明日へと続く記憶

アニメ、ゲーム、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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ココロコネクト ミチランダム 

ココロコネクト ミチランダム (ファミ通文庫)ココロコネクト ミチランダム (ファミ通文庫)
(2011/01/29)
庵田 定夏

商品詳細を見る
読書期間:2010/2/10
月間マイベスト作品

【評価……A
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★★★
 … 9
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★★★
 … 10
文章 ★★★★★★★★★
 … 9
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
青春
ラブコメ
完成度



 ★★★★★★★★★★ … 10
 ★★★★★★★★
 … 9
 ★★★★★★★★
 … 9




 「太一とは、付き合えません」
 太一は正式に伊織に告白し――玉砕した。
 異常な現象が起こっていても関係ないと、決死の覚悟で臨んだ想いは儚く散り、その上、重い足を引きずり向かった部室でフられた事をメンバーに知られてしまう!
 部内は騒然となり、稲葉は動揺を隠せない。伊織が場を取りなそうとしたその瞬間、彼女の心と感情が響き渡り……。そして、その日を境に永瀬伊織は変わってしまった――。
 愛と青春の五角形コメディ、岐路と選択の第4巻!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


略称が一向に浸透しないココロコ第4弾。

傑作。

この感想を書くときに、一言目を考えるだけで30分以上かかりました。
様々な感情が入り乱れ、圧倒され、のみ込まれてしまいます。
哀しくて、切なくて、苦しくて、潰れてしまうほどに重くて辛い。
優しくて、暖かくて、眩しくて、妬んでしまうほどにみんな輝いている。

とても一言では言い表せませんが、あえて言うならば。
最高に素晴らしかったです。

前回ラストで覚えた不吉な予感は当たり、物語は冒頭からシリアスに展開します。
またしても<ふうせんかずら>によって、異常現象に巻き込まれることになった文研部の5人。
時間退行現象】と比べると、周囲への影響度は少ない内容だった……はずが、どうも伊織の様子がおかしい。
幾度の危機を乗り越えて強固となっていた絆も、一度ひびが入ると音を立てて崩れていった――という導入です。

同じ内容を繰り返しているだけという意見もあるそうですが、個人的にはそうは思いませんでした。
これまで温めていた伏線を解放させ、更に奥深いところを突いた内容になっています。
ひたすら登場人物の心を研ぎ澄ませることで、洗練された想いが文章に乗せて入り込んできます。
皮がめくれるようにして余分な理屈を落としていった結果、最後に残った剥きだしの感情は、あまりにも当然で、大切で、そしてピュアなものでした。

隠しておきたい気持ちや、伝えるつもりのない言葉がダイレクトに届いてしまう状況は、深刻です。
いかに人がオブラートに包んだ会話をしているか、再認識しますね。
容赦のない言葉がグサグサ刺さり、もう目をそむけたいと何度思ったことやら。
想像以上にキツイよ、これは。

しかし、そんな状態でも日常を続けようとする太一たちの強さに恐れ入ります。
仲間のピンチにも即駆け付けようとしたり、信頼に応えたり、成長ぶりが半端じゃないですね。
太一にしろ青木にしろ唯にしろ、高校生でここまで考えることができれば、十分立派ですよ。

確かに、青臭いにも程があるんだけど、それがもう嫌味でも何でもなく実に爽快です。
浮足立った己の行動に恥ずかしがる彼らを見ていると、こちらまでこっぱずかしい気持ちになります。
異常現象に比べると小さなコトなのかもしれませんが、思春期の高校生にとっての恋愛を含む人間関係というのは、人生の全てだと感じたりするものです。
生々しいティーンエイジャーの苦悩が痛々しく伝わってきて、ほろ苦くて仕方ありません。

