明日へと続く記憶

アニメ、ゲーム、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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サクラダリセット3 MEMORY in CHILDREN 

サクラダリセット3  MEMORY in CHILDREN (角川スニーカー文庫)サクラダリセット3 MEMORY in CHILDREN (角川スニーカー文庫)
(2010/08/31)
河野 裕

商品詳細を見る
読書期間:2010/10/7~2010/10/9

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
透明感
安定感




 ★★★★★★★★ … 9
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8





 「どうして、君は死んだの?」
 “記憶保持”の能力をもつ浅井ケイ、“リセット”の春埼美空、そして“未来視”の相麻菫。
 二年前。夏の気配がただよう、中学校の屋上で、相麻は問いかけた。
「私たちの中に、アンドロイドがいると仮定しましょう」
 夏の終わりに向けて、三人は考え続ける。アンドロイドは誰?最も人間からかけ離れているのは、誰――?
 二年前死んでしまった少女と、すべての始まりを描く、シリーズ第3弾!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


特殊な能力者が集う街・咲良田で、少年と少女たちが織りなす不器用で優しい物語、第3弾。
物語の始まりとなる、浅井ケイ・春埼美空・相麻菫の3人の出会いを描いた過去編となっています。

とても美しい物語でした。
読了後の感覚は、哀しいのか、嬉しいのか、自分でも判断がつきません。
しかし、この本に出会えて良かったということだけは確実です。

このシリーズを読んでいて毎回思うんですけど、まるでガラス細工のような物語ですね。
透き通るように綺麗な美術品のような印象と、砕け散ると元に戻せない危うさを感じさせます。
更に今回は、ラムネの瓶という小道具が、より一層そのイメージを強固にさせる手助けをしています。

ガラス細工」という表現を複数の感想記事で見かけましたが、これって何気に凄いことですよ。
作中で使用しているフレーズならともかく、印象の具現化が一致するってことは、それだけ作品の雰囲気が一貫して描かれているということですから。
空気を思い通りに表現できる作家さんは、貴重ですね。

洗練され、研ぎ落された文章が、恐ろしく魅入ります。
余計な装飾がないシンプルさは、直接心に侵入してきて、全身に響き渡るようです。
温もりとはまた違う、人間味を肌で感じ取ることができるような言葉選びにはセンスを感じずにはいられません。

はっきりいって高校生でも違和感あるのに、小中学生の思考としては賢すぎる状況判断などもあるんですが、三者三様の理由で何となく納得できてしまうのは登場人物の掘り下げが成功しているからでしょうか。
その中でも顕著なのが、浅井ケイの捻くれた善人っぷりです。
彼の思考回路は複雑に見えて本質は単純なんだけど、それをひた隠しにしているために裏表があるように見えるんですよね。
相麻菫や中野智樹が上手い表現で指摘なり説明なりしていましたが、それでようやく少しケイを理解できたような気がしました。

春埼美空の感情が乏しい理由は、なんとも皮肉でした。
この娘の純粋な心は、知れば知るほど無垢すぎて怖くなってきますね。
完全な無色透明ではなく、ほんの僅かながら色付けされていることが、彼女の人柄の良さを表わしているんだけど、彼女自身がそれに気付かないんですよねぇ。
もどかしいと感じるケイの気持ちに共感しましたよ。

そして、謎に包まれていた相麻菫の人物像や能力、そして2年前に死んだ経緯が明かされます。
まだ中学生の彼女が抱える運命や未来の重さは、質量があるかのように圧し掛かってきます。
真実を知った時、切なさとか苦しみよりも、嘆きが先に出てきました。
最後のあの言葉は、果たして彼女に届いたのかな……。

ケイが咲良田に来た理由、家族と離れている訳、土台となる環境は出揃いました。
しかし、一つの謎が明かされたと同時に、新たな謎が生まれています。
何故、彼女は死ななければならなかったのか。
ここからが本当の始まりなのかもしれませんね。

ある一つの未来が決まっているボーイミーツガール

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  サクラダリセット  河野裕  椎名優  評価B+ 

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