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明日へと続く記憶

アニメ、ゲーム、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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双子と幼なじみの四人殺し 

双子と幼なじみの四人殺し (GA文庫)双子と幼なじみの四人殺し (GA文庫)
(2011/12/16)
森田 陽一

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読書期間:2012/2/7~2012/2/14

【評価……C
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
物語 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
人物 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ミステリー
サスペンス
恋愛
狂気


 ★★★★☆☆☆☆☆☆ … 4
 ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
 ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
 ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5



 高校生、菱川迷悟は、双子の少女、新山一縷と朽縷と同居していた。美しい双子に翻弄されながら日常を送っていた迷悟だったが、ある日、三人は学校で飛び降り自殺の現場に遭遇する。その自殺に関して一縷は、突き落としたやつが見えたという。
 正義感の強い、いや、正義感が強過ぎる迷悟は、事件を傍観することができなかった。――学校のアイドル、グッズ販売、そして交際を賭けた決闘……。愛憎が交差する事件の果てにあるものは!?
 第3回GA文庫大賞≪奨励賞≫受賞の問題作が登場!
 「幸せになる覚悟はある?人を殺しておいてなお、幸せになりたいと思えるかってこと」

【感想】


双子の幼馴染みとの訳あり同棲生活を送るミステリー風味の学園ドラマ。
第3回GA文庫大賞で物議を交わした問題作です。

はっきり言って表紙買いでした。
イラスト担当のsaitomさんの絵は、ブリキさんかと見間違うぐらい似ていますね。
大きな楕円形の瞳が特徴的で、登場する女の子みんな可愛かったです。
挿絵の枚数も多く、その意味では当初の目的を果たせました。

しかし、肝心の小説部分は、悪い意味で問題作だと言わざるを得ません。
キャラクターの思考に説得力が皆無でメッセージ性は薄く、かといってエンターテイメントに富んだ内容かというとそうでもなく、結局何を軸に書きたかったのか分からず仕舞い。
ミステリーの体裁をとっていますが、都合の良い展開が多くて、正直薄っぺらいです。
本格的に推理するものではなく、多少本を読んでいる人間ならば早々に犯人に検討が付くと思います。

人間の気持ち悪さを前面に押し出そうとした狙いは、アリだと思うんですよ。
例えば、狂気的な作品としては「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」もまた問題作として話題となったことがありますが、わりと好きな作風です。
ただ、ネジの外れ方が甘く、キャラを引き立てるような文章もないため、何とも中途半端。
危うい思想のキャラを書きたいのであれば、そのキャラなりのルールが必要だと思いますね。
愛憎具合が病的とはいっても、女の子とイチャラブするシーンを増やしたいがために見えてしまい、下手にラノベを意識したのが逆効果となっていると感じました。

また、構成的に主人公達の過去に関する説明が後半に来るのはいいとしても、明かされない事柄が多過ぎです。
これではスタートラインにも立っていない状態ですよ。
オチの付け方も後味が悪いだけで、ゾクゾクとするようなものもないですし。

主人公・菱川迷悟の誤った正義感がウザったい。
自分の倫理観が正しいと信じ込み、人の忠告を聞かずに、すぐ頭に血が上る短気な性格が受け付けない。
強引なところも含めてカリスマ性があるならともかく、視野が狭くて共感はできません。

ヒロインの双子・新山一縷新山朽縷は、迷悟ほど酷いところはありませんが、取り立てて魅力を感じることもありませんでした。
強いて言えば、朽縷だけは彼女らのおける現状を正しく把握している面があって、少しは好感持てましたが、それぐらいですね。

ミステリー要素を混ぜているため、リアル路線で行くのかと思いきや、暴力がフィクション方向に過激すぎて程度を測りかねます。
シリアスとギャグの切り替えが雑で、キャラの行動や感情に一々納得がいきませんでした。
設定に無茶がありすぎて、本当に裏の辻褄合わせまで考えられているのか怪しい。
どこまでが作者の狙いなのか判断できませんが、あとがきを見る限り期待は出来そうにないですねぇ。

一般的な倫理観とは異なる思想を持った人間ばかりが登場する学園が舞台

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  双子と幼なじみの四人殺し  森田陽一  saitom  評価C 

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ライトノベルの楽しい書き方8 

ライトノベルの楽しい書き方 8 (GA文庫)ライトノベルの楽しい書き方 8 (GA文庫)
(2011/03/15)
本田 透

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読書期間:2011/11/5~2011/11/9

【評価……C
発想 ★★★★★☆☆☆☆☆ … 5
設定 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
物語 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
人物 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
文章 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
挿絵 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
ラブコメ
ツンデレ




 ★★★★☆☆☆☆☆ … 5
 ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5





 学園最強少女であり、ライトノベル作家の顔も持つ流鏑馬剣。そして彼女のボーイフレンドの与八雲や、イラストレーターで二人の友人でもある市古ゆうなの周囲はいつも賑やかで何かが起きている。
 剣と市古がなぜか名探偵になる!?八雲と剣は夜の水族館でデートをすることに!?そして八雲の従姉で編集者の与八雲が部署から飛ばされてしまうことになり、大慌ての一同は関係各所を飛び回ることに。次々と生じる騒動は剣や八雲たちをどこへ導くのか……。
 「ライトノベルの楽しい書き方」シリーズ初めての短編集は笑えるものからちょっといい話まで、豊富なバリエーションが楽しめる!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


妄想の果てに暴走するツンデレ系美少女ラノベ作家のラブコメディ、第8弾。
ここにきて初の短編集です。

かなりあっさりとした20~30Pのショートショート詰め合わせですね。
計11本もあるため、それぞれの内容は薄味となっています。
アンソロジーを読んでいるような感覚で、文章を目で追っているだけで引っかかるものがありませんね。
何だか番外編というよりも、おまけ的なエピソードを読み続けている感じ。

