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明日へと続く記憶

アニメ、ゲーム、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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BLACK BLOOD BROTHERS 11-ブラック・ブラッド・ブラザーズ 賢者転生- 

BLACK BLOOD BROTHERS11  ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 賢者転生― (富士見ファンタジア文庫)BLACK BLOOD BROTHERS11 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 賢者転生― (富士見ファンタジア文庫)
(2009/05/20)
あざの 耕平

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読書期間:2009/5/20~2009/5/21

【評価……A+
設定 ★★★★★★★★★
 … 9
物語 ★★★★★★★★★
 … 9
人物 ★★★★★★★★★★
 … 10
文章 ★★★★★★★★★
 … 9
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
オススメ度 ★★★★★★★★★★
 … 10
燃え ★★★★★★★★★★
 … 10
完成度 ★★★★★★★★★★
 … 10

ジローは進む。星一つ分の死と再生を繰り返しながら。コタロウ、そして――ミミコ。彼の心臓をノックする、大切な存在の為に――。
ついに最後の戦いの火蓋が切られた『九龍の血統』とジローたち。ジローに応え特区へと向かったミミコ、ケインやジャネットら各地の精鋭が特区に到着する中、ジローは九龍王との対決の時を迎える。鍛えなおした銀刀を操り『九龍の血統』を圧倒するジローを前に、追いつめられたカーサたちは、最後の手段に打って出る……!
「ジローさん!お願いっ。諦めないで!」
――大切な、愛する者たち。その為に今、全てを捧げよう。
黒き血の兄弟と一人の少女が紡ぐ、血と絆の物語、ついに完結!

【感想】


BLACK BLOOD BROTHERS」シリーズ、堂々完結。
吸血鬼サーガの幕が下ります。

感無量。

渦巻く切ない想い。
一向に熱が引かない目頭。
息を吐くたび漏れ出す疲労感の心地良さ。

素晴らしかったです。
言葉で表現すると、そのどれもが今の自分の気持ちに当てはまらず、もどかしくなります。
だから陳腐だとしても何度でも言います。
本当に素晴らしかった!

◆ 内容

富士見ファンタジア文庫史上、歴代1位タイのページ数はずっしりと重みを感じる533ページ(あとがき除く)。
膨大な量でありながら、それを全く苦とさせない内容となっていることは保障します。
むしろ、読み終わってみると、よくこれだけ充実した内容を1冊にまとめることができたなと驚くくらいです。

これまで積み上げてきたものが解放されていく快感にアドレナリンが出まくり。
ギリギリの局面で必死に生きる彼らの姿が、熱い『血』の声を読者の胸の奥まで訴えてきます。
揺ぎ無い信念を持つ者の格好良さには人間も吸血鬼も差はありません。

緊迫した展開の連続に、ページをめくる手どころか全身に汗をかきます。
時間を忘れて、ただただ没頭して読みました。

◆ 物語

切なさを越えた先にあったものは、痛みと希望でした。
どうして世界はこうも酷なんだろうと思わざるを得ません。

しかし、覚悟を決めた彼や彼女らは、迷いを抱えつつも不器用なくらい一直線で、それが眩しいくらいに格好良かった。
読者の自分の方が心の整理が出来てないくらいで、避けられない戦いに苦しみと悲しみがいつまでも胸にこびりつきました。

築き上げてきた土台からなる幾つもの伏線が、一つ一つ丁寧に解かれていきます。
それでも、もっと描いて欲しかったと思うのは欲張りでしょうか。
想像で済ませるにはあまりに勿体無い話が残ってしまった気がします。

エピローグは長めで、余韻に浸れる良い終わり方でした。
様々な因縁が収束したのち、これから始まる新たな物語の息吹を感じることができます。

ラストシーンの予想はできなかった……というよりもしたくなかったので考えていなかったのですが、読んでみるとこれ以外有り得ないだろうと思えました。

◆ 総評

この「BLACK BLOOD BROTHERS」という本は、おそらく一生忘れることのない本の一つだと確信しています。
それだけ自分にとって特別であったという想いに今もなお溢れています。

もちろん、作品のレベルの高さは言うに及びません。
自信を持って人にお勧めできます。

この本に出逢えて本当に良かった。
あざの先生、お疲れ様でした。
そして、ありがとうございます!

⇒ 【 「BLACK BLOOD BROTHERS11 -賢者転生- 」簡易感想 】


熱く、切なく、そして深さを感じる重厚な物語が余韻を強く残します



以下、ネタバレ感想です。
最終巻まで読んだ方のみ開いてください。
-- 続きを読む --

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タグ: 書評  BLACK_BLOOD_BROTHERS  あざの耕平  草河遊也  評価A+ 

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BLACK BLOOD BROTHERS 10-ブラック・ブラッド・ブラザーズ 銀刀出陣- 

BLACK BLOOD BROTHERS10  ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 銀刀出陣― (富士見ファンタジア文庫)BLACK BLOOD BROTHERS10 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 銀刀出陣― (富士見ファンタジア文庫)
(2009/04/20)
あざの 耕平

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読書期間:2009/4/18~2009/4/20

【評価……A
設定 ★★★★★★★★★
 … 9
物語 ★★★★★★★★★
 … 9
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★★
 … 9
挿絵 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
オススメ度 ★★★★★★★★★★
 … 10
燃え ★★★★★★★★☆☆
 … 8
期待感 ★★★★★★★★★★
 … 10

1997年。アリスやジローと共に香港に滞在するカーサは、リズと名乗る1人の吸血鬼と出会う。自分と同じ“混血児”のリズに衝撃を受けつつも、カーサは彼女にかつてない親愛の情を覚える。
月下で蠢き始めた、新たな“脈動”。アリスとジロー、そしてカーサにとっての百年の夜が、静かに終わりを告げようとしていた。
そして現在――2009年、シンガポール。各国の有力血族を迎えたミミコは、特区奪還の手応えを感じながら、待っていた。
たった一振りの剣。ミミコにとってただ1人の吸血鬼を。
「いつまで経っても、遅刻魔なんだから」
すべての未来を賭けた『聖戦前夜』が、今、最後の幕を開ける……!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


