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明日へと続く記憶

アニメ、ゲーム、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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ソードアート・オンライン9 アリシゼーション・ビギニング 

ソードアート・オンライン〈9〉 (電撃文庫)ソードアート・オンライン〈9〉 (電撃文庫)
(2012/02/10)
川原 礫

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読書期間:

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
世界観
構成
期待感


 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8



 「ここは……どこだ……?」
 目を覚ますと、キリトは巨木が連なる森の中――ファンタジーの≪仮想世界≫に入り込んでいた。手がかりを求めて辺りを彷徨う彼は、一人の少年と出会う。
 「僕の名前はユージオ。よろしく、キリト君」
 この仮想世界の住人――つまり≪NPC≫である少年は、なんら人間と変わらない感情の豊かさを持ち合わせていた。ユージオと親交を深めていくキリトの脳裏に、とある過去の過去がよみがえる。
 それは、子供時代のキリトがユージオと一緒に野山を駆け回っている記憶だった。そしてそこには、ユージオともう一人、金色の髪を持つ少女の姿があった。
 名前は、アリス。
 忘れていけないはずの、大切な名前だった。
 ウェブ上で最も支持を得た超人気エピソード登場!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


近未来のMMO情勢を主とした現代SF物語、第9巻。
アニメ放送前に発売されたものとしては、これが最新刊にあたります。

舞台は新たなる世界へ。
アリシゼーション」と題された今回のゲームは、いつになく特殊です。
なにせリアルとゲームの区別がつかず、キリトが現状に陥った理由を全く分かっていません。
果たしては、何が真実で何が虚像なのか。
手探り状態で進む展開は、まさにRPGそのもののようでした。

うん、面白かったです。
ただ少々構えて読まないと辛い部分はあるかな。

タイトルにわざわざ「ビギニング」と付けたくらいですから、相当長いエピソードになるんだろうなと予想していましたけど、この内容は序章もいいところって具合ですね。
約400Pの厚みのある本でありながら、プロローグⅠとⅡに100P弱ずつ割いています。
要するに、半分はプロローグであり、物語は始まってもいません。
専門用語も大量に頻出するため、導入としては、かなり重たい。
前半に詰め込んでいるおかげで、後半の加速に繋がるんでしょうが、もう少しエンジンのかけ方を気遣って欲しかったです。

まさに新章突入と言わんばかりのカラーの見開き中表紙は、素晴らしい演出でした。
ああ、売れている作品は違うなぁと嫌な考え方をしていましたねw

物語の筋が理解し始めると、楽しみ方が分かってきます。
突然、見知らぬ土地に降り立ったキリトが、冷静に考察する流れは面白い。
明確なゴールの存在を把握できないので、可能性を徐々に潰していきながら推理する手法を取っているわけですが、これが結果的にキリトと同調することになっています。
第三者の視点でヒーローを眺めていることの多かったこのシリーズにおいて、主人公と同じタイミングで驚いたり、頭を働かせたりするのは新鮮な気分となりました。

珍しいことは他にもあり、何と男の仲間キャラが登場します!
AWもSAOも味方キャラの増加は常に女の子であり、男は最低限しか存在していなかった川原礫さんの作品において、これが如何に珍しいことか。
表紙にも登場している碧眼の少年・ユージオの活躍には胸を躍らせました。

キリトの能力がチートっぽかったり、口を開けば女の子を落としていたりするところは相変わらず。
ステージが変わろうが、レベルが1になろうが、スペック高くて卑怯臭いなぁ……w

非常にワクワクとできる冒険の始まりでしたね。
謎ばかりが残っているので、早く次が読みたいです。

壮大な物語が始まる予感を感じさせてくれる設定と舞台が丁寧に作られています

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ソードアート・オンライン  川原礫  abec  評価B+ 

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ソードアート・オンライン8 アーリー・アンド・レイト 

ソードアート・オンライン〈8〉アーリー・アンド・レイト (電撃文庫)ソードアート・オンライン〈8〉アーリー・アンド・レイト (電撃文庫)
(2011/08/10)
川原 礫