結局、剣が勝手にあらぬ方向へ暴走し、八雲と市古が振り回される展開なんだよなぁ。
執筆時期が異なる上、雑誌に掲載された作品も混じっているため、仕方がない部分もあるんですが、さすがに飽きが来てしまいます。
正直なところ、つまらないと思った話もいくつありました。

でも、短編ならではの脇役にスポットを当てた話は良かったかな。
オレら、今日からリア充になるから……」は、オタクコンビのお茄子とふとしのブレない友情が描かれており、二次元のドップリと漬かっている彼ららしくていいなと思いました。
桐野霞さんのイラストでは美形すぎて、ちっとも底辺のオタクに見えませんでしたけどもw

ココナツが倉庫番に飛ばされた!剣、廃業危機!」は、短編らしからぬシビアな話。
イラスト効果もあって、心夏の編集者としての真摯な想いが伝わってきました。
キッカケは軽くてもギャグで済ませるには重いし、雰囲気的に異色ではあったんですが、だからこそ新鮮さが楽しめましたね。

ラストの「夕立」で見せた剣の落ち着いた心情は、優しさにほんのりと包まれているようでした。
掌編でありながら、最も八雲と剣の微笑ましさを感じ取ることができる内容だっと思います。

とりあえず、伏線らしきものはないようなので、飛ばしても問題なさそうです。
7巻の続きが気になる人は、先に9巻を読んでもいいかと。

雑多ながらも基本はカップルがイチャラブする短編集

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ライトノベルの楽しい書き方  本田透  桐野霞  評価C 

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わたしと思春期男子と妄想の彼女たち 1 リア中ですが何か? 

わたしと男子と思春期妄想の彼女たち 1 リア中ですが何か? (ファミ通文庫)わたしと男子と思春期妄想の彼女たち 1 リア中ですが何か? (ファミ通文庫)
(2011/01/29)
やのゆい

商品詳細を見る
読書期間:2011/4/26~2011/4/30

【評価……C
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
物語 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
人物 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
文章 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
挿絵 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
ラブコメ
青春




 ★★★★☆☆☆☆☆ … 5
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6





 日々愛欲に悶える中学生・峰倉あすみ。
 ある朝、怪しい虚無僧に渡されたコンタクトレンズを通して彼女が見たものは、水着やブルマ、メイド服を纏って教室を占拠する≪妄想少女≫たちだった!彼女のいない男子なら誰もが望む妄想の彼女。だが、あすみの愛する高柳君にはいない!?学校一の≪妄想少女≫リサたちと、奪・高柳君に燃えるあすみの恋はどうなる!?
 第12回えんため大賞優秀賞、学校では教えてくれない愛欲まみれの超いまどきリア中ラブコメ!!

【感想】


思春期の男が理想とする妄想の少女が見えるようになってしまった女の子の恋に生きる物語。

うーん、個人的に駄目でしたねぇ。
肌に合わないといいますか、主人公のバカさ加減にイライラが募ってしまい、楽しめませんでした。

そこまで珍しい設定というわけではないにしろ、惹きつけられる内容だとは思うんですよ。
あえて主人公を女子中学生として、男子中学生の妄想を垣間見ることになるってのは、いかにもドタバタコメディが繰り広げられそうで期待できました。
しかし、予想に反して、妄想少女たちは大して面白味に化けることはなく、せっかくの設定は活かしきれていません。

中学生らしさという観点からすると、確かにこれはリアルっぽい。
創作物のキャラにありがちな大人びた人物は登場せず、誰も彼も若いというか幼い。

周りの見えなさっぷりや、短絡的な思考、安い涙……。
大人の視点からすると実にくだらないことでも、当の本人にとっては天国と地獄の境目にいるかのような心持ちになる。
今でこそ冷静に振り返ることができても、そんな身に覚えが誰しもあるのではないでしょうか?

主人公の峰倉あすみは、はっきり言ってバカです。
この女の子を愛嬌のあるアホの子と捉えるか、考えナシの馬鹿と見るかで、評価が割れるんでしょうね。
言うまでもないですが、自分は後者でした。
理解はできますし、狙いは悪くないと思いますが、ストライクゾーンからは大幅に外れたわけです。

暴言キャラというのは、今ではヒロインの確立したポジションとも言えますけど、あすみの場合、性格の悪さが口に出ているといった印象で、どうしても好きになれませんでした。
それにもかかわらず、みんながみんな、あすみをマンセーしているのが納得できませんでしたね。
恋に真剣と言えば聞こえはいいですが、他人の心を蔑ろにしすぎです。

キャラもストーリーも勢いで突っ走っていて、設定はボロボロと落としていっている感じ。
一口目は変わった味だなと思っていたら、口に運ぶごとに段階的に微妙になっていくスイーツみたい。
きっと、これだけでは終わらない、凄い展開が待っているんだと淡い期待を持ちましたが、残念ながらそんなこともなく。
結局、途中から想像していた通りのオチで、意外性もなく終わってしまいました。

良いところもあるんだけどなぁ。
ザクザクと豪快に進むあすみは、テンポが良く痛快です。
笑えるシーンもあるんですが……総合的にはマイナスに傾いてしまいました。

何だか世間的には絶賛の嵐で肩身が狭いですが、一意見として読んでいただけたらなと思います。

恋が全ての女子中学生が、妄想少女たちとの交流で心を育む成長物語

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  わたしと男子と思春期妄想の彼女たち  やのゆい  みやびあきの  評価C 

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会長の切り札 逆転プランの用意あり!  

