fc2ブログ

明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

08«1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.»10

ココロコネクト キズランダム 

ココロコネクト キズランダム (ファミ通文庫)ココロコネクト キズランダム (ファミ通文庫)
(2010/05/29)
庵田 定夏

商品詳細を見る
読書期間:2010/6/10

【評価……A
発想 ★★★★★★★★★ … 9
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
青春





 ★★★★★★★★ … 9






 “人格入れ替わり”現象を乗り越え、太一たち文研部員はおだやかな日常を取り戻した。そんなある日の放課後、突如稲葉が太一に襲いかかる!さらに唯が見せた、机を叩き割るという過剰な行為。そして太一と伊織には奇妙な感覚が湧きあがった――体が、勝手に、動きだす?そんな矢先、太一は青木と唯が補導されたと聞かされて……!?再び現れた<ふうせんかずら>と新たな試練。それは五人の絆を打ち砕く!愛と青春の五角形コメディ、痛みと涙の第二弾!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


1巻が面白くて、思わず勢いで読んでしまったココロコネクト、第2巻。

これもまた文句なしに面白かったです。

人格入れ替わりは終結し、平和な日常が戻ってきた文研部員たち。
しかし、穏やかな日々は長くは続かず、またしても奇妙な現象に巻き込まれてしまう。
今度の現象は、その瞬間の欲望を抑えきれずに行動に移してしまうというもの。
相手を思いやり心の内側に留めていた言葉を、歯に衣を着せない言い方で放ってしまい、お互いに傷つけあう太一たちは、果たして乗り越えられることができるのか?……というのが主な内容です。

入れ替わりの設定ありきの1巻が終わり、2巻はどうなるのかと多少不安でしたが、杞憂でしたね。
前回で各キャラの悩みを解決させたように見せておいて、それを土台から引っくり返す手法に感心させられました。
うーむ、程度の差で納得させた背景があるため、理性が効かない欲望解放のヤバさがなお伝わってきますなぁ。

特に太一の思考回路の危険性がモロに出たのは良かった。
傲慢とも言える行動に、太一自身が身を持って体験して気付けたのは、幸運だったのではないでしょうか。
頑固な性格だから、痛い目に遭わないと、人からの言葉だけでは耳を貸さないだろうし。
主人公として、彼の成長が見てとれて、嬉しい気持ちになりました。

しかし、そんな建前が吹っ飛ぶぐらい、稲葉んが可愛すぎた。
そつなくこなす完璧キャラだと思いきや、内面の脆さが乙女チックすぎるわ。
ギャップ萌えの破壊力をまざまざと見せつけられた。
もうね、太一視点のラスト一文には、激しく同意せざるを得ないってもんですよ。

そんな稲葉と向き合う伊織や、唯を救おうとする青木の格好良さにも惹かれました。
仲間同士で傷つけあいながらも、助け合って一緒にいようとする彼らの姿も眩しいのなんの。
いやはや、青春だなー。
楽しい気分を分け与えてもらいつつも、鬱な気分になるくらいに羨ましい。自分で言ってて意味がわからん。

太一と伊織のカップリングが一番好きでゴールして欲しいと思いつつも、稲葉んにも純情な乙女モードを継続してもらいたいと思う自分は、結構酷い人間だと自覚しています。
この三角関係が、どう発展していくのか。
今月末の3巻の発売が待ち遠しいです。

唐突に欲望に忠実になる現象が起こることで、仲間同士で傷つけあうことになる青春物語

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ココロコネクト  庵田定夏  白身魚  評価A 

△page top