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読書期間:2011/11/29~2011/11/30

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
SF
世界観
ミステリー



 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6




 『圏内事件』――≪SAO≫中階層で、一人のプレイヤーが殺された。その殺害現場は、決してHPが減るはずのない≪安全圏内≫だった。これはプレイヤー・キルだと仮定するも、その殺害方法に全く見当がつかず……。奇怪な事件を、キリトとアスナが追う。
 『キャリバー』――≪ALO≫伝説の聖剣≪エクスキャリバー≫。その獲得クエストがついに始まった。守護するモンスターたちの強さから一度は獲得を諦めていたキリトだったが、これを機に再び争奪戦に本格参戦する。しかし、このクエストには壮大な裏イベントがあり……。
 『はじまりの日』――≪SAO≫正式稼働初日。茅場晶彦によるデスゲーム開始の声明を受けた直後。キリトが決断した、このゲームを生き抜くための最初の一手。それは、ベータテスト時に攻略経験のあるクエストを真っ先にクリアし、初期装備よりも強力な剣を獲得することだった――。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


次世代MMOで文字通り生きる少年少女を描いた現代SF、第8弾。
2巻以来の短編集となっています。

今回は素直に面白いと思えました。
過去の感想で何度も書いていますが、この作品、些か抵抗を覚える要所があるんですよね。
ネットとリアルの切り離しが出来ていない考え方や、主人公キリトが強過ぎるご都合主義など、物語に入る前段階で引っかかって楽しめないことがあります。
それが、この8巻では最小限で抑えられていたので、気にならなかったのが大きかったです。

個人的には、上記の点を短所と捉えていますが、俺TUEEEという話が好きな人もいるでしょう。
もとより設定の組み上げ方や、物語の牽引力に関しては実力のある作家さんですからね。
評判がいいのも納得できます。

内容は、3本のエピソードが収録されています。
ちょっと短めの長編といってもいい中編2本あるので、読み応えは相当なものがありました。

中でも『圏内事件』が良かった。
SAO時代、キリトとアスナが親しくなるキッカケとなったミステリアスな事件を追う話です。
やっぱりデスゲームとしてのSAOは、緊迫感がまるで違いますね。
PKが出来ないはずの街中でプレイヤーが死んだことで、更に不安感が増大しています。
ミステリーのオチとしては、提示されていない情報もあるため反則気味ですけど、伏線はしっかり張っていましたし、何よりゲーム的なロジックの利用が非常に巧みだったので一本取られたと感心させられました。

同様にSAOの最初期を描いた『はじまりの日』も、前から読んでみたかった話でした。
ゲーム内の死をリアルの死と直結したくなくても意識せざるを得ないプレイヤーたちの焦燥感が苦しくなるほどに伝わってきます。
過酷な状況に追い込まれた中で、人を信じることが如何に難しいかを痛感させられます。

ALO伝説級の武器獲得クエストを描いた『キャリバー』は、最も戦闘描写があったにも関わらず、随分と平和な話に感じられました。
ただ仲間が集まってゲームを遊んでいるだけですから、当然といえば当然ですか。
このエピソードは、どこもかしこも「シノンさん、マジかっけぇ――!」という感想ばかりですね。
確かに、美味しいポジションで、ヒロイン勢の中でもキャラが立っていた印象を受けました。
個人的には、ハーレム阻止やツッコミ役などで活躍するクラインの存在の方が貴重で有難いなと思いましたがね。

挿絵は、絵の描き分けが素晴らしかった。
雰囲気重視だったり、キャラを映えさせたり、コミカルな笑いを誘ったりと惹き込まれる絵が多かったです。
表紙は何故か野郎二人になってますが、これはこれでありかと。
白背景に女の子が一人デカデカと飾ることが多い昨今のラノベにおいて、快挙ではないでしょうか。
一体何なんだこのキリト推しは……w

デスゲームの緊迫感を再び味わえるSAO時代の短編が秀逸

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ソードアート・オンライン  川原礫  abec  評価B+ 

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ソードアート・オンライン7 マザーズ・ロザリオ 

ソードアート・オンライン〈7〉マザーズ・ロザリオ (電撃文庫)ソードアート・オンライン〈7〉マザーズ・ロザリオ (電撃文庫)
(2011/04/08)
川原 礫

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読書期間:2011/8/5~2011/8/8

【評価……B
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
感動




 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7





 キリトが巻き込まれた≪死銃≫事件から数週間。
 妖精アバターによる次世代飛行系VRMMO≪アルヴヘイム・オンライン≫にて、奇妙な騒動が起こる。新マップ≪浮遊城アインクラッド≫、その第24層主街区北部に現れる謎のアバターが、自身の持つ≪オリジナル・ソードスキル≫を賭け、1体1の対戦ですべてを蹴散らし続けているという。
 ≪黒の剣士≫キリトすらも打ち負かした、≪絶剣≫と呼ばれるその剣豪アバターにアスナも決闘を挑むのだが、結果、紙一重の差で敗北してしまう。
 しかし、そのデュエルが終わるやいなや、≪絶剣≫はアスナを自身のギルドに誘い始めた!?
 ≪絶剣≫と呼ばれるほどの剣の冴え。そこには、ある秘密が隠されており――。
 『マザーズ・ロザリオ』編、登場!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