会長の切り札  逆転プランの用意あり! (角川スニーカー文庫)会長の切り札 逆転プランの用意あり! (角川スニーカー文庫)
(2009/11/28)
鷹見 一幸

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読書期間:2010/7/31~2010/8/1

【評価……C
発想 ★★★★★☆☆☆☆☆ … 5
設定 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
物語 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
人物 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
文章 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ラブコメ





 ★★★★☆☆☆☆☆ … 5







 高校対決のラストゲーム、商店街を使用した実物モノポリーがついにスタート!
 樫森高校の真行寺と桜川女子の華之宮は命運を託してサイコロを振り、両校の精鋭メンバーが激突する!
 白熱する一進一退の攻防が繰り広げられるなか、光明は確信の笑みを浮かべていた。それは、三校の統廃合問題を解決する最後の大仕掛けの成功が見えはじめたからだった――。
 母校存続を願い、奮闘する高校生たちを描いた現代版国盗絵巻、ここに終幕!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


高校存続と町村合併問題を解決するために、高校生達の真剣勝負が繰り広げられるシリーズ最終巻。

綺麗に収まっていると言えば聞こえはいいですが……。
何というか、面白さに繋がっているようには感じられませんでしたねぇ。

理由はいくつかありますけど、やはり最大の原因は文章でしょうね。
3巻感想の時に指摘した説明口調のわざとらしさに、最後まで肌が合いませんでした。
伏線らしい伏線はなく、新しい事象が出てきたらその場で説明ってのは、どうなのか。

決着についても、予想通り過ぎて驚きはありませんでした。
サブタイトルの逆転のプランが、それこそ起死回生のものであれば良かったんですがね。
リアリティを重視するのは結構ですが、面白味に欠けました。
もう少し派手な展開があってもよかったのではないかなぁーと思いつつも、この生真面目路線こそが作風ともいえるので、否定はしづらいですね。

樫森高校vs桜川女子高の後半戦なので、当然ながら3巻同様に楢山高校のキャラは出番少なめです。
いや、ある意味対戦している高校よりも一部キャラは出ているのですが、それはそれで不自然ですね。
そして、堅い性格した人物ばかりなので、薄っぺらく感じてしまいます。

本当に会長の朋絵は、ヒロインだったのだろうか?
必要性がほとんど感じさせなかったなぁ。

もし本当にモノポリー対決がテレビ中継されたとして、観るかというと微妙だと思います。
まぁ、こんな喋りの上手い高校生がいれば別なのかもね。

1,2巻は楽しめましたけど、4巻続けて同じノリだとお腹いっぱいでした。
新シリーズが始まっていますけど、今のところ購入予定はないかな。
KeGさんのイラストは見たいけど、さすがにそれだけでの理由では買えないですしね。

シリーズ当初からの問題提起をきっちりまとめているところが好印象

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  会長の切り札  鷹見一幸  KeG  評価C 

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神さまのいない日曜日 

神さまのいない日曜日 (富士見ファンタジア文庫)神さまのいない日曜日 (富士見ファンタジア文庫)
(2010/01/20)
入江 君人

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読書期間:2010/7/2~2010/7/4

【評価……C
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
 … 3
物語 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
人物 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
文章 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
挿絵 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
世界観
構成




 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5





 十五年前。神様は世界を捨てた。人は生まれず死者は死なない。絶望に彩られた世界で死者に安らぎを与える唯一の存在“墓守”。
 「今日の仕事、終わり!」
 アイは墓守だ。今日もせっせと47個の墓を掘っている。村へ帰れば優しい村人に囲まれて楽しい一日が暮れていく。だけどその日は何かが違った。銀色の髪、紅玉の瞳。凄まじい美貌の、人食い玩具と名乗る少年――。その日、アイは、運命に出会った。
 「私は墓守です。私が、世界を終わらせません!」
 世界の終わりを守る少女と、死者を狩り続ける少年。終わる世界の中で、ちっぽけな奇跡を待っていた――。大賞受賞作登場!

【感想】


第21回ファンタジア大賞<大賞>受賞作品。

15年前を境に、人が生まれることがなくなり、同時に死ぬことがなくなった世界。
死者が活動を停止するには、墓守によって埋葬されなければならない。
そんな世の中で、墓守である小さな女の子が、ある少年と出会うガールミーツボーイ。

うーん……これはない、かなぁ。
色々と引っかかる点が多くて、楽しむことができませんでした。
世間での評判も二分されているようですが、自分には肌に合いませんでしたね。

描きたいテーマは何となく分かるんです。
鬱屈した独特の舞台も、味があって良かったと思います。

しかし、主人公であるアイの思考回路に共感できないが故に、全て台無し。
子供だからといって、コロコロと考え方が変わり、行き当たりばったりの行動でいいというわけではないでしょう。
可愛らしいことを言っておけば許されると思ったら、大間違いです。

固執するべき部分が、ズレているんですよね。
あまりにも薄っぺらい。
後半の展開は、感動どころか呆然としました。
何故そこまで感情を昂ぶらせることができるのか、不思議でなりません。

もう一人の主役である少年・ハンプニーは、悪くない設定だったのですが、これまた内面描写が足りなかった。
こちらを主人公視点として描いた方が、良かったのではないかなとすら思います。

基本的にシリアスな世界観であるにも関わらず、唐突に挿入されるコメディ展開に違和感を覚えました。
ラノベらしさを出そうとしたのか、妙な軽さが作風を殺しちゃってますね。
構成が悪いのか、全体的に説明不足なのが致命的すぎました。
アイとハンプニーの行動に、もう少し説得力のある背景や理由を用意して欲しかったです。

光る部分はあるのかもしれないけれど、これで大賞はないと思うなぁ。
表紙絵が良くて買ってみたものの、挿絵もちょっと残念だった。
どれだけ深いテーマが隠されていようとも、不自然な点が多すぎて、読み取ろうという気力がなくなってしまいました。
発想は悪くないだけに、惜しい。

まぁ、墓守作品なら、同時期に出た「シュガーダーク」の方が好みですね。

人が生まれてこなくなった世界に死者を弔う墓守という発想は面白い

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  神さまのいない日曜日  入江君人  茨乃  評価C 

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三流木萌花は名担当!2 

三流木萌花は名担当! 2 (MF文庫J た 5-9)三流木萌花は名担当! 2 (MF文庫J た 5-9)
(2009/12/22)
田口 一

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読書期間:2010/3/15~2010/3/16

【評価……C
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
物語 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
人物 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
文章 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
ラブコメ
エロ




 ★★★★☆☆☆☆☆ … 5
 ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5





 夏休みが始まった。『ミライちゃん』の二巻執筆に行き詰った孝一。
 「担当命令よ!!孤島の別荘にカンヅメになって萌え萌えな原稿を執筆しなさい!」
 そんなわけで萌花とともにとある小島に到着した孝一。しかし不安でいっぱいだった。
 並行してイラストも進めることになったため、あとからやってきた輪廻姫ともディスコミュりまくり。風紀を乱してはいないかと追いかけてきた響もまざって、てんやわんやのカンヅメ合宿になるのだけど――!?
 実践型ラブコメラノベの革命児、ミツルギファイヤー文庫の明日はどっちだ!?

