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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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『とんがり帽子のアトリエ』9巻 感想 



とんがり帽子のアトリエ」9巻のネタバレ感想です。

魔法使いの掟は誰のために存在するのか。
世界の根底を司る部分に踏み込む物語に目が離せません。

国や王に束縛されないはずの魔法使いが、三賢者さえも破ればたちまち捕らわれる厳格なルール。
あまりにも便利で多くの現象を引っ繰り返せてしまう魔法の存在を中途半端に公にしない理由。
実現可能なのに手助けすることを封じられている医療行為。
何が正解なのか分からず、読者も考えさせられるようなテーマが非常に重たく圧し掛かります。

人の欲望に蓋をするような形となっているので、反発が起きると思うんですよね。
魔法使いが誠実であれとは三賢者の一人・ベルダルートの言葉。
まさにその通りで、心が清らかである前提で成り立つような異能力なため、人の身には手に余る事象だと思えてなりません。
魔法使い全員が善良であり続けるのは困難でしょうし、透視眼鏡を作る野郎も出てくるのは避けて通れないでしょう。
現実の人間社会でも同様とはいえ、魔法は存在だけが明らかにされているだけで実態は秘匿されているから不公平感が凄まじい。

生命の危機を禁止魔法で救われたクスタスが激怒するのも無理はない。
ココやタータも思い悩み、決められたルールの中で救おうと必死になっていたのは間違いないのにすれ違う心が悲しい。
物語の落としどころが見え辛く、不安な気持ちが募ります。
ある意味ココの抱える闇とリンクしているような感覚になりますね。

49話直前の幕間にて「性暴力被害に関する描写が含まれます」という注意書きあって驚き。
漫画で次の展開をネタバレしてまで警告するので身構えてしまいました。
どれだけエグいのかと読んでみたら大したことなくて肩透かし。
ぶっちゃけ、本筋のストーリーの方がよほど息苦しいぐらいですよ。

シリアス展開に呑まれてしまいがちでしたが、銀夜祭関連のお祭り感は賑やかで良かったです。
テティアの「砂天蓋の杖」は実用性高いアイテムですね。
リチェの「片割れ水晶の腕輪」は絶対に窮地で役立つヤツ。
逆に言えば、十中八九ピンチが舞い込むと言ってるようなものですよね。

銀夜祭の前夜祭である金夜祭に到着したシーンが本当に素晴らしい。
漫画のコマ割りを本に見立てて、コマ枠に手や足をかけるココたちの絵がセンス抜群でした。

スゴロクで表現するのもそうですが、漫画のコマ割りの使い方が秀逸ですね。

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『花野井くんと恋の病』7巻 感想 



花野井くんと恋の病」7巻のネタバレ感想です。

球技大会で周囲と打ち解け始めた花野井くん。
ほたる以外に眼中のなかった態度が緩和されたことで人が集まってくるようになりました。
アリウープなんて派手なことやったら、そりゃあ恋に落ちる女子学生もいますよね。
しかも、見た目だけでだけでなく内面の良さに言及する後輩の美少女が現れたら、ほたるが焦るのも無理はありません。
慌てて髪型をいじるほたるが可愛くて和ませてくれました。

きょーちゃん監修のほたるデートスタイルが可愛い。
彼女がデートに合わせてお洒落をしてくれたら、それだけでテンションが上がるのが男です。
そして女の子にとっては、自分に自信が持てるようになるわけで、なんて平和な好循環。

花野井くんの元カノが1話以来となる再登場。
変に拗れるような展開ではなく、親切心からの助言をしたかっただけみたいですね。
当時の花野井くんは今以上に束縛が激しかったので、元カノが辟易するのも無理はない。
それにしてもお互いベタ惚れ状態になってて、外的要因でヒビが入るとは到底思えなくなってきていますね。

恋人の部屋で彼シャツに身を包んだままベッドで寝るほたるは、さすがに無防備過ぎる。
ディープキスで済んだのは健全というか、花野井くん頑張ったというか。
押し倒されていても文句は言えませんよ。

位置共有アプリを入れているカップルが存在することは知っていますけど、個人的にはかなり抵抗があるなぁ。
監視されるのも嫌だし、相手のことが気になって落ち着かないのも嫌。
流れでお試ししていたけど、イマドキの若者には抵抗がないのかな。

メインよりも脇役の方が動きがあって興味をそそられます。
前回は軽い気付き程度でしたが、しばむーと先生の距離感は明らかに匂わせていますね。
察するにしばむーは先生のことが好きで、先生は好意を受け取ってはいないように見えます。
女子高生と担任の先生のロマンスというと、ママレードボーイを思い出させますね。

さとみさんの推しにスキャンダル発覚で、10年来のリア恋に失恋してしまうことに。
バイト仲間から励ましてもらって一件落着かと思いきや、八尾に対してときめいちゃうのは予想通りでニヤニヤ。
あちこちでくっついちゃって幸せになればいいさ。

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『月刊少女野崎くん』15巻 感想 



月刊少女野崎くん」15巻のネタバレ感想です。

2巻以降必ず表紙はペアを作っていましたが、今回は野崎ソロ+αの構図。
メインキャラたちを代わる代わる取り上げてくれるのなら、早くも次巻が楽しみです。

地味ながらも着実に進行している恋の行方。
カップリングは確定しているので、早くおまえらくっつけよ状態が散乱しています。

思わず吹き出して笑ってしまうボケはいつも通り盛り沢山。
どこまでいってもすれ違い続ける両想いラブコメに飽きはやってきません。

予想通り、都と遼介は前回の漫画家バレからの勢いだけではカップルとなっていませんでしたね。
熟読してきた遼介の天然な弄りは、都にとっては拷問すぎて笑う。
意外にもしっかりと交際宣言をしたので、やっとまともなカップル成立となりました。
これで落ち着くかと思いきや、直後に妹たちから誘われた女子会でもハチャメチャだったので、良い意味で付き合う前と変わらないコントのようなノリが楽しめそうです。

野崎似のフィギュアにメイド服を着せるコマが我慢できずにリアルで噴き出しました。

事故でお互いファーストKISSをしてしまった掘と鹿島。
普通のラブコメならロマンス展開になるところが、この漫画は明後日の方向にしか話が進みません。
二人が気にしないせいで逆に演劇部が気を遣って全員で日常を演技する流れは思い付きませんよ。
今度ロマンチックにキスする約束が果たされるときこそ、お互い意識し合うことになるのかな。
……いやぁ、想像できないなぁ。
鹿島に彼氏が出来たという嘘を信じた上で、解釈違いだなんて台詞を吐くような人だしなぁ。

スーツにサングラスの野崎と若松を引き連れた千代に対するモブツッコミが鋭くて笑った。
「嘘くさいリボンを付けてるはずだぜ…!!」は卑怯だって。

少女漫画の貸し借りを裏取引みたいに渡すシーンもアホ過ぎて笑うしかない。

ちゃんとイケメンの男も描けるのか。
鈴木とモブしか掛けないのかもと思っていました。

鹿島姉妹は雰囲気こそ正反対ですが、人の話を聞かない猪突猛進な性格は瓜二つですね。
突如演劇部員が始めた即興ミュージカルに巻き込まれた麗が小鳥役でうるさすぎて草。

結局一番ヤバイ人間は千代ちゃんでしたってオチ。
これだけ濃いキャラ満載だと野崎はマトモな方だなとつくづく思わされます。

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『薬屋のひとりごと』11巻 感想 



薬屋のひとりごと」11巻のネタバレ感想です。

ほぼ状況証拠が出揃っていたとはいえ遂に壬氏が皇帝の弟、つまり皇弟であることが明言されました。
驚きはないもののやっと答え合わせが出来て少しスッキリした思いです。
とはいえ、阿多妃の子と交換されたかどうか、そして壬氏が気付いているのかどうかは分かりません。
あと、何故身分を隠して壬氏として宦官の振りをしているかまでは判明せず。
全てが明らかになるのはまだ先のことになりそうで、まだウズウズし続けることになりそうです。

皇帝が猫猫を妃に迎え入れようとした言動に壬氏は心中穏やかではなかったでしょうね。
冗談めかしていると分かっていても、立場上誰も止められはしないでしょうから。
随分フレンドリーに話しているけど、皇帝も猫猫のことを多少なりとも気に入っているんでしょうかね。
まぁ、巨乳好きだから守備範囲外だったようですが。

位だけは幾度も作中に出てきましたが、本格的な登場は初となる先帝と皇太后。
漫画担当のねこクラゲさんは美形を描き分ける術に優れている人だと何度思わされたことか。
ついつい似通った顔になりやすいところをしっかり別人として描きつつ、なおかつ美しさを表現するので凄いというかもはや恐ろしい。

ロリコンの先帝が現皇太后の幼い頃に子を孕ませたという表面上の出来事の裏に起きていた物語が綴られています。
皇太后の心境は一言では表せられないぐらい複雑なものだったのでしょうね。
それでも少なくとも壬氏に対して否定的な感情を抱いているわけではなさそうなのは救いだったと思います。

名探偵・猫猫の噂はどこまで広がっているのだろう。
すっかり侍女の領域では仕事ばかりしているので、役職を与えてやってもいいのに。

何気ないページなのに何故かカラーだった子翠とのやり取り。
未だに謎多き存在で、絶対にただの侍女ではないと思うんですよね。
今のところ虫に夢中になってビョンビョン飛び跳ねたり、ニコニコしながら猫猫の手を引いたりと可愛い姿しか見せません。
裏の顔なんてあって欲しくないなぁ。

