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明日へと続く記憶

漫画、アニメ、ゲーム、音楽、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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正捕手の篠原さん3 

正捕手の篠原さん3 (MF文庫J)正捕手の篠原さん3 (MF文庫J)
(2012/05/24)
千羽カモメ

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読書期間:2012/9/15~2012/9/18

【評価……B-
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
コメディ
ラブコメ
スポコン
構成


 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7



 「希望ポジションは……“正捕手”です!」
 激動の夏休み合宿も終わり、今日から新学期。秋と言えば、文化祭、クラスマッチとお楽しみイベント盛りだくさん。浮かれ気分の篠原たち明学野球部員だったが、忘れてはいけない重大イベント・秋期県大会が迫っていた!エース綾坂真琴を軸に必勝の作戦を練るがそこには大きな落とし穴が……!?
 一方、永らく仮入部員だった篠原の妹・杏は、愛理にソフトボールの才能を見出され、ソフト部への体験入部を奨められて……!?果たして篠原さんたちは試合に勝利し、無事に文化祭を迎えることが出来るのか!?
 フィナーレの第3弾!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


見開き野球部コメディ、最終巻。

打ち切りなんでしょうね、きっと。
2ページで収める形式が困難になって終わらせた……というわけでは決してないかと思います。
第1巻を読んだ時から、長く続けるのは難しいだろうとは薄々気付いていましたけどね。

2巻がちょっと微妙だったので、果たして今回はどうかなと訝しがっていたのですが……うん、悪くないじゃないですか。
新人作家らしく、作者の成長具合がハッキリ見て取れる内容で好感触でした。

野球関連の設定が曖昧だったのが、大幅に改善されていますね。
主人公たちの高校の強さや、球児たちの身体能力など、ようやく説明が追加されました。
具体的に掘り下げたことで、試合展開も熱が入るようになり、ストーリーそのものも楽しめます。
球の回転数など細かい話に一体どれだけの読者がついてこれるのか怪しいのは確かですが、個人的に求めていたのは、こういった野球の駆け引きが見られるラノベだったので、非常に満足です。
コントロールや選球眼が現実離れしてしまうのは、野球作品の宿命なのかな。
ボールカウントがボール・ストライクの順番で表記されていたのは、あえて訂正しなかったのでしょうかね。

ラブコメ的には、綾坂真琴の怒濤の追い上げで、深見さまとの三角関係が出来上がりました。
とはいっても、シリアス要素は薄く、いじらしい女の子の可愛さが売りなのは変わらず。
深見さまも真琴も、基本的に照れやすい性格なのが良いですね。
サクサクと進む掌編のメリットと相まって、コロコロと変化する表情が魅力的でした。

表紙を飾った妹の杏にクローズアップさせた方法に、感服させられました。
ショートショートの中に大筋の起承転結を巧く取り込んでいる見事な構成でした。
2ページという括りに拘らない方が、もしかすると良い作品を書けるかもしれませんね。

ともあれ、新感覚を味わえるゆる~い良作でした。
作者の次回作も一度読んでみたいなと思います。

最終巻にして野球要素が増量したテンポの良いラブコメ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  正捕手の篠原さん  千羽カモメ  八重樫南  評価B- 

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バタフライ×ブレイクダウン 1 君が世界を救うというなら 

バタフライ×ブレイクダウン 1 君が世界を救うというなら (ファミ通文庫)バタフライ×ブレイクダウン 1 君が世界を救うというなら (ファミ通文庫)
(2012/05/30)
佐々原史緒

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読書期間:2012/7/21~2012/7/23

【評価……B-
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
ラブコメ
コメディ



 ★★★★☆☆☆☆☆ … 5
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7




 祐吾の前に突然“空から降りてきた”少女、桜庭せせりは未来から来た「時軸修復士」だった。
 何でもこの時代の些細な出来事が巡り巡って未来の世界滅亡に繋がるのだと!
 ところがそれを阻止するための彼女の任務は恋のキューピッド役など何かと地味。果ては「はぁ!?トップアイドルの○○を××する!?」「協力してください!」「え?ま、任せとけ!ってか、そんなんで人類助かるの!?」
 時代を越え運命を越える、崖っぷちのボーイ・ミーツ・ガールズ!!

【感想】


「暴風ガールズファイト」の佐々原史緒さんが紡ぐ新たな物語。
未来から来た少女の手助けをすることになるタイムトラベル&ラブコメ作品。

タイトルは、バタフライエフェクト、又はバタフライ効果から。
日本人的には「風が吹けば桶屋が儲かる」の方が馴染み深いのかもしれません。
現代の些細な出来事が遠い未来で世界滅亡に繋がることを知った主人公・岡崎祐吾は、おっちょこちょいな時軸修復士・桜庭せせりに頼まれて世界滅亡を阻止する協力をすることになるストーリー。

読書中はそれなりに面白かったけれど、振り返ってみるとあまり印象に残るものはなかったかぁ。
良い意味でも悪い意味でも。

設定的にどんな無意味に見える任務であろうと実は意味として成すというのは、作者としては楽でしょうね。
好きなように話を弄りたい放題ですから。
しかし、何でもありだからこそ、物語の主軸を作り辛いのかもしれません。
遠い未来の結果を防ぐために、現代の関連なさそうな事象を食い止めるというのは、眼前の目的がどうしても希薄となってしまう傾向にあります。
ギミックとしては定番ではありますが、現代人の主人公側に危機感が足りないので、シリアスにはなりきれません。
おそらく狙ってコメディ重視の作品としているのでしょうね。

実際、祐吾とせせりのやり取りはなかなか楽しめました。
一見おっとり系の可愛い女の子に見えるせせりが、パワフルで豪快な性格で祐吾を振り回すのが面白い。
若干天然気味でポカをする彼女は、やるべきことに一生懸命で憎めませんね。
妙に思考が根暗だったり極度に自虐的だったりするのも良いスパイスになっています。

もう一方のヒロインである高峯揚羽は、見た目通りのツンと澄ました少女でした。
トップアイドルである彼女との関わり合いで芸能界の裏側などが描かれているわけですけど、何だかそちらの方がメインとして相応しい舞台だったような……。
彼女が所属するアイドルグループの面々も個性的で面白かったですし。

文章センスはさすがですが、ちょっと流行を意識し過ぎかな?
もっと作者自身の色を出しても良いのではないかなと思いました。

イラストは、H2SO4さん。
カラーイラストの女の子達が煌びやかで目を奪われました。
そのぶん挿絵になると、ちょっと魅力が落ちてしまうのは残念でしたが。

どうやら事情により2巻が最終巻となってしまったようですね。
伏線散りばめているけれど、回収できているのかなぁ。

世界の未来を救うために少年少女が芸能界の裏側でアレコレする話

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バタフライ×ブレイクダウン  佐々原史緒  H2SO4  評価B- 

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人生 

人生 (ガガガ文庫)人生 (ガガガ文庫)
(2012/01/18)
川岸 殴魚

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読書期間:2012/7/18~2012/7/20

【評価……B-
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
コメディ
ラブコメ




 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7





 九文学園第二新聞部に所属する赤松勇樹は、入部早々に部長の二階堂彩香から、人生相談コーナーの担当を命じられる。
 生徒たちから寄せられた悩みに答えるのは、理系女子の遠藤梨乃、文系女子の九条ふみ、体育会系の鈴木いくみの三人。
 三者三様の意見はいつもまとまらずに、とりあえず実践してみることになるのだが……。
 友達、恋愛、勉強、性癖、将来のこと。あなたのありふれた悩みにバッチリお答え!超☆感性・人生相談開始!!
 「邪神大沼」シリーズで多くの読者を爆笑の渦に巻き込んだ驚異の新人!川岸欧魚の最新作!!

【感想】


お悩み相談の形式で三人の美少女が、答えを模索する日常系短編集。

新聞部のコーナーとして、人生相談を受け持つことになった主人公・赤松勇樹
その回答者として、三人の美少女達が協力してくれることに。
理系女子の遠藤梨乃、文系女子の九条ふみ、体育会系の鈴木いくみ
彼女たちの会話劇がひたすら展開されます。

まったりと楽しめるコメディでした。
いわゆる駄弁り系の作品で、中身を求めちゃいけない類のものですね。
ストーリーらしきものは、ほぼないといって過言ではありません。

一つ一つのエピソードは短めで、偏った性格をしている彼女たちの珍答を笑いながら眺めるというスタイルです。
基本的に主人公は外側の立ち位置なので、絡みは少なめ。
ラブコメ的に美味しい場面というのは、あまりありません。
かといって、コメディもツボから微妙に外れている感じ。
ゆる~い笑いが、最初から最後まで続いた印象ですね。

記号的な少女達は、分かりやすい半面、独自性に乏しいかなぁ。
可愛くないわけではないんですけど、猛烈に心を揺さぶられるシーンは見当たらず。
いずれも惜しい人材だと思うので、掘り下げ方次第では化ける可能性もあるかもしれません。

この作品の一番の長所は、ななせめるちさんのイラストでしょうか。
エロいというか艶めかしい体つきで、女の子がとにかく可愛い。
口絵以上に挿絵で魅力的なラインを描ける絵師さんですね。
笑ったり、照れたり、恥ずかしがったり……ついつい何度も見直してしまいたくなります。

笑いの起伏が平坦気味ですが、地味に笑える場面もあったので、不思議と読後感は良好です。
ギャグに嵌るか否かで評価が大きく割れる作品ですね。

テンプレ的なコントが繰り返されることで笑いを積み重ねていくコメディ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  人生  川岸欧魚  ななせめるち  評価B- 

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山がわたしを呼んでいる! 

山がわたしを呼んでいる! (メディアワークス文庫 あ 5-2)山がわたしを呼んでいる! (メディアワークス文庫 あ 5-2)
(2011/08/25)
浅葉 なつ

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読書期間:2012/7/11~2012/7/13

【評価……B-
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
知的好奇心





 ★★★★★★☆☆☆ … 7






 草原でくつろぐ羊や馬。暖炉にロッキングチェア。そんな場所を夢見ていた女子大生あきらのバイト先は、想定外のオンボロ山小屋だった!つかみどころのないセクハラ主人をはじめ、口の悪い先輩、マニュアルが手放せない同僚、そしてなぜか正体不明の山伏まで居座っていて大混乱!
 お風呂は週一!?キジ打ちって何!?理想の女性になるために来たはずのあきらが巻き込まれていく、標高2000メートルのアルバイト!
 第17回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>受賞者・浅葉なつの受賞後第一作!

【感想】


山を愛する人々が多く登場する山岳小説。
受賞作は未読なので、作者の本はこれが初読となります。

明確なテーマや環境を用意して、そこで生きる人々を描くメディアワークス文庫の王道的な一冊。
ストーリーに強烈なインパクトがあるわけではなく、知識や情報で肉付けされた作品ですね。
興味が湧く題材だったので手を取ってみましたが、期待通りに楽しむことが出来ました。

主人公は山に軽装で挑む無鉄砲な女子大生・あきら。
憧れの女性像である女優が、山で憩いのひと時を過ごしたという雑誌の記事を読み、勢いで山小屋のバイトを引き受けてしまう。
しかし、彼女が抱いていた想像図はそこにはなく、あるのは厳しい山生活の実態だった。
個性的な男性陣に囲まれながら、あきらは山の魅力と怖さに惹きつけられていく――という物語。

定番といえば定番。
理想とかけ離れた現実に打ちのめされ、山を下りようと考えるも、少しずつ山の良さを見つけていく展開は、分かっていてもニヤリとしてしまいますね。
どちらかといえば初心者向けですが、ベテラン登山者の方にとっては共感を覚える内容があるのかも?