小説に限らず創作物に対して、言葉が出てこないほど感銘を受けることが偶にあります。
内心では、キリがないくらい語りたいと思っているのに、上手く言語化できないんです。
それは、それだけ作品に夢中になっている証拠なんでしょうね。

BLACK BLOOD BROTHERS」は、それが偶にではなく頻繁にあるから嬉しい。
この10巻も、素晴らしく良かったです。

▼聖戦前夜 ― 1997

10巻の内容は前半と後半で大きく分かれています。
前半の舞台は過去の香港。
あの「香港聖戦」が起こるまでの経緯が、カーサの視点で遂に明かされます。

カーサの葛藤が、苦悩が、ありありと綴られています。
もともとただの悪役ではなかった彼女ですが、こんな閉塞感に苛まれる姿を見たら、とても憎めません。
彼女の選択を誰が責められようか。
BBBにおいて、カーサは間違いなく主人公の一人だと改めて確信しました。

▼聖戦前夜 ― 2009

後半は、時間軸が戻って現代。
順調に特区奪還の準備が整いつつあるカンパニー。
しかし、そう簡単には事が進むわけもなく……。

カンパニー勢力は頑張っているとは思いますが、まだまだ先読みが甘いですね。
きっと陣内がいれば、こうも後手後手に回ることはなかったんでしょうけど。
まぁ、他にも役者は揃っていますしね。

我ら『賢者イヴ』の血族、現時点をもって宣戦する

神懸かっている帯のセリフより。
文中のセリフとは若干違うんですけど、実際に出てきたときは全身痺れました。

今回の話は、先がバレバレの展開でしたので驚きこそ少なかったですが、分かっていても燃えました。
ジローが格好良すぎて別人みたいでした。
まるで主人公みたいじゃないか!
ちょっとくらいヘタれている方がジローらしいと思ってしまうんだ、うん。

そういえば、表紙絵のジローもキマってましたね。
居合の構えや鋭い眼光がカッコイイ。
10巻の草河さんの絵はイラストによって質の差が激しかったのが残念ですが、表紙やラストの絵は素晴らしく良かったです。

◆残すところは最終巻のみ!

クライマックスへ向けて、とうとうカウントダウンが始まりました。
ジローも、ミミコも、コタロウも走り出したらあとは最後まで突っ走るしかありませんよね。

『九龍の血統』の面々は果たして生き残れるのか。
因縁の対戦カードは、いくつ実現するのか。
そして、カーサは救われるのか。

期待値の上昇が止まらない内容でした。

遂に明かされる過去の経緯に胸が詰まります

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BLACK BLOOD BROTHERS s6-ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集- 

BLACK BLOOD BROTHERS(S)6  ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集― (富士見ファンタジア文庫)BLACK BLOOD BROTHERS(S)6 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集― (富士見ファンタジア文庫)
(2008/10/20)
あざの 耕平

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【評価……A-
舞台 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★★
 … 9
挿絵 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
オススメ度 ★★★★★★★★
 … 9
安定感 ★★★★★★★★
 … 9

「ううっ……くそう部長め……たまに仕事を回してきたと思ったら、吸血殺人事件絡みだなんて前代未聞よ……くそう……呪ってやる」
「ミミちゃんぼくそれ知ってる!敵に塩を送るってやつだよね!!」
「コタロウ。この場合は厄介ごとを押しつける、の方が正しいかと」
「あーもうあったま来た!!いい二人とも!こうなったら絶対にこのヤマ解決するわよ!元クイーンMをなめんじゃないわよ!?」
護衛のジロー&コタロウと共に、特区で調停屋稼業に勤しむ葛城ミミコ。『カンパニー』からある依頼人を紹介されるが、『月匠ゴーバン』に連なるエリーゼというその美女は、何やらワケありで!?
騒がしくも優しい3人の日々。特区で過ごす、最後の月の夜――。

【感想】 <本編9巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


吸血鬼兄弟と調停員ミミコの特区の日々を描いた短編集、第6弾。
これが最後のBBB短編集になるそうで、寂しいですね。

短編集の締めに相応しい、素晴らしいお話でした。
こんなに読み応えのある話を持って来てくれるのであれば、これが最後でも大満足です。

今回は、連作小説となっているので、短編集というよりも外伝といった方が正しいかもしれません。
正規のストーリーの合間に作られるアニメの映画の感覚に近いです。

物語は、「月匠ゴーバン」の血統に連なるエリーゼという美女が特区に来訪したところから始まります。
彼女がミミコやジローを大きな事件へと巻き込んでいく……という展開です。

本編6巻直前の話ということで、この先に待ち受けている未来を知っているわけですが、それでも戦いの緊張感は一切削がれておりません。
剣の呼吸から武者震いまで、まるで視えているかのように流れ込んでくる文章には圧倒されます。
文章は量ではなく質で語るものだというのは当然なんですが、それを実践できているラノベ作家が一体どれだけいることやら。
あざの耕平さんの洗練された文章は、やはり一線を画していますね。

キャラクターでは、嬉しい再登場が何人かいました。
本編で出番のなくなったキャラや、短編でチョイ役で出てきたキャラなど懐かしさを感じました。
特に後者のキャラは、個人的にお気に入りだったので、あのまま埋もれさせることなく書いてくれたことに感謝したいですね。
誰のことかというと……まぁ、あとがきを読んでも分かるんだけど、一応ここでは伏せておきます。

それ以外にも、エリーゼをはじめとする新キャラクターたちが、既存キャラに負けないぐらい魅力たっぷりに描かれてます。
ジロー達の敵側にいる吸血鬼が、ただの三下キャラではないのもいいですね。

シリアスな連作の締めにある第7話「満月の夜に」は切なくも温かい話でした。
帯にもあった「あの夜の満月は、今も、輝いてる」という言葉は忘れられそうにありません。
いつかまた、こんな平和な特区の日々が帰ってくることを信じたいと思わされました。

そして、最後の短編集ということで過去編である「BLACK BLOOD CHRONICLE」も今回でラスト。
ドラゴンマガジン連載分が緊迫した連作だったためか、今までとは打って変わってギャグ路線でした。