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『薬屋のひとりごと』10巻 感想 



薬屋のひとりごと」10巻のネタバレ感想です。

特使の要望に応える形で用意したのは女装した壬氏でした。
いつかはやってくれると思っていましたよ、ええ。

男性でありながら美形に性差などないと言わんばかりの蠱惑的な容姿。
されど骨格は男であると表現する画力の高さに屈服します。
大ゴマ連発が衝撃の度合いを表しており、幻想的な舞はお見事でした。

それにしても結局特使たちの狙いはなんだったのか。
上級妃を牽制して皇帝や皇弟の寵愛を受けるつもりだったのでしょうかね。

相変わらず壬氏に対して失礼な態度を取り続ける猫猫。
許しているというか、何故猫猫に真実を告げないのかが読み取れません。
読者は壬氏の正体を薄々勘付いているので、気になるポイントとしては理由の方になりますね。

本筋が見えず、中篇を繰り返している印象。
今回でいえば3話かけて描かれた「みたび、水晶宮」がメインになっています。

とにかく、梨花妃の格好良さに尽きます。
姉妹のように思っていた侍女頭の杏の非道に対して、凛とした表情で頬を叩くシーンは痺れました。
さらに拳を振り上げて解雇することで、命だけは助けたということですよね。
以前我が子を亡くし、再び妊娠したと思われる状況でよく冷静な判断ができたものです。
初登場時の衰弱した姿以降、再登場するたびに評価を上げる女性ですね。

それにしても、この国の侍女頭にはまともな人間がいないのだろうか。
時々怖い一面を見せるものの紅娘が唯一まともで、ホッとします。
これまで何度も思いましたが、猫猫は本当にいい方に選んでもらいましたね。

そういえば、普段だと怒りの感情を出さない猫猫なのに珍しく腹を立てていますね。
これまで幾度となく下女の命は軽いと猫猫の口から発せられているのには、何か大きな理由が他にあるのでしょうか。

箱に砂を敷き詰めて文字を書く土台にする方法はなるほどと思わされました。
これって紙や筆が貴重だった時代だとありふれた手法だったのかな。

説得力の塊である作画の力で唯一不可解なのは、猫猫が化粧をすると周囲に気付かれないこと。
確かに普段と比べても美少女度が格段にアップしますけど、一発でバレるだろうと突っ込みたい。
猫猫ほど人相が変わる人はいない時代ということなのかな。

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『薬屋のひとりごと』9巻 感想 



薬屋のひとりごと」9巻のネタバレ感想です。

前回の後半から新たな章に突入していますが、今のところ話が散らばっているように見受けられます。
原作小説2巻の内容を描いた漫画5~8巻と同様に、小さな事件の重なりが大きな事柄に繋がっていくのでしょうか。

気になるキーワードはいくつかあります。
そのうちの一つが、交易を司る他国から来た特使の存在。
まだ顔見せには至っていませんが、雰囲気から察するに西欧っぽい美女たちのようですね。
数十年も前にいたという月の精のような美女に会いたいなんて無理難題を吹っ掛けるぐらいですから、何か意図があるのでしょう。

先行隊としてやってきたキャラバンが、妊婦に悪影響を及ぼす商品を多数取り扱っていたというのもきな臭い。
上級妃に等身大の姿見を献上したのも怪しく感じてしまいます。

子猫を拾った時に出逢った侍女の子翠。
ツインテールとお団子の中間みたいな髪型が可愛いですね。
昆虫好きという変わった趣味の持ち主で、どこか猫猫と似ている感じがあります。
幼虫を掴む胆力は、たとえ幼少期であっても真似できたかどうか。
意味ありげに登場してきたので、ついつい身構えてしまいますね。

伏線らしきものは散見されますが、決定的な話には繋がらずに日常が過ぎていきます。
暗躍している姿形がハッキリとせず、気持ち悪いとまではいきませんが少々焦れったいですね。

そんな中で、相変わらず薬にしか目がない主人公。
材料となるなら茸や虫など見境なく飛び込む悪癖は身を滅ぼしそうで心配になります。
包帯で隠された傷痕が自傷による人体実験によるものだと知った壬氏の反応は最もだと思いますよ。
だから物で釣ると操りやすいとバレているんだろうなぁ。

猫猫からの蔑視に慣れ過ぎてしまった壬氏は重症ですね。
珍しく感心したリアクションをする猫猫に慌て、蔑まれてホッとするなんてもはや手遅れでしょう。
学びの場を提供しようとしたり、一見玉葉妃を優遇していると見せかけて色眼鏡をせずに翡翠宮の面々を窺ったりと仕事しているはずなのに有能とは思えないのは性格故か。

認めている裏返しなのかもしれませんが、猫猫はやり手婆や壬氏に対して心の中でボロクソに言ってますね。
時代的に目上の人物に横柄なやり取りしていたら、打ち首にされても仕方がないはずでしょうに。
呆れられつつも愛されている猫猫だから、不遜な態度も許されるのでしょう。

毎度のことならが魅力的な絵が多くて見応えがあります。
老いの変化が上手い漫画家は本当に画力の高い人だと思いますよ。
若かりし頃のやり手婆の見た目が現在の姿に繋がっていると感じられて説得力が素晴らしい。
美女の種類も豊富で、いわゆるハンコ絵にならないところもお見事です。

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『薬屋のひとりごと』8巻 感想 



薬屋のひとりごと」8巻のネタバレ感想です。

偶数巻の表紙は派手な格好にするルールでもあるのでしょうか。
可憐な衣装を纏い舞を踊る猫猫に目を奪われます。

原作小説2巻の締め括りとなる猫猫の生い立ちが描かれるエピソード。
明かされる内容は予想通りなのに衝撃を受けるもの、予想外で驚かされるものなど。
話のまとめ方が秀逸で読了感が良いのは、作者の手腕によるものなのでしょうね。

羅漢の妻、つまり猫猫の母である鳳仙の美しさは作中でも随一ではないでしょうか。
華やかな女性が多く登場する本作でも一際輝くほどの美人。
カラーの画力が半端なくて惹き込まれます。

初登場時から不穏な空気を醸し出していた羅漢は、結局はただの一途な男でした。
鳳仙を愛し、猫猫を大事にしている家族想いな男です。
悲しいすれ違いにより失った時間は決して少なくないけれど、再び愛する女性と触れ合うことが出来たのは彼にとって何よりの幸福だったはず。

絶世の美女相手でも関係ないんですよね。
顔の区別のつかない羅漢にとって大事なのは外見ではなくそこに存在することなのですから。
生きている鳳仙と再会した羅漢の号泣につられてしまいそうになりました。

記憶をなくし碁石を並べることしかできない彼女の寿命はあとどれだけ残っているのだろう。
願わくば一日でも長く一緒に過ごせることを祈ります。

羅漢の叔父が猫猫の養父、羅門とは直前まで全く気付きませんでした。
猫猫にとっては多少なりとも血の繋がりがあるということは喜ばしいことですね。
実の父母との関係性が複雑なので、頼れる存在が親類なのは良いことに違いありません。

梅梅が羅漢に想いを寄せていたことも驚きました。
鳳仙と猫猫に対して複雑な感情抱いてもおかしくないのにそんな素振りもなく。
今回は報われませんでしたが、彼女なら羅漢よりもいい人が見つかりますよね、きっと。

父母の情緒溢れる物語と対比するかのように主役たちの進展のなさよ。
壬氏対してロマンスの欠片さえ持ち合わせていない猫猫の態度が面白い。
お姫様抱っこされて照れるどころか居心地が悪いとまで宣う始末。
牛黄をせびる猫猫のハニカミに頭突きをお見舞いする壬氏も大概ですよ。

面倒臭い性格をしている上に、嫌われるようなことばかりするから仕方がない。
子猫のお世話を「子育ては順調か?」と尋ねるとか、デリカシーという概念なさそうですし。
まぁ、猫猫も父親相手に「うまく当ててくれたおかげでここにいる」なんて台詞を吐いて壬氏を引かせていたし、どっちもどっちか。

猫猫が猫を好きでないのがただの同族嫌悪で笑った。
気分屋なところなんか、そのまんまだからなぁ。

素知らぬ振りを装う猫目の猫猫や、お転婆な鈴麗公主など相変わらず可愛い絵が満載で楽しいですね。
今回も非常に面白かったです。

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『薬屋のひとりごと』7巻 感想 



薬屋のひとりごと」7巻のネタバレ感想です。

一連の犯行を企てたと思われる官女の翠苓が死体で発見される……と、前回の次巻予告でバラしてしまったのはいただけない。
驚きが一つ減ってしまって残念でした。
幸い偽装だったので、完全なネタバレではなかったのですが、偽装だという予想は付いてしまいましたね。

しかし、猫猫の推理は合っているのかどうかは少々疑わしい。
ここまで緻密に練られた計画で、自分の命をチップにして博打をするものだろうか。
動機が不明なため、執心が量りかねますね。

事件の真相も気になりますが、それ以上に驚きの事実がいくつも判明しました。
20代だと思っていた高順が37歳で子供どころか孫がいたこと。
馬閃が高順の末子だったこと。
そして、壬氏が宦官と偽り、実際の年齢が19歳であること。
壬氏の正体は大体予想は付いていましたが、今回でなおのこと仮説が深まりました。

玉葉妃の懐妊で再び後宮の仕事を任された猫猫。
後宮の面々は魅力的なキャラが多いので、予想外に早い出戻りは嬉しい限り。

白鈴が身請けされる噂のエピソードが面白い。
色欲魔の白鈴がとびきりエロいのなんの。
豊満なバストに妖艶な唇、煌びやかな長髪に母乳が出る特別体質。
妓女として非の打ち所がなく、多くの男が虜にされてしまうのも無理はない。

