。
続巻も決して出来が悪かったわけではないと思うんですが……同じ展開が続いたので、飽きられてしまったんでしょうかねぇ。

ネタバレになるので本文では触れられませんでしたが、森崎と今井さんの関係は、唐突ではありましたが良かったですね。
ややこしい三角関係になっている仲西サイドに比べると、純粋にニヤニヤできました。
空想病が切り離せないとはいえ、青井や結衣にもシンプルな恋愛イベントを用意して欲しかったです。
青井の爆弾は、結局不発に終わってしまったことについては、全くの同意見ですね。
そこが一番の消化不良ポイントでした。

実質打ち切りのような終わり方をしてしまったので、二作目が非常に重要でしょうね。
「空色パンデミック」を糧にして、名作が生まれることを信じて待とうと思います。

URL | 秋空翔 #3huMpp/w

2011/09/20 00:35 * 編集 *

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