内容は、ジローとカーサが密着しているところをアリスが見てしまい笑いながらキレるという話。
いやぁ、アリス怖いな……w
あのカーサが精神的に参っている姿が恐ろしさを倍増させます。
舞台が聖域ということで、初期に登場しながらも出番の少なかった北の黒姫とクロウもたっぷりと出番が用意されています。
何気に好きなキャラだったので嬉しかったです。

さて。
予定通りいけば、残すところ本編2巻分のみ、ですか。
待ち遠しいような寂しいような複雑な心境です。
とりあえず、ラスト2巻はテンション持続させて読みたいので、出来れば2ヶ月連続刊行にして欲しいなぁーと勝手な希望を言ってみたり。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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BLACK BLOOD BROTHERS 9-ブラック・ブラッド・ブラザーズ 黒蛇接近- 

BLACK BLOOD BROTHERS9  ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 黒蛇接近― (富士見ファンタジア文庫 96-15)BLACK BLOOD BROTHERS9 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 黒蛇接近― (富士見ファンタジア文庫 96-15)
(2008/06/20)
文庫

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【評価……A+
舞台 ★★★★★★★★★
 … 9
物語 ★★★★★★★★★
 … 9
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★★
 … 9
挿絵 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
オススメ度 ★★★★★★★★★★
 … 10
燃え ★★★★★★★★
 … 9
期待感 ★★★★★★★★
 … 9

「人と吸血鬼は共存することができると思いますか?」
ミミコは問いかける。
もしそうならば。手を取り合うことができるならば。いや、そんな未来が来ると信じるからこそ。頑張れる。たとえひとりぼっちでも。明日はきっと、ひとりじゃないって信じてるから。
十年前の香港で。今このシンガポールで。再び蘇る赤き血と黒き血の戦い。特区ではリンスケやバドリック、そしてサユカが、絶望的な状況の中、戦いを続ける。そんな中カーサたち『九龍の血統』は遂にシンガポールに上陸。狙いは今や『乙女』として世界の要となったミミコ!ミミコの危機にジローは間に合うのか!?

<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


やべえ!面白すぎる!

十分過ぎるほど身に染みていたはずなのに、もう凄すぎて笑うしかないね。

そんなBBBシリーズ第9巻です。
全てを網羅したわけでもないのに、現在続いているラノベシリーズ物でこの作品以上のものはないんじゃないかなと思えてしまうくらいクオリティが頭二つ分くらい飛び抜けてます。

7巻でSランクをつけたときに、今後7巻を超えるようなものは書けないんじゃないかと言いましたが、そんな心配もどこ吹く風。
やっぱりこの作者、スゲーわ。

1巻こそ掴みが微妙でしたが、それ以降は最初の1ページ、1行を読むだけで力強く物語に引き込んでくれます。
今回は、カラーページ1ページ目がそうでした。
開いてみた瞬間、ゾワッと体が震えましたよ。
本屋で見たとき、「他の本を悠長に眺めている場合じゃねえ!一刻も早く帰って読みてえ!」という気持ちになりました。

ストーリーは予想できそうで全然できません。
本来、血を吸ってしまえば転化させることができる『九龍の血統』は、小説的には非常に書きづらい要素のはずです。
何故なら、こういう一撃必殺の能力を持っていると、それだけで情勢を大きく変えることができるため、作者の観点からすると安易に乱用することができないはずなんですよ。
それに加えて、最終的には主人公側が勝つだろうというある種の安心感を持って読者は本を読んでいるため、実際に主人公サイドのキャラが危険に陥っても、心の底では大丈夫だろうと腹を括っていて、緊迫感が欠けてしまう――なんてこともあります。
そうなってしまったら、物語は盛り上がりません。

しかし、このBBBは違います。
本当にどう転ぶのかが分からないんです。
既にセイが『九龍の血統』の牙の前に倒れてしまったこともあって、誰がやられてもおかしくないという認識にさせられてしまっています。
安心感なってあったもんじゃありません。いつでもハラハラドキドキしっぱなしです。

逆からいうと、予想したくないという思いも強いですよねぇ。
この作品が、傑作として完結するためには、中途半端なエンディングはあってはなりません。
でもそうなると、どう足掻いても哀しい未来、いや、乗り越えないといけない現実が待っているわけで……。
どれだけの血がこれからも流れることになるのかと考えると、鬱になりそうで目を背けたくなってしまいます。

前回は、再出発の回だったことでバトルがほとんどありませんでしたが、今回は痺れる戦闘がありました。
血が流れるごとに、心揺さぶられました。。

いつものようにキャラ語りをすると片手では数えきれないくらいいます。
その中でも特に挙げるとすると、ジロー尾根崎会長でしょうか。
二人とも今巻で漢を上げ過ぎですよ。
この間やったBBBキャラソートは、この9巻が大きく影響してます。

ああ、カーサの存在を忘れるところでした。
サブタイトルにもあるように、カーサにとっても大きな局面を向かえた回でしたね。
彼女の深い因縁と複雑な想いに、哀しみを覚えずにはいられません。
あぁ、いつになったらカーサは報われる時が来るんだろう。

他にも短編の「BLACK BLOOD CHRONICLE」に出てきた吸血鬼たちも登場します。
ファンであれば、思わずニヤリとしてしまう演出がニクイ。

あと、今まで微妙だと感じていた絵が気合を入れなおしたかのように描かれていて嬉しかったです。
これくらいは描ける方だというのは分かっていましたので、手を抜いていたわけではないでしょうが、ようやく本腰を入れて描いてくれたか、という感じですね。

読み応え抜群のこのシリーズも、どうやらあとがきによるとあと2冊で終わりらしいです。
終わりのクロニクル』みたいに最後は1000ページとかでも大歓迎ですよ!