惚れてしまった男の一人である李白は初登場時の軽さが信じられないぐらいイイ漢ですね。
壬氏からの提案を断って己の稼ぎで迎えに行こうとする意気込みは立派です。
ムキムキの筋肉で体力にも自信のある彼なら夜の相手としてもピッタリなのでお似合いですね。

それにひきかえ、壬氏は余裕がなくて情けない面が目立ちますね。
半裸の李白と共にいた猫猫に対して尋問したり、勘違いと分かると李白相手にマウント取ったり、万が一でも恋敵にならないように金を工面しようとしたり。
なるほど、確かに精神的に幼い部分が多いですね。

羅漢の真意が読み辛い。
娘である猫猫を大切に想っているのは確かなんだろうけども。
象棋の勝負は切れ者の羅漢ならルールの時点で負けるしかないと分かっていたはず。
猫猫が極端に厭うので嫌な人物に映りますけど、実は悪人ではなさそう感じがしますね。

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『モブ子の恋』17巻 感想 



モブ子の恋」17巻のネタバレ感想です。

ひまわり畑に囲まれている信子が晴れやかで良いですね。
社会人編になってから季節の花を表紙のテーマにしているのか、鮮やかな色合いが映えます。
モブとは一体と言いたくなるぐらい美人だなぁ。

開幕クライマックスというべき明日香の告白タイム。
まるで本人の緊張が乗り移ったかのように、読者のこちらまでドキドキしました。
冗談に取られないように真面目な話だと前置きしてから、か細い声で「好き」と伝える明日香にキュンとさせられます。

過去の失敗から恋愛に向き合えないからと告白を断る太一。
チャラそうでありながら誠実さも感じ取れた背景にはこんな理由があったのですね。
明日香の涙ながらの告白に対して前向きに捉えようとしたのは好感持てますし、大切に想っているのも伝わってきました。
付き合うまでに至るかどうかは分からないけど、二人の関係が崩れることはないでしょうし、勇気を持って一歩進んだことは良かったと思います。

ふみちゃん、もうバス通勤で一緒の人と恋人関係になったのか。
しかも同棲まで考えているなんて、意外といってはなんですが恋にスピーディーですね。
信子は付き合って3年も経つのにもかかわらず、一番の親友に彼氏を紹介していなかったぐらいなのに。

信子の夏季休暇に合わせて鎌倉旅行の赴く二人。
よく旅行行くカップルだなー。
文化や風景を楽しむことができる真面目な性格だから、きっとどこに行っても楽しめるのでしょうね。
同棲後に破局したカップルの話を聞いて博基との違いが多いのではと信子は心配になっていますけど、第三者視点では似た者同士のお似合いカップルにしか見えませんよ。
別れる未来なんて想像できないから安心していいと思いますが、当事者はそういうわけにもいかないか。

思わず口にしてしまったことから一緒にお風呂に入ることに。
イチャイチャが半端なくて頬が痛くなるぐらい緩んでしまって困る。
直球のエロさではなく、扇情的なのが読んでいてたまりませんね。

本人達も自分達らしいと言うぐらい話し合いばかりしていています。
だからこそ相手を尊重できるし、すれ違いもすぐに修正できているから良いことであるのは間違いありません。
改めてプロポーズの約束をしながらガラスの指輪を左手小指につけるシーンは羨ましいほどにエモかった。

何を軸にするかで人生設計は大きく変わります。
少なくとも相手に合わせすぎる生活はストレス溜める原因となるので、博基が度を越えないかだけが心配です。
遠距離を経験したからこそ信子のそばに居たいって気持ちは紛れもなく本物でしょうから。

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『薬屋のひとりごと』6巻 感想 



薬屋のひとりごと」6巻のネタバレ感想です。

表紙の猫猫が見惚れるほどに麗しい。
こんな美少女姿を帝が知ったら、あっという間に囲まれてしまいそうだ。

事の発端は壬氏に変装を命じられたことに遡ります。
街に繰り出す際にバレないように化粧できないかと相談された猫猫。
紅をさしただけで周囲を誘惑してしまうほどの美貌である壬氏を野暮ったい格好にするのは、見た目を整える化粧とは逆の意味で大変でしたね。
庶民っぽくもありつつ、隠しきれない美形を表現するねこクラゲさんの画力が素晴らしい。

そして、その作画の真価を発揮するのは猫猫お嬢様バージョンです。
主従逆転のために見繕った姿をカラーで楽しめるのは最高でした。

ちなみに壬氏が何の目的で変装してまで街に出てきたかは描写されていません。
もう一つの漫画版では明かされていますが、原作でも秘密のようなのでこれでいいと思います。
そのせいで、猫猫からお忍びで愉しんでいると勘違いされる壬氏は可哀想になってますが。

予想通り、羅漢が猫猫の父親であることが判明。
緑青館で寝込んでいる梅毒の女性が母親なのだろうか。
養父に育てられた経緯も謎で、猫猫はただの下女ではありませんね。

壬氏経由で接触を図ろうとする存在が羅漢と知った時の猫猫の表情が暗黒過ぎる。
普段、負の感情を表に出さないだけに衝撃的で、どれだけ恨んでいるのかと想像しきれません。

猫猫の薬物中毒っぷりには困ったものです。
気乗りしない依頼であろうとも餌付けされれば、命懸けで取り組んでしまうのですから。
でも、数々の事件が一つの事柄に結び付いた時、走り出した理由が人助けではなく報酬の牛黄を貰うためっていうのが猫猫らしくて好きですよ。

迫力のあるダイナミック救出劇は見応えのあるカットでした。
棍棒で殴られ、足も抉れる怪我を負った猫猫が痛々しいのも絵の力が大きい。
本当に良い人に漫画を描きますね。

やんごとなき身の方が壬氏だったとは猫猫は予想外だったようですが、読者からすればやっぱりなって感じ。
羅漢には正体を見抜かれているようですが、宦官ではなく身分の高い者としか分かりません。
物語の続きが非常に楽しみです。

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『オタクに優しいギャルはいない!?』4巻 感想 



オタクに優しいギャルはいない!?」4巻のネタバレ感想です。

まるまる一冊通して学祭当日編。
いつものようなギャグ路線だけでなくシリアス展開もありましたが、今回だけでまとめ上げています。

二人の美少女を擁するコスプレ喫茶は繁盛するに決まってますよね。
彼女たちの凄さは異性だけでなく同性からも好かれているところだと思う。
たとえ関り合いがなくても、クラスメイトなだけでも楽しくさせてくれる存在でしょうね。

コスプレは伊地知のメイド姿が最強でした。
ミニスカ、ツインテール、ニーソのバリバリ直球スタイルに見惚れてしまいます。
天音がキラモン繋がりで瀬尾と一緒にコスプレ写真を撮りたがるところは可愛かったですね。
表紙にもある派手なカラコン装着の平成ギャルモードも悪くないですが、ぶっちゃけ元々当時のギャルは好みから外れているので、これなら普段の令和ギャルのが好きですね。

ミスコンで伊地知と天音のどちらに投票するか頭を悩ませる瀬尾。
息切れするほど考えたのち、両者の名前を書いたのは逃げなのかもしれないけど少しホッとしました。
しかもご丁寧に五十音順の注釈を添えて順列に意図はないことまでアピールする徹底ぶり。
どちらも魅力的な女の子ですから、選べない気持ちはよーく分かりますもん。
結果的にミスコン1位に選ばれたのが伊地知だったのは、世渡りの上手さの差でしょうね。

煌びやかな二人のオーラに圧されて塞ぎ混んでしまう瀬尾の気持ち、分からないでもない……けども。
彼のいいところは愚直なまでに真っ直ぐなところだと思っていたので、若干印象変わりました。
まぁでも、いくらライクとはいえ二人同時に大好きですと伝えられるのはさすがの豪胆でしたけどね。

伊地知と天音の百合関係は作中内外問わず需要ありそう。
後夜祭の花火の噂目当てでアプローチする面々もこの二人がくっ付くなら仕方がないと諦めてくれそうだし。
もしも将来的に瀬尾がどちらかと恋人関係になるのだとしたら、外野はどういう反応するのかな。
優しい世界観なので案外あっさり認められそうだけど。

正直シリアス展開は微妙だと感じてしまったので、次回はもっと頬が緩みまくってしまうラブコメ展開を希望したい。
ミスコン3位の汐さんという新キャラフラグも立ってるっぽいので期待しています。

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『1日外出録ハンチョウ』9巻 感想 



1日外出録ハンチョウ」9巻のネタバレ感想です。

□ 第64話 釣果
木村を引き連れて4人で海釣りへ。
石和がボケずに釣りを指導するなんて日が来るとは。
自分の好きなものを紹介して詰まらないと思われたくない気持ち、よーく分かりますよ。

□ 第65話 三畳
班長室が割り当てられることになり宮本と買い物に行く話。
敷地面積小さい方が逆に秘密基地感があってワクワクするって凄く共感できる。
宮本が持ち込み許可の判断役としてし全く仕事していないのはいつも通りで笑う。

□ 第66話 上京
沼川が高校の同級生黒木に東京観光してあげる話。
変に都会ぶるよりも地元の方言全開で張っちゃけた方が楽しいだろうね。

□ 第67話 鉄人
料理人・柳内が人事異動で給食係から離れることになりショックを受ける大槻たち。
ザ職人って感じで、何で黒服やってるのか分からない人でしたからね。
贅沢を知っちゃうと元に戻すに苦労するのはどんなことでも同じですね。

□ 第68話 戦隊
戦隊物で名を馳せた俳優・倉本海が地下送りされてきたことで起こるフィーバー。
どこで落とすのだろうと身構えていたのにカッコいいまま去っちゃって意表を突かれた。
ブルー役の俳優の連帯保証人で借金肩代わりしてたのに信じきるとはレッドのカリスマやばい。

