『JKからやり直すシルバープラン』5巻 感想
2022/08/29 Mon 23:21:40 [edit]
「JKからやり直すシルバープラン」5巻のネタバレ感想です。
表紙の小百合が何を持っているのかと思ったらウォークマンですか。
カセットテープ式とはこれまた年代物で懐かしすぎますね。
才女・西園寺千桜との折衝編に区切りが付けられました。
小百合が特別な存在であり、住む世界が違うと知らしめたい千桜が画策する流れです。
そういえば、小百合の通う学校が上流階級ばかりではないのも謎といえば謎ですね。
友達グループにヒビを入れていく展開は先が分かるだけにページをめくりたくなかったです。
誕生日パーティーに間に合わず、氷像が溶ける前にお披露目できなかったハヤナは見ていて痛々しい。
いくら千桜の策略とはいえ、事情を説明できない遅刻をするのなら小百合に全面的な非があると思います。
母親の手術代で悩む真紀については答えが出ないような気がしますね。
命はお金で買えなくとも救うことは出来るケースもあります。
対等な友達関係であるならば、お互い援助という選択肢は取りたくないでしょう。
かといって助けられるかもしれない手段があるのに手をこまねくしかないのは辛いよなぁ。
真紀の悲痛な涙には胸が痛くなりました。
金と権力を振りかざして脅しを入れる千桜は間違いなく強敵でした。
結果的に全員友達を選んだのは若さもあってのことだと思います。
でも、短いながらも育んできた友情に偽りはなったのだと証明した形となったのは小百合でなくても嬉しくなります。
なおも脅迫めいたことを仄めかす千桜に悪役令嬢の面構えで貫録を見せた小百合は格好良かった。
友達は演技だと思わず素だと思っているのがブラックジョーク的で面白い。
千桜は千桜で潔く負けを認めつつも今後の人生においてどちらが正しかったのか勝負だと声を高らかに宣言するシーンは印象的で、これからもライバルとして期待したくなりました。
一度失敗したトラウマからシルバープランを掲げた小百合が最も欲したのは人脈だったというのも感慨深い。
たとえ再度落ちぶれても牛丼一杯奢ってくれる友達が欲しいっていうのは、友達の優しさに触れたからなんでしょうね。
テーマ: 漫画の感想
ジャンル: アニメ・コミック
タグ: JKからやり直すシルバープラン JKからやり直すシルバープラン(巻感想) 林達永 李惠成『JKからやり直すシルバープラン』4巻 感想
2022/07/30 Sat 23:56:57 [edit]
「JKからやり直すシルバープラン」4巻のネタバレ感想です。
相変わらず似た表紙絵で何巻なのか即判断し辛いこと。
おまけで店舗特典イラストが数点紹介されていますけど、真紀やハヤナの一枚絵が良いだけに勿体無いなと感じますね。
さて、予告通りの新章突入です。
新キャラとして財閥の孫娘・西園寺千桜が登場します。
まさに正統派の美少女ですね。
設定的には圧倒的なヒロイン力がある彼女を見事に見た目で表現しきっています。
実に説得力のあるキャラデザかつ描画力。
こんな可愛い女の子が事あるごとに背後をとってハイライトのない目を向けてくるのですから怖さが引き立ちます。
政党幹事長の孫娘である小百合に近付いて手懐けようと画策する千桜の空回り感よ。
裏をかこうとして逆にドツボに嵌まっています。
その割には強敵感は失われず、小百合にとって初めてとなるライバルとしてキャラが立っているのは何気に凄いことじゃないでしょうか。
シルバープランが一人歩きしてて笑う。
バブル崩壊を見据えた緻密な計画と勘違いされているのが当たらずとも遠からずなんだよなぁ。
国家規模ではなく個人向けの老後計画ってだけでですし。
外面の違いはあれども、千桜は以前の小百合に近い考え方なのでしょうね。
だからこそ一般人と慣れ合う小百合のことが癪にさわるのでしょう。
住む世界が違うとはよく言いますが、確かに格差があると共通認識さえ異なりますし、千桜の言い分も分からないでもない。
今後友達付き合いを続けていくためにも、ここは乗り越えなければいけない壁なのだと思います。
テーマ: 漫画の感想
ジャンル: アニメ・コミック