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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BLACK BLOOD BROTHERS s5-ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集- 

BLACK BLOOD BROTHERS S 5―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集 (5) (富士見ファンタジア文庫 96-14)BLACK BLOOD BROTHERS S 5―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集 (5) (富士見ファンタジア文庫 96-14)
(2008/02/20)
あざの 耕平

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【評価……B+
舞台 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆
 … 7

「……おかしい」
「なにがぁ?ミミちゃん」
「おかしいわ……こんなにのんびりまったり穏やかな毎日を送れるだなんて!」
「あ、ケチャップバーガーだっ食べていい?」
「だめよぜぇったいあり得ないわ!ケチャップバーガーむしゃむしゃ平和な日常なんて私の人生にあり得ない!はっ!これって何かおっきな災難の前触れ?嵐の前の静けさなのね!?」
「ミミコさん……言霊って知ってます?」
特区でもぐりの調停屋を開業した葛城ミミコ。扶養吸血鬼兄弟を抱えつつ心機一転奮起するが、不運の神に骨の髄まで愛されちゃってるミミコの下に舞い込むのは災難ばかり!?望月兄弟の活躍も見逃せない、帰ってきた日常(!?)編!

<本編5巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>

BBBシリーズ短編集第5弾。
第一部辺りを読んだ後でこの表紙をネットで見たとき、ネタバレじゃないか?と思いましたね。
樹優で終わって良かったです。

さて、今作はs4のミミコ波瀾万丈編直後の話となっています。
つまり、今回も5巻と6巻の間のお話ですね。
特区中を暴れまくったクイーンM編に比べると、ミミコは随分と大人しくなりましたが、それでも恒例のドタバタコメディが見ることが出来ます。s1~s3までのノリが戻ってきたと言っていいでしょう。
今回、短編は4話と少なめです。
その代わり過去編の『BLACK BLOOD CHRONICLE』にページ数が割かれているため、そちらが好きで短編集を読んでいる人はお勧めです。

短編は、1話にミミコ、2話にコタロウ、3話にジローの名前がサブタイトルが付いている通りのそれぞれがメインになる小話と、これまた恒例の絆創膏ネタの4話からなっています。
この中で面白かったのは、ジローの話ですね。
吸血鬼という永久の時の流れに生きる者の哀愁を漂わせているジローが、実に絵になります。
ジローが人間だった頃、果敢に吸血鬼に挑んでいったことを思い出して、あれからジローはどれだけ変わることができたのかなと考えされられました。

しかし、本作の一番の見所は、何といっても『BLACK BLOOD CHRONICLE』です。
ぶっちゃけ、この高評価の理由は中編『月と太陽のモンタージュ』のクオリティの高さに尽きると言っていいです。
BBCだけならA-評価にしたところです。

第二次世界大戦時中の裏で行われていた人間と吸血鬼の画策や陰謀が描かれたs4のエピソード。
あれより数年の戦後から混迷の50年間、時代の奔流に抗えきれない吸血鬼たちの姿が描かれています。
世界各所で起こる様々な重大事件が与えた影響は決して人間たちにだけではなく、闇の世界にも多大な影響がありました。
吸血鬼たちの困惑、予感、期待、哀しみ。そんな漠然とした感情の渦が、ある一点へと集中していきます。
それはどこかと言わなくても、ここまで読んできた読者なら当然分かるあの場所ですね。
こういう背景を踏まえた上で聖戦が起こったんだなぁと思うと感慨深いです。

今回のBBCは、登場メンバーの豪華さに目を惹かれます。
今までBBCに出てこなかった人物とか、懐かい顔まであって嬉しくなりました。
たとえて言うなら野球のオールスターチームにワクワクするような感じですかね。
主役メンバーに全く引けを取らない脇役たちが次々と登場します。

どのキャラクターのエピソードも素晴らしい中で、あえて一番印象深かったものを選ぶとするならば、僕は第6章を挙げますね。
誰のエピソードかというのは伏せますが、勘のいい人なら分かるかもしれません。
お約束ともいえなくもないですが、だからこそ胸に訴えるものがありました。
これは、ジローの視点からも見てみたい話だなぁ。
憎たらしいほど綺麗にまとめているけど、これ以上突っ込んだ話を書くのは野暮だと判断したんでしょうか。
お見事としかいいようがありませんね。

BBBは、本当に良いキャラが多すぎて困りますね。
敵味方関係なく脇役も含めて、見事にキャラが立っています。
おかげで、どのキャラにも生き残って欲しいと思いますよ。
これから起こる聖戦や衝撃(インパクト)、さらにその先に待ち受けているであろう未来を思うと、先が気になって読みたいはずなのに躊躇ってしまいそうです。
好きになることって辛いことだよなぁと親切にも教えてくれる、罪作りな作者ですね、ホントw

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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BLACK BLOOD BROTHERS s4-ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集- 

BLACK BLOOD BROTHERS S 4―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集 (4) (富士見ファンタジア文庫 96-12)BLACK BLOOD BROTHERS S 4―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集 (4) (富士見ファンタジア文庫 96-12)
(2007/07)
あざの 耕平

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【評価……B
舞台 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
オススメ度 ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
バカ ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6

「何がいけなかったのかしら、ジローさん?確かにあたしは役立たずで、孤児だからニートにすらなれないわよ?でもね、一生懸命理想を持って働いてたの。扶養吸血鬼を抱えて路頭に迷わなくちゃいけないほど、悪いことしてないわっ」
「ミ、ミミコさん、落ち着いて」
「ねえ、『貧すれば鈍す』って、人間究極的に追い込まれていくと、何も恐いものがなくなるって意味よね?」
「それは用法が間違っています!」
「……銀行強盗とかやってみようかぁ」
「あ、兄者~。ミミちゃんが壊れたよぅ」
カンパニーの調停員をクビになり、無職となった葛城ミミコ。頼りない吸血鬼兄弟を引き連れ進むべき、彼女の明日はどっちだ!?伝説のサクセス・ストーリー『クイーンM』編開幕!読めば君の人生に勇気が芽生える1冊……のハズ!?

