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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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涼宮ハルヒの驚愕(前) 

涼宮ハルヒの驚愕 初回限定版(64ページオールカラー特製小冊子付き) (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの驚愕 初回限定版(64ページオールカラー特製小冊子付き) (角川スニーカー文庫)
(2011/05/25)
谷川 流

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読書期間:2011/5/25~2011/5/26

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
ラブコメ
世界観
構成
衝撃度

 ★★★★★★★★☆☆ … 8
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8


 SOS団の最終防衛ラインにして、その信頼性の高さは俺の精神安定に欠かさざる存在であるところの長門が伏せっているだと?
 原因はあの宇宙人別バージョン女らしいんだが、そいつが堂々と目の前に現れやがったのには開いた口も塞がらない心持ちだ。どうやら、こいつを始めとしたSOS団もどきな連中は俺に敵認定されたいらしいな。上等だ、俺の怒髪は天どころか、とっくに月軌道を超えちまってるんだぜ?
 待望のシリーズ第10巻!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


「涼宮ハルヒ」シリーズ第10弾。
2007年4月に「分裂」が発売され、同年6月発売予定だった本作。
散々もう出ないのではないかと噂されていましたが、遂にお目見えです。

とりあえず、率直な感想としては、とても面白かったと言えます。

当初一冊だけの予定が、発売が延びた結果、前後巻となりました。
初回限定版は、その前後巻がセットで販売され、「涼宮ハルヒの秘話」という小冊子が付いてきます。
遅れて通常版も発売する予定となっているらしいのですが、どうも相当数刷ったようで、通常版の方が希少になりそうな気配です。
初回で50万部以上を発行しているため、まだ書店に多く並んでおり、わざわざ通常版を買う方は少ないでしょうね。

前巻は、amazonの画像にもあるハルヒが表紙です。
Hのマーク上に「初回限定版」の文字が印字されていて、背表紙にも同じく書いてあります。
裏面は、あらすじのみとなっており、バーコードや値段は一切表記されていません。
おそらく通常版は、この辺りが異なっていて、マニアは両方買うことになるんでしょう。

そもそも「驚愕」の前後巻の前に、「分裂」からの続きとなっており、4年待ったファンの多くは内容をすっかり忘れてしまっていたでしょうね。
自分の場合、この新刊のためにシリーズ再読をしていたので、問題なくすんなり入ることができました。

一応簡単に振り返ると、「分裂」で物語が2つのルートに分裂しました。
入団希望の新入生たちが集ったSOS団の平和な日常が続くαルート。
佐々木を中心とした宇宙人・未来人・超能力者よる介入が激しいSF展開まっしぐらなβルート。
二つの時間軸が交互に展開されるものの、いかなる理論で分裂しているのが分からず、同時に物語が進行しています。

前巻ということもあって、まだまだ問題は解決するに至っておりません。
それどころか、「分裂」以上に物語が分裂しており、二つのルートの差が激しくなっています。

内容はまるで違うのに、どちらもこの作品らしいと感じるのが何とも面白い。
個人的には、新入生のSOS団員適性試験が楽しいαルートの方が好きですね。
βルートは、長門が倒れたことで先が見通せず、興味深くはあるんですが、進みが遅いのが残念。

しかし、これは前後巻に分ける必要性はあったんですかね。
2冊に分ける理由も特にありませんし、そもそもこんなに長々と分裂模様を描く意味も希薄です。
答えだけはぐらかされている気分で、焦れったいのなんの。
「憂鬱」「溜息」と同じく、仕掛けが遅くて、少々テンポが悪く感じました。

とはいえ、つまらなかったわけではありません。
タイトル通り、驚愕の事実が複数発覚して、ドキドキワクワクさせられました。
一番の驚きは、古泉関連かな。
全く予想していなかっただけに、まさかと思いました。
本当なのかどうかイマイチ信じることができませんが、真実とするならば色々と引っくり返りますね。

一連の物語の第4章から第6章までが収録されています。
このうち、第4章は「ザ・スニーカー」で先行掲載されたものですね。

4年間のブランクなのか、第4章は文章にキレがなくて不安な立ち上がりでした。
連続して再読していたからこそ気付いた些事かもしれませんが、キョンのたとえて表現するモノローグが鳴りを潜めていて、面白味が少なく感じましたね。
しかし、それも最初だけで、中盤からは踊るような文章で、ああ「涼宮ハルヒ」が戻ってきたんだなぁという実感しました。

SOS団を大事に想うキョンの気持ちが、文面に強く表れていました。
異能を所持しているわけでもない一高校生でありながら、宇宙人や未来人に立ち向かう様は、無謀とも言えますが、傍観者スタイルだった「消失」以前とは異なり、熱くて格好良かったです。

最近のライトノベルは、どうしてもお約束のえちぃシーンを取り入れる傾向がありますが、この作品に関してはエロ要素は皆無ですね。
コメディもパロに頼り切らず、キョンの変化球な語り口で勝負しています。
それが逆に新鮮で、安心感を与えてくれますね。
チープなエロコメや、パロディ満載のバカコメディも嫌いじゃないですけど、作風を考えるとこれが正しい選択でしょう。

内容が内容だけに、ネタバレなしだと当たり障りのないことしか書けませんね。
キャラに関しても、語りたいことがいっぱいあります。
ハルヒ、キョン、古泉、佐々木、その他新キャラなどなど。
ということで、後巻の感想で少し踏み込んで書きたいと思います。

シリーズ再始動となる待望の続巻は、驚愕の事実が随所に埋め込まれています

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  涼宮ハルヒの憂鬱  谷川流  いとうのいぢ  評価B+ 

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JUGEMテーマ:ライトノベル  ◆涼宮ハルヒ シリーズ    情報統合思念体同士の戦いで、周防九曜の工作により動けなくなった    長門有希に変わりキョンを周防から救ったのは、もう登場することは    無いだ?...

こみち

2012/02/24 23:51

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