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


新ラノベレーベル、ミツルギファイヤー文庫の作家と担当編集のラブコメ、第2弾。

うーん、正直なところ微妙。
あまり面白いと思えるところがなかったなぁ。

前回がラノベを作るお話であれば、今回は本を売る話。
アレンジが加えられているものの、流通分野について関わっている人たちとの交流を描いたものとなっています。
今まで取り上げられることが少なかった話で、発想は悪くなかったですね。
知らなかったことも多く、勉強になりましたし。

1巻の感想でも挙げましたが、萌花以外のヒロインが相変わらず魅力を感じられません。
キャラの特徴付けが表面的であったり、単にウザったいだけの配役であったりと、ぶっちゃけ邪魔です。
もっと萌花の出番を増やして欲しかったですね。

作家なのに感覚が鈍い主人公の一人称視点ということもあり、共感できないシーンが多くて困りました。
教えを請いながら本作りに励んだ前回はまだマシだったんですけどねぇ。

作中内で「萌え」とか「エッチ」の単語が飛び交っていますが、この作品そのものが内容の薄いエロコメになっていますね。
しかし、肝心の「萌え」と叫びたくなるようなキャラもいなければ、「エッチ」な展開も興奮したりすることはありません。
ラブコメはキャラとシチュエーションが命なんで、そこに惹かれる要素がないと辛いなぁ。

一番面白かったと感じたのは、章扉にある作中世界のラノベ紹介ですね。
むしろ、こちらのラノベの方が読みたかったw

打ち切りになったようで、次の3巻が最終巻らしいのですが、買わなくてもいいかなぁと思っています。

出版業界の流通の仕組みを観点にした発想は新しい

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  三流木萌花は名担当!  田口一  をん  評価C 

△page top

二人で始める世界征服5 

二人で始める世界征服 5 (MF文庫J)二人で始める世界征服 5 (MF文庫J)
(2009/11/21)
おかざき登

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読書期間:2010/2/23~2010/2/24

【評価……C
発想 ★★★★☆☆☆☆☆☆ … 4
設定 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
物語 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
人物 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
文章 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
挿絵 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
ラブコメ
ほのぼの




 ★★★★☆☆☆☆☆ … 5
 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4





 夏休み明けの学校では、文化祭の準備がはじまった。僕のクラスではカレー(千紗の希望)とケーキ(なぜか、魚住さんの希望)をセットで出すことに。そこまではまあいいんだけど、魚住さんが「リンドヴルムを招待したいのです」と言い出した!
 ちょ、待っ!何企んでるの!?
 ただでさえ龍造寺さんに猛アタックされてて頭が痛いんですけど、そのうえ千紗とありすまで――!?僕はいったい、どうすればいいんでしょうか。いままでどおり、みんなで一緒にいたいだけじゃダメなのかな?
 ――ついに多角関係に決着が!?辛口甘口とりまぜて、世界征服ラブコメディ第5弾!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


始まりは、たった二人だった世界征服計画、最終幕。

中途半端というかショボイというか……。
打ち切りを感じさせる終わり方は残念でした。
まぁ、徐々に微妙な内容となってきていただけに、この辺りで締めるのは正解だったとは思いますがね。

巻を追うごとに個人的に求めている方向性とズレを感じるようになっていましたが、最後は更に大きく外れました。
鈍感な主人公が異様にモテるハーレム系ラブコメは、あまり好きじゃないんですよねぇ。
それが許されるだけ魅力がある主人公ならいいけれど、赤尾の場合は、モテる理由が見つかりません。
料理スキルが凄いのも、モブの空気っぷりが逆にありえなさ過ぎて、引っかかってしまいましたし。

最終巻だからといって、時々設定をぶっ飛ばすのはいかがなものか。
これまで積み重ねてきたものを安易に崩しているようで、少し悲しくなりました。
ゆるい雰囲気がウリとはいえ、ストーリー展開が強引すぎて違和感が拭えませんでしたね。

今回の話を読んで、何となくセーラームーンを思い出しました。
特撮などにも通ずることですが、敵役の安直な思考や行動指針の我が侭さ加減が似ているなぁーと。
30分番組1話分ならまだしも、ラノベの最終巻でこれはないですね。
それならば、ラブコメに絞って話を作るべきだったと思います。

ラブコメとバトル要素を混ぜるのはまだいいとしても、バランス調整を誤った感が強く残りました。
キャラの掴みが弱かったのが原因なのかなぁ。
初期のほのぼのとしたノリが戻ってきて欲しかった。
いいところもあっただけに、惜しかったですね。

ある意味典型的なラノベ版ラブコメのエンディングで安心はできます

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  二人で始める世界征服  おかざき登  高階聖人  評価C 

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AHEADシリーズ 終わりのクロニクル4<下>  

終わりのクロニクル4〈下〉―AHEADシリーズ (電撃文庫)終わりのクロニクル4〈下〉―AHEADシリーズ (電撃文庫)
(2005/01)
川上 稔

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読書期間:2009/12/19~2010/1/5

【評価……C
発想 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
世界観 ★★★★★★☆☆☆
 … 7