正直あきらほどではないにしても、山に関する知識は大して持ち合わせていません。
まぁ、さすがに準備もなしに登山を始めるほど馬鹿ではありませんが。
山小屋の住人達が教えてくれる基本的な知識をあきらと同様に吸収していくことで、山の醍醐味を徐々に理解出来るようになっていきます。
もっと山について知りたいと勉強欲を刺激させれくれますね。

毎年山を甘く見た人間が、ノリだけで登ろうとして事故となるニュースを見かけます。
それだけ山は、人間からすると死に近い場所なんだと思います。
この本を読んで、正しく知識を身に付けた人が、山登りを始めたら素敵ですね。
残念ながら、個人的には体力がないので山登りは難しそうですが、身体の芯まで凍えそうな澄んだ空気を吸って、絶景の空と斜面と太陽を拝んでみたいなと思わせてくれました。

小説としては、物語が過去話の比率が高過ぎるかなと思いました。
恋愛要素は、ほんのりと匂わせる程度で、本筋にはさほど関わってきません。
登場人物を把握するのが難解で、誰が喋っているのか、名前と設定がなかなか結びつきませんでした。
キャラ的な魅力は、もう一歩といった感じでしたね。

表紙絵は方密さん。
「旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。」の挿絵担当の方ですね。
本当にあきらがこの格好で標高2000メートルの山を登りきったのならば、山を知る人間から怒られても仕方ないなと思います。

初心者向け登山用参考書としても有用なドラマチック山岳小説

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  山がわたしを呼んでいる!  浅葉なつ  方密  評価B- 

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青春ラリアット!!3 

青春ラリアット!!〈3〉 (電撃文庫)青春ラリアット!!〈3〉 (電撃文庫)
(2011/12/10)
蝉川 タカマル

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読書期間:2012/7/7~2012/7/10

【評価……B-
発想 ★★★★★☆☆☆☆☆ … 5
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
ラブコメ
青春
友情



 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7




 長瀬の悪魔の誘導術などに押され、自慢のナンパテクなるものを披露することになった黒木。そして、運命の出会いを果たしたのが――ゆかりだった。
 きっとお嬢様に違いない、と思うぐらいに、おしとやかで天然なゆかりに黒木は舞い上がる。だが、お約束なことに、彼女は記憶喪失という重すぎるオプション付きだった。下心むき出しに、一人暮らしの自分の家に誘う黒木。宮本たちも監視を兼ねて黒木家に滞在することに。
 月島と一つ屋根の下に舞い上がり暴走する長瀬など、黒木の家は大騒ぎ!一方で、ゆかりを捜す不審な影が宮本たちの周りに出現し始め……。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


恋に不器用な少年少女達による青春ストーリー、第3巻。

月島を差し置いて黒木が表紙に登場するとは思ってもみませんでした。
この第3巻では、その黒木が主役となった恋と友情の物語が描かれています。

面持ちなどから周囲に清楚な印象を与える女性・ゆかりは記憶を失っていた。
そうとは知らない黒木は、友人達との雑談の流れから勢いで彼女をナンパをしてしまう。
しかし、その時現れた謎の男達にゆかりは囲まれる。
宮本や長瀬も当然の如く巻き込まれ、またしても彼らは日常から外れた物語に首を突っ込むことになる。

懐かしささえ覚えるベタベタなお話です。
記憶喪失の女性、お嬢様を窺わせる佇まい、謎のスーツ服姿の男達、匿う主人公達。
ここまで出揃ったらもうストーリーの枠組みは決まりでしょう。
あとは本作のキャラをはめ込むだけで、一冊の本が出来上がります。

正直、新鮮味が薄いのは確か。
しかし、定番イベントをこなしているだけあって、安定感はあります。
雛型が完成されているストーリーなので、構成や話の緩急は的確。
甘酸っぱさとほろ苦さを感じさせる結末を期待させて止みません。
2巻で少し評価を下げましたが、3巻で持ち直しましたね。

記憶喪失に限らず、設定はご都合主義満載。
主人公やヒロイン達の行動と実際の生活が結びつかず、説得力に欠けます。
今後これらを伏線として使用するのであれば、違和感を与えたことは成功なんですけどね。

長瀬の精神的な口撃が控えめとなり、ギャグとして成立するようになったのも大きな収穫でしょう。
宮本が不憫というよりも、長瀬の性格の悪さに目が付くレベルでしたからねぇ。
代わりに黒木が虐められていたいような気もしますが、それは彼のキャラによるものですね。
それに、何だかんだ言いつつ宮本や月島が、黒木のことを認めていることを言外に匂わせるので、信頼関係の厚さを感じ取れて良いなと思いました。

バトル要素は……うーん、要らないかなぁ。
月島が戦うパートは、敵側のキャラもあって浮いて見えました。

タイトル通り、豪快な青春模様が楽しい内容でした。
今回ぐらいの水準であれば、買い続けたいなと思えますね。

普段はチャラいけれど熱い心を持った少年と彼を信じる友人達の絆が素敵

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  青春ラリアット!!  蝉川タカマル  すみ兵  評価B- 

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楽園島からの脱出 

楽園島からの脱出 (電撃文庫)楽園島からの脱出 (電撃文庫)
(2012/05/10)
土橋 真二郎

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読書期間:2012/7/3~2012/7/5

【評価……B-
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
ミステリー
サスペンス
緊張感



 ★★★★☆☆☆☆☆ … 5
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5




 高校生活最後の夏休み。無人島に集められた男女100人の生徒たちが、島からの脱出を目指して競い合う。校内のゲームサークル「極限ゲームサークル」主催の大規模イベント。表向きはレクリエーションとして開催されたそのゲームは、賞金が出るという噂もあり……。
 ゲーム名【ブリッツ】――鍵を握るのは、自身とのペアの“価値”!?そして、女子だけに与えられた謎の機器の持つ意味とは――?
 「極限ゲームサークル」から“変わり者”として注視される沖田瞬は、このゲームの本質にいち早く気づくが……。
 土橋真二郎が贈るノンストップ《ゲーム》小説、最新作!

【感想】


無人島を舞台に行われる高校生100名による脱出ゲーム。

夏休みに男女50名ずつの高校生が、とあるサークルのゲームに参加する。
内容は不明、場所も不明、ただし賞金が出るという噂だけが先行する。
そんな彼らが連れられてやってきたのは、無人島だった……というストーリー。

クローズドサークルとしては、今更珍しくもない設定でしょう。
過去の作品と同じく、主催者の意図などガン無視で、舞台装置と考えておくべきなんでしょうね。

著者の電撃文庫作品を読むのはこれが初めて。
電撃文庫より年齢層が高めであるメディアワークス文庫の作品を読んできたからなのか、それとも今回がたまたま作風的にそうなのか、本作を読んでいる間ずっと感じていたことは……ヌルイなぁということ。
舞台設定にゆとりがあって、緊迫感に欠けます。
わざとその雰囲気を醸し出しているところもあるんでしょうが、正直肩透かしを食らった感じでした。
狂気は見られず、生易しい展開に物足りなさを感じいてしまいましたね。
まぁ、血生臭い話が苦手な人にもお勧め出来る土橋作品という意味では、成功しているのかもしれません。

人間心理を的確に表した言動は、些か硬質なものの、やはり巧い。
固定観念に囚われた人物が多く、集団心理の厭らしさが存分に出ていました。
ミステリーとしてもサスペンスとしても微妙ですが、特殊な舞台で繰り広げられる高校生達の駆け引きは、説得力もあって面白いですね。
キャラの思考に偏りがあるので、リアリティは感じられませんけども。

それにしても、人数が100人いても活かしきれてないですね。
キャラ個性を強く印象付けるためにも、絞った方が良かったのではないかなぁ。
どっちにしろ主要人物10人ぐらいしか動いていないのも、その他がモブ感丸出しで不自然だと感じました。

会話が淡々としており、アクションも地味。
主人公もヒロイン勢も感情の起伏が乏しいので、盛り上がりに欠けますね。

ふゆの春秋さんのイラストは、一人一人は可愛いのに、集団だと似過ぎていて見分けがつかないです。
身体のラインがエロティックなのは素晴らしいので、あとは顔の描き分けを期待したいところ。

何だかんだ言って、いつも通りの作風ですね。
萌え系ラノベに溢れている昨今では、定期的にゲーム小説を出してくれるのは有難い存在。
ストーリーは途中の段階で続巻前提だなと分かったので、内容を忘れないうちに次を読むつもりです。

未知なる状況や極限の環境で人間が取る行動を心理学的に観察している感覚があります

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  楽園島からの脱出  土橋真二郎  ふゆの春秋  評価B- 

△page top

俺はまだ恋に落ちていない2 

俺はまだ恋に落ちていない 2 (GA文庫)俺はまだ恋に落ちていない 2 (GA文庫)
(2012/03/16)
高木 幸一

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読書期間:2012/7/1~2012/7/2

【評価……B-
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
青春
ラブコメ
コメディ



 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5




 「てんてんはかですね……貴方は馬鹿ですか!?」
 「……す、すみません」
 ある日、赤井は詠羅に一目惚れした後輩の相談を受ける。必死に頼み込む彼の姿に心を動かされ、赤井はやむなく詠羅を紹介することに。
 デートの約束に喜ぶ後輩とは対照的に、心落ち着かない赤井、傷つく詠羅。そんな中、前に誘った約束を恵衣美に問い詰められ、赤井は恵衣美とデートすることに!?
 「動物園。ただし、ワタシが見たいのは、……エイラだけどね」
 詠羅と後輩のデートを見守ることになった赤井と恵衣美。すれ違う気持ちはどこへ行くのか!?トライアングル・ラブコメディ第2弾!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


険悪な姉妹から好意を抱かれた少年の青春ラブコメディ、第2巻。
表紙を飾る妹・詠羅寄りのエピソードとなっています。

赤井や空河の後輩である道流也が、詠羅に一目惚れしたところから物語は始まります。
恋愛相談を持ちかけられた赤井は、道の熱意に押されて詠羅を紹介する約束をしてしまう。
当然のごとく、詠羅はショックを受け、しかしながら赤井の想いを汲み取るために道とのデートを承諾し、赤井はそんな詠羅の決断を目の当たりにして己の無慈悲な言動に心を痛めるストーリー。

若いというか、苦いというか……。
いやー、懐かしい王道パターンですね。
昭和や平成初期を思い出させる第三者乱入による三角関係のお話でした。

主人公である赤井の行動基準は、理解は出来るけど馬鹿だと思います。
前巻の感想でも書きましたが、やはり赤井は「まだ恋に落ちていない」んですよね。
そこへ、自分よりも詠羅のことを心から好きだと公言する男が目の前に現れたら……。
根がイイ人である赤井は、断れなかったのでしょうね。
だからこそ、好意を寄せられている女の子を紹介するなんて話を引き受けてしまったわけでしょう。

しかし案の定、詠羅の気乗りしない姿を見ても、デートで距離が縮まる姿を見ても、赤井は気落ちしてしまいます。
これを馬鹿と言わずとして何というか。
恋心と呼べないものだとしても大切な人である詠羅を傷つけてまで、大して親しくない後輩の顔を立てることに意味があるのか。
大局的には、道にとっても結果が見えているだけに踊らされている感が強く、はっきりいえば道化です。
昔からよく言われる「優しいけれど残酷」な青春模様を地で行く内容でした。

でも、このルートを選んだからこそ、赤井も詠羅も道も気付くことができた想い、届けられた気持ちというのはあります。
ベタベタな展開なんですけど、不器用な彼や彼女らは、この方法しかなかったのかもしれません。
赤井は責められても仕方ないと思いますが。

それにしても、赤井は恋に関して人様に進言できるほど立派ではありませんね。
タイトルが、赤井の鈍感を意味するのではないかと思うようになってきましたよ。
空河や恵衣美の気持ちに、果たしてどこまで気付いているのやら。
どこまで本気か気付いていたら、そもそも詠羅を紹介するようなことはしないか。

多少崩して描いても魅力となる独特なタッチが庭さんの絵の長所ですね。
背景やコマ割りなどで工夫をして、挿絵に物語性を埋め込むのが上手い。
それだけに殺風景な表紙は、もう少し凝りようがあるのではないかなと思っちゃいます。

登場人物たちは、みんな未熟です。
だってまだ中高生なんですから。
ここから仲間と触れ合いながら成長していく彼らを見守りながら楽しむ作品なんだと思います。

好意を寄せてくる女の子に別の男を紹介して初めて気付く鈍い少年の成長物語

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  俺はまだ恋に落ちていない  高木幸一  評価B- 

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乙女ゲーの攻略対象になりました…。 

乙女ゲーの攻略対象になりました…。 (電撃文庫)乙女ゲーの攻略対象になりました…。 (電撃文庫)
(2012/01/07)
秋目 人

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読書期間:2012/6/19~2012/6/22

【評価……B-
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
ラブコメ
構成




 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6





 なぜか乙女ゲームの世界に放り込まれた、俺。しかも攻略対象になってしまったようだ。てことは、もしや美少女たちにアタックされまくり!?ウヒョ!
 と喜んでいたのもつかのま、そうそう都合のいい話はないようで。どうやら攻略されると、俺の死亡ルートに突入するかもしれず……。死の恐怖におびえる中、誰もが憧れる美少女たちが、俺を落とそうと次々やってくるのだった。
 美少女か、命か。どちらを取るべきなのか?それはもちろん――!
 乙女ゲームという名の、ちょっぴり変わったデスゲーム・ラブコメが登場!

