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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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さよならピアノソナタ 

さよならピアノソナタ (電撃文庫 す 9-6)さよならピアノソナタ (電撃文庫 す 9-6)
(2007/11)
杉井 光

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【評価……B
舞台 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
青春 ★★★★★★☆☆☆
 … 7

「六月になったら、わたしは消えるから」
転校生にしてピアノの天才・真冬は言い放った。彼女は人を寄せ付けずピアノも弾かず、空き教室にこもってエレキギターの超速弾きばかりするようになる。
そんな真冬に憤慨する男子が一人。
大音量でCDを聴くためにその教室を無断使用していたナオは、ベースで真冬を“ぶっとばす”ことにより、占拠された教室の奪還を目指す。民族音楽研究部なる部活の創設を目論む自称革命家の先輩・神楽坂響子とナオの幼なじみ・千昌も絡みつつ、ナオと真冬の関係は接近していくが、真冬には隠された秘密があって――。
恋と革命と音楽が織りなすボーイ・ミーツ・ガール・ストーリー。

神様のメモ帳』シリーズの杉井光と、人気イラストレーターの植田亮のタッグでおくる音楽を題材にしたボーイミーツガール。
音楽評論家の息子であり何かと諦めがちな少年・桧川ナオと、天才ピアニストの名を欲しいままにするツンデレを絵にしたような少女・蛯沢真冬が出会うところから始まる物語です。

ほとんど主人公とヒロインの2人でストーリーが展開していきます。
そのため、脇役もスポットライトを浴びせればメインに立てるくらい個性が強そうなのですが、あまり目立ちません。
主人公とヒロインのキャラに抵抗があると最後まで楽しめないことになってしまいますね。

主人公のナオは、『神様のメモ帳』の主人公・ナルミと似ていますね。
ヘタレ気味だけど、決めるところは決める。……と見せかけてやっぱり駄目だったりするところとかw
違いといえば、ナルミより等身大の高校生に近いかなというところでしょうか。

ヒロインの真冬は、ツンとデレがコロコロと入れ替わる娘です。
一歩間違えれば都合のいいことばかり考えている女の子と見られてしまうところを、要所要所で可愛らしい一面を見せてくれるので、憎み切れない存在となっています。
ハルヒとかシャナとかルイスとかのように、いかにも若者に好まれそうなキャラですね。

音楽のジャンルは、主にクラシックの知識が求められます。
僕のクラシック知識は中学の教科書をうろ覚えしている程度なので、分からない用語も1つや2つじゃ済みませんでした。
しかし、知らなくても感覚で読めるようになっていて、文章で音楽を体感することができます。
おかげで、特に読み辛かったという印象を持つことはありませんでした。
とはいえ、結構な頻度で音楽に関する説明的文章が挿入されているため、詳しい方だとニヤリとできてより楽しめそうですね。

ストーリーはほぼ直球の青春モノで、まさしく杉井光版ボーイミーツガールといった感じ。
恋愛要素は意外にもそこまで濃くはなく、若々しい雰囲気があっさり風味で楽しめます。
一言で言うと、青春してますなぁ。

個人的には脇役のキャラが濃い『神様のメモ帳』の方が好みでしたが、これはこれで楽しめました。
コメディ要素もいい塩梅で混ざっていて、笑わせてくれる箇所もそれなりにあったのも良かったです。
ライトノベルにも多くのジャンルがありますが、そのうちの一つを体現している一冊だと思いますね。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  さよならピアノソナタ  杉井光  植田亮  評価B 

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