佐山と新庄は、祖父の代に交わされた4th-Gとの「約束」を無事果たそうとするが、はたして4th-Gが秘めていた「約束」の真意とは何なのか!?
その一方で、ある書類により思わぬ方向に動きだした5th-Gとの全竜交渉の行方は!?
植物の世界4th-Gと、機竜の支配する世界5th-G。
かつて佐山の姓を持つ者と4th-Gが交わした約束は全竜交渉に新たな答えと謎を与え、5th-Gは一つの決着を求めようとする。
それぞれが過去の想いを秘め、2つの世界を相手にした全竜交渉が、ここに完結する!
大好評AHEADシリーズ、第9弾!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


終わりのクロニクル第4章、完結。

個人的には、シリーズ最大の難関であった本といえる今巻。
かつて発売当時に積むキッカケとなり、再挑戦となった今回でも読了までに半月以上かかりました。
正直な感想をぶちまけますと、かなり辛かったです。

何か決定的な欠点があるのかというと、そうでもありません。
むしろ、冷静に判断すれば、長所は限りなくあるように見えます。
キャラの掛け合いは笑いを誘われますし、熱のこもった描写もストーリーを盛り上げてくれます。
緻密に計算された設定と伏線の出し入れには感服さえするほどです。

ただ、そのいずれもがしつこくて、飽きが回ってきたようになってしまったのが痛かった。
味が濃い料理は最初のうちは美味しくても、量を食べ過ぎると胸焼けするんですよ。
本でも同じことが言えます。

キャラ数が膨大な割に笑いのセンスが似たり寄ったりなので、またこのパターンかと思ってしまいます。
しかも、みんな頭でっかちな考え方をするので、非常に面倒臭いんですよねぇ。
シーンごとに読み返してみると面白く感じるのに、連続して読んでいると飽きてしまいます。

元々場面転換が多い作品ですが、登場人物が増えたことでさらに拍車がかかっているのも気になる点。
実際に調べてみたら、500ページを25キャラで100回以上場面転換しています。
単純計算すると1度の場面が平均5ページ足らずなんですから、これは多すぎですね。

それにも関らず場面描写には手を抜かないため、混乱せず想像できる長所と、テンポが削がれる短所が生まれています。
機竜や空戦の描写にもこだわりが見え、好きな人には燃える要素となるのではないでしょうか。
好みではない人間からすると、読み飛ばし気味になってしまう箇所でしたがね……。

内容的には、4章の主役である原川とヒオの順応度の高さに違和感を覚えましたね。
佐山は知らず知らずのうちに佐山翁などから訓練を受けていたので1章上巻の活躍も理解できるのですが、この二人はただの一般人のはずなのに戦いに慣れ過ぎじゃないかなぁ。
お互いが惹かれたり信じ合えたりするのも急すぎて、どうにも引っかかってしまいました。

各項目を評価すると、平均以上の作品であるのは間違いありません。
コツを掴めなかったのか、肌に合わなかったのか、とにかく自分にとっては残念ながらあまり楽しむことが出来ない本でした。

機体の設定が細かければ細かいほど好きだという人ならハマれる(かも)

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  終わりのクロニクル  川上稔  さとやす  評価C 

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会長の切り札 軍師ゲームの裏を読め! 

会長の切り札  軍師ゲームの裏を読め! (角川スニーカー文庫)会長の切り札 軍師ゲームの裏を読め! (角川スニーカー文庫)
(2009/08/01)
鷹見 一幸

商品詳細を見る
読書期間:2009/10/31~2009/11/5

【評価……C
発想 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
設定 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
物語 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
人物 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
文章 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ラブコメ ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5

見事二連勝を果たし、楢山高校の危機を救った朋絵と光明たち生徒会メンバー。
ところが今度は、樫森高校と桜川女子の対決のプロデュースを任されてしまう。
どうやら勝負の内容についての話し合いが決裂したらしく、光明の手腕を見込んだ藍山が依頼してきたのだ。
しかもその結果は、市の合併問題をも左右するらしく!?
勝負に燃える高校生たちの未来は!?
現代版国盗絵巻第3幕、軍師光明、すべての運命を背負い、あらためて出陣!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


高校存続をかけた対抗戦、第3ラウンド。
楢山高校に敗れた樫森高校と桜川女子高の決着をつける運命の最終戦の前半戦となります。

何故、主人公たちの学校が関わらない勝負が一番文章量が多いのだろう……。
これまでの勝負は一冊で終わっていたのに、今回だけは前後編に分かれているんですよね。
最初からシリーズ化が約束されていた作品なのに、この意図は読めませんね。

ただでさえヒロインの朋絵が空気と化しているのに、一応主役であった光明が当事者でなくなったために主人公不在のような形になってしまっています。
長編作品のシリーズ途中だったら、脇役に焦点を当てるという意味合いも理解できるのですが、次巻完結でこの展開は盛り上がりに欠けます。

まぁ、それはいいとしましょう。
それよりも問題な点がいくつかあります。

まず、今まで以上にキャラの台詞が説明口調すぎるというところ。
急に語り始めたりする登場人物たちを見ていると、NHKや教材用ビデオを見ているような感覚に陥りました。
2巻の感想で渡鬼風と表現しましたが、あれはあれで好みの差は出るだろうけど味があると思うんですよ。
しかし、このシリーズの場合、真面目すぎるというのか、文章に面白味が感じられず、wktk感がありません。

次に、現実世界でも起こりうる話ということを意識しすぎなところ。
これは長所でもあって、1巻では上手く引き込まれたなぁと思わされました。
ただし裏を返せば、それはゲームの規模がどうしても実現不可能だと思われるラインを越せません。
1,2巻での戦国勝負は、その範囲内でありながらもスケールを大きく見せようという工夫などがあったように感じます。