【感想】


気付いた時には乙女ゲームの世界に居た主人公がフラグをバキバキに折りまくる変則的ラブコメ。

完成度はもう一歩届かないけれど、意欲は買いたくなる作品でした。
男性読者の多いラノベ業界で、ギャルゲーではなく乙女ゲーに目を付けたところは新しい発想ですね。

あらすじが内容と微妙に一致していない部分があります。
よくあるゲームの世界に入り込んでしまったパターン化と思いきや、どうも様子が異なります。

高校生の日下部湊は、ある日、乙女ゲーム「フォーチュン・クラウン」をプレイしている妹と何気ない会話をする。
攻略対象のメンズの中に兄と同じ名前の武尊湊というキャラがいるらしい。
攻略難易度が激高で、個別ルートに入って選択をミスすると、即座に武尊湊は死んでしまうという。
そんな他愛のない話を含めた日下部湊の記憶が甦ったのは、武尊湊として十数年生きてきた後だった。
果たして、今はゲームの世界に入ってしまったのか。
はたまた日下部湊は妄想なり前世だったりするのか。
とにもかくにも、「フォーチュン・クラウン」女主人公こと宮河乙女に攻略されて死に近づくことだけは避けねばならないと、必死に逃げ回る逆転的なストーリー構成となっています。

何が真実なのかが不鮮明で、足場の不安定さが怖いですね。
ただし、この辺りの設定が本題になることはなく、あくまで副次的な物であるのが勿体無い。
次巻以降で消化してくれる伏線だといいのですが。

恋愛ゲームのイベント要素はあっても、ゲーム的空気はあまり感じられませんでした。
主人公に「前世?」の記憶がなければ、ただのラブコメに見えてしまうほどに。

理由は幾つかあるのですが、最大の要因は、湊が悉くフラグを回避しようとするからでしょう。
この手のキャラは、ちょっとお馬鹿で分かっていても地雷を踏むタイプが多い中、湊は顔に似合わず頭の回転が早い主人公だと言えます。
おかげで、上手い立ち回りを出来ているんですが、そのせいで美味しい場面も少なかったり。
乙女ゲーを題材にしているのに、何故かラブ少なめのコメディとなっていましたね。
あと、主人公が男であるため、どうしても「ヒロイン達からアタックされる=ギャルゲー」の図式となり、同じく攻略対象である男達が埋もれてしまっているのは設定を活かしきれていないなと感じました。
声フェチという設定も含めて、好感は持てるんですけどね。

男女ともに登場人物が多いため、一人当たりの見せ場が少なめ。
その限られた中で、最も輝いていたのは、ヒロインの一人である桜実琴だと思います。
乙女ゲーマー仲間が出来たと思って慕ってくる彼女は、仔犬っぽい可愛さがありました。
義兄がいるにも関わらず、血の繋がりのある兄のように懐いてきて、素直でたまらなかったです。

美声の持ち主である法条紗綾もまた個人的な好みになりそうな予感を漂わせているのですが、如何せん登場頻度が少な過ぎましたね。
金髪お嬢様の高埜倉レイアは、良くも悪くもテンプレ的なツンデレ。
本来のゲームでは主人公である宮河乙女は、それ故に派手な個性が乏しい印象を受けました。

イラスト担当は、森沢晴行さん。
好きな絵師さんの一人ですが、この作品においては6割程度の力で描いているように見えますね。
もっと気合を入れて欲しかったな。

一応、1巻でも締めくくってはいますが、続巻前提で練られた要素も多々ありますね。
土台を固めたことで、いよいよ物語の核心に迫る展開が期待できそうです。

死亡フラグ回避のためにヒロインからのお誘いを断りまくる逆走ラブコメディ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  乙女ゲーの攻略対象になりました…。  秋目人  森沢晴行  評価B- 

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変態王子と笑わない猫。4 

変態王子と笑わない猫。4 (MF文庫J)変態王子と笑わない猫。4 (MF文庫J)
(2011/09/21)
さがら総

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読書期間:2012/6/16~2012/6/18

【評価……B-
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ラブコメ
変態




 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8





 横寺陽人は頭の中身が煩悩まみれな高校一年生。ある日、陸上部の練習をサボって保育園に潜入したところ、鬼の仮面をつけた小さな女の子に見つかってしまい――?
 1巻発売前のモバイル立ち読みで大きな反響を呼んだ「第0話」の加筆修正版のほか、あの娘の夏休みのバカンスを描いた「沖縄ハッピーエンド」、神聖なる教会の裏庭でちびっこ悪魔と戦う「教会シンドバッド」、遊園地で破滅のラブラブデート(!?)な「幻想メリーゴーランド」など計5編!
 女の子のキュートな魅力をぎゅーっと濃縮、ちょっぴりノスタルジックな雰囲気でおくる『変態王子』初の短編集!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


鈍感な変態に惚れた女の子が数多く登場するラブコメ、シリーズ第4巻。
初めての短編集となります。

これまで表紙を飾ってきた月子、梓、エミ、つくしの4人のエピソード1本ずつと、第3巻ラストから繋がる話が1本の計5本の短編が収録されています。
1巻より前の話などもあり、補足的な意味合いが強い印象を受けました。
ここまで親密な関係を持っているにもかかわらず、横寺が覚えていないのは不自然ですね。
忘れっぽいというレベルでは済みません。
おそらく、ここに隠された何かがあるんでしょうね。

ただ、理由があるとはいえ、ここまで横寺に振り回されるヒロインズは可哀想に感じてしまいます。
いざという時は頼りになるんですけど、普段のボケボケな言動はフォローできない域ですからねぇ。

ヒロイン勢の中で小豆梓が最も好きなので、第5章の遊園地デートは楽しかった。
見栄っ張りの超奥手少女が、顔を赤らめながら焦る模様が何とも可愛らしい。
幸せに浸る彼女を見ているだけで、こちらまで癒される想いです。
順調であればある程、今後のフラグにしか見えないのは気のせいだと思いたい。

鋼鉄さんという名が剥離されたのようにアホの子となってしまったつくしも魅力的でした。
一人脳内お花畑となっている彼女は、先輩なのに誰よりも年下の女の子に見えます。
ギャップ萌え、恐るべし。

第3章のエミ回は、本来であれば3巻で説明すべきくだりだったなと思います。
なるほど、エミが大暴れするだけの理由はあったんですね。

短編だからなのか、ギャグ方面にぶっ飛んだ内容が多くを占めていました。
より正確にいえば、変態度が急激にアップしています。
横寺はもちろん、登場する女の子達もどこかフェチ要素を持っており、笑えばいいのか引くべきなのか微妙なラインを辿っています。

表紙絵は、ようやく登場の鋼鉄さん。
指でポニーテールを隠すと驚くほど月子に似ていて、意識して描いているのが窺えます。
手抜きのイラストなどなく、クオリティの高さを維持出来るところが、さすがのカントクさんですね。

お話的には目新しさは見当たらないものの、平均的に楽しめるラブコメ模様が展開されていました。

SF設定を取り除いた純粋なラブコメが繰り広げられるベタな短編集

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  変態王子と笑わない猫。  さがら総  カントク  評価B- 

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生徒会の十代 碧陽学園生徒会議事録10 

生徒会の十代  碧陽学園生徒会議事録10 (富士見ファンタジア文庫)生徒会の十代 碧陽学園生徒会議事録10 (富士見ファンタジア文庫)
(2012/01/20)
葵 せきな

商品詳細を見る
読書期間:2012/4/2~2012/4/3

【評価……B-
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
物語 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
人物 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
文章 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
挿絵 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
ギャグ
パロディ
ラブコメ
青春


 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6



 ようこそ、私立碧陽学園生徒会室へ!美少女役員四人+おまけ一人、生徒諸君のため、過去を振り返ります。始まりはあまりにも衝撃的だった。「ただの人間には興味あ(自主規制)」……記念すべきシリーズの1巻目でまさかの自主規制。物語は動き出すといいつつも、繰り返される日常。暴走する妄想、青すぎる青春。ここを読んでも内容が分からない作品紹介と、おかげさまでいろいろやらせていただきました!でもあの頃があるからこそ、今がある。何もかもが特別だった十代の日々。終わりじゃない、これは始まり。
 じゃあ最後は、せーのでいきましょう。せーの!
 「これにて、第三十二代碧陽学園生徒会、解散っ!」

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


生徒会シリーズ通算16冊目となる本編最終巻。
まだ外伝が残っていますが、一つの終わりを迎えました。

卒業式を中心とした総決算となっており、当然の如くシリアス成分は多めです。
いつもの生徒会らしさを残しつつ、しんみりとした卒業に感動して涙が出てくる……らしいですよ、世間的には。

いやー、結局最後までシリアス展開に肌が合わなかったなぁ。
ギャグがぶっ飛んでいるのは楽しめるんですけど、真面目な話をしていてもイマイチ真剣味がないといいますか、都合の良過ぎる偽善と感じてしまいました。
マジでハーレムを形成しようとしているのであれば、杉崎は考えが浅いと言わざるを得ません。
そこまで深く突っ込まず、適当に流した方が良かったのではないかな。

お涙頂戴を目指したのか知りませんけど、心を揺さぶられることはありませんでした。
あざとい、というよりも、狙い過ぎて外している感覚。
溜めを作りたいのだとしても改行が多過ぎだし、言葉選びも微妙。
伝えたいメッセージは何となく分かりますけど、作られた感が見え見えです。
奇しくも生徒会委員たちが作中(32~33P)で語っている通り「イイハナシダナー」で終わってしまい、心に響きませんでした。

あと、学校を私物化するのもいい加減にしろと言いたい。
卒業式まで生徒会色に染めてしまっていて、しかもモブキャラ全員が当たり前のように受け取っているのが、はっきりいって気味の悪さを感じてしまいます。
ラノベではよくあるパターンではあるんですけど、このシリーズでは特に顕著でした。

これだけ文句を言いつつも読んでしまうのは、それ以上にコメディとして面白いからという点に尽きます。
鉄板のラジオネタを始めとして、軽快なギャグとツッコミには何度も楽しませてもらいました。
途中、ネタ切れしかかっていましたけど、この量を生産したことは、称賛に値すると思います。
だからこそ、下手にストーリーを作らない方が楽しめたと思うんですけど……きっと少数派なんでしょうねぇ。

良くも悪くも軽いノリだったのが、ラノベのメイン読者層を取り込めた要因なんでしょうね。
コテコテの萌え絵で注目を引き、パロネタで笑いを誘い、くだけた文章で気軽さをアピールしたことが成功だったんでしょう。
個人的にはキャラに思い入れは大して持てませんでしたけど、人気は高かったようですしね。

表紙デザインが変わってしまって、並べた時に残念だなと思っていたので、リバーシブルカバーは素直に嬉しかった。
初期から追いかけていたファンに配慮しているのが分かり、好印象でした。

さて、これにて本編が終わったわけですが、まだいくつか動きがありそうで。
とりあえず、水無瀬の再登場を期待して待ちたいなと思います。

生徒会メンバーの想いが零れる卒業式

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  生徒会の一存  葵せきな  狗神煌  評価B- 

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アクセル・ワールド10 ―Elements― 

アクセル・ワールド〈10〉Elements (電撃文庫)アクセル・ワールド〈10〉Elements (電撃文庫)
(2011/12/10)
川原 礫

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読書期間:2012/3/13~2012/3/21

【評価……B-
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
SF
燃え




 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6





 『遠い日の水音』――西暦二〇四六年、秋。新生≪ネガ・ネビュラス≫の一員となったシルバー・クロウことハルユキだが、とある過失でバーストポイントを急激に減らしてしまう。窮地に立ったハルユキに、タクムは加速世界の≪用心棒≫を雇うことを提案する。
 『最果ての潮騒』――西暦二〇四七年、春。新入生・能美征二の策略によって、かつてない危機に陥ってしまったハルユキ。時を同じくして、黒雪姫は修学旅行先の沖縄で、奇妙なバーストリンカーに≪対戦≫を仕掛けられていた。
 『バーサス』――西暦二〇四七年、春。ハルユキはブレインバースト内で、黒い剣士の姿をしたアバターと出会う。次元の壁を越えて、二人の主人公が激突する!
 待望の特別編!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


「アクセル・ワールド」10巻にてシリーズ初の短編集です。
収録されているエピソードは、いずれも時系列的に随分前の話ですね。

遠い日の水音』は、1巻と2巻を繋ぐお話。
アニメ放送前に文庫化したかったんでしょうね、きっと。
レベルアップにポイント消費することを知らなかったハルユキが、バーストリンク消失の危機に陥り、用心棒の力を借りてポイントを安全圏まで回復しようという展開。
リアバレの恐怖を作中で散々説いておいて、この流れは不自然だと思いました。
というか、もしハルユキが逆の立場ならば、タクムの提案をそっくりそのまましたでしょうし、仲間に助けを請うことは何ら恥ずべきことではないんですから、二人で協力して苦難を乗り越えればいいのに。
その割には、用心棒ことアクア・カレントを安易に信頼しすぎだしなぁ。
己のポリシーを貫くことも立派ですが、時と場合によるでしょう。

最果ての潮騒』は、3,4巻のダスク・テイカー編の裏で黒雪姫に起きた事件が描かれています。
ハルユキのピンチに颯爽と天馬に乗って現れたことから、何かあったんだろうなとは思っていましたが、思ってた以上に濃い時間を過ごしていたんですね。
ただ、これまた設定的に無理があるような気がします。
前々からこの作者は、面白そうな世界観を作り上げ、緻密な設定があるように見せかけて、希望と勇気とノリで破壊してく傾向があるんですよねぇ。
これで燃えたり感動したりするか、矛盾を感じて楽しめないかは人次第なのでしょうか。
基本的には面白いだけに、強引さは目立ちます。
良かったのは、珍しく味方サイドにクリムゾン・キングボルトという男性アバターが出てきたこと。
まぁ、女キャラはそれ以上に出てきていますけど。

最後は、川原礫さんが書くもう一つの大作「ソードアート・オンライン」とのコラボ作『バーサス』。
AW4巻直後辺りのハルユキと、SAOの主人公・キリトのデュエルが描かれた内容です。
両作品とも読んでいる身としては、お祭り的なSSとして楽しめました。
まぁ、何だか相手側をべた褒めしているのが自画自賛っぽく映ったのと、実力拮抗しているのに違和感を覚えましたがw
二人が勝負するということだけは知っていたので、夢オチとかifストーリーとかパラレルワールドとか、色んなパターンを妄想しました。
結果としては、ジャンプ系アニメの劇場版みたいな感じでしたね。
しかしながら、SAOを知らない人にとっては微妙だったでしょうから、人を選びますね。

一応伏線もばら撒いてはいますが、いかにも番外編といった一冊でした。
そういえば、初めて黒雪姫ピンの表紙から、ヒロイン勢3人になっていますね。
楓子も謡も作中に出てきませんから、本当にサービス以外の何物でもありません。

物語の合間や裏側を補間する意味合いの強い短編集

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  アクセル・ワールド  川原礫  HIMA  評価B- 

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龍ヶ嬢七々々の埋蔵金1 

龍ヶ嬢七々々の埋蔵金1 (ファミ通文庫)龍ヶ嬢七々々の埋蔵金1 (ファミ通文庫)
(2012/01/30)
鳳乃一真

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読書期間:2012/2/15~2012/2/26

【評価……B-
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
浪漫
ラブコメ
ミステリー
構成
期待感

 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8


 「八真重護、島流しの刑に処す」と親父に勘当された俺を待ってたのは人工学園島の極貧生活と、激安アパートの美少女地縛霊だった!
 その名も龍ヶ嬢七々々様、生前はGREAT7の中心人物だったが今やネトゲ三昧のニート地縛霊。コレって一応美少女と同棲?俺、始まった!?否、始まったのは島中に隠された≪七々々コレクション≫を巡るノー冒険・ノ―ライフな争奪戦の日々!!
 第13回えんため大賞「大賞」受賞の奇想天外トレジャーハント・ロワイヤル!!