今回の主役である伊織の心情は、物凄く共感できました。
これまでの現象の中で、自分が当事者になるならば最も嫌なものだったということもあり、伊織の精神が壊れていくのも止むなしかなぁと思いましたね。
まぁ、今回の事象についてはキッカケでしかありませんでしたけど。
上辺だけの造形ではなく、一人の少女として掘り下げていて、人間的に非常に好感が持てます。
何となく1巻の頃の、後ろ暗いことばかり考えていた稲葉んを思い出しましたね。

そして、その稲葉ですが……可愛すぎて悶え転げました。
何なのこの娘、萌死させる気ですか、そうですね。参りました。
クーデレだったはずなのに、もはやデレデレで、ニヤニヤを通り越して何だか叫ばずにはいられません。
現象が起きずとも、感情が漏れ出しまくっていて、慌てふためく姿に萌えまくりです。
その一方で、友として伊織の力になりたいと立ち上がる様は、格好良すぎる。
伊織も好きなんですけど、稲葉んの破壊力の前には霞んでしまいそうですよ。
これは惚れる。

時折挿入されるコメディも、笑いのツボを付いていて、完成度の高さに唸らされます。
藤島麻衣子や太一の妹など、脇役のキャラが立っていて、瞬間的にも目が離せません。

ぬくもりが伝わってきそうなイラストも、華があっていい。
雰囲気を表現する口絵は、実にお見事です。
何故かモノクロになると表情が薄くなったりしますけど、絵柄は悪くありません。

5人の友情が素敵で、青春系ライトノベルとしては言うことなしですね。
読了感も心地良く、本当に素晴らしい。
ドラマCDを購入したのも、今巻が良すぎたためです。
漫画も良い出来ですし、今後のメディアミックス展開も期待してしまいますね。

ココロが擦り切れていく少女と、手を差し伸べる仲間達の友情物語

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ココロコネクト  庵田定夏  白身魚  評価A 

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この記事に対するコメント

ココロコ

 わりと、ふうせんかずらの狙いは最初から一貫している気がしますね。

 もうこれ以上ひどい現象はないだろうと思いつつ、毎回いろいろとひどいことになってますが、今回の現象はほんとひどかったです。現代日本でこの現象が起こったら、人間関係自体の在り方ががらりと変わってしまいそうです。

 さて、ざっと読み返してみたわけですが。おっしゃる通り、稲葉は大変なことになってきましたね。このタイプ、ここまでデレることができるものなんですねえ。男口調キャラがこういうデレ方をすると、(よすぎるという意味で)僕はもうダメです。羞恥心とか自制心、理性もまだ残っているはずなのに、それでも随所で漏れ出すって、すごく絶妙な配分ですね。 今巻の稲葉で個人的に一番よかったのは、わかりやすく、194ページからの流れかなと思います。

 伊織。ドツボにはまって、もう助けられないかと思いました。 まさか、ライトノベルのキャラが、ここまで心を丸裸にされるなんて。 まあ、これで伊織も、ようやく楽になれたかな、なんて。
 思春期の頃の自分に読ませてやりたいですねえ。そうしたら、人生変わってたと思います。

 いい盛り上がり方をしてますし、どう考えてもよくできている作品だと思います。1巻からずっと楽しく読み進めてきたシリーズが、4巻でここまでの域になってくると、もしかしたら今後もずっとすごいのかもしれない、って思わせてくれます。期待大です。

URL | 紫電 #-

2011/04/14 01:39 * 編集 *

>紫電さん
もし自分の身に今回の現象が起きたら、確実に人間関係崩壊しますね。
結構腹黒い性格なんでw

1巻当時の稲葉んだったら、絶対にこの壁を乗り越えることはできなかったでしょうね。
極限状態で育まれた絆の強さを、まじまじと見せつけられました。
伊織も最終的には、仲間にキッカケを与えてもらったことで救われましたしね。
正直、この5人の関係は羨ましいです。

次はどうなるんでしょうねぇ。
ガラリと変化を見せてきそうな気配もありますね。

URL | 秋空翔 #3huMpp/w

2011/04/16 02:06 * 編集 *

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