それが、この3巻での勝負が端的に言うとミニゲーム集になってしまったので、ショボく見えて仕方ありません。
しかも、学校全体の話なのに一部の生徒のみだけの勝負となっているのも、いささか不満です。

そもそも一介の男子高校生に過ぎない子どもに、町の問題を押し付ける時点で、非現実的ではあるんですがね。
どれだけ大人たちは情けないんだ。

そんなわけで、この3巻はちょっと微妙でした。

一方で、KeGさんのイラストは、相変わらず素晴らしかったです。
カラーイラストももちろんですが、作中の挿絵に質の衰えがまるで見えないのが凄い。
これからもっとラノベのイラストの仕事をしてくれると嬉しいなぁ。

安全な位置にいる主人公が、脇役達の今後を左右するゲームを企画する話

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  会長の切り札  鷹見一幸  KeG  評価C 

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幽式 

幽式 (ガガガ文庫)幽式 (ガガガ文庫)
(2008/11/18)
一 肇

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読書期間:2009/7/7~2009/7/13

【評価……C
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
人物 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
 … 2
オススメ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
ホラー ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6

いるのかいないのか誰もが定義できない幽かな存在――亡霊。
皇鳴学園高等学校一年、渡崎トキオはヘタレなうえに霊体験皆無のオカルトマニア。
そんな彼の呑気な日常は、奇人にして美貌の転校生・神野江ユイと出逢ったことから揺らぎ始める!
神野江は言う――「すべてが、逆なのだわ」。
赤く染められた部屋、口にすると憑かれる言葉……この世にひそむ“幽かなもの”を次々と暴く神野江ユイに圧倒されながら、トキオが最後に辿り着いた彼岸の真実とは――?
新感覚学園オカルティックホラーここに登場!

【感想】


オカルトマニアなのにヘタレな少年と電波出しまくりの少女の青春ホラー。

んー、感性が合わなかったなーという印象。
冒頭を読んだ時、ハマりそうだと思った直感は外れました。

もっと、おどろおどろしい内容を期待していたのですが、あまり怖くありませんでした。
叙述トリックやミステリー要素も、説明的すぎて行間を読む場面が少なかったように感じます。
ストーリーのどんでん返しや、徐々に壊れていくキャラなどは良かったのですが、ライトノベルを意識しすぎたのか、突き抜けた感覚がないのは残念です。

やっぱり、ラノベでホラーってのが珍しいんでしょうねぇ。
ラノベである必要性が薄かった御影瑛路氏の「僕らはどこにも開かない」などの作品に比べると、引き込まれる暗さに欠けました。

イラスト担当のわかばさんは、かなり独特の絵を描かれますね。
美術の教科書に載っているかのような絵で、一件乱雑に見えますが、芸術性は高い……っぽいw
作品の雰囲気に合っているというよりも、雰囲気そのものを作り出していますね。
ただまぁ一般的ではないし、楽しめるかといわれると答えに窮するので、評価としては辛くなります。
嫌いではないんですけどね。

作品自体の質が低かったわけではありません。
個人的な感性と微妙にズレていただけだと思います。
事実、評判はかなりイイですしね。

うーん、楽しみきれなかったのが悔しいな。

耐性がある人には物足りないけれど、ライト感覚で楽しめるホラー作品

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  幽式  一肇  わかば  評価C 

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時載りリンネ! 1 はじまりの本 

時載りリンネ!〈1〉はじまりの本 (角川スニーカー文庫)時載りリンネ!〈1〉はじまりの本 (角川スニーカー文庫)
(2007/07)
清野 静

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読書期間:2009/4/4~2009/4/9

【評価……C
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
人物 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
文章 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
挿絵 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
 … 2
オススメ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4

200万字の本を読むことでたった1秒だけ、時を止めることができる一族“時載り”。
バベルの塔に住み、本を取得することで生きている彼らだが、わざわざ人間界にやってくる変わり者もいる――それが僕の隣の家に住む幼なじみの少女・リンネだ。
「わくわくするような大冒険がしたいな」というリンネの一言により僕らは、時間を自由にまたぎ歴史の中に住む死の集団“時砕き”が所有する、“誰にも読めない本”を巡る冒険を始める――!

【感想】


評判が良かったので買ってみたものの、しばらく積んでいました。
昔は電撃文庫よりも読んでいたスニーカー文庫ですが、ハルヒの刊行がストップした辺りからホント読まなくなったなぁ。

そんな話はさておき、感想です。

内容を一言で説明すると、スニーカー文庫版の文学少女シリーズ。
ただし登場人物の平均年齢はグッと下がり、12歳の少年少女たちが主役を張っています。

200万字の活字を読むことで、指定した対象を1秒間だけ時を止めることができる種族「時載り」。
そのうちの1人である少女・リンネは、時載りなのに読書が嫌いで、部屋の中にいるよりも外で遊びたい活発な女の子。
そんな彼女の思いつきに振り回される幼馴染み・久高の一人称視点で物語は展開されます。

うーん、期待しすぎた面も否定はしませんが、何とも微妙。
巷で絶賛されているほどではないかなと思いました。

ノスタルジックな雰囲気や、背伸びしたいお年頃な少年少女の魅力は、そこそこ引き出せているように感じます。
時を止める設定を始めとした、作品を面白くさせてくれそうな要素はいっぱい詰まっています。
それは、あらすじからも見てとれると思います。

しかし、物語の見せ方が悪いため、今一つな印象を受けてしまいます。
素材は良くても調理の仕方を間違えれば料理として失敗するような感覚です。

ストーリーの繋ぎ方が雑。
作者にとっての都合の良さが感じられて、残念。
例えば、周りの大人が主人公たち子どもに合わせ過ぎで萎えてしまいました。

登場人物の年齢が低めなのはまぁいいんですが、それならそれでバトルシーンなどにページを割かずにほのぼの路線で行くべきだったかと。
逆にこの路線で物語を展開させたいのであれば、もう少し年齢を引き上げた方がよかったですね。