<本編5巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>

BBBシリーズ短編集第4弾、「葛城ミミコ、波瀾万丈編」です。
色々なエピソードが語られる短編集においても、一際特殊な作品であることは間違いありません。
良くも悪くも好き嫌いが激しく分かれる本でしょうね。

第1話から第6話までは、いわゆる『クイーンM』編と呼ばれる連作です。
第5巻直後、『カンパニー』をクビになったミミコの転落人生が描かれています。
あれだけ本編ではシリアスだったのが夢だったのかと思う程に、ギャグ臭の強い中編です。
これを「悪ノリ最高!」と取るか、「やりすぎだろ……」と取るかで大きく評価が変わってきます。
好きな人は終始笑いっぱなしでしょうが、苦手な人はキャラが崩れすぎていて受け付けないかもしれませんね。

僕はというと、面白かったし楽しめたけど、さすがにハメを外しすぎじゃないかなーと感じました。
ミミコ、文字通り別人になっちゃってるしなー……w
コメディ作品として見ると、笑いどころもいっぱいあって凄く良く出来ているんですが、挿入するタイミングが悪かったかなと。
第二部は、ずっと張り詰めた雰囲気の中で進行しているので、合間にこういう裏事情があったと知ると何だかなぁと思っちゃいます。
短編集にて本編のシリアスなストーリーの価値を下げるのは、本末転倒ではないかと思うわけですよ。

……と、否定意見を先に述べましたが、笑わせてもらったのも事実。
それが作者に踊らされているようで、妙に悔しいw

ミミコの激しい浮き沈みっぷりは、ツッコミを入れる暇がないほどです。
情緒不安定にも程があるよw
まぁ、まだ18そこそこの娘だから仕方ないか……って、18歳の女の子にこんな芸当できねーよw

ミミコに巻き込まれる形で、周囲もどんどんギャグ化。
ジローやサユカを筆頭に犠牲者続出です。
s3に続き、サユカの砕けっぷりには本編のシリアスさの面影がまるでありません。
こんな裏面がある方が人間味があって、いいと思いますね。

おバカなミミコに引っ張られる形のストーリーは、意外にも(失礼)しっかりと出来ています。
一体、この『クイーンM』編はいつからプロットに組み込まれていたんでしょうね。
初期の段階からだとすると、それはそれで何か嫌だなぁw

『クイーンM』編のインパクトが強くて、ただでさえ地味なBBCがさらに地味に。
しかし、今巻書き下ろしの「黒き森の奥で」は、今まで以上にBBBの隠れざる真相に踏み込んだ話となっています。
本編のストーリーを追っかける上で、これは必読ものですよ!
個人的には、『クイーンM』編よりも面白かったですね。

香港編へと繋がる伏線が、ちらほらと見え隠れしています。
今回判明したことである程度先の話が予想つきますが、はてさて、この作品がそんなすんなりと行くでしょうか。
どう考えても、もう二転三転あるに違いないと思うんですが。
期待してますよ、あざの先生っ。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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BLACK BLOOD BROTHERS s3-ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集- 

BLACK BLOOD BROTHERS〈S3〉ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集 (富士見ファンタジア文庫)BLACK BLOOD BROTHERS〈S3〉ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集 (富士見ファンタジア文庫)
(2006/12)
あざの 耕平

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【評価……B
舞台 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6

「ジローさん、株やってたんだー」
「……ギク」
「さっすが百年以上生きてる古血。ただの剣術バカじゃなくって、生活設計も考えてたのねー。株で大儲けしてビバ優雅な生活、のハズだったのよね……!?」
「ミミコさん、聞いて下さいっ。ケインが絶対に損はさせないというからっ」
「自分のお給料を全部つぎ込んだあげく、丸損した言い訳がソレ!?世の中そんなに甘いワケないでしょうがぁっ!この経済観念破綻吸血鬼tぅ!!」
人間と吸血鬼のトラブルを処理する調停員・葛城ミミコと、その護衛・望月ジロ―とコタロウの兄弟。生活密着型から大規模犯罪まで、色んな事件を扱う彼らに安息の日はないっ!?新感覚吸血鬼ストーリー、労働と努力の短編集第3弾!

<本編3巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>

表紙絵のゼルマンとケインの顔色の悪さが気になるBBBシリーズ短編集第3弾です。
むしろジローの血色が良すぎるんでしょうか。

今回もまた脇役をメインにした話数本と、過去話である「BLACK BLOOD CHRONICLE」で構成されています。
ピックアップされているのは、ケイン・ゼルマン・サユカの3人。
ケインとゼルマンの話は結構シリアスですが、サユカはキャラ崩壊するくらいのギャグ短編です。

僕は先に第二部を読んでしまいましたが、できればこの短編集3巻までは事前に読んでおきたかったですね。
本編だけでは見られない一面が垣間見ることができるので、よりBBBの登場人物が好きになります。
ゼルマンとサユカのエピソードは、これを読んだ後に本編を読み直すと、感慨深いものがあります。

特に個人的に面白かったのは、あらすじにある場面。
第3話と第4話の間の挿話になるのですが、ジローとケインの仲の良さにニヤニヤw
なんだか、この二人も兄弟みたいだなぁと思いましたw
他のキャラの影に隠れがちなケインですが、彼がいるからこそ物語が盛り上がるんですよと強く言っておきたいです。

そして、締めくくるのはやはり良質な過去編。
BBCは、カーサが主人公と言って過言じゃないくらい、彼女の魅力がびっしりです。
コメディが苦手だから読んでいないというBBBファンがいたら、勿体なさすぎですよ。
カーサの心情が染みるように伝わってきて、これが本編へと繋がっていくんだなぁと思うと少し切なくなります。

世界情勢の描写の事細かさは、もはや世界史の教科書レベルを超えていますw
それなのに、読んでいて眠くなるどころか面白いなぁと感じるのは、何故なんでしょうか。
あざの耕平さんが監修する世界史の資料があれば、是非読んでみたいと思いますねw

総じて安定して楽しめる出来でした。
短編として見たら上々でしょう。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  BLACK_BLOOD_BROTHERS  あざの耕平  草河遊也  評価B 

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BLACK BLOOD BROTHERS s2-ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集- 

BLACK BLOOD BROTHERS S〈2〉ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集 (富士見ファンタジア文庫)BLACK BLOOD BROTHERS S〈2〉ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集 (富士見ファンタジア文庫)
(2006/06)
あざの 耕平

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【評価……B
舞台 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆
 … 7

「コタロウ君、自分たちの仕事ぶりについてどう思う?」
「兄者が悪者を退治して大活躍だよね!」
「……そうね。それで、倉庫ふたつと、隣接するビルの一部を壊したわよね」
「正義にギセイは必要なんだよ!」
「……実はあたし『カンパニー』の始末書連続提出記録を更新中なの。コレも護衛のアナタたちのおかげよねぇぇぇ」
「えへへ、それほどでもないよ!」
「くぅぅ、皮肉も通じないのか、こんのお気楽極楽吸血鬼兄弟っ!!」
これは人間と吸血鬼間に起きたトラブルを処理する若き調停員・葛城ミミコとその護衛たる吸血鬼の兄弟、望月ジロ―とコタロウの活躍を描いた物語……のハズです。新感覚吸血鬼ストーリー、労働とハードボイルドの短編集第2弾!!