次世代バーチャルネットゲームを舞台に生きる少年少女の物語、第7弾。
ヒロイン役であるアスナが主役となる一冊完結の話でした。

ALOの対人戦≪PVP≫で負け知らずのプレイヤー≪絶剣≫がいるという噂が流れる。
突如ALOの世界にやってきた彼女は、あのキリトすらも打ち破ったらしい。
にわかには信じられないアスナは、自らが≪絶剣≫にデュエルを挑むことを決意する。

良く言えば王道。悪く言えば安直。
お涙頂戴の感動路線が肌に合うかどうかがポイントになってきます。

あらすじを読んだだけで、ほぼ最初から最後の展開が読めてしまいました。
キリトが負けるという時点で、≪絶剣≫の抱える秘密に気付きますし、そうなると話の流れる方向も容易に想像できます。
嫌な言い方をすれば、アスナはイイ子っぷりを発揮して、キリトは貫録を損なうことなくヒーローを演じるテンプレが完成されているために、驚きはありません。
作者もあとがきにて触れてますが、ご都合主義があざといと感じてしまうのは仕方がないと思うんです。

しかし、それがつまらないというわけではありません。
創作物として考えるならば、これほど正しい選択はないと言ってもいいぐらいでしょう。
主人公とヒロインが活躍し、バトルあり感動ありのシリアスストーリーが展開されるんです。
ライトノベルの購入年齢層からすると、大正解だと思います。
個人的な意見をいえば、イイハナシダナーと思ったものの好みから多少外れますがね。

話は戻りますが、ご都合主義について。
締め方については、葛藤があったようですが、これで良かったと思います。
詳しく書くとネタバレになってしまうので避けますが、良いエンドでした。

問題は中盤。
SAOではいつものことなんですが、感情の移行が拙い。
順序をすっ飛ばして急に仲良くなったり、又はその反対で険悪になったりと、挿入されるべき描写が足りずに簡素となってしまっています。
おかげで、何故そこまでするのかという動機に繋がっておらず、リアリティに欠けます。
設定等にリアリティを持たせる必要性があるかどうかは作品よって異なりますが、キャラの感情については、仮に精神的に病んでいたりしても、納得できる推移が必須だと思うんですよ。
一目惚れならそれはそれで理由になりますが、著者の場合は、不自然に間が空いているように感じます。
これさえなければ、もっと素直に読めるんですがねぇ。

そういえば、逆手に取ったネタが仕込まれていましたね。
キリトの強さが、VRMMO世界上に轟いていて、あまりの規格外に「これだから……」とモブキャラから突っ込まれているのには思わず笑ってしまいましたw
真面目にプレイしている他の人間からしたら、たまったもんじゃないよねw
廃人というほど必死になっているわけでもないのに超人的な強さで、可愛い女の子達に囲まれている訳ですから、そりゃあ妬まれもするでしょうw

強き想いを胸に秘めた少女と出会い、己を顧みる女の子の物語

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ソードアート・オンライン  川原礫  abec  評価B 

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ソードアート・オンライン6 ファントム・バレット 

ソードアート・オンライン(6) ファントム・バレット (電撃文庫)ソードアート・オンライン(6) ファントム・バレット (電撃文庫)
(2010/12/10)
川原 礫

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読書期間:2011/3/31~2011/4/2

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
燃え
緊張感



 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8




 銃と鋼鉄のVRMMO≪ガンゲイル・オンライン≫で発生した≪死銃≫事件を調査するため、≪GGO≫へえとログインしたキリト。
 一見超美少女キャラと見間違えるアバターにコンバートされるトラブルに遭った彼だったが、スナイパーの少女・シノンのナビゲートにより、全ガンナーの頂点たる対人トーナメント≪BoB≫に無事参戦を果たす。
 キリトは、銃が支配するこのゲームで唯一≪光剣≫を駆使、≪BoB≫を勝ち進む。その奇抜な戦闘スタイルが話題となり、徐々にゲーム内での知名度は上がっていった。
 そして≪BoB≫決勝。数多の強敵がひしめく≪バトルロイヤル≫の中、ついに≪死銃≫が姿を現す。果たして≪死銃≫とは何者なのか。本当に≪仮想世界≫から≪現実世界≫へ影響を及ぼすことができるのか……キリトは単身、≪死銃≫へと挑む!!
 『ファントム・バレット』編、完結!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