そして、「200万字の文字を読むことで1秒の時間停止」という最大のポイントを上手く表現できていないのが一番勿体無い。
無駄に浪費し、適当に吸収しているところを見ると、希少性が低く見えてしまうんですよねぇ。

惜しいというよりかは、僕個人が性に合わなかったってところですかね。

無邪気な子どもたちのひと夏の冒険が繰り広げられています

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  時載りリンネ!  清野静  古夏からす  評価C 

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マージナル・ブルー 空曜日の神様 

マージナル・ブルー―空曜日の神様 (電撃文庫)マージナル・ブルー―空曜日の神様 (電撃文庫)
(2004/12)
水落 晴美

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【評価……C
舞台 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
物語 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
人物 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
文章 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
挿絵 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
オススメ度 ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
ミステリー ★★★★☆☆☆☆
 … 5

何でも願いが叶うという「空曜日」の噂。カレンダーに記されたその日に、一人の少女が教室の窓から飛び降りた――。
それから半年、新学期を迎えた高校に二人の少女が入学してきた。坂上真人は偶然目撃した交通事故をきっかけに、その少女の一人・風見葵と親しくなり交際を始める。だが、次に訪れる「空曜日」が近づくにつれ、真人の廻りで奇妙な事件が起こり始めた……。
世界の向こう側に広がる“あわい”とは!?そして少女達を追う“虚”とは!?
「夢界異邦人」シリーズの水落晴美が贈る学園ミステリー登場!

【感想】

たまにはマイナーな本でも読んでみよう、と思って購入したのが1年前。
他に読みたい本がいっぱいあったのでなかなか順番が回ってきませんでしたが、ようやく読めました。

内容は学園伝奇モノのミステリー風味といったところでしょうか。
意外にも哲学的なテーマがあり、少々堅苦しい作品でした。
表紙の手のひらを合わせている女の子二人から百合を連想しましたが、中身はまるで違いました。

「人は何をもって人と呼べるのか」

心を持っていればいいのか、ヒトの遺伝子を持っていればいいのか、はたまた両方が揃っていないといけないのか。
何もこれはSFの中だけの話ではありませんね。
人が人だと決める概念は、実はそれほど確固たるものなんてないですから。

今作ではその答えは明確に提示されているわけではありません。
ぼかしているというよりも、続巻を想定して書いているように感じられました。
しかし、この作品が約4年前に出たもので、それから著者の作品が出ていないところを見ると、続きは期待できそうにないかなぁ。
この作品も、3年振りの新刊だったそうなんで、遅筆なだけかもしれませんが。

本来存在しないはずの4月31日と11月31日の2日間が記されたカレンダー。
その2日間に願い事をすると叶うという「空曜日」の噂が大きく物語を左右します。
詰めの甘さはあるけれど、この設定は単純に惹かれる要素があります。
作品全体をミステリアスな雰囲気に包み込む、いい仕掛けだと思いました。

ストーリーは、展開が丸見えのところと全然読めないところの温度差が激しいミステリー。
わざとらしくてミスリードになっていないところや、伏線のない急展開は醒めてしまいます。
おそらく構成が悪いんですね。
主人公側とヒロイン側で視点を切り替えているけど、主人公側だけを見せた方が良かった気がします。

ぼちぼち、といったところでしょうか。
作品の魅力を存分に出し切れなかった感があるので、ちょっと勿体ないですね。
設定やテーマはこの方向性でいいと思うんで、見せ方さえもうひと捻りして欲しいなと思いました。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  マージナル・ブルー  水落晴美  狐印  評価C 

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ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート 

ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート (MF文庫J)ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート (MF文庫J)
(2008/09)
森田 季節

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【評価……C
舞台 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
物語 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
人物 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
 … 3
文章 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
挿絵 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
オススメ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4

「僕、女の子を殺したんだ」――始まりは、思いがけない人物からのそんな電話。どこか満たされない日々を送る高校生の明海は、孤高の歌姫に魅せられた同級生の少年・神野の信じがたいような昔話をいともあっさりと受け入れてしまう。なぜなら明海も小学生の頃、神野と同じく一人の少女を殺めたことがあるからだった――。よみがえるひと夏の記憶、殺されるためだけに存在する「イケニエビト」の少女、人の記憶を食らう「タマシイビト」からの逃避行。第4回MF文庫Jライトノベル新人賞<優秀賞>受賞作。三人の少年少女によるビター・スウィート・ストーリー。

【感想】

第4回MF文庫Jライトノベル新人賞<優秀賞>受賞作品。
あらすじを読んで気になる設定だなぁと思って、期待して買ってみたわけです……が。

んー、微妙、かなぁ?
優秀賞の看板が大きすぎて過度な期待をしてしまった、ということだけではないと思います。
いいところもあるんですが、悪い点が目立ってしまったかなという印象ですね。
タイトル負けしてしまった感じ。

テーマは悪くないと思います。
主人公の少女・佐女牛明美が少年・神野真国から人殺しをしたことを告白されるところから始まります。
暗く生々しい話を予想していたんですが、物語は奇妙な方向に転がっていきます。
この世にいた存在そのものを記憶まとめて食われる「イケニエビト」の少女が、迫りくる捕食者「タマシイビト」から逃げつつ、友人とともに対抗手段を考える、というストーリーの軸となります。

いわゆる不条理系の作品です。
理不尽な展開や救いのない話が何気に好きだったりするので、この作品も気に入りそうだと思っていたんですが、そこが大きな勘違いでした。
この本は、ストーリーを進行させるために、作者がいいようにキャラや設定を弄っているんですよ。

おかげで設定は穴だらけで、突っ込みどころ満載。
結局、最後まで「イケニエビト」と「タマシイビト」の間にある明確なルールは分からず仕舞いでした。
感覚や雰囲気で読めない人には向いていないでしょうね。