【感想】

第13回えんため大賞<大賞>受賞作品。
「吉永さん家のガーゴイル」以来、8年振りとなる<大賞>となります。

家業を継がないと宣言した途端に勘当された主人公・八真重護は、文字通りの島流しに遭う。
辿り着いた先は、≪学生特区≫とも呼ばれる学生のための施設が充実した学園島だった。
極貧生活を強いられた重護に選択の余地はなく、格安の物件を紹介されたところ、そこは美少女地縛霊が住む部屋だった……という展開。

なるほど、大賞に選ぶ理由も納得できる魅力的な本でした。
様々な要素が入り乱れつつも、最低限まとめるべきところでまとめていると思います。
並みの新人ならば、ここまで詰め込んだ段階で破綻してしまっているでしょう。

タイトルにナンバリングある通り、最初からシリーズ化が約束された作品です。
それこそ埋蔵金のように随所に伏線が埋められており、期待感を存分に煽ってくれます。
とはいえ、風呂敷を広げるだけではなく、しっかりと土台となる部分で物語を完結させていることに好感を覚えますね。

地縛霊・龍ヶ嬢七々々が生前に島のどこかへ隠した埋蔵金こと≪七々々コレクション≫を探し出すというコンセプトが目新しくて面白い。
チート的能力を持つアイテムに目を眩んだ人間や組織が暗躍し、こぞって宝探しを始めます。
二転三転する痛快なドタバタコメディのタッチに描かれるため、陰湿さはありません。
少年心をくすぐるドキドキワクワクさせられるアドベンチャー小説というのは、最近なかったですね。
エンターテイメント作品として生み出された物語というのが、良く分かります。

登場人物が多い割には混乱することなく、一人称で群像劇が楽しめますね。
ただ、キャラ描写には偏りがあります。
特に表紙とタイトルを飾る龍ヶ嬢七々々が、大して出番がないところが活かしきれてないなと感じました。
地縛霊という設定はインパクトがありますが、場所移動できないのが致命的に物語を動かしにくいですね。
単なる一発ネタとは考え辛いですし、何かしらの意図があるんでしょう。

一方で本当のメインヒロインは彼女ではないかと言わんばかりに活躍するのが、名探偵・壱級天災
常に自信を漲らせ、例え周囲から馬鹿にされようが探偵を夢見る突き抜け具合が格好良い。
天災に限らず、この作品のキャラは一貫した信念を持っていて、気持ちが良いですね。
重護の父親の台詞一つを取ってみても、潔くて痺れます。

難点もいくつかあります。
焦点がブレる物語、地味な脇役、ライト感覚であやふやな設定などなど。
素材は良くても調理がたどたどしく、面白いとは思ったシーンも飛び飛びで、読むのに時間がかかりました。
同じく過去のえんため大賞受賞作「ココロコネクト」「空色パンデミック」などと比べると完成度は明らかに劣ります。
ですが、磨きあげると輝き出す原石という意味合いで<大賞>を受賞したということならば、相応しいのではないでしょうか。
面白そうな仕掛けを用意したんですから、今後のハードルは高いですよー。

大人も子供も関係なく不可思議な道具に魅せられて追い求める冒険小説

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  龍ヶ嬢七々々の埋蔵金  鳳乃一真  赤りんご  評価B- 

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ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! Extradisc 

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! Extradisc (ファミ通文庫)ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! Extradisc (ファミ通文庫)
(2011/11/30)
田尾典丈

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読書期間:2012/1/29~2012/1/30

【評価……B-
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
ラブコメ
SF
燃え



 ★★★★☆☆☆☆☆ … 5
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5




 大人しい理恵が本気モード全開で誘惑!?『おさななじみとすることぜんぶ』、間違えてFPSを現実に反映させてしまった、ある男の物語『運命歪曲のエクスチェンジ』、世界統合により平穏を取り戻した武紀たち、春海の卒業が近づくにつれ、皆それぞれの進路を意識しはじめ――『それぞれの未来』他、『シルバーブレット』のラストエピソードを含む短編2編を加えた全5編でお贈りする『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!』終焉を飾るエクストラ短編集!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!」シリーズ、本当に本当の最終巻。
「Extradisc」の名の通り、外伝、番外編、後日談などごっちゃ混ぜにした短編集となっています。

本編最終巻である8巻を読んだ後だと、少々蛇足っぽく感じてしまう内容でしたね。
雑多なため、まとまりを欠くのは置いといても、物語の芯が弱く感じました。
キャラが好きで読んでいる人ならば、おそらく好意的な解釈がとれると思うんですがね。

最も期待していた外伝「シルバーブレット」のエピソードが、あらすじを読んでいるような印象を抱くものとなっており、盛り上がりきれなかったのが痛かった。
武紀サイドの話を飛ばして、秀之サイドのみで展開し、ストーリーをただ追っているだけのような形となっているため、淡々としたものとなっています。
内容も大して量があるわけでもありませんし、これなら本編最終巻に挿入して欲しかったなぁ。
秀之の決意は、並々ならぬものがあり、もっと燃えてもいいバックボーンが確立できていただけに惜しい。

武紀よりも年上だからというわけじゃないですが、秀之はオールドタイプの主人公だなと改めて実感しました。
たった一人の大切な女性のために、自らの身を顧みず貫き通す意志の強さは、男が惚れる格好良さですね。
武紀も決して嫌いじゃないですけど、秀之の方が年齢的にも感情移入がしやすかったです。

「運命歪曲のエクスチェンジ」は、FPS世界を投影してしまった番外編。
ここにきてゲストキャラの主人公とヒロインで短編一本作られてもなぁー。
意欲作だったとは思われますが、個人的にはイマイチな出来でした。

そして後日談を描いた「それぞれの未来」で幕が閉じます。
春海の卒業が迫る中、それぞれの進路を思い浮かべ、歩み出すというお話でした。
超常的な現象と打って変わって現実的な問題に悩む面々を見て、平和になったんだなぁと思いましたね。
相変わらず武紀は気負いすぎている感がありますが、これからはきっと周りのみんながセーブしてくれるでしょう。
出番が少なくて残念でしたが、愛子は特に良いストッパーとなっている気がします。

設定的なフォローも幾つかありました。
ただ、突っ込むといくらでも粗が出てきそうなので、何となくで楽しむのが得策でしょうね。

長かった「ギャルゲヱ」シリーズも、これにて完結。
2,3巻の時点では、ここまで継続して購読できるとは思ってみませんでした。
ブレイクはし損ねましたけど、少なくとも自分にとっては良作だったといえます。
田尾先生の次回作にも期待をして待ちたいなと思います。

外伝の最終章と本編の後日談がセットとなった追加ディスク風な一冊

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!  田尾典丈  有河サトル  評価B- 

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バカとテストと召喚獣10 

バカとテストと召喚獣10 (ファミ通文庫)バカとテストと召喚獣10 (ファミ通文庫)
(2011/12/26)
井上 堅二

商品詳細を見る
読書期間:2012/1/21~2012/1/23

【評価……B-
発想 ★★★★★☆☆☆☆☆ … 5
設定 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
物語 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
バカ
ギャグ
ラブコメ
構成


 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★☆☆☆☆☆☆☆
 … 3



 ついにAクラスとの再戦を迎えた明久たちFクラス。雪辱を果たすため、そしてA教室の大画面で秘蔵DVDを観るため(一部関係者談)気力充分な彼らだったが、前回苦戦を強いられたAクラスも今回は序盤から全力全開!試召戦争は午前中から早くもクライマックス状態に。
 そんな中、突然3年生の主席がFクラスを訪れ謎の言葉を残していく……。
 『美形は帰れ!』(動物園の皆さん)果たして2年最強クラスの座はどちらの手に!?風雲急を告げる第10巻!!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


バカが騒いで奔走する学園コメディ、遂にシリーズ第10巻を迎えました。
この2年間、刊行ペースがガクッと落ちたので、思っていたより時間がかかりましたね。

物語もいよいよ大詰め。
悲願の勝利を目指し、Aクラスとの勝負に出たFクラス。
今こそ燃え上がる試召戦争が繰り広げられる!!――と言いたかったのですが……。

これはないわー。
もう、ただただ残念。
何故このような構成にしたのか、酷いオチに愕然としました。

そもそも試召戦争が、正直大して面白いものでもありません。
何度か指摘している通り、このギミックで話を広げるには限界が来ています。
テストの点数で勝負をする設定上、戦闘で優劣をつけるのは難しく、観察処分者である明久を特別視するのも、さすがに限度があるでしょう。
しかし、その制約を理解した上で、作者は頑張ったと思います。
精一杯頑張っていると伝わることが良いことだとは思いませんけど、苦しいなりにまとめられていました。
最後の最後までは。

持っていきたい展開があるのは理解できますけど、都合良過ぎて萎えてしまいました。
少なくとも今回明かされた内容では、理由になっていません。
新たな構図を見せること自体はアリだとしても、この瞬間である必要性はなかったはずです。
フラストレーションを溜めさせて、次回に爆発させるにしても、やり方がマズかった。

それに加えて、ギャグの切れ味が鈍いのも痛手でした。
哀しくなるほどにネタ切れ感が漂っています。
もちろん、バカテスワールドのノリが大好きで読んでいるため、面白い部分もあるにはあるんですが、以前だと声を上げて笑う箇所がいくつも見つかったのに、今ではニヤリと笑う程度に収まってしまっています。
バカテストの破壊力も、随分落ちてしまいましたしねぇ。

キャラで何とか引っ張っているという作品になっています。
対Aクラスということで、久保君や優子などの活躍が見られる点は嬉しかった。
特に、ギャグ要因となりつつあった久保君が、学年次席としての本領を発揮してくれたのは、見応えありました。
せっかく表紙に出ているのに、優子に比べると愛子の出番が少なかったことは残念でしたけど。
焦って暴挙に出る美波とか、ちょっと格好付け過ぎな明久と雄二とか、頼りになる秀吉とムッツリーニとか、相変わらず他人の幸せを許さないFFF団とか、いつも通り楽しかったです。

一方で、新キャラは魅力が感じられませんでしたね。
名前だけ出ていた高城も登場し、キャラ的にも面白味はあるんですけど、どうにもいけすかない。
あと、ちょこちょこ顔を出すリンネもウザったく、好きになれません。
3年生で好きになれるのは、小暮先輩ぐらいですよ。

残すところラストエピソードのみらしいですが、ここから挽回してくれることを切に願います。

成長した明久たちの姿が見られるAクラスとの再戦が見所

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  バカとテストと召喚獣  井上堅二  葉賀ユイ  評価B- 

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人見知り部は健全です2 

人見知り部は健全です 2 (電撃文庫 さ)人見知り部は健全です 2 (電撃文庫 さ)
(2012/01/07)
佐野 しなの

商品詳細を見る
読書期間:2012/1/19~2012/1/20

【評価……B-
発想 ★★★★★☆☆☆☆☆ … 5
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ラブコメ
ツンデレ
エロ



 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6




 発言エロ過ぎ残念美人・乃花さん率いる『人見知り部』の活動も、あがり症、オネエ言葉、無表情……と、相変わらずのメンバーで二年目に突入。そして人見知り部のお陰(?)で、晴れて幼なじみの明とつきあうことになった俺は、青春まっただ中!……のはずが、明との仲は進展せず、それどころかちょっとぎくしゃくしている始末。
 そんなある日、人見知り部に執事をつれた高飛車お嬢様・礼香がやってくる。彼女の目的は部をつぶすことだというが、どうも彼女からも“人見知り”のにおいがして――!?
 乃花さんと青春不適合者たちが贈る不健全系学園ラブコメ、第2弾!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


人見知り達が集ったコミュニティの楽しい部活動を描いたラブコメ作品、第2巻。
題して『バカップルは不健全です』の巻。

面白かったです……が、よくあるラブコメ作品との違いがなくなってしまったなぁ。
僅か4ヶ月で2巻を発売したことから、1巻入稿直後から構想に取り掛ったのだと思われます。
短期間で仕上げるためには、安直なパターンに持ち込むしかなかったのかなぁ。

新キャラである年下の金髪碧眼ツインテールお嬢様・一条礼香は、設定からして既視感バリバリ。
ですわ口調で高飛車で、しまいにはツンデレというテンプレもいいところ。
素直になれない彼女が、人見知り部の面々と触れ合い、心が紐解かれていくストーリーに目新しさは皆無です。
同時進行される寿藍人と臼潮明のすれ違いもまた読者にはバレバレで、意外性はありません。
定番といえば聞こえはいいですけど、もう少し捻りを生み出して欲しかった。

