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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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土属性はダテじゃない! 

土属性はダテじゃない! (一迅社文庫 は 5-1)土属性はダテじゃない! (一迅社文庫 は 5-1)
(2009/11/20)
葉原 鉄

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読書期間:2009/12/2~2009/12/3

【評価……C+
発想 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
設定 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
物語 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ラブコメ ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5

そこは《四方平》。精霊と人間が霊術を通して共存し、社会を形成する大都市。
ある春の夜。土属性の霊術使い「埴本麒一郎」は街の片隅で行き倒れていた。
夢をかなえるためと《四方平》の高校への進学を勝手に決めていたことで、先立つものもないまま実家から勘当されたのだ。
腹を空かせた彼の前に現れたのは火属性の霊術を使う同級生「雪乃」という美少女。
雪乃の厚意で一緒に新聞配達の住みこみバイトしながら高校へ通う麒一郎だが、地味で派手な術のない土属性の悲しさか留年の危機に。
こうなったら、一大イベント「異種精霊障害乱走」で勝って一発逆転するしかない。
そんな最中、大親友でもある雪乃と大喧嘩したあげく、意外な騒動に巻き込まれてしまうのだが……。
誰も地味すぎて考えなかった「土属性ラブコメディ」、堂々の登場?!

【感想】


ゲームや漫画でよくある火水風地の四大属性。
その中で、どの作品においても大抵地味な存在である地属性のキャラが、舐めるんじゃないぞと言わんばかりに奮闘するお話。

発想は面白い。
確かに地属性キャラって常に脇役なんですよね。
無駄に体がゴツかったり、野太い声だったりして、重量感のある武器を扱うイメージが強いのは自分だけではないはず。
この作品内においても、やっぱり他属性の面子から馬鹿にされたりしています。
そういった地味になりがちな土属性キャラの頑張る姿を描こうとしたコンセプトは素晴らしいですね。
購入に至った理由の9割が、この設定です。

物語は精霊の力を借りて奇跡を起こす霊術を学ぶ学校生活がメインかと思いきや、描写はほぼなし。
「異種精霊障害乱走」と呼ばれる精霊によるレースを主軸とした展開になっています。

これが何とも微妙。
ストーリーは理解できても、文章の繋がりが希薄で時々ついていけなくなります。
抜きつ抜かれつといったレース物は大好きなのですが、実況による説明的な文章では燃えません。

主人公の埴本麒一郎や、表紙を飾るヒロインの赤井雪乃などキャラクターは悪くはないんですけどね。
不器用な性格をしているけど大地の優しさを感じるかのような埴本の心遣いや、カーッと頭に上りやすい熱血系の雪乃が意外にも照れ屋なところなど魅力を感じる場面はいくつかありました。
ただこれも描写不足を感じずにはいられません。
230ページという薄めの本なのは、カットされたからなのかなぁ。

この厚さでラブコメもスポ根も捻りのある学園生活も描ききるってのは無理がありますね。
あっさりと読めるのはいいけど、発想だけで設定が甘すぎるためツッコミどころの多い内容でした。

一番の見どころは、絵かな。
八坂ミナトさんのエロ可愛い絵は枚数も多くて楽しめました。
表紙のパンモロ絵は購入したときは帯に隠れていて見えなかったので、恥ずかしくもなかったぜ。

もっと広げられそうな設定なのに中途半端になっているのが惜しいラブコメ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  土属性はダテじゃない!  葉原鉄  八坂ミナト  評価C+ 

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