□ 第69話 起点
まるでオールスターのような賑やかなお花見。
セーブポイントという考え方はなかったけど洒落てるなと思いました。

□ 第70話 一会
見知らぬ人達と一夜限りの飲み会。
後腐れなくその場だけの関係というのも楽しそうでいいな。

□ 第71話 未食
どじょう鍋デビュー回。
食べたことがないというか、食べられる場所を見かけた記憶すらない。
検索しても県内に候補出てこないし、一生食べる機会がないような予感がする。

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『トモダチゲーム』23巻 感想 



トモダチゲーム」23巻のネタバレ感想です。

表紙は唯一の3度目登場となる幼少期のゆとり。
振り返ってみると悪い顔で並ぶ表紙で2巻という早々の登場の割りに無垢は表情だったのは、明らかに特別視されていましたよね。
他キャラと比べても2度目の表紙が圧倒的に早く、作者のお気に入りであることが窺えます。

さて、ラストゲームも中盤から終盤へ。
次々と明らかになる各人物の背景と脱落で、混沌としていた極限状態から余分なものが削ぎ落されていきます。

実は登録者数94万人の動画配信者だった波羅川ソラの毒殺未遂事件の続きから。
狭口君子が大したことがないってことは、ここまで読んだ読者なら誰しも薄々感じていたことでしょう。
言ってしまえば、彼女程度では友一はコントロールできないし、止めることも出来ません。

ただ驚いのは、ラスボスのポテンシャルがあった真次をいとも容易く背後から刺したこと。
自称普通の人間としての行動心理は理解できるものの、実際にアクションに移せるのは普通ではないと思います。
彼女もまたここまでトモダチゲームに参加してきた強者だったということでしょうか。

それにしても、真次は思ったよりもショボかったなー。
もっと大物感があったのに、まさかここでリタイアするとは予想外です。
刺された傷が致命傷となってしまい、友一に聞きたかったことをゲームと称して急いで自白させただけでしたね。
結局、余裕のなさから簡単に一本取られてしまいましたし。
プロの殺し屋なのに後ろから刺されたり、銃が暴発する可能性を考えなかったりとお粗末でした。

斯波大善は作中でも随一の歪んだ人格の持ち主ですね。
彼のイカれた思想のせいで、果たして何人の人間が堕ちていったのか。
今回で友一が刺殺したことが明確に描かれたので、さすがに実は生きていましたって展開はなさそうかな。
最後の言葉である「頼むから友華のことは許してくれ」は随分と意味深。
もしかすると、黒幕と何か関係があるのかもしれません。

天智が最終ゲームの現地まで呼び出された意味はなんだろう。
おそらくトモダチゲームのボスは誰かの近親者だろうと思われますが、誰もが怪しくて分かりません。

ゲームは佳境に入ってきていますけど、まだ二転三転することは約束されています。
予想通り川内太郎はリタイアしておらず、着々と準備をしていましたね。
単純な投票ゲームとしての決着は、友一との勝負になりそう。
いなくなった連中はゲームを棄権しているはずとさらっと流した友一の台詞は違和感バリバリで、何か策を講じているのでしょう。

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『薬屋のひとりごと』5巻 感想 



薬屋のひとりごと」5巻のネタバレ感想です。

新章突入。
てっきり後宮に戻ると思ったら、解雇した手前すぐには復帰できないという理由から外廷勤務に。
玉葉妃や同僚の侍女が魅力的な最高の職場環境だっただけに少々残念。

壬士は猫猫が官女に絡まれているというのに助けもしないのか。
立場上、下手に関わる方が猫猫の今後に悪影響があると考えたのかもしれませんけど、あまりいい気はしませんね。

寒いからと猫猫に上着を羽織わせる高順のイイ男っぷりに対してヤキモチを焼く壬氏は器が小さいのう。
他の男から言い寄られないように猫猫にそばかすを入れろと言ったり、ベタ惚れじゃないか。
本人にはまるで伝わっていないところがピエロになってて、若干可哀相に思いつつもちょっとくらい痛い目みてちょうどいいとも思う。

猫猫が釣られた変な草は冬虫夏草だったようです。
貰った時の文字通り飛び上がるほど喜んだシーンはメッチャ面白かったけど、未だに思い出し笑いするほど嬉しかったのね。
毒が試せると思ったらやる気を出す現金な性格ですから、実は簡単に篭絡させられます。
高順はその辺上手いなと思いますね。

23話の上級妃勢揃いとなるカラーイラストは色鮮やかで素晴らしいの一言。
やはりツートップの玉葉妃と梨花妃が麗しいことこの上ない。
阿多妃の代わりとなる新しい淑妃・楼蘭妃はいかにも中華系っぽいビジュアルである意味一番正統派ですね。
今のところ謎多き女性で、猫猫にとって敵か味方が判断つきません。

そんな上級妃に性教育で秘術を伝授する猫猫。
娼館出身とは言え経験乏しいはずなのに指導する側に立つというのも面白い。
まんねり離脱と喜ぶ玉葉妃頬を染めながら手の動きがエロい梨花妃絶望する里樹妃素知らぬ顔の楼蘭妃
四者四様の反応が楽しかったです。

事件は推理モノの定番ばかりで目新しさは少ないですね。
粉塵爆発、長子を邪魔者として殺害する次子、形見に差のある三兄弟などどこかで見たことがあるようなものばかり。
それでも物語に引き込まれるのはキャラクターが魅力的なことが大きいのでしょう。

猫耳モードの猫猫がマシマシいいぞー。
可愛いリアクションが多くて愛でたくなります。

怪しげで曲者な高官・羅漢の登場で更に風呂敷が広がってきました。
ますます今後の展開が気になります。

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『描くなるうえは』1巻 感想 



描くなるうえは」1巻のネタバレ感想です。

漫画家を夢見るオタク少年とJKギャルが恋愛経験を得るために疑似交際するラブコメディ。
流行であるオタクとギャルの組み合わせ&偽りのカップルという定番ネタ。
王道過ぎる題材ですが、ツボ押さえたことで非常に質の高い作品となっています。

奥手で後ろ向きな陰キャが陽キャの化身であるギャルに引っ張られる展開はストーリーが進みやすいのが利点ですね。
作家と読者の両側にメリットがあります。

超アグレッシブなギャル・宮本似衣奈(ニーナ)のおかげで物語の勢いが半端ない。
オドオドしている主人公・上原勇紀は明らかにニーナから良い影響を受けています。
正直あまり好印象を抱く要素がない主人公なのですが、頑張っているのは間違いないので応援したいと思わせてくれますね。

恋愛漫画をバイブルにしているから、イベント発生率が驚くほど高い。

見回りの先生に見付からないように密着して教壇に隠れる。
恋人のジャージを借して、一緒に体育の授業をサボる。
深夜の学校でプールに飛び込み、翌日寝込んでしまう。
お見舞い中に熱で意識が朦朧とした相手とマスク越しのキス。
台風で電車が止まりラブホで一夜を過ごす。

これが第1巻で全て網羅しているのですから怒涛の消化率です。

第1話から早々にお互い意識し合っているのですが、実態は微妙に異なっていますね。
上原はあくまで女の子に対する免疫の無さから照れているのに対して、ニーナは既に恋心らしきものを抱いている様子。
おかげでニーナが後から顔を真っ赤にする展開が多いです。
女の子が赤面するシーンが大好物な方には、テンコ盛りな本作は非常にオススメの一品となっています。

セクシーな格好によるボディータッチがメチャクチャ多いのもギャル作品らしい特徴。
頻繁に抱き付くからおっぱい当てまくりで、パンツ見られまくっているのに恥じらいがない。
かと思ったら、名前を呼んだり呼ばれたりするだけで顔を見れなくなるぐらい赤面しちゃう。
ニーナの貞操観念は一体どうなっているんだろうと思いつつ、このギャップがたまりませんね。

多過ぎるパンモロは微妙だけど、体つきはとってもエロくて目が留まります。
人体を描くのが上手く、女の子特有の柔らかさが曲線を見事に表現していますね。

単行本買ったことに全く後悔はしていないけど、物足りなかったのが一つ。
おまけ漫画が「ブルーロック」を手掛けるノ村優介さんのルポ漫画のみだったこと。
内容は決して悪くないどころか面白かったんですけど、作中キャラの番外編やおまけ漫画がなかったのは残念でした。
連載で読んでいると、単行本ならではの付加価値を求めてしまいますね。

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『ぼっち・ざ・ろっく!』5巻 感想 



ぼっち・ざ・ろっく!」5巻のネタバレ感想です。

ボケが増量されていて予想以上に楽しい。
毎ページ面白過ぎて、笑ってしまうが故に逆に読み進めるのに時間が掛かってしまいます。

表紙はアダルトな3人が勢揃い。
カラー扉絵の星歌は拗ねた顔が可愛くて、とても三十路には見えませんね。
作中では星歌の部屋着や髪を束ねた姿、ぬいぐるみ抱くところとか可愛いところ満載。
個人的には、ぼっちちゃんのことが気になってて見守っているところが好きです。

開幕から「穴という穴に栄養をぶち込むのよ~~!!」のインパクトは凄い。
編曲作業で追い込まれてミイラ化する娘に天然水やウィダーインゼリーを口や目からぶち込みながら「カムバック現世~~!!」と叫ぶ母は控えめにいってヤバい。
きっと珍しくないことなんだろうなと想像が容易くて二度笑えます。

ぼっちちゃんと山田は非アクティブな面が似ているからシンパシー感じ合うんだろうな。
周囲の目を気にして単独行動を取れないはずのぼっちちゃんが山田のおかげで逃走に成功しているのは珍しい。
そんな二人の絆に嫉妬する喜多ちゃん、その彼女の頭をポンと手を置く虹夏ちゃんという関係性がいいな。
結束バンドの仲の良さを表していて実に尊い。

