【評価……A】
舞台 ★★★★★★★★★☆ … 9
物語 ★★★★★★★★★☆ … 9
人物 ★★★★★★★★★☆ … 9
文章 ★★★★★★★★★☆ … 9
挿絵 ★★★★★☆☆☆☆☆ … 5
オススメ度 ★★★★★★★★★★ … 10
燃え ★★★★★★★★★☆ … 9
『ジローは、周りに目を向けなきゃ。もっと大きな流れになるために、ね』 昔。闇の母たる、彼女はそう言った。 そして今。目の前でミミコが告げる。 「あなたはちっぽけな流れでしかないの。……独りでいようとする限りは!」 吹き荒れる嵐の中で、ジローは思う。 何故、彼女たちはどんな時も、希望に満ちた眼差しを失わないのか――と。 世界で唯一、人間と吸血鬼が共存する場所・特区。しかし、忌むべき血族『九龍の血統』の暗躍で特区は崩壊の危機に直面していた!兄弟上陸事件、ついにクライマックスへ――。 赤も黒も、全ての“血”が交じり合う真実がここに在る、シリーズ第3弾! |
この3巻は、2巻の後編であり、1巻から続く第1部の完結でもあります。
BBBを手に取った人は、どうかこの3巻までは読んで欲しいかなと思いますね。
1,2巻も十分楽しめましたが、今巻でこのシリーズの面白さが本物だと確信しました。
おかげで、残りを一気に買い集めましたよ。
<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>いやー、とにかく
熱い!この一言に尽きますね。
ジローが焦り、ミミコが悩み苦しむ裏で、『九龍の血統』の恐怖が特区を包み込みます。
「特区震撼」というよりも、カンパニー震撼と言った方が適切かもしれませんね。
後半のスピード感溢れる展開には、テンションが上がりっぱなしです。
まるでドラマティックなアクション映画のように盛り上がる場面が止まりません。
近頃、燃え要素が不足しているなぁという方にお勧めですよ。
ジロー、コタロウ、ミミコ、カンパニー、そして『九龍の血統』の動向が、別々の方向に動き出したかと思えば、ラストに向かって収束していく様は凄いっすね。
まるでそれぞれの往く道が螺旋を描きつつ交わっていくかのような物語の完成度には驚かされます。
しかも、これで序章にすぎないというのですから、どれだけ壮大なストーリーなんだよ、とw
ただでさえ面白い物語をさらに深みを与えている要素として大きなものが設定とキャラクターですね。
2巻の感想でも言いましたが、プロットの完成度が半端じゃないです。
読めば読むほど明らかになっていく事実が、この吸血鬼ワールドを形成するほんの片鱗にすぎないというのを肌で感じてしまうんですから、練り込み具合には感服しますよ。
キャラクターは、主役よりも下手すると目立っているんじゃないかと思われるくらいの脇役たちがいい味を出しています。
頻繁に場面転換する小説の場合、続きが気になるタイミングで別のキャラの話を挿入されると高まった熱が引いてしまうこともありますが、BBBはどのキャラ達の話も読みたくて、それはそれで困ってしまうくらいですw
その中でも別格なのは、
ゼルマン・クロック!サユカが惚れるのも納得できる格好良さっ。やっぱりいいわー。
ヒール役らしい笑みが一々絵になる吸血鬼だことでw
様付けで呼ぶ信者がいるのも頷けますねw
コタロウとの掛け合いが、何だか微笑ましくて、この3巻の中でも随所のお気に入りシーンとなりました。
セイやケインの見せ場はもちろん、カンパニー組の活躍にも目を見張ります。
いまいちキャラがつかめなかった尾根崎会長のイメージがこれで固まりました。
そんな過去を秘めていたんですね。ちょっと意外でした。
一方、主人公のジローやミミコは、今回の件で互いに確かな一歩を踏んでいます。
ミミコがどれだけジローに近づけるか、見物ですね。
ライバルも障害も盛り沢山で、ミミコは本当に苦労しているよねぇ。
他にもカーサや陣内など、敵味方隔たりなく濃いキャラが勢揃いしています。
唯一足りていないかなと感じるのは、萌えキャラの存在かな?w
女の子よりも、年季の入った中年たちの方が魅力的に感じてしまうんだよねw
まぁ、カッコイイおじさんは大好きだし、萌えよりも燃え!の作柄だからいいんだけどさw
あざの耕平氏のポテンシャルを身をもって実感した一冊となりましたね。
評判の高さに、嘘偽りなしでした。