涼宮ハルヒの陰謀
2011/05/24 Tue 23:56:50 [edit]
![]() | 涼宮ハルヒの陰謀 (角川スニーカー文庫) (2005/08/31) 谷川 流 商品詳細を見る |
【評価……A-】
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8 設定 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 物語 ★★★★★★★★☆☆ … 8 人物 ★★★★★★★★★☆ … 9 文章 ★★★★★★★★★☆ … 9 挿絵 ★★★★★★★★☆☆ … 8 | SF ラブコメ 世界観 構成 | ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★★☆☆ … 8 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 |
年末から気にしていた懸案イベントも無事こなし、残りわずかな高一生活をのんびりと楽しめるかと思いきや、ハルヒがやけにおとなしいのが気に入らない。 こんなときには必ず何かが起こる予感のそのままに、俺の前には現れたのは8日後の未来から来たという朝比奈さんだった。しかも、事情を全く知らない彼女をこの時間に送り出したのは、なんと俺だというのだ。未来の俺よ、いったい何を企んでいるんだ!? 大人気シリーズ怒濤の第7弾! |
【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>
「涼宮ハルヒ」シリーズ第7弾。
「消失」以来の長編であり、420ページを越える過去最厚の本でもあります。
色んな人物の陰謀が渦巻き、風向きが変わりつつある伏線が張り巡らされた回でした。
導入部が素晴らしい。
巻数にして2冊分棚上げされていた世界改変時の解決編は、まさに待望の話でした。
「消失」で最後まで語られずにヤキモキしていたので、やっとスッキリしましたよ。
そして、ようやく落ちついたと思ったのも束の間、近未来からみくるが時間移動してきて一騒動が巻き起こります。
8日後の未来からキョンに言われるがままにタイムリープしてきたみくるは、何も知らないという。
この展開には、期待の高まりを抑えられませんでしたね。
同じ時間軸上に同一人物がいる世界は、ドキドキハラハラする緊張感があって楽しいなぁ。
中盤以降、若干グダグダするところは惜しいものの、忙しない展開が面白かったです。
表紙を飾っているみくるが、今回の主役のはずなんですが、相変わらず何も分かってないので、中心に居るのに無知という可哀想なことになっています。
彼女は、キョン以上に巻き込まれ型ですね。
作者のあざとさを感じるほどに、純真で可愛かったです。
個人的には、恋人にしたいというよりも娘に欲しいタイプですね。
キョンは、みくるに対して紳士すぎる。
内心では過剰なまでに崇拝し、計り知れないほど好意を抱いているというのに、全然手を出そうとしないからもどかしい。
実際に抱きしめたり、押し倒すぐらいのことをやって欲しいもんです。
萌えキャラとしてSOS団に入団したみくるなのに、ラブコメ要素は意外と少ないですからねぇ。
長門は、人間味のある言葉を発するようになったなぁ。
感情的な台詞を吐くたびに、ハッとさせられます。
能力の縮小化に繋がるのかもしれませんが、長門個人としては良い傾向だなって思いますね。
何気に一番可愛かったのは、古泉かもしれません。
時間旅行をおねだりしたり、体験したキョンに聞きたがったり、喜々として解説したりと妙に萌えポイントが豊富でしたw
キョンと古泉の会話は、本当に楽しいなぁ。
タイトルにもなっているハルヒの陰謀は、途中で気付きました。
巧妙に隠してはいますが、ヒントも多かったので予想がついちゃいましたね。
やっぱり、未来は知らないからこそ楽しいんだろうなぁ。
物語上仕方がないとはいえ、規定事項をなぞるような構成は、作業のように感じられましたし。
未来人が絡む話は好きなんですが、作り方は難儀してそうですね。
カラーページのハルヒ、みくる、長門の三人娘が無茶苦茶可愛かったです。
他の絵師さんと比べ、飛び抜けた画力があるというわけではないはずなんですが、キャラクターの魅せ方が上手いのかな。
なるほど、この頃から「分裂」以降の伏線も張られていたんですね。
再読でなければ気付きませんでした。
これは、今後の大きなうねりを感じさせますね。
▼ | 新たなる局面を予感させる伏線が盛り込まれた転換期の前段階 |
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 涼宮ハルヒの憂鬱 谷川流 いとうのいぢ 評価A-
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