虹夏ちゃんが受験勉強で出勤できなくなることもあって新しくバイト2名追加。
それはいいんだけど、ぼっちちゃん達がバイト始める前までは他に雇っている人はいなかったのかな。
こんなに人を雇用できるのですからライブハウスの売上は上々なのでしょうね。

さてそんなわけで新キャラ登場です。
とはいってもどちらも再登場なんですけどね。

一人目は、ぼっちちゃんの学校での奇行をたびたび目にしていた大山猫々
喜多ちゃんとは別種の陽キャで、運動部的な熱血なノリで騒がしい女の子です。
陰キャは陽キャを呼ぶ法則でもあるのだろうか。

もう一人は地下アイドル「天使のキューティクル」ラファエルと名乗っていた日向恵恋奈
リョウ推しの夢女子。
山田は女性ファンが多いタイプというのは分かるけど、癖の強い子ばかりで将来面倒臭いことになりそう。

一つ一つのボケに感想を書いていたら、いつまで経っても書き終えられないぐらい膨大なので満足感が高いですね。

0か100でしか受け取れないぼっちちゃん。
振り幅が極端で後々後悔するのに何度やっても学習しないこの娘は。
そんな弱点ばかりのぼっちちゃんに虫耐性があることが判明。
クモを素手で掴みとるのは素直にスゲエな。

サプライズパーティを予測してリアクション自撮りする喜多ちゃんをみて本物は違うなと再認識しました。
「ぼっ喜」のエモさを感じる一方で、ぼっちちゃんの一番の理解者が虹夏ちゃんだというのもニヤリとさせられます。
暴走しがちなぼっちちゃんをジト目でツッコむ虹夏ちゃんの図がたまらなく好きです。

終始楽しい本編に対して、伊地知姉妹の特別編はガチで泣きました。
幼くして母を亡くし塞ぎ込む妹の虹夏を外に連れ出す姉の星歌。
大粒の涙をボロボロ零しながら両手をあげて喜ぶ虹夏を見たら感極まってしまって、もう駄目。
こんなの伊地知姉妹を推し続けるしかなくなりますよ。
番外エピソードを読んだ後にレコーディング回を読むと尊さが増しますね。

ギャグだけでなくシリアスも描けることを証明してみせました。
この面白さを維持できるのなら長く続けて欲しいなと思います。

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タグ: ぼっち・ざ・ろっく!  ぼっち・ざ・ろっく!(巻感想)  はまじあき 

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『薬屋のひとりごと』4巻 感想 



薬屋のひとりごと」4巻のネタバレ感想です。

原作小説1巻の終わりまでが描かれているためキリが良いですね。
アニメで最終回を迎えても何ら不思議ではありません。

平民の命が軽いことを一貫して頭に入れている猫猫。
貴族との格差が激しい時代なので当然なんでしょうがね。
猫猫が処刑されるなら毒殺にして欲しいと要望を出しましたが、フラグではなかろうな。

玉葉妃が19歳とは思えない貫禄の持ち主で惚れる。
逆に里樹妃は14歳にしてはリアクションが悉く幼いのでロリ趣向の人には好まれそうです。

指に絡めた蜂蜜をねぶらせようとする壬士はいくらイケメンでも引くわー。
変態呼ばわりするのも当然。
猫猫は立場上強く拒否できないのでパワハラかつセクハラですよ。

風明の過去は想像するだけでも辛い。
この世で最も大切な人の最も大切な子をこの手で殺めてしまったのですから。
赤ちゃんに蜂蜜が毒だというのは現代でこそ広く知れ渡っていますけど、作品内の文化レベルでは知らなくても仕方がない。
猫猫の残酷な提案で墓まで持っていけたと思えたのは彼女にとって多少の救いになったのかな。

下女が自殺した話が説明不足なのは惜しい。
サンデーGX版と並行して読んでいるので知っていますけど、ここはカットすべきではなかったと思いますね。

しかしながら、阿多妃はどこまで感付いていたのだろう。
立ち振る舞いからして、我が子の死因も把握していたのではないでしょうか。
「皆 莫迦だ」の言葉に自分や下女、風明を指しているように感じられます。
瓢箪から滴り落ちる酒が彼女の代わりに涙を溢しているようで印象に残りました。

阿多妃が子の取り違いをしたのではないかと邪推する猫猫の推理は遠からず当たっているような気がします。
設定の年齢的には一致しませんが、阿多妃の子こそが壬氏である可能性は大いにあります。
猫猫の言う通り、証拠も何もないので憶測どころか妄想の域を出ませんけどね。

でもそう考えると壬氏の謎めいた立場や成熟しきっていない幼さ加減が年相応とも思えてきます。
クールな装いで覚悟の決まっている猫猫悪戯好きの癖に打たれ弱くて女々しい壬士。
時代背景からしたら、男女逆のような関係ですね。

後宮を去る阿多妃が里樹妃の頬に手を添えるシーンは鳥肌が立つほど素晴らしかった。
男性のように凛々しい阿多妃の見せる母性溢れる表情に釘付けになりました。
ねこクラゲさんの描く絵の力は本当に偉大ですね。

緑青館の三姫に妹扱いされている表紙の猫猫が美人で可愛いなぁ。
壬氏が猫猫にちょっかいを出している様をニヤニヤしている三姫たちに読者がニヤニヤしてしまいます。

デフォルメされたキャラがコミカルに描かれる姿が楽しくて飽きませんね。
何度でも読める良作です。

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『ちはやふる』48巻 感想 



ちはやふる」48巻のネタバレ感想です。

正真正銘、最強決定戦。
名人位クイーン位決定戦、第5試合。
火蓋が切って落とされました。

積み上げてきた過去が集結するクライマックスに鳥肌が立ちまくります。
ここまで読んできたら分かっています。
この大一番のために、全てはあったのだと。

奏が隣にいないなんてことはあり得ない。
3年間、常に共にいた親友が一緒というのは千早にとってこれ以上心強いことありません。
千早の必死さに感化された奏の決意に涙が止まりませんでした。

クイーンの足が攣るまで追い詰めた千早。
己の限界を超えなければ追い付けなかった。
だからこそ辿り着いた決勝の前で疲労困憊となるのは当然。
詩暢を助けている余裕なぞ本当はなかったはずです。
どれだけかるたに集中していても相手のことを忘れないことが彼女らしさなんでしょうね。
宮内先生が千早の心臓にペットボトルを当てて落ち着かせようとした心遣いに胸を打たれます。

勝負は一進一退。
執念で連取する詩暢に対して、芹沢読手の口に手を掛ける表現で音を置き去りにする奪取を見せた千早に痺れる。
忘却力からの渡り手で決めた千早の経験値が活きる展開にゾクゾクします。

名人戦はこの土壇場で開き直った二人が対峙。
偉大な祖父の影響を受けすぎて己を見失っていた新が自身の夢を再確認して。
キョコタンに憧れを抱く周防がかるたを取り続ける未来を夢見て。
新が想い出のソースカツ丼を食べるなら、周防は髪を切って前を見据える。
この対比が最高に格好良い。

それにしても煩わしい髪をバッサリ切った周防名人はイケメンだなー。
最終戦で真の姿を見せるラスボスみたいで貫禄が増した感じ。

千早の名が刻まれた襷を戦う新。
ふっきれたのはいいけど、何故このタイミングで雑談をしようとするのか。
趣味とか恋人の有無とか今聞かなくてもいいだろうに。
リア充に反発する周防名人の気迫が新を上回っている気がします。

最終戦で来ると信じていた「ちはやぶる」の札。
ずっと避けられてきた一枚が勝負を決する瞬間に影響を及ぼすことは必然。
上の句が読まれた時、分かっていても泣いてしまいそうです。

この土壇場で勝負を見届けずに帰ろうとする太一は逃げ癖が付いているんじゃないのかな。
果たして初恋の結末は付くのでしょうか。

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タグ: ちはやふる  ちはやふる(巻感想)  末次由紀 

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『ONE PIECE』106巻 感想 



ONE PIECE」106巻のネタバレ感想です。

表紙はジンベエ加入後では初となる麦わらの一味揃い踏み。
前回が91巻のワノ国編突入時だったので、全員集合は新章開幕であるという印象があります。

最終章だけあって、前巻から引き続きスピード感が今までとは違います。
展開の早さと明かされる事実の情報量に溺れそうになる勢いです。
裏切り者続出で頭が混乱してきました。

同盟を組んでいた最悪の世代であるキッドとローと別れて進んだ道は、ベガパンクの言う運命染みたものを感じます。
ローの辿った道だと黒ひげ、キッドのルートならシャンクスと再会することになったわけですしね。
ルフィたちにとっては結果的に一番良い選択をしたのでしょうが、他の二つは下手すると脱落の危機かもしれません。
マムの格を落とすような敗北だけはして欲しくないので、善戦を期待したい。

一方でルフィはCP0となったルッチとここにきて再戦。
大ボスを務めたキャラとのマッチングとは本作では珍しいというか、初めてですかね。
クロコダイルの場合は共闘でしたし。
拳の激突で両者後方に吹き飛ぶシーンは以前の再現で憎い演出でしたね。

ただ、さすがに覚醒した悪魔の実の能力でもルフィには太刀打ちできませんでした。
個人的にはもっとボコボコにやられるかなと思っていたので、むしろニカ相手に奮闘した方だと思います。
ゾロもカク相手にあしらっているとはいえ、圧倒的な力の差を見せつけてくれた方が嬉しかったかな。
暴走するセラフィムに対して共闘する流れになったみたいですけど、別にルッチたちを庇わなくてもいいのに何だか甘いなぁ。