藍人の無表情や、明のあがり症設定が置いてけぼりにされている感があります。
仲良くなった面子では壁を作らなくなったということなのかもしれませんが、せっかくの独自性を蔑ろにしています。
唯一、乃花の親父的下ネタ雑学は相変わらずで楽しめました。
たとえ話をするたびに、エロ方面で直結させる話術は素敵です。
しかし、礼香に出番を奪われ、物語的のも外野にいたために、絡みが著しく減少してしまったのは痛かった。
ぶっちゃけ、執事の波佐宮は惜しいものの、新キャラを出さずに既存キャラだけで構築した方が良かったと思いますね。

なにしろカップルが成立してイチャイチャしているシーンが面白かっただけに、余計にそう思います。
明の初々しさは反則級ですよ。
一般的に男性が好む女キャラに興味が持てないことが多いのですが、明は別ですね。
257Pの甘さは、熟した苺が一粒で口内に広がってくるかのように甘々でした。

妹の平和は、登場頻度が限られますが、キャラが濃くて印象に残りますね。
無表情ながらも感情が見えた1巻と比較すると、キャラがコントしているように見えました。

表紙が礼香ではなく、明で嬉しかったです。
八の字眉毛に三角形の口をした困り顔が可愛いなー。
笹井さじさんのイラストは、トーン張りが丁寧で好感が持てますね。

2巻で完結なのは残念ですけど、ネタ切れ感も漂っていますし仕方がないかな。
また3年間待たされるのは困りますが、じっくりと練った新作を期待しています。

付き合い出したばかりのカップルがツンデレ少女に邪魔されながらイチャつく話

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  人見知り部は健全です  佐野しなの  笹井さじ  評価B- 

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俺はまだ恋に落ちていない 

俺はまだ恋に落ちていない (GA文庫)俺はまだ恋に落ちていない (GA文庫)
(2011/11/16)
高木 幸一

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読書期間:2011/12/27~2011/12/31

【評価……B-
発想 ★★★★★☆☆☆☆☆ … 5
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
青春
ラブコメ
コメディ



 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
 ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5




 「……ふん。さっすが男に縁のない女子校ちゃんは、がっつき具合がはんぱないわ」
 「……かく言うあなたは、たった二回しか会ったことのない殿方に、なにかご用でも?」
 「今で三回目よ。つまりあんたより多いわけ。分かる?」
 高校生・赤井公は友人の田所からふたりの妹・恵衣美と詠羅を紹介される。活動的なロングヘアの高校生・恵衣美。占いが好きなショートカットの中学生・詠羅。会うたびに、ふたりと仲が良くなっていく赤井だが、ふたりの仲は最悪の関係!?
 GA文庫大賞≪期待賞≫を受賞のトライアングル・ラブコメディ!キミは運命の出会いを信じるかい?

【感想】


第3回GA文庫大賞≪期待賞≫受賞作。
友人の妹二人と仲良くなる三角関係モノの青春ラブコメディです。

「期待賞」だったのが何となく納得できる作品でした。
悪所も目につくけれど、今後の伸びに期待したくなるような原石ではあったと思います。

高校2年生の赤井公が友人である田所祐一から二人の妹を紹介されるところから始まります。
一人は、活発で言葉使いが人懐っこい高校1年生・田所恵衣美
もう一人は、生真面目でお淑やかな中学3年生・田所詠羅
でも、この妹達は口を開けば、互いの罵詈雑言ばかり。
そんな仲の悪い姉妹に挟まれる形で、赤井と彼女達の交流が育まれていく展開です。

ラブコメとして楽しいか?と問われると、正直なところ首を傾げます。
ラノベではよくあることなんですけど、ヒロインが主人公に惚れる理由が省かれ過ぎです。
ヒロインが二人ともキャラ属性だけの提示で終わってしまっていて、魅力を掘り出しきれていないように感じられるのも問題ですね。
ページ数が270p程度で、ヒロイン二人に加えて脇役が妙に多いこともあって、描き切れていません。

その一方で、主人公の赤井は、適度に軟派でありながらも芯の通ったイイ男でした。
自己中心的だと自覚しつつも、他人のために行動が出来て、サラッと問題解決してしまう手腕は、友達にだったら頼もしいだろうなと思わせてくれます。
でも、そういった男気を見せる前から女の子が靡いているんですよねぇ。
せっかく中盤で主人公が活躍する話を書けているのに、ヒロインの内面でギャップが発生していないのは勿体無い。
女の子は、恋に落ちた瞬間こそ可愛いんですから。

赤井に関しては、タイトル通り「まだ恋に落ちていない」状態なんでしょうね。
他人との距離感が近いようで、密着はさせないという気質があります。
この辺りは、追々語られていくことになるんでしょう。

文章は、基本を抑えておりスラスラと読めます。
ただし、会話のギャグセンスだけは微妙で、コメディとしては笑えるシーンはほぼありません。
「え?そこ笑うところなの?」とポカーンとする場面が、しばしば。
口喧嘩も面白味がないわけではないんですけど、旨味を得られる部分が少ない。
感性が独特なのか、それとも個人的に合わなかっただけなのか。

ストーリーは、まだ序盤もいいところで、スタートラインに立ったところです。
その割には、赤井は何も知らされずに重大な選択を迫られたりしているのですがね。

投稿作品のはずが、複数巻を前提で練られているように感じるのは編集の指示っぽい。
明らかに顔見せ程度しか出番のないクラスメイトや、伏線張ったままの設定が随所に見られます。
そもそもダブルヒロインのはずが、表紙絵が恵衣美だけというのもおかしな話ですしね。

新人らしく荒削りな作品で、数字で評価をすると辛口となるのは避けられません。
しかし、地味ながらもファンタジー色を出さないよう徹したのは評価したい点です。
イマドキのラブコメ作品とは違い、無意味なエロ要素が皆無なところも気に入りました。
一般向けにも通用する庭さんの絵との相乗効果も良かったと思います。
絵に釣られて購入しましたが、悪くなかったですね。

険悪な姉妹2人から気に入られた男子高校生の積極的な行動が格好良い

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  俺はまだ恋に落ちていない  高木幸一  評価B- 

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桜色の春をこえて 

桜色の春をこえて (電撃文庫)桜色の春をこえて (電撃文庫)
(2011/11/10)
直井 章

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読書期間:2011/12/3~2011/12/5

【評価……B-
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
青春
友情
構成



 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5




 「あたしの家にくればいいよ?それで全て解決でしょ」
 高校入学とともに一人暮らしをはじめるはずが、手違いにより部屋を失った真世杏花に救いの手が差し伸べられる。
 救い主の名は澄多有住。杏花の同級生でもある彼女は、かわいい名前に反してぱっと見は不良、低学歴アリ。一緒に暮らし始めても無愛想でわがままでおまけに生活能力もない。杏花は折り合いをつけるのに難儀するが、時折ちょっとした優しさやかわいげが垣間見え……。これってもしかして、ツンデレ?
 二人の少女が織りなす、感動の同居×青春ストーリー。

【感想】


春の淡い雰囲気が漂う、女の子の爽やか青春ジュブナイル。
典型的なガールミーツガールです。

不動産屋の手違いにより入居するはずの部屋を出なくてはならなくなった少女・真世杏花
路頭に迷う彼女だったが、隣に住む同級生の女の子・澄多有住から同居の提案をされる。
半ば強引に決まった共同生活から始まる女の子の友情物語です。

ラノベよりも一般向けに近い雰囲気のある小説ですね。
登場人物が女子大生だったら、メディアワークス文庫から発売していたと思われます。
電撃文庫ではたまにサブカルチャー色のない作品が出てきますが、この類のものは結構好みです。

精細な下書きを用意しても、安易なキャラ付けでベタ塗りしてしまう昨今のラノベにおいて、素朴な味が楽しめる貴重な作品だと思います。
家庭環境に問題があった少女たちが、衝突し合いながらも徐々に絆を深めていく流れは、90年代の青春ドラマを思い出しました。
素直になれない性格故につい言葉が汚くなってしまう女の子が、心を許すと途端にじゃれてくるのは、何だか子猫みたいで可愛いですね。
意外と重い背景を抱えているんですが、前向きになれる内容で、読了感は悪くありません。

ただ、難点もいくつかありますね。
設定は良いと思うんですけど、上手く物語を膨らませられなかった印象を受けました。
何ていうか例えるのが難しいんですが、もっと空気を入れれば綺麗な張りのある風船になっただろうになーという感じ。
一冊完結のため、最後はしっかりと締めないといけませんから、多少こぢんまりとしてしまうのは致し方がないと理解は出来るんですけどね。

文章は、ちょっと古め&堅めで読みやすくはありました。
しかし、全体の構成を考えると、バランスが悪さが見受けられましたね。
無意味に中盤まで秘匿された設定のせいでキャラ背景が把握しづらかったり、地の文の説明量に大きく差があったりと推敲が足りていないのかなと感じました。

これらの不満点を抱きながら読んでいたわけですが、あとがきを読んで納得。
物語にしろ文章にしろ、圧倒的に書いてきた量が少ないんでしょうね。
逆に言えば、センスだけでここまでの内容を仕上げたわけですから、相当な力量を持った作家さんともいえます。
伸び代はありますから、今後の執筆活動に期待したいところです。

ふゆの春秋さんの挿絵は、質は高いと思いますが、キャラだけで背景が皆無だったのが惜しい。
カラーの桜吹雪や風になびくスカートなどは良かったんですけどね。

同居生活から得られる家族的な優しさが沁みる女子高生友情物語

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  桜色の春をこえて  直井章  ふゆの春秋  評価B- 

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正捕手の篠原さん 

正捕手の篠原さん (MF文庫J)正捕手の篠原さん (MF文庫J)
(2011/10/22)
千羽カモメ

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読書期間:2011/12/1~2011/12/2

【評価……B-
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
物語 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
コメディ
ラブコメ




 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6





 「青春の日々は短い。どれだけ短いかというと、文庫本で2ページぐらいだね。」
 明神学園2年生の篠原守は野球バカの優等生。今日も今日とて、仲間たちと一緒に青春の汗を流しながら栄光の甲子園を目指す……ということはなく、お嬢様マネージャー・深見月夜にイタズラされ、全然野球をしらない顧問の涼子先生をからかったり、突然、妹の篠原杏が選手志望で入部してきたり、エース投手の綾坂真琴が、実は女の子だったり(!?)と、あまり野球ができない日々を過ごしているのだった……。
第7回新人賞【審査員特別賞】受賞、史上初(!?)2ページ青春ショート!全95話収録!!

【感想】


一風変わった1話2ページの青春ショートショート。
MF文庫にしては珍しい作風ですね。

小刻みかつ一定のリズムで訪れるオチが、四コマ漫画を彷彿とさせます。
イメージとしては、一口で食べられる小袋菓子の詰め合わせみたいな感じ。
満足感は得られにくいけど、気が付いたら何個も口に運んでしまっているような要素があります。

ライトノベルと呼ぶぐらいですから、1話2ページ形式自体は大いにありだと思います。
軽快なテンポで綴られるためか、どこでも区切りがつけられるはずが、逆にサクサクと読み進めてしまいます。
オチっぱなしでツッコミが不足気味ですが、これは好みの問題でしょう。
ただ前半は頑張っていたんですけど、後半は2ページで区切る必要性が薄く、形に嵌めこんでいるだけのように見えましたね。
明らかに物語としてのボリュームが足りていませんし、この形式の難しさを実感しました。

題材が野球ということで興味を引きました。
でもこれ、野球ラノベではなく、野球部ラノベですね。
ガッツリと試合をやることは一切なく、ゆるい野球部の日常を描いた作品です。
野球の知識がなくても大体分かるようになっているので、単純に部活モノの一種として楽しむこともできます。
とはいえ、単語の説明などが全くないのは、少々不親切かなと思いました。

甲子園を目指す硬式野球部のはずなのに、何故か男の出番は主人公以外ほとんどありません。
口絵を見たら女の子ばっかりだったので、女子野球部の話かと思いましたが、ちゃんと男子野球部の話でした。
あくまで野球部を舞台として用意しただけで、女の子を可愛く見せることに神経を注いだってことなんでしょう。

ちなみに、紛らわしいことに表紙絵の女の子は篠原さんではなく、主人公の名前です。
表紙絵の女の子でエース投手の綾坂真琴がメインヒロインなのかというと、それまた微妙なライン。
少なくとも序盤は圧倒的にお嬢様兼幼馴染み・深見月夜の方が、主役を張っています。
周囲にバレないよう男装する真琴さんも可愛いんだけど、好きな相手の気を引きたくてイタズラする中学生みたいな深見さまは微笑ましくてたまりません。
いつも楽しそうにニコニコとしていて、照れる様子をあえて見せないのが逆に良かったですね。

イラストは、3DSソフト「閃乱カグラ」で有名となった八重樫南さん。
柔らかいフォルムと丸みを帯びた線が、作風にもマッチしていて溶け込んでいました。
ただ、画力は高いのに、ラフっぽい絵がちらほら見られたのは勿体無い
労力を惜しまなければ、絶対もっと完成度が高まっただろうに。

気軽に読める一冊ではありましたね。
それこそ四コマ漫画が好きな人なら楽しめるのではないかなと思います。

練習がぬるめの野球部を舞台とした青春ショートコメディ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  正捕手の篠原さん  千羽カモメ  八重樫南  評価B- 

