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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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涼宮ハルヒの憂鬱 

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)
(2003/06)
谷川 流

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読書期間:2011/1/4~2011/1/7

【評価……A-
発想 ★★★★★★★★★ … 9
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★★
 … 9
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
ラブコメ
世界観
完成度


 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★★★
 … 9
 ★★★★★★★★
 … 9



 「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」。
 入学早々、ぶっ飛んだ挨拶をかましてくれた涼宮ハルヒ。そんなSF小説じゃあるまいし……と誰でも思うよな。俺も思ったよ。だけどハルヒは心の底から真剣だったんだ。それに気付いたときには俺の日常は、もうすでに超常になっていた――。
 第8回スニーカー大賞<大賞>受賞作、ビミョーに非日常系学園ストーリー!

【感想】


今やラノベ読者に限らず、オタク文化を好む者であれば知らない人はいないであろう超有名作品。
アニメ版は京都アニメーションの名を世に轟かせた、角川スニーカー文庫の看板タイトルです。

シリーズのファンは、国内にとどまらず、海外でも熱狂的なファンが多数存在しています。
さらには、作家志望者に多大な影響を与え、類似作品が山のように生まれました。
まさしく00年代ライトノベル業界の代表作品といっても決して過言ではないでしょう。

さて。
そんなメジャータイトルを今更感想を書かなくても、そこらじゅうに溢れかえっていますが、せっかくなので自分が感じたことを書き残したいと思います。

2011年の1冊目として読んだ今巻ですが、通算では5回目くらいの再読になります。
これだけ読みなおしたラノベは、他に1,2冊あるかどうか。
それだけ思い入れ深い特別な一冊です。

初読はアニメ放送第一期放送終了直後の2006年8月。
アニメ1話を見た瞬間にこれは絶対に面白いという確信を得ましたが、先に原作を読んでしまうとアニメが楽しめくなるかもしれないと思って、最終話を視聴するまで手をつけなかった思い出があります。
その判断が正解だったかどうかは分かりませんけど、当時の最新刊である「涼宮ハルヒの憤慨」までノンストップで読んでしまうぐらいハマりました。

内容については、アニメの作りが丁寧過ぎて、原作ならでは得られる充実感というのがほぼありません。
つまり、初見であるにも関わらず、既にほとんど把握済みという状態でした。
おそらく、自分みたいな人は大勢いたんじゃないかな。

何といっても特徴的なのが、主人公・キョンの語り口でしょう。
地の文が、流暢な喋り言葉でなだれ込んで来るのは、実に衝撃的でした。
これがハルヒの評価を決定づける上で、最も大きなポイントになっていると思われます。
事実、テンポの良さに病み付きになる人もいれば、嫌悪感を覚える人だっています。
ちなみに、言うまでもなく自分の場合は前者でした。

ライトノベルという分野において、この軽さは武器になります。
一つの文章における面白味を損なうことなく、サクサクと読める為、非常に心地良いんですよね。
登場人物が活き活きしているのも長所の一つですが、それもこの文体のおかげともいえます。
読者はキョンに同調することで、シンパシーを得ることができました。

キョンだけではなく、取り巻く仲間達も魅力的です。
我が儘なツンデレ娘であり台風のように騒がしいヒロイン・涼宮ハルヒを筆頭に、無口系キャラの王道を往く万能少女・長門有希、天然ロリ顔巨乳の癒し系お姉さん・朝比奈みくると、スタンダードが故に外れもない可愛い女の子達。
そして、キョンを除くと唯一の男子である二枚目・古泉一樹も含めた計5人の集まりは、中高生を中心とするラノベ読者にとっては憧れを覚えるほどのものでした。

第1巻となる今作では、まだキャラ紹介程度にしか話が進んでいません。
説明に量を費やし、ストーリーに関しては終盤にちょっとだけ進展するかなってレベルです。
とはいえ、セカイ系の基本的な骨格は形成されていて、完成度は間違いなく高いと思います。
これが新人作品だったわけですから、そりゃあ大賞を受賞するでしょうね。

イラスト担当は、これまたハルヒで名を馳せたいとうのいぢさん。
この作品が流行った理由の一つでもあるキャラ造形は、古さと新しさがミックスされたもので、テンプレ的な要素も踏まえつつ独自の色を出すことに成功しました。
挿絵は、渾身のイラストと比較すると、何気に結構粗かったりするので過度な期待は禁物です。

何度も触れすぎて素直な感想は書きにくくなってしまいました。
それでも、面白いといえる名作だと思います。
ラノベの入門書に相応しい本のうちの一冊ですね。

非日常に憧れる自由奔放な女の子と、それに振り回されダルそうな男の子のボーイミーツガール

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  涼宮ハルヒの憂鬱  谷川流  いとうのいぢ  評価A- 

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