奇形変人タイプだったベガパンクの本体。
かつて無理矢理すぎる語尾のキャラは数多くいましたけど、クエーサーは文字だと違和感バリバリです。
中身は思ったよりも人情派で常識人っぽいのは意外でした。

考えてみればゴムゴムの実が太陽の神ニカのカモフラージュだったことをルフィたちは知らなかったのか。
真実を知るキッカケとしては、ベガパンクはこれ以上ない最適な人物でしたね。

戦桃丸のポジションがいまいち不透明でしたが、ここで出番がやってきますか。
あれだけ強烈な初登場を見せたのに、今となっては実力が足りていないのは哀しい。
ルッチがそれだけ強くなり、ルフィは更に強くなったということなのでしょうけどね。

セラフィムはてっきり機械的にプログラミングされているものだと思っていたので喋るとは驚き。
決してロリコン趣味はありませんが、幼く褐色肌のハンコックは可愛くて卑怯だと思います。

スティーシーの存在が何もかも疑わしい。
白ひげの息子と名乗るウィーブルの付き人みたいにいた母親が本物なのか。
クローンは若かりし姿だとしたら、めっちゃ美人でエロくてサンジじゃなくても心を盗まれそうです。

ビビとワポルがモルガンズと共に世界経済新聞社にいるのは何故なんだろう。
少なくともビビの反応からするに、コブラ王は存命っぽいですね。

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タグ: ONE_PIECE  ONE_PIECE(巻感想)  尾田栄一郎 

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『薬屋のひとりごと』3巻 感想 



薬屋のひとりごと」3巻のネタバレ感想です。

園遊会の毒殺未遂事件は引き続き調査のまま、新たな事件があちこちで発生。
どこぞの名探偵少年顔負けの事件遭遇率ですね。
薬屋というポジションとはいえ頻繁に毒関連の出来事に引っ張られているので忙しない。

犯人捜しで指紋を検出しようとするとは、架空世界とはいえ猫猫の考えは先進的ですね。
もちろん特定できるまでには至っていませんけど、事件解決には大きな一歩になりました。

里樹妃は侍女からいじめられていることに気付いていないなんてことあるのだろうか。
嫌がらせを受けているのに実行犯が内部にいるとは信じたくないってことなのかな。
梨花妃もそうでしたけど、侍女が仲間ではないのは辛いですね。

食べられないものとすり替える虐めのおかげで命が救われたというのも皮肉な話。
ただその場合、救われたのは里樹妃ではなく毒見役の侍女の方ですよね。
あの様子からすると毒を混入した犯人ではなさそうですし。
結果的に毒入りスープを回してくれたお礼で、いじめていた侍女を助けるとは猫猫の奇特さが表れています。

それに比べて翡翠宮の侍女たちは仲が良くて微笑ましいなぁ。
猫猫が簪もらったことを妬むわけでもなく一緒に喜んでくれるのですから。
アットホームな雰囲気が大好きです。

簪を大量に配り歩いていた李白を頼り、実家への一時帰宅を認められた猫猫。
高級娼婦に一晩お相手して貰えるなんて、ラッキーな男です。
足りない分を請求していいだろうに、何故か猫猫が負担することになってて苦労が絶えませんね。

僅か3日間ばかりの里帰りですら事件に巻き込まれるのはミステリー作品の主人公体質だからでしょうか。
真相を語る時はいつも憶測であることを前置きにして話始めていたことが気になっていたので、親父からは憶測でものを言っちゃいけないと窘められたのは印象に残りました。
近い将来、間違った答えを出す日が来るのかもしれませんね。

後宮へ帰還後、猫猫と壬氏のすれ違いコントが面白い。
己の身を捧げたと勘違いしてショックを受ける壬氏に対して、上半身を震わせて涙すら浮かべながら笑い転げる玉葉妃が可愛すぎてたまりません。
壬氏をあの子呼びするぐらいですから、玩具扱いできて楽しいのでしょうね。

調査のために出された酒を舌舐めずりするまで飲んだり、報酬で貰った酒に目を輝かせたりする猫猫に見惚れます。
この娘は延々と見ていられますね。

それにしても、漫画の描き方が巧くてあっという間に読み終わっちゃいますね。
サンデーGX版と比較されることが多々ありますが、こちらも的確なストーリー構成のおかげで非常に読みやすい。
人気爆発するのも納得のクオリティーです。

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『であいもん』15巻 感想 



であいもん」15巻のネタバレ感想です。

巻頭カラーで栗色の髪をなびかせる一果が美少女過ぎて目が釘付けになりました。
すっかり中学生らしい顔付きになっているのが感慨深くて、久し振りに会う親戚のおじさんみたいな気分ですよ。

相変わらずゆったりとしながらも少しずつ時の流れを感じさせる内容。
季節を楽しむ和菓子がテーマの作品らしいですね。

今になって巴が義父や義弟と再会する話が語られるとは思っていませんでした。
少し忘れてしまっている部分もあり、もっと早いタイミングで読みたかったなというのが本音。
わだかまりが雪解けのように時間を掛けて溶けていき、ようやく向き合うことができたのはきっと良いことのはず。
一果にとっては祖父母や叔父との交流で家族が増えたことも喜ばしいことですね。

一果の服選びで美弦ちゃんではなく佳乃子を選ぶあたり、和の母親公認って感じがしますね。
ただ偶然鉢合わせた咲季がこれ以上ない適任の人選でしたけども。

野井君も生意気そうで可愛い小学生時代から随分と凛々しい顔をするようになりましたね。
煽り耐性は皆無のせいで関係のない小学校の行事に手伝う羽目になってしまったけど、やるからには本気なのは素直に格好良い。
サボっている部活仲間の波島をダサいと言い放つことができるのも彼の人柄の良さが滲み出ていますね。

そして、おそらく多くの読者が一番気になっているであろう和と佳乃子と関係は牛歩の進展ペース。
一度こじれた間柄でお互い踏み込めないのかもしれませんが、焦れったくて仕方がない。
12巻あたりから毎回登場している草護は、明らかに佳乃子を気にしていますよね。
美弦ちゃんの誤解は解けましたが、まだまだ一波乱ありそうです。

同窓会の話では郷愁を感じさせつつ、和が進展を躊躇っている感情を吐露していましたね。
十五夜と重なった佳乃子の誕生日で特別にプレゼントを用意しているのにあと一歩が踏み出せない。
うーん、もどかしいなぁ。
咲季と静月の方が先にくっつきそうですね

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『薬屋のひとりごと』2巻 感想 



薬屋のひとりごと」2巻のネタバレ感想です。

面白さが着実に積み重ねられる感覚。
既に長編の名作である予感を漂わせています。

目覚ましい実績により後宮で一目置く存在となっていく猫猫。
貧民街の出でありながら識字や薬の知識など並みの侍女では持ち合わせない能力で様々な事柄を解決していきます。
本人的には目立つつもりは皆無のようですが、こんな優秀な人間を周囲は放っておいてくれませんよね。

帝が囲む正一品、上級妃である四夫人が招かれる園遊会が開催されることに。
いずれも美女揃いで帝でなくとも目の保養になります。

派手な衣に身を包む玉葉妃が麗しい。
普段はニコニコ笑って可愛い印象が強いだけに決める時の凛とした姿はギャップが生まれて格好良さに惚れてしまいます。
即座に猫猫をスカウトする分析力も含めて、有能さは妃の中でも頭一つ抜けているように見えます。
猫猫は良い人に目を付けてもらいましたね。

梨花妃が元気になって良かった。
子を亡くし生きる気力も潰えた彼女が衰弱死目前から快復したのは喜ばしい。
あんなに痩せ細っていたというのに胸元の弾力は猫猫の言う通り至宝ですね。
内緒話で伝授したテクニックは、おそらく二つの果実を挟み込むアレでしょうな。

里樹妃と阿多妃の関係は今の倫理観ではあり得ないものです。
先帝は重度なロリコンだったということですよね。
9歳の姑って想像つきませんよ。

一堂に会する催しの場で毒を盛られる事件が発生。
耐性のある猫猫のおかげで事なきを得ましたが、狙われたのは徳妃、つまり里樹妃のようです。
次巻以降明らかになるであろう真相に惹き付けられます。

今回最も印象的だったのは毒見のシーンでしょう。
うっとりと恍惚とした表情を浮かべる猫猫が艶やかで、お色気シーンかと錯覚するほどにセクシー。
情熱的に頬を紅潮させながら毒を食す姿に興奮する輩が続出するのも無理はないです。
唇を舌で舐めて、たっぷり間を置いたあとに一言「これ、毒です」のインパクトは凄い。
トーン処理で影を落としていることもあって、妖しさが増しているのも絵的に見事でした。

主人公として猫猫は魅力的ですね。
彼女のメンタルの強さ、物怖じせずに進言する胆力、賢く機転の回る知能。
自衛のためあえてそばかすを施す化粧をしているとは、なかなか気付けません。
見た目も中身もバッチリな女性がモテないわけがなく、作中内でも注目を浴びていますね。
命の恩人ということもあってか、梨花妃から気に入られて装飾品を贈られる場面はニヤニヤしちゃいます。
当の本人はキョトンとしてるのもこれまた面白いですね。

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『とんがり帽子のアトリエ』8巻 感想 



とんがり帽子のアトリエ」8巻のネタバレ感想です。

タータから銀夜祭で魔法のお店屋さんを出さないかと提案されるココ。
学園モノであれば文化祭的な催しになるであろう中盤のターニングポイントって感じがします。

どこか影のあったタータもすっかりと前向きな性格になりましたね。
気持ちをポジティブにさせるココの影響力の強さを改めて実感しました。

子供扱いに反発するタータに切り返すキーフリーの言葉に感銘を受けました。
大人が思っているより子供はずっと賢くて、子供が思っているより世の中は危険が潜んでいる。
世界を信用していない」という台詞は、将来使ってみたいな。