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妄想ジョナさん。 

妄想ジョナさん。 (メディアワークス文庫)妄想ジョナさん。 (メディアワークス文庫)
(2011/09/23)
西村 悠

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読書期間:2011/11/16~2011/11/18

【評価……B-
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
恋愛
青春




 ★★★★☆☆☆☆☆ … 5
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6





 大学一年生の春、恋する僕は確かに幸せだった。憧れの人が、自分の妄想の産物だと気付くまでは。大学二年の秋、傷心から立ち直れない僕の前にひとりの女性が現れる。その名はジョナさん。彼女もまた僕の妄想の産物だ。驚いたことに彼女は、僕を妄想から解放すると宣言した。
 自らの妄想に導かれ、壮大な脱妄想計画が幕を開ける!大学キャンパスがロンドンに変じ、ラブホテルが魔王の城と化す、妄想にまみれた東京多摩市で展開する、騒々しくも切なく、悲しくも情けない恋の物語。

【感想】


自ら生み出した妄想の女性とともに現実と立ち向かおうとする青春恋愛モノ。
MW文庫からの出版ですが、電撃文庫で発売されても違和感ないぐらいラノベ色が強い作品でした。

大学2年生の主人公は、現実が妄想に浸食される奇妙な現象を患っていた。
妄想はあくまで妄想でしかなく、他の人間からは一切視認されることがない。
妄想だと気が付かず行動したことで、周囲からは奇異の目で見られるようになる失敗も数多く重ねてきた彼は、他者との距離をはかれず、コミュ障に陥っていた。
そんな折、彼の前に新たな妄想の女性・ジョナさんが現れる。
妄想から脱却する助力をしようという彼女に導かれるまま動き出す、青春ストーリーです。

冴えない引き籠りがちな男が、突然現れた美少女によって、精神的に成長を果たしリア充になっていく展開は、小説等に限らず創作では定番中の定番ですね。
ご多分に漏れず、徐々にコミュニケーション能力が上昇していき、逆説的に妄想であるジョナさんの存在が危うくなっていくのも予想通りです。
それを踏まえた上での特徴を期待したのですが、普通に終わってしまいましたねぇ。
妄想の設定を絡めたどんでん返しがあると思っていたんですが……。

各章の話と本筋の密接度が薄いのが惜しいかな。
それぞれ面白く読めましたが、伏線が仕込まれている訳でもなく、必要性が感じにくかったです。

感覚としては、「さようならドラえもん」のエピソードに似ています。
あれよりは感動することは出来ませんでしたが、切なさは滲み出ていました。

積極的に引っ張ろうとするジョナさんは献身的だなぁ。
しかし、妄想なんだから、男が望む女性を体現化したような存在にしても良かったかも。
ツンデレ要素もあって可愛くないわけじゃないんですが、描写不足だと感じました。
恋愛よりも主人公の成長物語として読む作品なんでしょうね。

イラスト担当は、ふゆの春秋さん。
表紙やカラーページで使用される派手過ぎない色合いが好みです。
章題にある絵も見応えありました。
そう思うと、挿絵のあるラノベとして読んでみたかった気持ちが高まりますね。

己の妄想である美女に一緒にコミュ障から脱しようとする青春小説

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  妄想ジョナさん。  西村悠  ふゆの春秋  評価B- 

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生徒会の金蘭 碧陽学園生徒会黙示録6 

生徒会の金蘭  碧陽学園生徒会黙示録6 (富士見ファンタジア文庫)生徒会の金蘭 碧陽学園生徒会黙示録6 (富士見ファンタジア文庫)
(2011/10/20)
葵 せきな

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読書期間:2011/11/3~2011/11/4

【評価……B-
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
物語 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
挿絵 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
ギャグ
パロディ
ラブコメ
青春


 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6



 「私達は今、とても大切な時期にあります」
 私立碧陽学園生徒会――そこは、美少女メンバー四人が集う楽園だが、変革を求められる時期が訪れていた。シリーズも終盤へ突入した今だから、出来ることがきっとあるはずだ。さあ「生徒会の一存」の新たな可能性を見つけ出そうじゃないか。失敗を恐れてはいけない、挑戦し続ける勇気が人を成長させる!
 だから……許して欲しい。中目黒善樹の女装姿を。一瞬「あれ、新キャラ、美少女!?」って思ったあなたも、怒らないで欲しい。そして逃げずに、この本をレジまで。ねっ、お願いします!だって彼、本当にいい奴なんですよ。2年B組編も、ついに決着!?

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


生存シリーズ通算15冊目かつ外伝の第6弾。
文学系の眼鏡美少女が表紙です。
……男の娘が嫌いってわけじゃないけど、中目黒は趣味じゃないから萌えないなぁ。

さて、宇宙姉弟の恋の行方が気になる前回からの続き。
二年B組の進級~決意の章~」がメインの物語となります。
いつも通りのドラマガ連載短編もあるにはあるんですが、上記のエピソードだけで200p越えしているので、もはや中編どころか長編を読んだような感覚です。

普段がギャグ満載で偶にシリアスを挟むものだとすると、今回は逆の構成ですね。
シリアスに傾倒した展開の中にギャグを仕込ませるものとなっています。

前々からこのシリーズのシリアスが苦手だと宣言している自分には、ちょっと厳しい内容でした。
転校する前の中目黒が受けたイジメの実態が明かされているのですが、これがモヤッとする。
偽善とか善人面とか説教臭かったりとか、とにかく相性が悪い。

正直、杉崎や深夏を始めとした生徒会役員の上から目線や話の聞かなさ加減が嫌いです。
これらの特徴は、ギャグであれば面白く捉えられるのですが、真面目な場面では笑いどころか嫌悪感を抱いてしまいます。
杉崎に対する巡の想いや、深夏に対する守の想いは、ゲストキャラであれば問題なかっただろうと思うんですけど、いつしか準レギュラーとなった今では苛立たしく感じていました。
鈍感キャラにも種類はあって、天然だったりバカだったりで好意に気付かないキャラならともかく、好意を踏み躙るタイプはギャグであっても酷いという心情になってしまい、好きにはなれません。
そういう意味では、これまでの杉崎や「木陰」「金蘭」の深夏は、ないなーと思ってました。

それがようやく向き合い、スタート地点に立ったというのが今回の話だったと思います。
宇宙姉弟の勇気や判断や信条は、メインキャラよりも断然好感が持てますね。
確かに地味だけど、守は本当にいい男だと思う。
自分が深夏の立場だったら、杉崎より守を選びますね。

個人的に生徒会役員達の気に入らなかった部分に関しての言及があったのは良かったかな。
感情の種別は違えど、中目黒の転校前の学校の生徒達とやっていることは一緒でしたからね。
当事者のことを考えて発言していることは理解できるんですが、押し付けがましい。
宇宙姉弟と中目黒の関係こそ、本当の友情だと思いました。
まぁどちらか正解かというのはないんですが、自分は宇宙姉弟のスタンスの方に惹かれましたね。

巡、守、中目黒が一つの区切りとなる決心をつける2年B組編最終回

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  生徒会の一存  葵せきな  狗神煌  評価B- 

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変態王子と笑わない猫。3 

変態王子と笑わない猫。3 (MF文庫J)変態王子と笑わない猫。3 (MF文庫J)
(2011/05/25)
さがら 総

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読書期間:2011/10/20~2011/10/22

【評価……B-
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
物語 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
挿絵 ★★★★★★★★★
 … 9
ラブコメ
変態




 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7





 体育祭が迫る九月の朝。のどかな二人乗りの最中、ちっちゃな宇宙怪獣ツインテールが降ってきた。『完璧』な笑い方をするその女の子は、ぼくにロケットダイブして、「にひー。だーれだ!」「え?」「よーとおにーちゃん、だいすき!」「えええ!?」「どういうことですか」「え?」「どういうことですかロリペドさん」「ええええ!?」――そして平穏だった学校に『笑わない猫』の笑う声がする。校舎はイタリア、水着が制服、横寺王子は今日もみんなの人気者!……いやいや待てよ、なにがどうしてこうなった。もしかして、ぼくを悩ませ続ける『小豆梓問題』と関係が――?
 大人気爽やか系変態ラブコメ第3弾!今度は妹王座決定戦だ!(逆襲?う、うん!)

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


恥を捨てた少年と、その変態に何故か惚れる女の子達の可笑しなラブコメディ、第3巻。
売り上げ的にMF文庫の次世代エースといったところでしょうか。

表紙に登場したのは、新キャラである謎の幼女・エミ
初っ端から立ち位置が怪しい彼女が、横寺の周囲を大きく掻き乱すストーリーとなっています。
順番的に考えれば、表紙は鋼鉄さんだと思うんですけどね。
まぁ、2巻も表紙を飾った小豆梓が不遇なポジションだったので、このシリーズにおいてはあまり関係ないのかもしれません。

ギミックに凝ろうとした結果、物語が壊れてしまったような……。
理解力が乏しいと言われるとそれまでなのかもしれませんが、これはややこしいという問題ではなく、状況を説明する気がない類の文章に感じられました。
元々、主人公の一人称が妄想寄りなこともあって、実際に起きていることなのか、空想上の出来事なのかが分かり辛いという特徴はありましたが、更に拍車が掛っていますねぇ。

もう少し視野を広げて欲しいかなぁ。
一文そのものは面白味があるけれど、段落としては前後の繋がりが弱くて読み辛い。
シーン毎の見所もハッキリしているのは長所だけれど、構成に難があります。

ラブコメにシリアス要素を注入した賭けについては、微妙な成否ですね。
個人的には嫌いではないんですが、その割に横寺が軽いノリを継続しているので、アンバランスさに妙な歯がゆさを感じてしまいます。
まぁ、この辺りは賛否両論が激しいでしょうね。

2巻で空気化していた小豆梓のヒロイン的イベントがあってホッとしました。
サブヒロインが増えていき、このまま埋もれてしまわないかと心配でしたから。
新キャラのエミに出番が奪われ気味で、物足りなさはありますけどね。
クーデレ月子よりも、ツンデレ梓の方が好きという人は少ないのかなぁ。

この作品の最も魅力的なところは、カントクさんのイラストであることは間違いありません。
月子を剥かせたり、スク水着せたりというシチュエーション作りは無理矢理でモヤッとしてしまいますが、カントクさんの絵が見たいのなら仕方がないなw
ラストシーンの絵は、構図バランスも含めて素晴らしい一枚だったと思います。

猫神という何でもありな存在がいるため、如何様にも話を広げられますね。
正直、ちょっと予想が付きません。
横寺が全裸姿の月子を目撃するラッキースケベな展開だけはあるんでしょうね、きっと。

水着の女の子達から持て囃される主人公が変態的な行動を繰り返すラブコメ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  変態王子と笑わない猫。  さがら総  カントク  評価B- 

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ユメオチル、アリス 

ユメオチル、アリス (ガガガ文庫)ユメオチル、アリス (ガガガ文庫)
(2011/03/18)
鮎川 歩

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読書期間:2011/10/12~2011/10/17

【評価……B-
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
ダーク





 ★★★★★★★★☆☆☆ … 7






 瞼を閉じて意識を閉ざす。ひたすらに睡眠を貪る。現実逃避は僕の得意技。
 「初めてキミを見たとき、びびっと来たんだ」
 夢の中で出逢った不思議な少女ルルディ。金色の瞳を輝かせながら彼女は言った。
 「ボクと一緒に、夢の世界を究めてみない?」
 ……この夢の世界のさらなる奥に、現実の魔手の届かない究極の理想郷があるのだという。それが「完全明晰夢」の世界、完全に明晰なる夢。その究極の夢見の力を手に入れるため、僕は今日も眠り続ける。現実から逃げて逃げて逃げまくる。所詮、現実なんて単なるゴミクズである。
 「クイックセーブ&ロード」の著者が送る脳内冒険譚!