タグ: JKからやり直すシルバープラン JKからやり直すシルバープラン(巻感想) 林達永 李惠成『JKからやり直すシルバープラン』3巻 感想
2022/03/14 Mon 23:22:06 [edit]
「JKからやり直すシルバープラン」3巻のネタバレ感想です。
表紙の小百合は可愛いんだけど毎回似たような絵なのでパッと見では何巻なのか区別できませんね。
質は高いだけに違う絵も見てみたいんだけどな。
柏村弁当屋の起死回生物語の続きから。
スマホがなく気軽にネットでコミュニケーションを取ることができない時代でよくここまで大繁盛しましたね。
美人女子高生店員のお弁当屋さんが美貌の秘訣だと宣伝したら、口コミで広まるものなのかしら。
あくまでヘルシーフードを売りにしたので男性客はいないようですが、男が群がっても不思議じゃないですね。
最終的に真紀の父親が心を入れ換えてハッピーエンドって感じで終わってますけど、結構クズなことやってるから簡単に許してしまっているように見えます。
まぁ、それだけ家族は大切であることを伝えたいエピソードだったということかな。
後半は白石ハヤナのメイン回。
小百合と対立する立場で嫌な役回りに見える彼女でしたが、年相応の女の子であることが描かれています。
元々ギャグっぽく小百合に振り回されるハヤナは面白かったし、楽しいキャラだなとは思っていました。
合わせて二ノ宮家が没落した原因を思い出して悲劇回避に試みようとしています。
てっきりバブル崩壊が最大の要因だと思っていたのですが、祖父の政治スキャンダルが相当なダメージだったようですね。
確かに1話のモノローグでも触れられていましたけど、そこまでのものだとは思っていませんでした。
ディスコに潜入するため大人っぽい服装に身を包む小百合と真紀がイイ感じにケバい。
1990年当時らしい格好で、この絶妙な古臭さがたまりませんね。
作中でもおばさんだったりお母さんだったりと弄られる機会が増えてきているけど、この作品の大きな売りの一つなのでどんどんギャップを描いて欲しいなと思います。
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タグ: JKからやり直すシルバープラン JKからやり直すシルバープラン(巻感想) 林達永 李惠成『JKからやり直すシルバープラン』2巻 感想
2021/10/29 Fri 22:35:03 [edit]
「JKからやり直すシルバープラン」2巻のネタバレ感想です。
おばちゃんが女子高生になって過去の無礼を改め直す老後計画物語。
過去に戻って人生をやり直すという想像は、きっと多くの人がしていると思います。
いつの時代に戻るのか妄想しているだけでも、現実逃避と分かっていても楽しいものです。
でも小百合と同じように高校生に戻ったら、これまた同じように勉学で苦労するのは間違いないでしょうね。
高校生どころか中学生レベルの知識すら危ういものが多くて、現国ならともかく他の科目は赤点を免れません。
それだけ社会ではなくても生きていけるのに、何故か大人になればなるほど勉強し直したいとも思うんですよね。
不思議なものです。
まぁ小百合の場合は、一度目の人生で悲惨な目に遭っているので、自立したいという感情が強くなる気持ちも分かります。
さてそんなわけで学年一の秀才・柏村さん登場回です。
柏村視点からすると小百合はあまりにも豹変して都合のいいことばかり言ってくる存在でしたから簡単には信じられないのも仕方がない。
家庭の事情から余裕もなかっただろうし、むしろ優しいぐらいですね。
担任は母親が倒れていることを知っているはずなのに、柏村を頼れと促したのであれば配慮不足だなぁ。
父親がクズ過ぎて罵倒したくなる柏村の気持ちは痛いほど伝わってきます。
それも承知の上で、小百合は自分の後悔から言い過ぎだと遮るわけですが、女子高生にそれは通じないのではないかな。
感情的になるあの場面では、さすがに詭弁だと感じてしまいます。
タイムリープを題材とした作品は、読者が気にならない程度には辻褄を合わせる必要があると思います。
タイムパラドックスを主題としていなくても、粗探ししたくなるチープな作品も中にはありますからね。