タータはココに感謝しているだけでなく、明らかに女の子として意識もしていますね。
急接近した近い年頃の異性であれば気にならない方がおかしいというもの。
ただ、ココの方は魔法陣の描き方を教えるためにタータの指を握っても何ともない様子。
余裕がないだけでなく、まだまだ恋心を抱くには成熟していないということなのでしょうかね。

無垢なココの「ん?」と反応する表情が可愛い。
タータ目線だとココの顔にフィルターかかって美少女度が増している気がします。
芽生えかけの恋は相手がよく見える一種のバフみたいなもんですね。

対抗馬として2巻の土砂崩れで助けた少年・クスタスも再登場。
命こそ救うことはできたけど、足は動かなくなってしまったようです。
育ての親のダグダに迷惑をかけていることも含めて絶望の深さは計り知れません。
友が彼のために用意してくれた翼は、決して間違った魔法の使い方ではないと信じたいですね。

綺麗に終わると思いきや、すぐさまそんな甘い作風でなかったことを思い知らされます。
ダグダが背に矢を受け、クスタスの前で瀕死の状態に。
そのまま命尽きると思った瞬間、謎の少女・イニニアが現れてダグダを救います。
喜ばしいことのはずなのに、魔法使いの掟を破る行動に何とも言えない不安感が募ります。

果たして何が正しいのか。
厳しい世界観で助けを求めている人は少なくないのに、差し伸べられる手には限りがある。
魔法があれば多くの人を救えるのに、教えることを掟で封じられているのは何故なのか。
きっと語られていない大きな理由があると思われるので、現時点では判断し辛いですね。

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『1日外出録ハンチョウ』8巻 感想 



1日外出録ハンチョウ」8巻のネタバレ感想です。

□ 第56話 九州
九州出身の集いで行われるマウント合戦。
個人的な順位付けとしては、福岡>長崎>熊本>鹿児島>大分>宮崎>佐賀かな。

□ 第57話 父飯
滅多に調理場に立たない父親の料理が妙に美味しかった記憶ってどこでも同じなのかな。
普段あまり料理をしない人間の方が計量を拘るのって分かる気がする。

□ 第58話 主従
疲れている時の焼き肉はマジで血が巡る感覚で回復しますよね。
とはいえ、いきなりカルビではなく王道のタンから攻めたいな。

□ 第59話 歩旅
監視役の牧田を連れていく大槻石和の旧東海道歩き旅。
今更だけどこいつら地下で強制労働させられているとは思えない充実っぷりだな。
やってみたら面白そうと思いつつも絶対にキツいからやりたくないと思う。

□ 第60話 良犬
公園ではぐれた犬をしつける大槻。
ブリーダーの才能まで持っていることに違和感覚えない時点で読者まで調教されれますね。

□ 第61話 甘話
地下強制労働者が選ぶ甘い物ランキング。
シュークリームは分かるけど、あんみつときんつばの1,2位には異を唱えたい。
無難にショートケーキかチョコレートだと思う。

□ 第62話 好吃
大槻脳内による大中華喰台祭。
パロディの嵐で笑いの破壊力は今回の中でも随一。
刃牙の最大トーナメントからのヤムチャ顔大槻は我慢できませんでした。

□ 第63話 静夜
宮本に彼女ができたと思ったら、即別れた話。
大槻と宮本の男二人クリスマスイブがこれはこれで楽しそうでいいんじゃないかな。

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『ココロのプログラム』2巻 感想 



ココロのプログラム」2巻のネタバレ感想です。

1巻に引き続き連続でいちこが表紙ですか。
分かっていたことだけど、いちこがメインヒロインであることは揺ぎ無いということですね。
愛ちゃんの敗北を突き付けられているようで辛い。

中学に進級し、より感情が複雑になる多感な時期。
修学旅行以来、少し距離が出来ていた九と愛の時間が重なる時、いちこのココロに特別な感情が芽生え始めるという展開。

純粋であるが故に僅かな不純物も許せない中学生ならではの恋愛観が甘酸っぱいなぁ。
等身大の中学生を見事に描いていて、当時を思い出してしまう心当たりにほろ苦さを感じてしまいます。

人は心があるからこそ、真っ直ぐには生きられません。
優しさをプログラムされいるロボットが誰よりも美しい心を持っているように見えてしまうとは何とも皮肉。
誰からも好かれる存在であるいちこを肯定できない自分を嫌悪する愛ちゃんの気持ちは痛いほど分かります。

一方で、いちこ自身は逆に淀みが生まれてきていることに戸惑っています。
恋愛感情に自覚しつつあり、特別な想いを抱いていることを咄嗟に否定してしまうのは、もう人間そのものですね。
人とロボットの大きな違いは、もしかすると嘘をつくかどうかなのかもしれません。
そうだとすると、いちこの嘘は大きな意味を持つのだと思われます。

ラストを飾る花火大会の回は見所満載でした。
震えるほどに心がバクバクしているのに勇気を出して前に進める愛ちゃんはホント凄い。
新しい浴衣姿を見てもらいたい女心が可愛すぎてときめきがヤバイ。
手を繋いで耳を真っ赤にするところなんか直視できないぐらい眩しい。

九と一緒にいることが楽しくて、でもそれだけでは物足りなくなって。
いちこを優先しようとする九を呼び止めて、告白した愛ちゃんを褒めてあげたい。
やっぱりね、頑張っている女の子は応援したくなりますよ。
結果がどうなるにしても、個人的に一番の推しであることには最後まで変わらない自信があります。

番外編として、今巻から本格登場したもう一人のロボットであるネオの話も収録されています。
先生の娘を大切していたからこそ喪失感に感情の処理が間に合わなくなってしまい、記憶を封印されたのは辛い事実でした。
人の心というものは、繊細なくせに融通が利きづらくてなんて面倒なものなんだろう。
それなのに、何よりも尊いということが本作の根幹にあるテーマなのでしょうね。

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『薬屋のひとりごと』1巻 感想 



薬屋のひとりごと」1巻のネタバレ感想です。

原作は「小説家になろう」発のライトノベル。
人気を博してコミカライズされた……というか、本格的に人気が出るキッカケとなったのがビッグガンガン版の本作です。

実はこの作品は何故か漫画版が2種類存在しています。
本作の約1年後にサンデーGX版の連載が開始されました。
理由は語られておらず謎のままですが、それぞれ特徴が色濃く出ています。

ビッグガンガン版は絵柄が美麗でキャラも可愛いので見惚れてしまうシーンが多いのが長所です。
一方で、サンデーGX版は丁寧な描写から物語の落とし込みが巧く、単純に話が分かりやすいのが売りですね。
両方ともWEB上で読んで面白いのは間違いなく、なかなか選ぶのが難しいのですが、今のところビッグガンガン版の方を購読しています。
最初にこちらから読み始めた影響と好みの問題であって、どちらを買っても良いぐらい良作であると思いますね。

さて、本題。
舞台は中世の中華を基盤にした架空の世界。
王宮内で起きる事件を解決していくミステリー風の作品です。

人攫いに誘拐され後宮下女となった主人公・猫猫のキャラクターが魅力的ですね。
時代背景からなのか、拐かされた割には前向きで淡々としています。
薬や毒に興味を持っており、好奇心旺盛な性格で事件に介入していくスタイルが楽しい。
ぱっつん前髪とそばかすがチャーミングで、漫画担当・ねこクラゲさんの画力もあって非常に可愛い容姿となっています。

そんな猫猫に目を付けた宦官・壬氏は中性的な印象を抱かせるイケメンですね。
蔑まれた視線を向けられて悦ぶマゾ気質と猫猫を追い詰めるサディスティックの両面を持ち合わせています。
攻守隙がないので猫猫にとっては厄介オタクみたい。
うざったいと嫌がる猫猫の心情に思わずシンクロしてしまいましたよ。

ところで宦官って性器がないのってホントなのですか。
確かに帝の妃を集めた後宮で過ちが起こさせないためには効率的なのでしょうが。
それでも壬氏とラブロマンス展開になるのかな。

白粉の毒について提言した人物を特定するために読み書きできる策を練ったところはよかった。
ただ、壬氏の掲げた紙が日本語で書いてあったのは少々雑でしたね。
別に中国が舞台と明言しているわけではないとはいえ、作品の雰囲気が崩れました。
ちなみに、サンデーGX版ではしっかり中文で書かれていました。

媚薬作りを任されてウキウキになったり、餌付けされて猫耳生やしたりと、とにかく猫猫が可愛い。
やっぱりこういうところは、ビッグガンガン版の良いところだなと思いますね。

今のところミステリー要素はあっさりしています。
それでもちゃんと面白くて読みやすいので、導入としては言うことありませんね。

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『骨ドラゴンのマナ娘』4巻 感想 



骨ドラゴンのマナ娘」4巻のネタバレ感想です。

今までより温かみを感じさせる表紙ですね。
3巻までは青色の寒色系でまとめていたので緑と夕焼けが新鮮です。

しんみりと心に沁みるエピソードと小気味の良いコメディの応酬が楽しい。
シリアス一辺倒にならない匙加減が独特で、作者のバランス感覚が素晴らしい。

サトモリの一件は解決し、新たな竜との出会いは来訪という形でした。
過干渉の姉竜から離れた弟竜を探しに行くというストーリー。
作中内でも語られていますけど、レアな存在である竜と頻繁に遭遇するので感覚が狂ってきますね。