近未来SF世界におけるMMOを舞台に繰り広げられるアクションバトル、第6弾。
≪ファントム・バレット編≫完結編です。

うん、これは面白かった。
巻数を重ねるごとに少しずつ微妙なところが増えていたため、不安な一面もあったのですが、久々に不満点よりも満足感が上回る読後でした。

やはりオンラインゲームの死がリアルの死に直結する状況は、緊迫感が半端ありませんね。
VRMMO≪ソードアート・オンライン≫の物語が描かれた1巻に惚れこんで追い続けることになった身としては、死銃による殺人事件の恐怖は、あのデスゲームを彷彿とさせる内容で手に汗握りました。
巧みな文章により一層に、命の重さを感じ取ることができる点も秀逸です。

≪ガンゲイル・オンライン≫のPv大会≪BoB≫の模様が熱くて良かった。
戦闘は、迫力あるシーンの連続で、見応え抜群です。
相変わらずキリトの強さが際立ちますが、今回は敵味方ともに見せ場がありました。
不自然なまでの一騎当千よりも、拮抗したバトルロイヤルの方が断然燃えるに決まっています。
まぁ、プレイし始めたばかりのキャラが、対人のスペシャリスト達の集う大会の本戦に出場している時点で、リアリティなんて皆無なんですけどね。

物語の展開は、良く言えば王道、悪く言えばテンプレ通りの同じパターン。
分かりやすい面白さを目指しているのかもしれませんが、勧善懲悪ばかり描かれても、またかと思うだけで心に響くものはありません。
死銃の正体なんかもう想像通りすぎますし、犯人のキャラ造形も一辺倒でつまらない。
主人公は最強に格好良くてはならないと考えているかのような、無双っぷりも苦手です。

こういうところが、きっと中高生には受けるんだろうなー。
自分が中学生の時に出会っていれば、きっと素直に称賛していたのではないかなと思いますよ。

死銃のトリックについては、ギミックとしては面白味がありますが、ちょっと拙い気がしますね。
オチを知ると、今まで気が付かなかったことに不自然さを感じます。
盲点というには反則的で、前巻より続いた謎の解明としては、何だか狐につままれた気分で、スッキリしません。
あれだけ実行不可能という難題として提示しておいて、これはないなーというのが正直な感想。
着眼点は素晴らしいだけに、もうひと捻り欲しかったなぁ。

エピローグは、丁寧過ぎると言うか冗長だったというか……。
ご都合主義なところも目に付きますし、何かと惜しいですねぇ。
面白いんだけど、気に食わない点が多々あるように感じるのは、相性なんだろうか。

とはいえ、過去最高の分厚さも気にすることなく、ガツガツと読み進めることができました。
質の高い良作であることは、間違いないでしょうね。

リアルとゲームが交差する状況で行われる命を賭けた戦いが熱く燃えます

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ソードアート・オンライン  川原礫  abec  評価B+ 

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ソードアート・オンライン5 ファントム・バレット 

ソードアート・オンライン〈5〉ファントム・パレット (電撃文庫)ソードアート・オンライン〈5〉ファントム・パレット (電撃文庫)
(2010/08/10)
川原 礫

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読書期間:2010/8/13~2010/8/15

【評価……B
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF





 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6






 ≪SAO≫事件から一年が経った。
 ある日。キリトは、総務省≪仮想課≫の菊岡誠二郎から奇妙な依頼を受ける。
 銃と鋼鉄のVRMMO≪ガンゲイル・オンライン≫で突如発生した≪死銃≫事件。漆黒の銃を持つ謎のアバターに撃たれたプレイヤーは、実際に現実でも≪死≫に至る……。その不気味な事件の捜査を断り切れなかったキリトは、≪仮想世界≫が≪現実世界≫へ物理的に影響を及ぼすことに疑いを抱きつつも、≪GGO≫へとログインする。
 ≪死銃≫の手懸りを掴むべく、不慣れなゲーム内を彷徨うキリト。そんな彼に救いの手をさしのべたのは、長大なライフル≪ヘカートⅡ≫を愛用するスナイパーの少女・シノンだった。
 新エピソード突入!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