<本編3巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>

BBBシリーズ短編集その2です。
やはり短編1巻と同様に、第1部と第2部の間に起こったことがコメディ色強めに描かれています。
しかし、今回はそれだけで終わらずに、シリアス面でも満足できる話があり、短編集なのに濃い一冊となっております。

まず、開いて1ページ目のカラーイラストで笑ったw
ミミコ、苦労しているよなぁ……。
短編集では性格変わってしまうのも致し方がないとさえ感じてきましたよ、ええ。

今巻で一番笑えたのは第5話の「特区の少年王」。
サブタイトルで察しが付くかと思われますが、セイがメインの短編です。
特区でも群を抜く大吸血鬼であるセイが、子供の姿そのままの幼さを見せるのが逆に違和感があるというか……シリアスな本編とのギャップが面白い。
コメディ短編としては、サブキャラにスポットライトを浴びせる部分も含めて、非常に質の良さを感じる話でした。

ストーリーとしては、第3話「ネズミたちの夜」や第4話「外よりきたる牙」も好きです。
1巻ではコメディに傾倒していましたが、こういう吸血鬼の持つ哀愁やら因果やらを描いた真面目な話を混ぜてくれた方が読んでいて飽きが来ませんね。
あと、短編ではミミコよりもジローが主役の話の方が面白いものが多いように感じます。

しかし、今回何といっても素晴らしいのが「BLACK BLOOD CHRONICLE」の「古城の一夜」です。
このs2からは、短編の最後に「BLACK BLOOD CHRONICLE」と呼ばれる過去編が書き下ろしで掲載されています。
正直、これだけでも短編を買う価値があると言っても過言じゃありません。

ジローが吸血鬼になって100年余り、その間に起きた歴史的事件を背景に吸血鬼たちの暗躍する姿が描かれています。
世界史の勉強にもなりますよ。冗談じゃなくてマジでw
ジロー、アリス、カーサの3人が歩んできた道を垣間見ることが出来て、より本編に深みを与える内容となっています。
特にカーサの印象は、変わるかもしれません。
『九龍の血統』に転化する前のカーサは、この巻だけではなく、今後の短編を含めて必見です。

BBBファンであれば、読んでおくべき本かと。
s1で肌に合わないと感じた方でも楽しめる可能性がありますので、良かったら手にとって貰いたいですね。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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BLACK BLOOD BROTHERS 8-ブラック・ブラッド・ブラザーズ 宣戦恋歌- 

BLACK BLOOD BROTHERS 8 (8) (富士見ファンタジア文庫 96-13)BLACK BLOOD BROTHERS 8 (8) (富士見ファンタジア文庫 96-13)
(2007/10)
あざの 耕平

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【評価……A-
舞台 ★★★★★★★★★
 … 9
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★★
 … 9
挿絵 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
オススメ度 ★★★★★★★★
 … 9
期待感 ★★★★★★★★
 … 9

「……いいんだね?」
そう尋ねる神父に、ミミコは頷いた。
「新生『カンパニー』の代表。あたしでよければ、お引き受けします」
吸血鬼と協力し、人間たちを避難させる少女の姿――崩壊する特区から全世界へ流されたこの映像が、ミミコの運命を変えた。世界中で注目される存在となった彼女は、二つの種族の共存の象徴として『カンパニー』代表になって欲しいという、尾根崎たちの依頼を受ける。
特区を奪還し、コタロウを――そしてジローを迎えに行くために、自分にできることは全てやろうと決意するミミコ。そんな時、突然現れた豪王・フォワードが、彼女にある提案をするのだが……!?
新感覚吸血鬼サーガ、新たなる運命が脈動する第8弾!

<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>

第3部開始!
壮絶な展開の中でまだ弱弱しかった希望の光が、徐々に収束していくBBB第8巻です。

第2部最終巻である7巻では、かなりの伏線を放出してしまったので、今回は張り直しの回ですね。
第1部も第2部も、ほとんどずっと特区を舞台にして繰り広げられていた物語に対して、第3部はワールドワイドになってます。
初期から設定が細かいなと思っていましたが、この期に及んで風呂敷を広げてくるとは、あっぱれです。

あれだけ前回派手にやったので、落差が激しいかなと思われましたが、なんのその。
まだ動き始めたばかりだというのに、wktkが止まりません。

新旧キャラが入り乱れ、さらに物語が複雑に絡みあっています。
終盤の場面転換は、読んでいて心踊らされました。
著者の文章力を改めて見せつけられましたね。

今巻の主役と言ってもいいミミコは、浮き沈みが激しい娘ですね。
確かに、今回のミミコにかかる重圧は計り知れないものがあります。
まだ18の少女だし、現実逃避したくなるのも当然だと思うんだけど、ちょっと悩み過ぎだったかな。
悲劇を重ね続け、その度に一回り大きくなってきたと思っていたので、今更そこで迷って欲しくなかったなぁ、と。

覚醒したミミコは誰にも止められない程の活躍を見せるけど、立ち止まることが頻繁にあるところが人間味溢れすぎてて、他の超人的なキャラ達と比べて荒削りな印象を受けます。
そこがミミコの魅力なんだろうなー。
ポテンシャルは、BBB登場キャラほぼ全てが一目買っているほどあるんだから、自分自身が報われるためにもミミコには是非頑張って欲しいですね。

そんなミミコをいい方向に導いてくれそうな、とある新キャラクターが素敵でした。
人間と吸血鬼の違いから、人間の素晴らしさをミミコと共に自分も教えられました。
しかも、ここで持ってくる伏線が実に巧いこと。
今回の一番感心されられたところでもありました。