行方をくらました理由が寿命を悟り独りになるためだった、というのはまるで死期が近付いた猫のよう。
長寿であるので一体何年生きているのか不明ですが、兄や姉が寿命とは程遠い振る舞いからすると、平均から相当離れているのだと思われます。
ネムにとっては子の死が近いことを知り、少なからず複雑な思いだったでしょうね。
イブが察した時の唇を噛み殺した沈痛な面持ちには胸が痛くなりました。

本来、相手の話を聞かないのは人だろうと竜だろうと気分が良いものではないです。
コミカルに描いていますが、弟竜からしたら姉竜をウザったいと思ったのは本当でしょう。
読者から見てもそう思いますし。
でも、締めの言葉でもある通り、気に病みがちな弟竜にとっては丁度良い間柄なのでしょうね。

それにしても、兄弟竜たちは名前がないことが不便じゃないのだろうか。
姉さん、弟君では他の兄弟と区別付かないと思うんだけど。
ミィ姉さん、ヨウ兄さんと呼ぶイブの案を採用してもいいんじゃないかな。

兄弟の母親竜は一匹ではなかったことが判明。
四の群まで数えていたけど、全員死別なのかな。
渡りの竜に「古の」と呼ばれるぐらいネムは特別長寿だったのかもしれませんね。

人に対して警戒するエルフとしては、らしさ全開の里でした。
観光スポット化しているのは色んな意味で賢い。
隠したいものは秘密にしつつ、表面上は交流を深めて里を豊かにしているわけですからね。

細かい部分まで描写されていることに拘りを感じさせてくれます。
メッセージボイスを花の蕾に籠めて青い鳥に運ばせたり。
猫パンチで木の蔓をほどいて里の裏口を開放したり。
森林の中を泳ぐ霧鯨や、通行人を確認するワンコだったり。

この作品の世界観が本当に素敵です。

毎度のことだけど、イブが可愛くて愛おしいなぁ。
ネムだけでなく、ユウルやロゼが保護者気分で甘やかすのも共感が深い。
普段は生い立ちもあってか、淡々としたリアクションでシュールな笑いを引き起こさせてくれて面白くて。
それが竜のこととなると一変し、表情を大きく変化させるのでギャップによる破壊力がエグい。
魂召喚したことに引け目を感じてるイブがネムから肯定されて涙を流すシーンはエモかった。
次コマでロゼがイブの背中を押すシーンも含めて良かったです。

巻構成が考えられていて、長編がしっかり1冊でまとめられているのは好感が持てます。
非常に読みやすいうえに、次回への引きもバッチリでお見事。

そんなわけで、ネムの頭蓋骨に亀裂が入った続きが待ち遠しい。
残りの竜も3匹となりましたし、本作も折り返し地点には来ていそうですね。

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『オタクに優しいギャルはいない!?』3巻 感想 



オタクに優しいギャルはいない!?」3巻のネタバレ感想です。

オタクとギャルの仲睦まじい学園ラブコメディ、第3弾。
タイトルに反してこれでもかというぐらい優しさに包まれています。
おかげで笑いあり、ときめきあり、癒しありの三段構成に虜になってしまいました。

惹かれ合い照れる彼女たちが可愛過ぎる。
意識しているのにラブと認めず、ライクだと言い張る距離感が楽しい。
振り返ってみれば恋が始まっていたと後から思うのかもしれませんが、まだ芽生えていないと否定する微妙な感情が実に丁寧。
ソワソワする感じが微笑ましくて、読んでいる最中はニヤケ顔が止まりません。

夏休みが明け2学期に突入し、席替えにより伊地知とは離ればなれに。
その代わりに今度は天音と前後の席になるのは強運な主人公ですこと。
学校を代表とする美少女2人と教室で喋っていたら、そりゃあ目立ちますよね。
ぶっちゃけ、漫画でなかったら異性と交流がある時点でクラス内カースト上位でしょう。

そんなこんなで、比較的天音寄りのエピソードが多めの印象となっています。
初っ端から結婚式のモデルでウェディングドレスになった天音は破壊力抜群で、瀬尾でなくても言葉を失います。
母公認の仲良しっぷりで、いつか本番の時にこの日のことを思い出すのも素敵だなと思いました。

天音がオタクであることを隠している理由も判明。
クラスメイトとの話題で出た天音のオタク疑惑を払拭しろと睨みつける姿は強烈でしたから、それだけ中学時代に浮いてしまうことが怖かったんでしょうね。
だからこそ瀬尾に惹かれて、鉄仮面と呼ばれた顔も嘘のように笑顔が増えているのだと思うと尊いとしか言いようがないです。

元々共通の趣味がある天音の方が一歩リードしている感はあったので、伊地知にも頑張って欲しいな。
積極的な女の子は見ていて応援したくなります。
学祭の準備のためにお泊り会を誘ったり、瀬尾がクラスメイトと仲良くなることを喜びつつジェラシー感じているのが健気なんだよなぁ。

特別エロを求めている作品でなかったですが、伊地知と天音のお風呂シーンはついつい手を止めて見ちゃいますよね。
うーむ、どちらもスタイル良くて甲乙つけがたい。
瀬尾が百合妄想するのも健全な男子高校生としては仕方がないと思います。

すっぴんをしっかり描き分けているのはイイですね。
ギャルモードとのギャップがよく出ていました。
そして、すっぴんだけでなく普段の姿も褒めて女の子を赤面させる瀬尾は確かに口説き魔です。

こんな青春送りたかったなーという一例みたいな漫画ですね。
今回も非常に面白かったです。

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『モブ子の恋』16巻 感想 



モブ子の恋」16巻のネタバレ感想です。

誰かが悪いわけではない。
それなのに喧嘩したりすれ違ったりしてしまう。
恋慕というものは本当に一筋縄ではいかないものだと痛感させられますね。

同期の明日香が慕う店長の太一からアプローチをかけられている信子。
彼女自身は揺らぐそぶりはなくても、巻き込まれた形になってしまいました。
明日香の立場からしたら、長年秘めた想いを募らせていたのに急に現れた女性になびている好きな人を見ることになっているわけですから、頭では仕方がないと理解していても辛くて堪らないでしょうね。
信子に非がなくても八つ当たりしてしまう気持ちは十分共感できます。

それにしても信子は本当に積極的になりましたね。
モブ子の習性としては、仲違いした同期とはそのままフェードアウトしそうなものです。
しっかり相手の目を見据えて謝罪できるのは大人でも難しいので尊敬します。

辛いときに駆け付けてくれる、駆け付けたいと思える恋人がいるって救われます。
遠距離恋愛で多忙の中でも時間を埋めるように一緒にいられる信子たちは素敵だなと思いますね。

結果的に博基の悩みも解決することになって良かった。
相手のことを思ってなのか、はたまた臆病で自分を出せないのか。
いずれにしても自分の気持ちを相手に伝えないことの言い訳にしてはいけません。
博基が溜め込んでいたものを吐露できたのは、彼女である信子のおかげですね。

話し合いではなく、話を聞きたい、か。
見習わないといけませんね。

特別編も2話収録されています。
安倍さんもう大学4年生になって就職活動しているとは、時が経つのは早いなと親戚の子を見ている気分。
ふみちゃんのロマンスが拝める日が来るとは思わなかったので嬉しかったです。
以前の約束が嫌なフラグにならないか心配していたけど、杞憂で終わりそうで良かった。

しかしながら特別編のおかげで本編は質ではなく量で物足りなさを感じました。
次巻である程度の決着が見えてくるのかな。
青池&塩谷ペアの動向が気になります。

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『ちはやふる』47巻 感想 



ちはやふる」47巻のネタバレ感想です。

それぞれの思惑が交差する第四試合の決着の時。
誰もが譲れない思いを抱えて、がっぷり四つで向き合います。

己のかるたとは何かと悩む新の前に太一が遂に登場。
祖父ではない彼自身の色が濃く出るキッカケをもたらすのは、きっと千早ではなく太一の方なんでしょうね。
誰も追いつけない超加速が飛び出し、本来の力を発揮し始めました。

しかし、それでも目覚めた周防名人の勢いは止められない。
一見すると拘りがないように見えるけれど、積み上げてきたのは名人も同じ。
キョコタンと慕う山城今日子の読手人生最後となる読みで彼が負けるわけにはいかなかったのでしょう。
一枚ではなく百の歌人との対話というフレーズに込めた思いに深みを感じさせました。
らしくないガッツポーズが出るほど執念を見せた周防名人が勝利したシーンで、同じく両拳を掲げる須藤の喜びっぷりが嬉しかったですね。

一方でクイーン戦は予想外の事態に。
紛れもなく詩暢と互角に渡り合っている千早。
盛り上がってきた中で、詩暢にまさかのアクシデント発生で全力を出せないという嫌な展開。
詩暢が怪我で負けることも、ハンデがあって千早が勝つことも嬉しくありません。
根性を見せて良い勝負に持ち込んだものの、結局千早が押し切る形となりました。

どうなるか心配でしたが、原因は足が攣ったという一時的なものでホッと一安心。
女子選手としては初の5試合制で、さすがの詩暢も体力不足だったんですね。
これまで勉強しながら欠かさず運動してきた千早の成果が、この土壇場で差を生み出したことに痺れるものがあります。

外的要因の伏線回収や回想で十分すぎるほど熱は高まりました。
最後の試合は、シンプルに4人とかるたにクローズアップした内容で読みたいなと思いますね。

あわせて恋の行方も気になります。
新には詩暢や由宇みたいに恋が生まれてもおかしくない近しい女の子はいるけど、太一には千早しかいません。
だからといってそんな理由で千早と太一がくっ付いて欲しいわけじゃないんですが、新は名人にも手が届きそうですし何だかんだで幸せになれそうなのに、太一は報われなさそうなのが気掛かりですね。

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