新刊が出る度に部数が伸びている人気シリーズ。
今回から舞台が変わり、銃アクションゲームのMMO編に突入します。
表紙の子は、剣を携えていますが。

うーん、やっぱり引っかかるところが多いなぁ。
作品としてのレベルは高いのだけど、突っ込みどころが目に付いてしまって萎えてしまいます。

相変わらずのキリト無双は、爽快どころかイラッとしました。
もうね、主人公補正が強すぎるんですよ。
どれだけ他プレイヤーが苦労していても、新しく始めたゲームであっても関係ありません。
チートという言葉が冗談でないぐらい、やりすぎています。

SAOの時は、ソロ廃人で寝る間を惜しむようにレベルアップに励んでいたので良しとしましょう。
でも、ALO時代からは、ろくにキャラクターを育ててもいないのに強すぎる。
キリトがゲーム内に入るだけでバランス崩壊してしまうのは、いかがなものか。

しかも、登場する新ヒロインのシノンは、会って間もないうちに何故かときめきモードに入ってしまうし。
キリトは、男と女とで対応がまるで変わる女たらしにしか見えない。
ま、基本的に格好良いとは思うし、世間的には受けているので、おそらく穿った見方なんだろうなぁとは思いますよ。

ネトゲにドップリと漬かり込んでいる台詞が散見されるのも、正直引いてしまいます。
リアルとネットの線引きが曖昧。
これだけの技術が発達した世界において、リアルとネットに差がなくなってきたのはいいんです。
だったら、ネット内の発言もリアルに準拠しているべきじゃないでしょうか。

とまぁ、これだけ不平不満はあるにも関わらず、楽しんでいる自分もいるのが悔しい……w
エンターテイメント作品としては、盛り上げどころを分かっていて、面白いんだよなぁ。
設定についても、全貌は把握できませんが、実際にプレイしてみたいと思わせる要素はあります。
キャラの台詞に引っかかりを覚えても、地の文は読み応え十分です。

もういっそのこと、シノン視点で最初から最後まで描いてくれた方が良かったかも。
キリトに出会う前の戦闘シーンは、なかなか緊張感あって悪くなかったと思います。

「ファントム・バレット」編は今巻では終わっていませんので、物語に関してはこれからですね。
予想外の展開が待っていることを期待します。

主人公が反則的なまでに活躍するのが好きな方は楽しめるかと思われます

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ソードアート・オンライン  川原礫  abec  評価B 

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ソードアート・オンライン4 フェアリィ・ダンス 

ソードアート・オンライン〈4〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫)ソードアート・オンライン〈4〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫)
(2010/04/10)
川原 礫

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読書期間:2010/4/16~2010/4/19

【評価……B
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
燃え




 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6





 SAOから未だ帰還しないアスナを救うため、疑惑のVRMMO≪アルヴヘイム・オンライン≫にログインしたキリト。
 その次世代飛行系ゲーム≪ALO≫は、≪魔法≫という概念、プレイヤーの反応力と判断力が勝敗を決めるアクション要素、そして≪妖精≫となって空を駆け巡る≪飛翔システム≫と、≪SAO≫に勝るとも劣らない高スペックで数多のプレイヤーを魅了していた。
≪妖精≫スプリガンとなったキリトは、アスナの幽閉先――全プレイヤーの最終目標≪世界樹≫目指し突き進む……!
 道中、妖精種族≪サラマンダー≫のプレイヤーたちの策略により、絶体絶命の危機に陥るキリトだったが、≪シルフ≫の少女・リーファの助力、ナビゲートピクシー・ユイのバックアップを受け、どうにか九死に一生を得る。
 そしてついにキリトは≪世界樹≫の根元までたどり着く。しかしそのとき、リーファとキリトは互いの≪秘密≫を知ってしまい……。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


SAOシリーズ、第4弾。
フェアリィ・ダンス編の下巻であり、1巻から続いた物語のエピローグにもなります。

うーん、面白いのは面白いのだけれど……。
この作品、MMO未経験者が読めば、概ね楽しめるかと思います。
しかし、一経験者からすると、納得できない点が散見されます。
作品の熱量は凄いんだけどねぇ。

良くも悪くも、キリトが一直線で突っ走って姫を奪還する話です。
主人公が脇目も振らずに必死になる姿に熱くなったり、一騎当千のごとく活躍する見て爽快感を味わえたりと、まさに少年漫画の王道的な展開が続いています。
タイミングだけの問題で、次に起こる要素は大抵予想がつきますし、驚きは少なかったかな。
それでも楽しませてくれるのだから、作者の力量はさすがですけどね。

