【評価……S】
舞台 ★★★★★★★★★★ … 10
物語 ★★★★★★★★★★ … 10
人物 ★★★★★★★★★★ … 10
文章 ★★★★★★★★★☆ … 9
挿絵 ★★★★★☆☆☆☆☆ … 5
オススメ度 ★★★★★★★★★ … 10
燃え ★★★★★★★★★★ … 10
完成度 ★★★★★★★★★★ … 10
――いま、余らに必要なものは? 「覚悟を」 東の龍王セイに答えた賢者の一言は、特区の状況を端的に表現していた。 『赤い牙』への奇襲、そして『黄昏橋』の爆破で宣戦布告してきた『九龍の血統』。彼らの用意した罠は着々と機能し、父たる九龍王の遺灰を封じていた真銀刀を奪い、墓所の結界を消滅させた。状況は特区を守る側に、圧倒的に不利――。 ミミコは思い浮かべる。ゼルマンのそばにいると言ったサユカの顔。開戦を誇るように優雅に一礼するカーサの姿。彼女たちは、それぞれの“覚悟”を秘めていた。ならばあたしも、できることをしよう。 ジローさんと一緒に、戦い抜く覚悟を。今、特区で全てを乗り越え、新たなる力を生み出すための物語が始まる――。 |
凄い。他に言葉が出てこないくらい、何と表現すればいいのか分からないくらい凄すぎる。
評価を限界突破のSランクにしたことで、少しでも僕が感じたこの本の凄さを伝えられているでしょうか。
著者が各所でスロースターターと言われる由縁がよーく分かりました。
7巻になってようやく真価を発揮するんですから、最初の数巻だけ読んだ人にとっては、あざの耕平の本当の実力を知らずじまいになってしまいますよ。
しかし、3巻をはじめ、ここまででも十分面白い内容を書いているわけですから、スロースターターというのはちょっと忍びない。
ここは、尻上がりと言っておきましょうw
5巻から始まった第2部は、この7巻で幕を閉じます。
6巻と7巻は続けて読むことを強くお勧めします。
まぁ、そんなこと言わなくても、6巻のあのラストを見て短編集に手を伸ばすことなんて出来ないかと思いますがね。
リアルタイムで追っていた人は、間に短編集が挟まれてヤキモキしたことでしょうw
良かった。ある程度巻数が発売されてから手を出してw
■ 物語
超大作映画に匹敵――いや、それを凌ぐほどの濃密で劇的な展開にただただ圧倒されます。
これまでに築き上げてきた様々なピースを土台にして、これでもか!と言わんばかりの大嵐が吹き荒れます。
見せ場の連続に息をつく暇なんて、とてもじゃないですがありません。
極上の一冊。
ボリュームも結構あるので、中途半端に読み進めるよりも時間がある時に間を置かずに読むことを激しく推奨します。
読了後は、続きが読みたい気持ちよりも、余韻に浸りたい思いの方が勝りました。
これほどまでの完成度の高さを誇るライトノベルは、後にも先のそうそうないでしょう。
僕が今まで読んできた本の中では、今作に並ぶ程の作品は2,3冊くらいしか知りませんね。
■ 燃え
いやはや
、燃えた燃えた。燃え過ぎた。
バトル物のラノベをあまり読んでこなかったということも多少ありますけど、燃え部門では間違いなく今まで読んできたラノベの中でトップに位置します。
予想だにしなかった展開と、期待通りの展開が絶妙のバランスでミックスされ、手に汗握るという言葉を身をもって実感させられました。
特区全土で火花が散っているため場面が目まぐるしく切り替わります。
各地での戦いの始まりに、鼓動の高まりを止められません。
そして、開戦後の、まるで吸血鬼になったかのように血が躍る程の興奮は、留まることを知りません。
■ キャラクター
様々な思いが錯綜し、そのどれもがとても重いものだというのがヒシヒシと伝わってきます。
心が張り裂かれるかのような想いに、涙腺が緩むのを自覚しました。
捨てキャラというのが、本当に一人たりともいない作品だなぁと感じてなりません。
これだけの数の登場人物をただ書き分けるだけでなく、しっかりと肉付けし、読者にドップリと感情移入させてくれる作者に感服いたしました。
キャラクターというのは作家の色が一番反映されやすい項目で、同じ作品内で似たようなキャラばっかりだったり、違う作品でも見たことがあるような造形だったりすることは少なくないかと思います。
あざの耕平さんの場合、引き出しが非常に多くて、被っていることがほとんどありません。
本物の人間が一人一人演じているかのようにさえ見えてきます。
特に男キャラは、同性でもカッコ良すぎて惚れてしまう人物に溢れかえっています。
中年男性を書かせたら、右に出るものないんじゃないでしょうか。
陣内は当然ながら、尾根崎会長や張など『カンパニー』の漢たちの生き様が素晴らしすぎます。
女キャラは、個人的にストライクど真ん中のキャラがいないということで、男キャラに比べると入れ込み具合は落ちてしまうんですが、それでも魅惑たっぷりのラインナップになっているかと。
ミミコ、カーサ、サユカ……。意志の力強い女性陣も見所の一つですね。
自分は、意志薄弱なアリスを推しますがねw
■ 総評
現段階では、紛れもなく
BBBシリーズ最高傑作です。
今後、これ以上の盛り上がりを見させてくれるのか不安になるくらい、圧巻でした。
著者の実力に疑いの余地は一片たりともありませんが、あまりにも今作が傑作すぎて、これを超える物語を書き上げるのは至難の業ではないでしょうか。
ストーリーは、中盤よりも終盤の方が予想がつきやすいからね。
……といいつつ、そんな読者をあざ笑うかのような予想の遙か上を超えるクライマックスを期待w
締めも完璧。
綺麗すぎるまとめ方で、もう何というかお見事。
文句なしに
Sランクです。
これに満点の評価をつけなければ、今後付ける機会がないでしょう。
気にならないところがないわけでもないですが、まぁ突っ込むのも野暮ってもんです。
改めて、勧めてくれた八神さんに感謝!
以下、ネタバレ感想です。どうしても今作の内容について語りたかったので、特別に折りたたんであります。
まだ読んでいない人は、絶対に見ないで下さい!
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