その他にもミミコを支える人物たちの躍動が光ります。
特に尾根崎会長は、ミミコにとっての陣内の代わりを果たそうと必死になっているところが伝わってきます。
やっぱり彼は、生き残らないといけない人物だったと、張の判断に同感しました。

今まで以上にキャラクターが多くなっていますが、毎度のことながら混乱させられることは一切ありませんでした。
一つ難点を挙げるとすると、語ろうとすると即ネタバレに繋がるキャラが多すぎて困ることでしょうかw

既存キャラで動向が気になるのは、ケインとサユカかな。
ゼルマン様大好きだからというわけじゃなく、サユカのエピソードは良かったです。
サユカの人格変わってるし、まさかこの場面で笑わせてくれるとは思いもしなかったけどw

蒔きまくった種が徐々に芽を出していく様が見どころです。
きっと、第3部の終盤でこれらが華を咲かせてくれることでしょう。
今月発売の9巻が非常に待ち遠しいです。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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BLACK BLOOD BROTHERS 7-ブラック・ブラッド・ブラザーズ 王牙再臨- 

BLACK BLOOD BROTHERS 7 (7) (富士見ファンタジア文庫 96-11)BLACK BLOOD BROTHERS 7 (7) (富士見ファンタジア文庫 96-11)
(2007/04)
あざの 耕平

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【評価……S
舞台 ★★★★★★★★★★
 … 10
物語 ★★★★★★★★★★
 … 10
人物 ★★★★★★★★★★
 … 10
文章 ★★★★★★★★★
 … 9
挿絵 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
オススメ度 ★★★★★★★★
 … 10
燃え ★★★★★★★★★★
 … 10
完成度 ★★★★★★★★★★
 … 10

――いま、余らに必要なものは?
「覚悟を」
東の龍王セイに答えた賢者の一言は、特区の状況を端的に表現していた。
『赤い牙』への奇襲、そして『黄昏橋』の爆破で宣戦布告してきた『九龍の血統』。彼らの用意した罠は着々と機能し、父たる九龍王の遺灰を封じていた真銀刀を奪い、墓所の結界を消滅させた。状況は特区を守る側に、圧倒的に不利――。
ミミコは思い浮かべる。ゼルマンのそばにいると言ったサユカの顔。開戦を誇るように優雅に一礼するカーサの姿。彼女たちは、それぞれの“覚悟”を秘めていた。ならばあたしも、できることをしよう。
ジローさんと一緒に、戦い抜く覚悟を。今、特区で全てを乗り越え、新たなる力を生み出すための物語が始まる――。



凄い。

他に言葉が出てこないくらい、何と表現すればいいのか分からないくらい凄すぎる。
評価を限界突破のSランクにしたことで、少しでも僕が感じたこの本の凄さを伝えられているでしょうか。

著者が各所でスロースターターと言われる由縁がよーく分かりました。
7巻になってようやく真価を発揮するんですから、最初の数巻だけ読んだ人にとっては、あざの耕平の本当の実力を知らずじまいになってしまいますよ。
しかし、3巻をはじめ、ここまででも十分面白い内容を書いているわけですから、スロースターターというのはちょっと忍びない。
ここは、尻上がりと言っておきましょうw

5巻から始まった第2部は、この7巻で幕を閉じます。
6巻と7巻は続けて読むことを強くお勧めします。
まぁ、そんなこと言わなくても、6巻のあのラストを見て短編集に手を伸ばすことなんて出来ないかと思いますがね。
リアルタイムで追っていた人は、間に短編集が挟まれてヤキモキしたことでしょうw
良かった。ある程度巻数が発売されてから手を出してw


■ 物語
超大作映画に匹敵――いや、それを凌ぐほどの濃密で劇的な展開にただただ圧倒されます。
これまでに築き上げてきた様々なピースを土台にして、これでもか!と言わんばかりの大嵐が吹き荒れます。
見せ場の連続に息をつく暇なんて、とてもじゃないですがありません。

極上の一冊。
ボリュームも結構あるので、中途半端に読み進めるよりも時間がある時に間を置かずに読むことを激しく推奨します。
読了後は、続きが読みたい気持ちよりも、余韻に浸りたい思いの方が勝りました。
これほどまでの完成度の高さを誇るライトノベルは、後にも先のそうそうないでしょう。
僕が今まで読んできた本の中では、今作に並ぶ程の作品は2,3冊くらいしか知りませんね。


■ 燃え
いやはや燃えた燃えた。燃え過ぎた。
バトル物のラノベをあまり読んでこなかったということも多少ありますけど、燃え部門では間違いなく今まで読んできたラノベの中でトップに位置します。
予想だにしなかった展開と、期待通りの展開が絶妙のバランスでミックスされ、手に汗握るという言葉を身をもって実感させられました。

特区全土で火花が散っているため場面が目まぐるしく切り替わります。
各地での戦いの始まりに、鼓動の高まりを止められません。
そして、開戦後の、まるで吸血鬼になったかのように血が躍る程の興奮は、留まることを知りません。


■ キャラクター
様々な思いが錯綜し、そのどれもがとても重いものだというのがヒシヒシと伝わってきます。
心が張り裂かれるかのような想いに、涙腺が緩むのを自覚しました。

捨てキャラというのが、本当に一人たりともいない作品だなぁと感じてなりません。
これだけの数の登場人物をただ書き分けるだけでなく、しっかりと肉付けし、読者にドップリと感情移入させてくれる作者に感服いたしました。

キャラクターというのは作家の色が一番反映されやすい項目で、同じ作品内で似たようなキャラばっかりだったり、違う作品でも見たことがあるような造形だったりすることは少なくないかと思います。
あざの耕平さんの場合、引き出しが非常に多くて、被っていることがほとんどありません。
本物の人間が一人一人演じているかのようにさえ見えてきます。

特に男キャラは、同性でもカッコ良すぎて惚れてしまう人物に溢れかえっています。
中年男性を書かせたら、右に出るものないんじゃないでしょうか。
陣内は当然ながら、尾根崎会長や張など『カンパニー』の漢たちの生き様が素晴らしすぎます。