唯一意外だと思ったのは、キリトとリーファが互いのリアルを知るキッカケ。
思っていたよりもあっさりだったので、せっかくの仕掛けなのに勿体無いなぁと思いましたが、最後まで読み終わってみると、絶妙な時期に挿入したことが分かります。
なるほど、あくまでヒロインはアスナってことか。

それにしても、都合の良い展開が多すぎやしないか。
キリトさんぱねぇ!とか、チート乙といった定型句が皮肉になってきている気がする。
強引な舵の切り方が気になり始めると、純粋に楽しめなくなってきます。
本当にリアル生活を行っているのかと疑わしき人物しか出てこないしなぁ。

この作者さんは、世界の構築は本当に素晴らしくて、舞台設定も細かく作っているのに、自ら壊し過ぎているところがあるんですよねぇ。
例えば、今回のALOについても、奥深そうなシステムなのに食い散らかした揚句に、ぶっ潰した印象があります。
ストーリー上、テンポ重視になるのは理解できますけれど、ゲームを犠牲にされるのは哀しいなぁ。

あとこれは、不満というか、個人的な倫理観や考え方とのズレだとは思うんですが、キリトに共感が出来ないところが多くて参りました。
近未来のVRMMOという新ジャンルのゲームであっても、ゲームはゲームでしかないというのが持論なので、性に合わないのも当たり前でしょうね。
ゲーム内データに感情移入する前に、プレイヤーキャラに思いやりを持てよと言いたくて仕方ない。

MMOとしての楽しさは、正直ほぼなかったかと思います。
少なくとも自分は、これを読んでMMOをやりたくなったとは思えませんでした。
それさえ目を瞑って、物語中心に読めば、まぁそれなりに面白かったです。

シリーズとして1つの区切りをつけるエピローグが丁寧に描かれていて好印象でした

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ソードアート・オンライン  川原礫  abec  評価B 

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ソードアート・オンライン3 フェアリィ・ダンス 

ソードアート・オンライン〈3〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫)ソードアート・オンライン〈3〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫)
(2009/12/10)
川原 礫

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読書期間:2009/12/10~2009/12/12

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF ★★★★★★☆☆☆
 … 7

禁断のデスバトルMMO『ソードアート・オンライン』から現実世界に戻ってきたキリト。彼は攻略パートナーであり、想い人であるアスナのもとに向かう。
しかし、結城明日奈は、あの悪夢のゲームからまだ帰還していなかった。
困惑と絶望に包まれるキリト。唯一の手がかりは、鳥籠の中で佇む≪妖精姿≫のアスナという謎の画像データのみ。どうやら彼女は、高スペックVRMMO≪アルヴヘイム・オンライン≫というゲーム内に囚われているらしい。
キリトはアスナを救うため、飛翔する妖精プレイヤーたちが交錯する≪ALO≫に飛び込んでいく……!!WEB上でも屈指の人気を誇った『フェアリィ・ダンス』編、スタート!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


現実世界と仮想世界がリンクし始める、シリーズ第3巻。

タイトルのMMO「ソードアート・オンライン」での日々は、1巻の本編と2巻の短編で終了しているのにも関わらず、どのように続きを作るのかと思ったら全く別の新しいMMOの冒険が始まりました。
SAOがクリアされたのに何故かアスナを含めた数百人がリアルに帰還していない中で、別ゲーム内の画像にアスナと思わしき姿が映っており、彼女を救うためにキリトが再び立ち上がるといった展開です。

面白い……のだけれど、引っかかる点もなきにもしあらず。
SAOはプレイヤーにとっては仮想世界=現実でもあって、リアルに戻れない絶望感や死と隣り合わせの緊張感が伝わってきて非常に燃えました。
それに対して、今回の舞台であるMMO「アルヴヘイム・オンライン」はヌルイんですよねぇ。
それだけであれば物語的に仕方ないの一言で済むんですが、プレイヤーのロールプレイが度を超えていて、違和感を拭えません。
ファンタジー世界の住人になりきりをしているようで、考え方が重かったり言動が痛く感じたりしてしまいます。
もうちょっと裏側に現実があることを考慮に入れて欲しかったなぁと思いました。