この作品はそういう意味では今のところ目立った穴は感じさせません。
むしろ、不良グループのリンチのせいで一度死んだことがトラウマになっているところなどはよく考えられています。
人生2周目で何もかも楽勝となっていないところが、この作品の良いところでありキチンと考えられている部分ですね。
2巻にして早くもキャラとの掛け合いが良い意味で定番のギャグみたいになってきました。
白石が肩透かし喰らう展開はつい笑ってしまいます。
担任教師の原田先生は本当ならもう少し同情してもいいはずなんですが、自己保身に走りすぎているので校長から怒られてちょうどいいぐらいですね。
さて、タイムリープお約束の未来の情報を知っていることによるチート展開が遂に来ました。
小百合がチートと言ってるだけで、時代を先取りした程度のこれぐらいなら可愛いものですけどね。
正直今の環境ならば頼めばいくらでも金を積めるのに、ちゃんと弁当屋として現状打破しようとするのは好感が持てます。
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ジャンル: アニメ・コミック
タグ: JKからやり直すシルバープラン JKからやり直すシルバープラン(巻感想) 林達永 李惠成『JKからやり直すシルバープラン』1巻 感想
2021/10/02 Sat 23:34:10 [edit]
転生モノが流行っていますが、そのほとんどがファンタジー世界が舞台ですよね。
個人的には現代が舞台のタイムリープモノが大好物なのに何故か漫画ではあまり見かけません。
本作の存在は連載開始して間もない時に知り、1話で即お気に入りとなりました。
まず主人公である二ノ宮小百合が46歳のおばちゃんという時点でかなり珍しい。
人生やり直し物語は圧倒的に男性が多く、転生系含めても女性はアラサーがほとんど。
本作では煌びやかで派手な生活を送っていた女性がバブル崩壊から転落していき、最終的にはホームレスとなったところをリンチに遭うという悲惨な導入となっています。
高校生に巻き戻って昔の振る舞いを反省し、全力で人生計画を練り直そうとする主人公に好感が持てます。
当時の小百合の極悪非道っぷりは、これまた今の人気ジャンルである悪役令嬢モノですね。
自分自身の過去を省みて節制を心掛けたり人付き合いを大事にしようとする小百合に対して、周囲の反応とのズレが面白い。
これまでがあまりにも女王様的な態度でやりたい放題していたものだから、急変した様子が全く好意的に受け取られなくて笑ってしまいます。
相手側からの視点を効果的に描いているおかげで、読者からも煽っているようにしか見えても仕方がないよなぁと納得させられる構図なっていますね。
ホームレス時代がトラウマとなっているが故に、価値観がクラスメイト達とまるで違いますね。
前世?の行為に後悔して謝罪する小百合の浄化されっぷりは、もはや別人なんでしょう。
おばちゃん臭い説教が同世代にジェネレーションギャップを与えていて妙にスカッとするのも良いところですね。
絵柄も安定して美麗で素晴らしい。
小百合の太眉はバブル時代を彷彿とさせるキャラデザインで、若干懐かしさの感じる美少女像ですね。
身体にまとわりつく衣服が妙にボディラインを強調していてエロいというか、艶っぽい。
そういえば、原作者も作画も韓国出身の方というのは驚きました。
どうやら原作者はアメリカに帰化したそうですけど、それでも日本語は喋ることはできないとか。
それでこの世界観の話を違和感なく生み出せるんですからお見事というしかないです。
細かいこといえば当時ギャップ萌えなんて単語はないじゃないかなーとか、自販機120円はもう少し後の時代ではないのかと思うところはありますけど、そもそも明確に日本を舞台にしているとは言っていませんしね。
ちなみにWEB上で連載を追いかけているので、ある意味一番見応えあったのは描き下ろし4コマ漫画の6P。
最後の樋口さんのオチは可哀相だけど笑った。
外伝の悪役令嬢編で樋口さんをメインとした2話を読んだ直後だっただけになおさら面白かったです。
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