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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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サクラダリセット5 ONE HAND EDEN 

サクラダリセット5  ONE HAND EDEN (角川スニーカー文庫)サクラダリセット5 ONE HAND EDEN (角川スニーカー文庫)
(2011/04/28)
河野 裕

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読書期間:6/23~6/27

【評価……B
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
透明感
構成
安定感



 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8




 「私を普通の女の子にすることが、貴方にできる?」
 復活した相麻菫。ケイは彼女に、咲良田の外に――能力が存在しない世界に移住することを提案する。だがそれが上手くいくのか、彼にも分からなかった。
 確証を得るため、ケイは管理局の仕事を引き受け、春埼、野ノ尾とともに、九年間眠り続ける女性の「夢の世界」へ入る。そこでケイは、ミチルという少女と青い鳥に出会い――!
 “咲良田”とは?能力とは?物語の核心に迫る第5弾!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


特殊能力を有する若者たちが、真摯に幸せを追求するハートフルストーリー第5弾。
透明感のある雰囲気は、今巻も継続しています。

久々の本編ですね。
3巻は9割が過去編、4巻は短編集だったこともあり、ようやく物語が再始動しました。
ただし、今回はサブストーリーに本筋の種蒔きを散らしたかの内容ですがね。

中身は、安定した作りで楽しめました。
妙に哲学的な会話が面白く、気が付いたら読み終わっています。
丁寧語の会話が機械的なやり取りだからこそ、言葉に含まれる人肌に触れたかのような温もりが伝わってきますね。

ほのかに温まる優しさと、残酷な消失が表裏一体となっている話でした。
泣きたくなるくらい切ないけれど、救いのあるラストのおかげで、読了感は素晴らしく晴れやかです。
若干インパクトが不足気味ですけれど、及第点はクリアしていると思います。

一人でも多くの笑顔を実現しようと奔走するケイの理念は、凄く心地良い。
現実を脱線しない程度に理想を追い求める彼の努力は、一種の恐ろしさを覚えるほどに純度が高く眩しく見えます。
個を消しているようで、誰よりも我が強いところが好きですね。

登場人物たちが曇ることなくクッキリと描かれる裏で、細かな設定や伏線が配慮されています。
能力の組み合わせ方が絶妙で無駄がないのは、もはや言うまでもなし。
積み重ねていく土台の安定感は見事です。

この作品、刊行順に読んでいても時間軸が激しく前後するので、中間部分が不透明ですね。
意図的に隠された事実が含まれているんでしょうけど、少々把握し辛いのが難点かな。
相麻菫の計画や、管理局内部の思惑が少しずつ見えてきて、シリーズの根幹部分が判明しつつありますが、終着点はまだまだ見えないですね。

きっと作者の頭の中では、完成図が出来あがっているんでしょう。
空いている箇所にピースを一つずつ埋めていくパズルを彷彿とさせる構成で、隙がありません。
刊行が空いてしまうと忘れてしまいそうなので、一気に読みたいですね。

大切な少女のために手段を選ばない主人公が格好良い

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  サクラダリセット  河野裕  椎名優  評価B 

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