【感想】


「クイックセーブ&ロード」の鮎川歩氏による新作。
デビュー作が結構面白かったので、手に取ってみました。

虐げられる現実から目を逸らす少年・有栖幹人
彼が夢の中で出逢った謎の少女・ルルディから明晰夢を見るためのコツを授かる。
絶望的な現実から逃亡するため、徐々に夢の世界へと足を踏み出していく。
はたして彼の行く先に待ち構えるものは幸福か不幸か?というストーリー展開です。

相変わらずの鬱々な小説を書く作家さんだなぁ。
前作も苦しかったですけど、今回は最初から状況が厳しい。
しかも、手に入れた能力は夢の中限定であって、むしろ全力で現実逃避をしています。
現実はどうしようもない環境に追い込まれているとはいえ、ラノベでここまで後ろ向きな作品は珍しい。
異能の力を手に入れた段階で積年の恨みを果たすパターンは、よくあるんですけどね。

帯にある「現実なんてゴミクズだ」の一文は実にキャッチーだなと思います。
順風満帆な人生を歩んでいる人なんて一握りでしょうし、誰だって一度や二度、いや、数え切れないくらい不運や運命めいたものを嘆いたりしたことがあるはずです。
夢でもいいから自分の思い通りの世界へ逃げ込みたいという欲求を抱いてしまうのは仕方ないでしょう。
完全に現実を捨てられるかと言われると困るのですが、明晰夢を見る異能は正直羨ましいですね。
逃げているのかもしれませんが、そうでもしないとやりきれないことだってありますよね。
リアルで満たされている人ならともかく、現状に不満がある人なら多少なりとも共感できる内容だったのではないでしょうか。
だからこそ、明るい本が読みたいっていう人にはお薦め出来ませんが。

夢の国の案内人・ルルディは、もっと幻想的なキャラだと思っていたので意表を突かれました。
何故かここだけ妙にラブコメにありがちなラノベキャラで、ある意味ギャップがありましたね。
彼女のお陰で、陰鬱な空気が少し和らいでいました。

雰囲気は出ていますが、前作の窮屈感の方が上かなぁ。
夢と現実の選択というテーマを一貫して描写しているので、ストーリーにブレはありません。
しかし、その副産物として設定的に判明しないまま終わっている部分が多く見られるのが惜しかったですね。

総じて評価すると、悪くはないんですが、続きを読みたいかと問われると微妙なところ。
この話を広げるよりも、新しい舞台を書いて欲しいなーという気持ちの方が強いです。
まぁ、発売したら買うでしょうけどね。

現実で行き詰っている少年に思い通りの夢を見る力が与えられる話

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  ユメオチル、アリス  鮎川歩  立花オコジョ  評価B- 

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電波女と青春男 SF(すこしふしぎ)版 

電波女と青春男 SF(すこしふしぎ)版 (電撃文庫)電波女と青春男 SF(すこしふしぎ)版
(電撃文庫)

(2011/04/08)
入間 人間

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読書期間:2011/9/23~2011/9/28

【評価……B-
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ラブコメ
青春




 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7





 「地球は狙われている」らしい。
 布団ぐーるぐる電波女・藤和エリオは俺にそう言った。心機一転、都会で夢の高校ライフを過ごそうとしていた俺の青春って、一体どーなんの…………って、あれ?
 これなんか、前にも一回説明した気がするな……。こほん。あー。どもども丹羽真です。仕切り直して。
 さて今回のお話は、叔母である藤和家に居候することになった俺が、高校二年から転校した都会の学校、天然系健康少女やモデル系美人さんと出会い、そして我が家には布団ぐーるぐるな電波女がいて、俺の青春どーなんの……ってやっぱり同じじゃん!
 SF(すこしふしぎ)版。その意味はこれを読めば明らかに……なるといいなぁ。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


「電波女と青春男」シリーズ、謎の番外編。
本来の最終巻である8巻と同時に発売されました。
タイトルやあらすじを読んでも内容がよく分からず、読んでみて初めて理解できました。

一言で表すと、要するに1巻の再構築版ですね。
シリーズを継続していくと、初期の構想からは想定していない方へ進んだり、設定に矛盾が生じたりしますが、それらを踏まえた上で、改めて一つの作品としてまとめてみましたという体裁です。
作者の云う劇場版的な感覚というのも何となく伝わってきますね。

ストーリーの流れは、1巻をベースにしているため、当然ながらほぼ同じです。
ただ、1巻では登場しなかった星中、ヤシロが登場していたり、主要キャラとの出会いに違いが見えたりするので、新鮮さが皆無というわけでもありません。
提示された選択肢を別のモノしてみたらどうなるのか?というギャルゲーっぽい面白味がありました。
次の展開が読めるというか知っているので、驚きはなかったですがね。

最も大きく印象を変えたのは、真の一人称から三人称への変化です。
入間さんの文章というと、パロディと比喩表現を巧みに使う独特の雰囲気が良くも悪くも人を選びます。
しかし、それは一人称の場合においてであって、三人称は正直微妙だと思っていました。
おそらく著者にも苦手意識があったのではないかなーと思っていますが、今回のSF版は格段に進歩を見せていますね。
入間節を残しつつ、文章は奇をてらい過ぎることもなく、読みやすく仕上がっていました。

キャラに変化はないと言いたいところですが、最初から一貫しているのは前川さんくらいですね。
初期のリュウシさんは、基本的には地味子さん(自称)で時々ボケる人だったはずなのに、いつの間にやら常時ぼけぼけ~とした性格と変わっちゃったし。
エリオと女々さんのマザコン&親バカ仕様は、2巻からの急激な変化でした。
リメイクするにあたって、本編8巻までの内容で整合性を取ったことで、こちらの方が「らしいなー」と感じられました。

挑戦的な試みとしては、評価したいところ。
でも、この本を出す必要性はあったのかという疑問は残ります。
それなりに面白いし、8巻とのリンクもありといえばありなんですけどね。

挿絵は、半分は1巻のものを流用しています。
描き下ろしの絵と混ざっているため、ちょっとゴチャゴチャしている感じ。
今のブリキさんの絵も嫌いじゃないんですけど、多忙のためか軽く描いている線が多いんですよね。
絵の上手さは別にして、描き込み量は1巻の時の方が上なので、新規絵が少々雑に見えちゃうのは残念だったかもしれません。

これは1巻の代わりに読むというよりも、最終巻を読んだ人が補完的に読む作品かな。
少々特殊ですが、あくまで番外編だと感じましたね。

パラレルワールド風の本編1巻リメイク作品

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  電波女と青春男  入間人間  ブリキ  評価B- 

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4 Girls 

4 Girls (メディアワークス文庫)4 Girls (メディアワークス文庫)
(2011/01/25)
柴村 仁

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読書期間:2011/8/30~2011/8/31

【評価……B-
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
青春
安定感




 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7





 あこがれの同級生に、告白する間もなくふられた僕。そして僕をふった張本人である彼女は、僕を無理やり連れて学校をさぼると言い出して――「scratches」。偏屈そうなおじいさんが一人で暮らしているはずの隣の部屋のベランダで、タバコをふかす変なおじさん。おじいさんの親戚だという彼と、ベランダでぼんやりすることが多い私は、次第に話をするようになり――「サブレ」ほか計4作品を収録。4人の少女たちの、トホホでワハハな日々を描く、哀しいけれどあったかい、珠玉の青春ストーリー。

【感想】


思春期に思い悩む4人の女の子の物語。
柴村仁さんが描く、淡い短編が4章詰められた一冊です。

「4 Girls」のタイトルから色々と想像すると思いますが、実のところ4人の女の子に関連性はありません。
ただ単純に4つのエピソードが収録されている短編集です。

うん、悪くないと思います。
小説の教科書的な作りで、目新しさはないものの4章とも安定していました。
ラノベにありがちな修飾を取り除き、シンプルな仕上がりとなっています。
そのおかげで、MW文庫らしい一般向けで、誰にでもお薦め出来ると思います。

ただ、あまりにも薄味なところは気になりますね。
あっさりしているというには、少々さっぱりしすぎな印象を受けました。
体裁は青春小説なのですが、青臭い甘さや苦さは香る程度しかありません。

普段本を読まない人なら良い塩梅でしょうが、趣味が読書の人からすると、物足りなさそうです。
濃厚な本が続いた後に、間食して読むのにはちょうどいいかもしれませんがね。

購入したキッカケは、同作者の「プシュケの涙」に登場した由良が出てくることを知ったから。
脇役でしたけど、元気そうな姿が見られて良かったです。

こんな青春を妄想した時期もあったなぁと思わせる高校生男女の恋愛事情「scratches」。
外国人の街案内を行うことになった人見知りの女の子の内面を描いた「Run!Girl,Run!」。
携帯ストラップ人形を売る主人公の話術が巧みで楽しい「タカチアカネの巧みなる小細工」。
人間関係で精神が摩耗する女子高生が、隣に住む男とベランダ越しの交流を育む「サブレ」。

「Run!Girl,Run!」は短すぎましたが、他3編は適度な長さでした。
お気に入りは、生々しい少女の裏側が見られる「サブレ」。
言葉の端々にある思いやりが、ほんのりと温かくて、読後感が素敵でした。

さらりと読める女子高生が主体の青春短編小説

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  4Girls  柴村仁    評価B- 

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人類は衰退しました6 

人類は衰退しました 6 (ガガガ文庫)人類は衰退しました 6 (ガガガ文庫)
(2011/02/18)
田中 ロミオ

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読書期間:2011/7/30~2011/8/1

【評価……B-
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
ほのぼの
ダーク
パロディ



 ★★★★☆☆☆☆☆ … 5
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7




 わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は“妖精さん”のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の“調停官”であるわたしのお仕事。
 季節は冬。祖父の趣味サークル「大砲倶楽部」の一員として南に向かったわたしは、「鳥人間コンテスト」の安全対策係として、岬に集まった各チームの機体をチェックすることに。思うに……みなさん、死にそうです。
 クスノキの里を同類誌のイベント会場にしてしまった友人Yと、白い部屋に密室監禁!
 さて、どちらが危ない!?――記録、それは儚い。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


約1年振りとなる人退シリーズ、第6弾。
帯にてアニメ化が発表されました。

薄っ!
久々だというのに200ページしかありません。
背表紙の一番上にあるレーベル名が見切れて「AGAG」になっちゃってますよ。
量的には満足には程遠く、無理矢理刊行した感がありありと出ていますね。

内容も同じことがいえます。
一定水準の面白さはあるんですが、表面的な話ばかりで作りが雑な印象を受けました。
パロディがアクセントになって面白可笑しい展開が起こるのが売りの一つですけど、今回のは少々安直かな。

確かに、アイデア自体は悪くありません。
「鳥人間コンテスト」と「同人誌」に関するエピソードは、楽しく読めました。
シュールかつブラックなネタが満載で、底意地の悪い作者だなぁと思いつつも、ニヤリとさせられます。

しかしこれは「人退」でやる必要性があったのかと疑問符が浮かびました。
人類が衰退していく退廃的な世界で、不思議な生き物である妖精さんの癒される挙動と、その結果生まれる恐ろしいギャップが良かっただけに、作品の売りを感じることができませんでした。
人間サイドの黒さや醜さが目立ち、それはそれで悪くないのですが、ほのぼのとした妖精さんの出番が少なくて残念です。
妖精さんを便利ツールとして利用しているのは作者も「わたし」も同じで引っかかりを覚えますね。

体全体を脱力させたくなるようなゆるさと、気の抜けた炭酸飲料水のようなゆるさは別物です。
今回は、どちからというと後者のような物でした。

絵師の交代ニュースが入ってきたばかりですが、今巻に挿絵がほぼなかったことに関係あるのかな。
口絵もはっきりいって手抜きで、既巻とは仕上がりがまるで違います。

某鍵ゲーのシナリオ担当していたことで、ラノベの執筆活動は停滞気味だったようですね。
今年はこちら方面にも力を入れるそうなので、今後の踏ん張りに期待します。

妖精さん成分少なめのブラックユーモアたっぷりなパロディコメディ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  人類は衰退しました  田中ロミオ  山崎透  評価B- 

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AHEADシリーズ 終わりのクロニクル6<上> 

終わりのクロニクル (6上) (電撃文庫―AHEADシリーズ (1175))終わりのクロニクル (6上) (電撃文庫―AHEADシリーズ (1175))
(2005/11)
川上 稔

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読書期間:2011/7/20~2011/7/29

【評価……B-
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
世界観





 ★★★★★★☆☆☆ … 7






 マイナス概念の活性化により、世界が崩壊するまで、あと5日――。
 だが、“軍”の元9th-G将軍ハジが糾弾したLow-Gの罪とTop-Gの存在が、思わぬ波紋を呼んでいた。そして、Top-Gの存在を秘していたLow-Gに対し、各Gは疑念を抱き、全竜交渉は最大の危機を迎えることに。
 そんななか、佐山と新庄は一つの答えを求め、再び出雲と堺へ向かう……。
 果たして、全ての謎は解き明かされることになるのか!?各Gの疑念はどんな結論を導くのか!?
 シリーズ完結に向け、物語はいよいよクライマックスを迎える!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


終わりのクロニクル第6章、開始。

今巻あわせて残り3巻となりましたが、クライマックスが近いとは感じられませんでした。
なーんかイマイチ盛り上がりに欠けるんですよねぇ。
タイムリミットが迫っているのに、緊迫感はありません。
軍の襲撃という山場を乗り越えて、のんびりしているようにさえ感じます。

派手な展開から一転して、地味な内容に移ったのも大きな理由でしょうか。
責任追求する材料を得て喜ぶ他国UCATがウザったい。
まさに現実の政治を見ているかのようです。
関係のない外野が、でしゃばってくると腹立たしいのは、フィクションでも共通ですね。
ま、そういう輩を正論で捻り伏せられると実に爽快ですが。
京かっけーっす。

一方で、全竜交渉を終えたはずのGとの再衝突が避けられなくなってしまった問題は、各Gの体裁もあって面倒臭いことに。
プライドを賭けた戦いは、バトルそのものよりも組み合わせや場外戦が面白かったですね。
貧乳ならまだしも枯胸は酷過ぎる……w

登場人物が多い中、今回一番輝いていたのは飛場竜司だったと思います。
ややエロだった彼が、もはやエロい本質を隠すことなく晒すまでに……って、それは前からかw
竜司も十分力を持っているはずなんですが、強力な仲間に囲まれ、対峙する相手が化け物クラスばかりということもあり、どうしてもヘタレなイメージが付きがちです。
しかし、だからこそ超人的なキャラとは異なり、劣等感に共感し、成長が嬉しく感じられます。

軍の再始動も垣間見られる中で、果たしてどのように締めにかかるのか。
盛り上がりに期待したいと思います。

各々が再び歩み出すための整理を行う回

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  終わりのクロニクル  川上稔  さとやす  評価B- 

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キミとは致命的なズレがある 

キミとは致命的なズレがある (ガガガ文庫)キミとは致命的なズレがある (ガガガ文庫)
(2011/05/18)
赤月 カケヤ

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読書期間:2011/7/3~2011/7/5

【評価……B-
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
ミステリー
サスペンス




 ★★★★☆☆☆☆☆ … 5
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6





 海里克也は保健室で目を覚ました。なぜここにいるのか?保険医の鑑司によると、階段で転んで気を失っていたらしい。……覚えていない。十歳のとき、大きな事故で両親と記憶を失ってしまった克也には、ここ数年の記憶しかない。また記憶が消えてしまったのだろうか。
 「見えないモノが見えてないか?」
 そんな司の問い掛けにドキリとする。――自販機の陰から伸びる少女の姿態――突如現れ克也を責める不幸の手紙――少女の死の映像と命を狩る指の感触。これは幻覚?それとも――?
 第5回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作!

