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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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BLACK BLOOD BROTHERS 2-ブラック・ブラッド・ブラザーズ 特区鳴動- 

BLACK BLOOD BROTHERS(2) ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 特区鳴動― (富士見ファンタジア文庫)BLACK BLOOD BROTHERS(2) ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 特区鳴動― (富士見ファンタジア文庫)
(2004/12/18)
あざの 耕平

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【評価……B+
舞台 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
安定感 ★★★★★★★★
 … 9

漆黒の夜に刻まれた、赤い――赤い姿。
調停員・葛城ミミコは、彼から目を離せなかった。
だって、笑っていたから。
『銀刀』を片手に、同族の血に染まり。牙をむき、吸血鬼そのものの姿で。
「これはデモンストレーションなんです」
ジローは、酷く優しげに微笑んだのだ。
間違ってる――と、叫ぶことは簡単だった。けれど。ミミコにはわかった。
もう、何を言っても、彼には届かない。
人間と吸血鬼が共存する世界で唯一の場所・特区。だが吸血鬼の兄弟・望月ジロ―とコタロウの上陸で、平穏は破られた。香港聖戦の英雄・ジローを巡り動き出す、策謀の数々。人間と生きることを望むジローは、ある決断を下すのだが!?
過去の因縁と現在の思惑が、未来を揺るがす!新感覚吸血鬼ストーリー!!

吸血鬼の生きる世界を描いたシリーズ第2巻。
1巻を読んだ時点で感じた期待感は見事に的中しました。

事前情報なしだと気付かないでしょうが、今巻は3巻との前後編ものとなっていますので、予めにまとめて購入するのをお勧めします。
そうではないと、僕みたいに後悔しますよ。
2巻を買ったなら、絶対にセットで3巻を買いましょう。
買っておいて損はないと保証しますよ。

今作は、1巻で繰り広げられた騒動の翌日の話となっています。
これからの物語に密接にかかわってくるであろう登場人物が多く出てきます。
これだけ多いと混乱して把握できないキャラが1人や2人はでてくるものですが、外見・思想・背景などがしっかりと書き込まれていているため、感心するくらいすんなりと自分の中に入ってきました。

嫌いなキャラは一人もいませんね。
新キャラの中で特にゼルマンがお気に入りです。
あの性悪……もとい、悪戯好きな性格は嫌いじゃないです。
何となく、フジリュー版「封神演義」の王天君を彷彿とさせますね……といって分かる人はいるんだろうかw
ああいう物語を搔き乱す人物が一人でもいると、先が読めなくなるから楽しめます。

冒頭の話を読んで、この作品から安定した面白さを感じる理由が分かりました。
既にプロットが精密に積み上げられているのが伝わってくるから、ですね。
話の軸や世界観にブレがないんですよ。
結構な頻度で視点が変わるものの、抵抗なく読み続けられるのもその要因が大きいですね。

最初は特区の事情を背景に、望月兄弟とミミコの、吸血鬼と人間のすれ違いが描かれています。
出会いこそ勢いで突破しましたが、種族の違いには大きな隔たりがあるわけで。
しかも、ジローはそこら辺にいる輩と違い、吸血鬼の中でも特別な存在であるため、ミミコは苦労が絶えません。
そんな中で起こる小さな騒動は、1巻の話の壮大さに比べると、どう考えても地味だなぁ……と、油断していたら、後半、物語が急速に加速します。
「特区鳴動」というサブタイトルに相応しい幕開けがここにはあります。

前後編の前編ということもあって、説明的な部分が多少なりともありますが飽きることはありませんでした。
もうこの時点で、この世界にのめり込んじゃっていましたね。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  BLACK_BLOOD_BROTHERS  あざの耕平  草河遊也  評価B+ 

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