そんな棘が引っかかりながら読んでいても面白いと思えるのだから、作品としては本当に良質です。
SAOとは異なるシステムにワクワクさせられたり、アクションシーンの迫力にドキドキさせられたりと、相変わらずエンターテイメント性の高い仕上がりとなっています。

にしても、キリトさんマジぱねぇ。
無双っぷりもさることながら、出逢う女性とフラグを立てまくるとか、天然タラシ度がさらに上昇してるじゃないか。

一方で、居ても立ってもいられない気持ちは分かるけど、下調べもせずゲーム内に飛び込んでいくのはキリトらしくないような気がしますね。
まぁ、SAOと違ってゲーム内の生死がリアルに影響するわけではないからプレイしながら覚えていくのも悪くはないんですがね。
アスナの情報を手に入れたいのなら、もっと他にもイイ方法があったのではないかなと思いました。

義妹の直葉は可愛らしい造形だと思うんですけど、個人的には惹かれませんでした。
世界観の構築などの力量に対して、キャラ設定が弱い作者さんですが、直葉はメインヒロインのアスナよりも丁寧に恋心に揺れる様子が描かれていて良かったと思うんですよ。
しかし、妹属性がないためなのか、萌えは湧き立ってこず……。
例えばこれが同級生キャラであれば悶えていたんだろうなぁ。分かりやすい性格だな自分。

1巻の頃からそうだけど、挿絵の指定が少しズレている気がする。
いやまぁ、サービスシーンは大事だし嬉しい気持ちもあるけれど、いくらなんでもストーリー的に関係なさすぎでしょw

何やら文句が多い感想になってしまいましたが、非常に楽しんで読ませてもらいました。
次でフェアリィ・ダンス編は完結ということなので、盛り上がりに期待です。

新しい舞台について的確なタイミングで説明が入るためストレスを感じさせません

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ソードアート・オンライン  川原礫  abec  評価B+ 

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ソードアート・オンライン2 アインクラッド  

ソードアート・オンライン〈2〉アインクラッド (電撃文庫)ソードアート・オンライン〈2〉アインクラッド (電撃文庫)
(2009/08/10)
川原 礫

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読書期間:2009/8/18~2009/8/22

【評価……B+
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
SF ★★★★★★★★☆☆
 … 8

クリアするまで脱出不可能のデスバトルMMO『ソードアート・オンライン』に接続した主人公・キリト。最上階層を目指す≪攻略組≫の彼以外にも、様々な職業や考え方を持つプレイヤーがそこには存在していた。
彼女たちはログアウト不可能という苛烈な状況下でも、生き生きと暮らし、喜び笑い、そして時には泣いて、ただ≪ゲーム≫を楽しんでいた。≪ビーストテイマー≫のシリカ、≪鍛冶屋≫の女店主・リズベット、謎の幼女・ユイ、そして黒い剣士が忘れることが出来ない少女・サチ――。
ソロプレイヤー・キリトが彼女たちと交わした、四つのエピソードを、今紐解く。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


バーチャルの世界に閉じ込められた人たちの日々を描いた、SAO第2巻。
1巻で綺麗に終わっていたのでどう繋げるつもりかと思いきや、中身は外伝的な短編集でした。

なにはともあれ、まずはこれを言っておかなければなるまい。

何だ、この天然タラシは……。
誰かのことかというと、我らが主人公・キリトのことです。

全4章からなる構成で、そのいずれにおいてもキリトが登場する女の子に惚れられていきます。
数少ないといわれている女性プレイヤーをことごとくオトしていく手腕には驚かされますね。
しかも、本人にその自覚がないとは……呆れを通り越して、恐れさえ抱きます。

一体、どこがソロプレイヤーだよ!是非そのテクニックを教えてください。
まぁ、MMO経験者からすれば、こんなに寄り道していたら最前線に立てないよなぁと思ったり。
キリトを通して、俺TUEEEという感覚を読者が味わえるのはいいんですが、少々度が過ぎるかなとも感じました。

ストーリーは、世界観的にコメディには偏らず、基本的にシリアス路線。
高レベルプレイヤー以外だけではなく、中級者や脱落者など、1巻では描ききれなかったプレイヤー層の話が、世界をさらに広げ深みを与えてくれています。

心の温度」と「赤鼻のトナカイ」が特に良かった。
種類は違うけれど、どちらも胸が締め付けられるような切なさや苦しみがありました。
順序的にはこうするしかなかったと分かりますが、それでも1巻よりも先に読むことができていれば、キリトやアスナの心情をより把握できてよかったんですけどね。