逆に感性さえ合致すれば、物凄く好きな作品となってもおかしくないかなと思います。
評価が両極端に分かれる作品でしょうね。

主人公の明海の性格は、かなり好みが分かれるというか嫌いな人が多そう。
自分が何もかも正しいと思っている節のある勘違い女で、今風の小生意気な娘ですね。
感心させられるほどのリアリティがあります。
まぁ、現実でこういう種の人間にあったら、嫌悪感バリバリに抱くでしょうねw

イラストはどこかで見たことあるなと思ったら『狼と香辛料』で有名な文倉十さんでした。
表紙は結構良かったのに、挿絵はそれほどでもなく残念。
この方なら、本気で描けばもっといい絵を描けると思うんですよね。
そういうわけで、評価は少々厳しめになってます。

次は著者買いすることはないだろうなぁといった評価に落ち着きました。
もちろん面白そうな設定でしたら、話は別ですけどね。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート  森田季節  文倉十  評価C 

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リバーズ・エンド4 over the distance 

リバーズ・エンド〈4〉over the distance (電撃文庫)リバーズ・エンド〈4〉over the distance (電撃文庫)
(2003/02)
橋本 紡

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【評価……C
舞台 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
 … 3
物語 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
人物 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
文章 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
挿絵 ★★★☆☆☆☆☆☆☆
 … 3
オススメ度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4

■評価【C+】⇒【C】 2008.6.17修正

傷ついた孝弘が入院しているあいだも、SIFMAによる実験は続けられていた。その過酷な日々の中、拓己たちの心は激しく揺れ動く。
拓己は目覚めぬ唯を思い、七海は自らの気持ちに気づき、茂や弥生たちもまたそれぞれの思いを募らせる。
一方、伊地知と柚木は冷酷な真実に立ち向かっていた。それは失敗の許されない、ぶっつけ本番のゲームだった。失敗はすなわち人類の滅亡を意味する――。
真実を知らぬまま拓己たちは『戦い』へと呑み込まれてゆく!
第4回電撃ゲーム小説大賞<金賞>受賞の橋本紡が贈るラブ・ファンタジー4弾。

前巻の終盤からようやく進み始めた物語が加速するかと思ったら、そうでもなかった4巻目です。
3巻の頃から薄々感じてはいましたが、これはSFを売りにした作品ではないですね。
非日常生活を強いられる中でも、日常と大して変りのない生活を送る子どもたちの心情を読むものなんでしょうね。

ストーリーに関しては、未だ不鮮明のところもありますが、今までのヒントから大体の見当はつくようになりました。
しかし、これ、設定に穴がありすぎなんじゃないでしょうか?
あまり意識はしないようにはしてますが、そこで引っかかると楽しめなくなるシリーズでしょうね。

逆に、人間関係の描写については、毎度のことながらテンポがよくて読みやすいです。
実年齢に対して精神年齢が低いようにも感じられましたが、それはたぶん他の小説や漫画などで、現実ではありえないような中学生を多く見てきたせいでしょうw
これぐらいの方が、リアルっぽい気がします。

読んでいませんが「半分の月がのぼる空」が評価されている理由はこの辺りにあるんじゃないかなーと思っています。
下手にSF要素を入れない方が、この作者はいいものを書けると思いますね。

なんだか毎回同じような感想しか書けていませんが、これくらいしか書くことがないんですよ、ホントに。
いいところも悪いところも安定していて、長所にも短所にもなってます。

それにしても、伏線を残しすぎで心配になってきた。
次で最終巻ですし、ちゃんとまとまっているといいんだけど……。
それ次第で、シリーズ通しての評価が大きく変わってきそうです。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  リバーズ・エンド  橋本紡  高野音彦  評価C 

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リバーズ・エンド2 slash the heart 

リバーズ・エンド〈2〉slash the heart (電撃文庫)リバーズ・エンド〈2〉slash the heart (電撃文庫)
(2002/05)
橋本 紡

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【評価……C
舞台 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
物語 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
人物 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
文章 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
挿絵 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
 … 2
オススメ度 ★★☆☆☆☆☆☆☆
 … 3

■評価【C+】⇒【C】 2008.6.16修正

そこはスクールと呼ばれていた。たった八人の生徒しかいない学校だ。八人はみな、知っていた。自らが……いや、そこにいる全員が、やがて無残な死を迎える運命にあるのだと。
一方、SIFMAに収容された拓己は、眠り続ける唯をただ眺めていた。彼は小さな声で呟く。唯はもう目覚めないほうがいいんだ、このまま眠っていたほうがいいんだ――。これ以上、唯が傷つく姿を見たくなかった。唯を守りたかった。
八人と拓己が出会う時、運命の輪が、優しく、冷徹に、まわりはじめる……。
第4回電撃ゲーム小説大賞<金賞>受賞の橋本紡が贈るラブ・ファンタジー2巻。

ついこの間1巻を読んだばかりだと思っていましたが、もう2か月以上も前になるんですね。
ページ数はそこそこあるのに、一文が短いので、一巻同様あっさり読み終えました。

全体的に淡々としていて、物語も理不尽な展開だった一巻に比べたらマシってだけで、核心には程遠い内容ですね。
この二巻は、主要人物を取り上げて、これからの物語に深みを与えるためのものと言えるかと思います。
連続ドラマでよく使われる、主人公が脇役と一人ずつ仲良くなっていく手法ですね。

内容は、よく言えば無難。悪く言えばありきたり。
でも、登場人物一人一人、それぞれの悩みを抱えつつ生きる様が、しっかりと書かれているので、引っかかることなく読めました。
点数をつけるとどうしても低くなってしまいますけど、数字では測れない面白さがあります。
安定している、ってことなのかな。

一巻読み終えたとき、続きを読むべきかどうか悩みましたが、この二巻だけでは読み続けて正解だったという答えを出せませんでした。
展開が非常にゆっくりしすぎているので、早く先を読みたいと思えないのは減点かもしれません。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  リバーズ・エンド  橋本紡  高野音彦  評価C 

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