【感想】


第5回小学館ライトノベル大賞<優秀賞>受賞作品。
記憶を失った過去がある主人公・海里克也が、現実と幻覚の境界線を曖昧したまま、過去の事件を追うサスペンスストーリー。
人間の心理に迫るサイコホラー作品です。

まず何より目を引くのが、インパクト絶大な表紙でしょうね
拒否反応を示す人も多そうですが、個人的には読んでみたくなる怖さがあります。
しかし、内容は期待していたほど濃いものではありませんでした。

つまらなかったわけではありませんが、素直に面白かったと言えないんですよね。
読書中はそれなりの楽しめたんですけど、読了後に残ったものがないといいますか……。
続巻が出たとしても、買うかどうか微妙なところです。

もうちょっと狂気成分が欲しかったかなぁ。
物足りないと感じるのは、この種のラノベに毒され過ぎでしょうか。
まぁでも、こういう意図的に狂った作品を出せるのが、ガガガ文庫の良いところですね。
他レーベルで、この作品に賞を与えるのは正直難しいでしょうし。

無茶のある設定を雰囲気で誤魔化している面がありますね。
文章が綺麗なので、ぼんやりとした描写が挿入されると妙な違和感を抱きます。
話の組み立て方は悪くなく、たまに強引さあっても、物語の牽引力は高めなところは良点でしょう。

ミステリーに関しては、犯人やオチが分かりやすいので、あくまでサブ要素かな。
伏線の張り方などからみると、要所は押さえているものの、あまり隠す気もないように見えます。

ロジックを重要視したためか、キャラは少々雑です。
使い捨てのような脇役がいるのはまだいいとして、メインキャラでも描写が甘かったりします。
詳しく書くとネタバレに繋がりそうなのでボカしますが、ヒロイン役の一人の存在が希薄なんですよね。
それが狙いだとは理解出来ていますし、物語上のキーとなる立ち回りも兼ねているため、仕方がないのかもしれませんが……。

個人的に最も評価したいなと思ったところは、犯人の倫理観。
病んだ思想が如実に表れていて、良い意味で気持ち悪さがありました。
一見すると他多数と変わらないように見える人間が持つズレこそが、最も怖いところじゃないでしょうか。

イラスト担当は、晩杯あきらさん。
アナログっぽい独特な塗りが特徴のようで、カラーイラストは見応えありました。
挿絵はなく、各章の扉絵のみなのですが、こちらは走り描きのようなもので、良く言えば味のあるタッチ、悪く言えばただのラフです。
キャラが安定しておらず、同じキャラでも別人のように見えたりしたのは気になりました。

失くした記憶と過去に怯えながらも前を向いて大切なものを取り戻そうとする物語

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  キミとは致命的なズレがある  赤月カケヤ  晩杯あきら  評価B- 

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生徒会の木陰 碧陽学園生徒会黙示録5 

生徒会の木陰 碧陽学園生徒会黙示録5生徒会の木陰 碧陽学園生徒会黙示録5
(2011/06/18)
葵 せきな

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読書期間:2011/7/1~2011/7/2

【評価……B-
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
ギャグ
パロディ
ラブコメ



 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6




 私立碧陽学園生徒会――そこは、美少女メンバー四人が集う楽園だが、その楽園を支える、日蔭者たちの存在がいることを忘れてはならない。「黙示録」だからこそ!という甘い言葉に誘われ、登場するも表紙を飾ることは出来ない、陰の存在。
 誰だって物語の主人公になれるはず!そんな淡い希望と、儚い願いを胸に、いつ来るとも分からない、その日に向けてアピールを続ける悲しい彼らに、ついにスポットが当たるときが来た。主人公、杉崎鍵のクラスメイトでありながらも、脇役というポジションから抜け出せなかった彼……ではなく、彼女に。これは何かのフラグか。
 急速に動き出す2年B組の恋愛模様にも、目が離せないっ。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


生徒会シリーズ通算14冊目。
生徒会役員以外で初めての表紙を飾ったのは巡というのは妥当なような意外なような。
黄色い背景は目が痛くなるので、他の色にして欲しかったな。

今回は、初の短編集連続刊行です。
恐らく本編があと1冊で終了のため、急ピッチで短編集を出すことになったんでしょうね。
次回も短編集らしいですし、しばらく本編はお預けになりそうです。

で、肝心の内容ですが……。
うーん、イマイチ乗り切れなかったかなぁ。
笑えるところもあるにはあるんですがね。

基本的のこの作品のボケは、相手を怒らせるところにあるんですよね。
キレのいいツッコミが笑いを誘うのですが、カバーできるにも限度があります。
弄りが面白いというよりも、イラッとさせてしまってはボケとして失敗でしょう。
親友同士であっても引いてしまうラインはあるもので、その境目を誤ってしまったように感じられました。

たとえば、宇宙姉弟対する杉崎の態度。
偉そうに女の子への想いを語るけれど、巡への反応はギャグを越えている気がします。
守に関しても、生徒会の中のやり取りと違って、ただ苛めているだけに見えてしまうんですよねぇ。

BLネタは、さほど抵抗感なく楽しめるタイプですけど、中目黒はあまり好きじゃありません。
天然のガチ系過ぎて、笑えないんですよ。
それなら、鍵×守の方が好きです。あくまで比較した場合の話ですが。

とまぁ、ギャグ自体は微妙だったわけですが、会話の応酬はさすがで、だらだらと読んでいるだけでも面白かったです。
声を出して笑ってしまうことがなくても、楽しい気分にさせてくれます。
しつこく感じた部分もありますけど、マンネリ打破のためには仕方ないかな。

珍しく次巻へ持ち越しとなっているので、続きが気になりますね。

1年C組や2年B組が主体の話多く生徒会メンバーの出番は少なめ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  生徒会の一存  葵せきな  狗神煌  評価B- 

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カミオロシ ~縁結びの儀~ 

カミオロシ―縁結びの儀 (電撃文庫)カミオロシ―縁結びの儀 (電撃文庫)
(2011/06/10)
御堂 彰彦

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読書期間:2011/6/21~2011/6/22

【評価……B-
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
ミステリー
ホラー
期待感



 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8




 神社にまつわる恋愛成就のおまじないの噂。その神社に課外活動で訪れた生徒たち。その中に玖流緋澄と識読美古都はいた。学年で双璧をなす秀才、才媛の二人だが、顔を合わせば皮肉の応酬となる間柄。おまじないとは無縁の二人だった。
 神社に訪れたほかの生徒たちは奇妙な顔ぶれだった。おまじないを信じ、互いを意識する生徒たち。だが、そんな浮ついた空気は一変する。
 他愛のない恋愛成就のそれが、次々と死をもらたらしていく。それは呪い、それとも――。謎に迫ろうとする緋澄と美古都の二人が知る真実とは!?伝承系ファンタジックホラーの登場。

【感想】


「付喪堂骨董店」シリーズが評判の御堂彰彦氏による新作。
ミステリー&ファンタジーという得意ジャンルに少々のホラー要素が混ざった意欲作です。

1年3ヶ月振りとなる新作でしたが、独特の雰囲気は変わっていませんね。
暗く地味だけど、気になるトリックと惹きつけられる人間模様は、引き継がれています。

勉強が出来るという意味だけではなく、本当の意味で賢い頭脳を持った二人が主役。
クールで冷静な判断を下せる玖流緋澄は、少年漫画系作品のアンチテーゼとも言える存在で、成長途上の知的系キャラです。
凡庸なキャラや、熱血硬派な主人公とは異なり、あくまで自己中心にした周囲のみを気遣うスタイルで、個人的に共感を覚えました。
フィクション的な主人公補正で助かっているのに、理想を語るキャラは山ほどいますが、玖流は違います。
自分の限界や引き際が分かっている人間は、好感が持てますね。

ヒロイン役の識読美古都は、玖流同様に頭の切れるタイプで、はぐらかすのが巧みな含み笑顔が似合う女の子です。
いや、女の子ってのは何となく似合わないかな。
玖流と同い年の幼馴染なんですが、幼い面を僅かに残したお姉さんっぽいキャラですね。
前作「付喪堂骨董店」のヒロイン・舞野咲を彷彿とさせるクーデレの香りが漂っています。

良くも悪くも互いのことなら大体分かる関係で、挑発的な言葉を掛け合うものの、ほぼ無意識的に大切な相手と認識している間柄という美味しいシチュエーションが楽しめます。
とはいえ、まだまだ描き切れてはいないので、これからに期待でしょうか。
またビターチョコレートのような苦味のある甘さを味わいたいものです。

しかし一方で、ストーリーはちょっと雑だったかなぁという印象を受けました。
ファンタジー要素があるおかげで、どこに境界線を引けばいいのか悩むミステリーとなっていて、作品全体が曖昧になっているように見えます。
もっと主人公勢が関わる事件内容にしないと、導入しては弱いかなーと思いました。
展開にも無理があったり、強引さが目立ちます。
2巻目以降ならまだ良かったんでしょうが、キャラ紹介を兼ねた1巻としてはインパクト不足ですね。

基本的には美麗な文章ですが、時々描写が飛ぶといいますか、説明が足りない箇所があるように感じました。
エアポケットに入ってしまったかのように、部分的に違和感があるんですよね。
舞台が現代のわりに、オカルト的要素に対して許容がありすぎるでしょう。

ミステリーについては、それなりに読み応えがありました。
ガチガチの推理モノと比較すると粗はあるでしょうが、十分楽しむことが出来ました。

さらちよみさんのイラストは、思っていたよりも良かったです。
特に美古都は可愛い絵が多くて楽しめました。
イラスト指定のポイントが、ちょっとどうかなとは思いましたけど。

現時点では、そこそこ楽しめたものの、微妙なところです。
しかし、今後に期待は持てそうなので、じっくりと腰を据えて追いかけたいなと思います。

オカルト色が濃いホラー系ミステリー

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  カミオロシ  御堂彰彦  さらちよみ  評価B- 

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電波女と青春男8 

電波女と青春男〈8〉 (電撃文庫)電波女と青春男〈8〉 (電撃文庫)
(2011/04/08)
入間 人間

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読書期間:2011/4/13~2011/4/15

【評価……B-
発想 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ラブコメ
青春




 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6





 リトルスマキンが襲来した。
 具体的には、ミニマムサイズの布団ぐーるぐるな存在が、俺と藤和エリオの前に現れた。
 うん、この展開。本来だったら「この地球外生命体みたいなやつの目的とは!?」なんて気張るところなんだろうが、このリトルスマキンにそんな期待(?)をしても意味がなさそうだった。
 しかし、俺はこいつと出会って思い知ったことがある。青春ポイントの低下要因であったはずの藤和エリオ。俺は彼女に、どれだけ依存していたかってことを。
 今回のお話で、俺は宇宙人たちに終わりをコールする。
 なんだかんだあっても。
 俺たちは、相変わらず青い空を眺めて、遥か宇宙を目指すんだ。
 だって、地球人だから。
 以上。丹羽真でした。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


絶賛アニメ放送中の不思議系青春ラブコメディ、完結。

最終巻にして、最も微妙な内容でした。
いやぁ、これで終わりはねーよといった感じ。
みーまーの時もそうでしたけど、長期作品の締め方が雑過ぎませんかね、この作者。
嫌々とは言い過ぎかもしれませんが、無理矢理続けましたという印象の受けるあとがきもあって、何だかすごく残念でした。

謎のリトルスマキンの襲来。
青春ラブコメとして落ち着きつつあった世界でしたが、またもや電波に満ちることに。
1巻を彷彿とさせる展開ですね。

伏線が多く取り残されたのが、読了感をスッキリさせてくれない原因となっています。
あえてボカすことで、不思議な空気を表現するのは良いんですけど、明かされない謎が多すぎます。
生温かい日常で物語を締めること自体は、むしろ賛成派なぐらいなんだけどなぁ。

しかも、その青春模様も文章量が半減しちゃっていて、全然物足りない。
新キャラのリトルスマキンとの絡みばかりで、肝心のリュウシさんや前川さんの出番が少ないのは致命的。
前川さんが照れる姿は、そりゃもう破壊力抜群なんですが、さすがにそれだけではねぇ。

エリオの成長という観点でいえば、なかなか興味深いものはあります。
まさに過去の自分ともいうべき存在が現れたわけですが、もう道を踏み外す気配は見えません。
真でなくとも、父親的な目で見守りたくなる女の子ですね。

こうしてみると、6巻の大掛かりなエピソードは、最終巻に相応しかった気がします。
7巻のifストーリーは、オマケ的な後日談としてピッタリですしね。

商業的に走り過ぎるのも困りものですが、それでもアニメ化と同時に終わらなくてもいいのに。
捻くれたところが作者らしいといえばらしいのですけどね。

初期と比べると、各キャラの成長や変化を実感できるあっさりとした終幕

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  電波女と青春男  入間人間  ブリキ  評価B- 

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