長編で得られる充実感などはないけれど、十分に面白かったです。
短編集だからといって切ってしまうのは勿体無い出来なので、飛ばさずに読むことをお勧めします。

女性視点から見た主人公キリトのSS集に近い印象

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ソードアート・オンライン  川原礫  abec  評価B+ 

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ソードアート・オンライン1 アインクラッド 

ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド (電撃文庫)ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド (電撃文庫)
(2009/04/10)
川原 礫

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読書期間:2009/5/1~2009/5/3

【評価……A
設定 ★★★★★★★★★
 … 9
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★★★
 … 9
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
オススメ度 ★★★★★★★★
 … 9
SF ★★★★★★★★
 … 9
完成度 ★★★★★★★★☆☆
 … 8

クリアするまで脱出不可能、ゲームオーバーは本当の“死”を意味する――。
謎の次世代MMO『ソードアート・オンライン(SAO)』の“真実”を知らずログインした約一万人のユーザーと共に、その過酷なデスバトルは幕を開けた。
SAOに参加した一人である主人公・キリトは、いち早くこのMMOの“真実”を受け入れる。そして、ゲームの舞台となる巨大浮遊城『アインクラッド』で、パーティーを組まないソロプレイヤーとして頭角をあらわしていった。
クリア条件である最上階層到達を目指し、熾烈な冒険を単独で続けるキリトだったが、レイピアの名手・女流剣士アスナの強引な誘いによって彼女とコンビを組むことに。その出会いは、キリトに運命とも呼べる契機をもたらし――。
個人サイト上で閲覧数650万PVオーバーを記録した伝説の小説が登場!

【感想】


僕の中で、川原礫さんは名作家の一人だと認定することになった作品。
さすが、ネット上で何年も書いていた小説だけのことはあります。

面白過ぎる!
熱中し過ぎて、読了後は汗をかいてましたよ。

完成された仮想現実内で行われるMMO<ソードアート・オンライン>。
βテストを経て正式サービスが開始された直後、ログインした一万人のユーザーがゲーム内から出られなくなる。
閉じ込められた人々に告げられるのは、ゲーム内での死=リアルでの死という真実。
現実世界へ無事に帰還する唯一の脱出方法は、最上階に潜むボスを倒す他ない。
かくして本物の生死を賭けた冒険がここに始まります。

まぁ、身も蓋もない言い方をすれば、要するにラノベ版「.hack」シリーズみたいなもんです。

最初は好みの設定だなと思い、読み進めていくうちにキャラの魅力に取りつかれ、最後には物語に夢中になってました。
いやー、素晴らしい。
ラストは多少物足りなさを感じますが、きっとそれくらいがちょうどいいのでしょうね。
読み終えて息をついた時の充実感は、何物にも代えがたいものでした。

文章を読ませる技術は、相変わらず凄い。
これは、web公開という形で大勢の目により鍛え磨かれたからこそ身に付いたものなんでしょうね。
スムーズに流れてくる文章には、気持ち良ささえ感じられました。

大満足といって差し支えない内容でしたが、あえて難点を挙げるとするならば、登場人物の動機ですかね。
主人公・キリトの一人称で続く割には、前後の繋がりが甘い所が散見されるのが惜しかった。
これは「アクセル・ワールド」の時も同様だったのですが、キャラの心情が飛び石で進行していて、物語ありきの動かされている感覚がありました。
特にヒロイン役のアスナは、都合の良すぎる駒扱いだった気がします。
まぁ、アスナ可愛いから、それぐらい何でもないけどね!

「アクセル・ワールド」に比べて登場人物の癖はあまりないので、取っ付きやすさはこちらのが上かな。
ネトゲ経験者であれば、すぐに作品内にのめり込めるかと思われます。
精巧に作られた世界で、ほぼリアルと変わらないように見えて、しっかりとゲーム内のシステムにフォローされている描写を混ぜるのが巧いんですよね。
作者は、設定を練り込むのが得意なんだろうなぁー。
いい塩梅に主人公が厨二病(褒め言葉)で、ライトノベルの年齢層には受けの良い作品だろうなと思いました。

web公開限定ではおそらく読むことができなかった者としては、この本に出会えた喜びを感じずにはいられませんね。
綺麗に終わっているので、8月に出るという続編がどのような形になるのかは分かりませんが、期待は止まりそうにありません。

命の重みを実感させられるデスゲームの緊迫感が素晴らしい

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ソードアート・オンライン  川原礫  abec  評価A 

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