青春ラリアット!!
2011/04/13 Wed 04:06:40 [edit]
![]() | 青春ラリアット!! (電撃文庫) (2011/02/10) 蝉川 タカマル 商品詳細を見る |
【評価……B-】
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 設定 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6 物語 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6 人物 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6 文章 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6 挿絵 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 | ラブコメ 青春 友情 | ★★★★★★☆☆☆☆ … 6 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 ★★★★★★★☆☆☆ … 7 |
「行くぞコノヤローッ!」 どこかの有名レスラーばりにマイクコールをし、全校朝礼の場で公開告白をした月島。その結果は――当然、停学処分となったのだった。 バカの日本代表、月島を心配する者が一人。友人の宮本である。宮本は傷心の月島を見舞う事に。その道中で出会ったのが、整った顔立ちながら愛想の欠片もない無表情の少女、長瀬だった。 どうも、長瀬は“あの月島”に惚れているらしい。その事に驚きつつ、自分に対してなぜか横柄な彼女に怒りも覚える宮本だった。この奇妙な三角関係が、風雲嵐を巻き起こす事になり!? |
【感想】
第17回電撃小説大賞<金賞>受賞作品。
すみ兵さんのイラストと、成田良悟さんの推薦文に惹かれました。
ふむ、悪くはない。
なかなか面白かったです。
全校集会の場で突如、意中の相手に告白し即玉砕した友人・月島を心配する主人公・宮本。
停学中の月島を訪ねる道中、宮本は一人の少女に後をつけられていることに気付く。
その少女・長瀬は、月島に恋い焦がれた純情な女の子……と思いきや、月島の目がないところでは、口の悪い横暴な娘だった。
宮本は、長瀬から執拗なほどに口撃されながら、彼女に振り回されていく――というストーリー。
定番の青春ラブコメかと思いきや、少し狙いをズラしていて、ちょっとした冒険をしています。
最初は設定からして、「とらドラ!」のような多角関係なのかなと予想したのですが、外れました。
異色というほどではないですけど、着眼点が良くて新鮮さを感じますね。
例えるならば、運転席には友人(=主演・月島)、助手席には友人のことが好きな後輩(=ヒロイン・長瀬)が座っている状態で、後部座席に乗り込んだ脇役(=主人公・宮本)視点で青春ラブコメが描かれているような感じ。
作品上は後部座席の男・宮本が主人公なのですが、物語においては、一人の脇役に過ぎません。
あくまで、運転席に座る友人・月島が主役なんです。
車内の会話には加わるんだけど、主人公がハンドルを握っていないので、目的地は選べません。
脇道に入ったけれど、寄り道し終わったら途中で軌道修正するんだろうなーと思っていたら、そのまま駐車してしまいました。
主人公であるはずの宮本が、地味すぎて本筋の関わりあいが薄いのは、欠点かなぁ。
ちょっと話の内容から距離が遠すぎて、傍観者となっていますねぇ。
宮本自身の抱える悩みについても、あっさりと流してしまっていますし、感情移入はし辛いです。
ヒロインの長瀬も、正直なところ好感を抱くのは難しい。
好きな人の前では素直になれないなんて、そんな可愛らしい次元を既に通り越しちゃっています。
宮本目線で語られるため、ひたすら罵倒され続けます。
おかげでギャップ萌えが機能していなくて、腹黒さだけを植え付けられてしまいました。
ラブコメというとキャラクターが重要ですが、総じてあと一歩といったところですね。
そんな中で、一番良かったと思うのは、月島かな。
バカの日本代表と言うほどバカではありませんでしたが、惚れた女のために行動が出来る熱血漢で、格好良かったです。
ストーリーは、中盤でグダっていますが、終盤の盛り上がりは燃えます。
まさに、青春といった熱さがあり、青臭さが実に爽快でした。
それにしても、主要人物の名前が頭に入ってこず、混乱したのは自分だけでしょうか。
みんな名字で呼び合うし、イメージと合っていないから、キャラと名前が一致しませんでした。
▼ | 物語の焦点が主人公ではなく親友の恋模様となっている青春ラブコメ |
テーマ: ライトノベル
ジャンル: 小説・文学
タグ: 書評 青春ラリアット!! 蝉川タカマル すみ兵 評価B-
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