女キャラは、個人的にストライクど真ん中のキャラがいないということで、男キャラに比べると入れ込み具合は落ちてしまうんですが、それでも魅惑たっぷりのラインナップになっているかと。
ミミコ、カーサ、サユカ……。意志の力強い女性陣も見所の一つですね。
自分は、意志薄弱なアリスを推しますがねw


■ 総評
現段階では、紛れもなくBBBシリーズ最高傑作です。
今後、これ以上の盛り上がりを見させてくれるのか不安になるくらい、圧巻でした。
著者の実力に疑いの余地は一片たりともありませんが、あまりにも今作が傑作すぎて、これを超える物語を書き上げるのは至難の業ではないでしょうか。
ストーリーは、中盤よりも終盤の方が予想がつきやすいからね。
……といいつつ、そんな読者をあざ笑うかのような予想の遙か上を超えるクライマックスを期待w

締めも完璧。
綺麗すぎるまとめ方で、もう何というかお見事。

文句なしにSランクです。
これに満点の評価をつけなければ、今後付ける機会がないでしょう。
気にならないところがないわけでもないですが、まぁ突っ込むのも野暮ってもんです。

改めて、勧めてくれた八神さんに感謝!


以下、ネタバレ感想です。
どうしても今作の内容について語りたかったので、特別に折りたたんであります。

まだ読んでいない人は、絶対に見ないで下さい!
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テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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BLACK BLOOD BROTHERS 6-ブラック・ブラッド・ブラザーズ 九牙集結- 

BLACK BLOOD BROTHERS 6 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 九牙集結― (富士見ファンタジア文庫)BLACK BLOOD BROTHERS 6 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 九牙集結― (富士見ファンタジア文庫)
(2006/09/20)
あざの 耕平

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【評価……A
舞台 ★★★★★★★★★
 … 9
物語 ★★★★★★★★★
 … 9
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
オススメ度 ★★★★★★★★
 … 9
燃え ★★★★★★★★☆☆
 … 8

この身は、賢者の血統に捧げた。それが誇りだった……。吸血鬼・望月ジロ―は、苦い想いを噛み締める。
――今は、その運命が少し、つらい――。
『カンパニー』が招聘した吸血鬼化特殊部隊『赤い牙』。セイたちが黙秘を続ける九龍王の遺灰の在り処。カーサ率いる『九龍の血統』の特区攻略の兆し。幾多の不安要素が渦巻く中、それでもジローは、フリーの調停屋となったミミコと共に、充実した日々を過ごしていた。
しかし“血の宿命”が、その平穏を破る。血が命ずるままゼルマンとの死闘に臨むジロー。運命がもたらす戦いを通じ、彼は秘めたる想いを自覚する――。
誰もが己の内なる願いと直面する、新感覚吸血鬼サーガ、長編第6弾!

<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>

廻り始めた歯車が、もはや止まることのないところまで来た吸血鬼物語、第6巻。
いよいよ佳境に入ってきました。
広げた風呂敷をどのようにして折りたたんでいくのか、一瞬も目が離せません。

もう、この湧きあがる想いを何と表現したらいいんだろうか。
熱さや切なさで、胸が苦しいです。
この時を待っていたような、来て欲しくなかったような、自分の気持ちが分からなくなります。
そんな急展開が目前に迫っているのが肌に感じられます。

正直なところ、失敗した、と思いました。
出来る限り話の時系列に沿う形で読み進めていこうと思っていましたが、どうにもならくなってしまいましたから。
だって、こんなの読んだら続いて7巻を読まずにはいられないじゃないか!
5巻の引きなんて可愛いものだと思えてしまうくらい、今回の切り方は凶悪です。

時系列からいえば、5巻と6巻の間にs4、s5のサイドストーリーが挟まれます。
6巻にて一部キャラが意味深な発言をしていますが、それは短編集での話のことを指しています。
それらのことを理解して読みたいというのであれば、時系列順にs4、s5を6巻の前に手をつけるのもアリだと思います。
僕も当初はその予定でしたし。
しかし、一通り既刊を読み終えた今では、考え方が変わりました。
下手に短編集のコメディのノリで、本編の張り詰めた緊張感を途切れさせるよりかは、シリアスで重苦しい空気のまま物語に没頭した方が楽しめるんじゃないかなーと思います。

なので、BBBシリーズのお勧め順序としては、こうなります。
【本編1~3巻】→【本編4巻】、【短編1~3巻】→【本編5~7巻】→【本編8巻~】、【短編4,5巻~】

もちろん発売順や自分の読みたい順番に読んでもらっても構いませんよ。
もしどの順番で読めばいいか迷った時、参考になれば幸いです。

閑話休題。

これこそ誰もが主人公といって差し支えのない作品じゃないかなと思いますね。
敵側である『九龍の血統』でさえも感情移入どっぷりと入れ込めます。
だからこそ、争いが巻き起こる様を見ていて、複雑な心境になってしまいます。

脇役としてのポジションであるキャラたちも、主役に見えてしまうほど精彩を放つ活躍をしています。
それぞれに人生というものが平等にあるのだなと実感させられます。
キャラクターに命を吹き込むという点において、作者は芸術的なまでのレベルですね。
数えるのが大変なくらいキャラが登場する今シリーズで「コイツ、誰だっけ?」と思い出すのに苦労することが一切ありません。
キャラの特徴を実に巧くインプットさせてくれるので、新キャラが相次いで登場しても混乱せずに済みます。

そんな魅力的なキャラばかりなのに……なんだこの死亡フラグの山々は。
嫌な伏線ばかり張りやがってw
『九龍の血統』の存在自体、文字通り『血』が流れることを確定的にさせていますからねぇ。
この物語をどのようにして決着をつけるのか、興味が絶えません。

前巻は第二部開始ということで状況説明やらが多くて戦闘場面が少なめでした。
それを補って余りあるぐらい、今回はバトルが熱い熱い。
特区内でも指折りの実力者たちの戦いは、興奮しまくりでした。
口絵にもあるメインバトルは特に良くて、今までのバトルの中でも一番読み応えがあったんじゃないでしょうか。

しかし、毎度思うことですが、巻頭のカラーイラストのネタバレ率が高すぎますね。
盛り上がる場面を描いてくれるのは嬉しいんですけど、本文に入る前にある程度の流れが分かってしまいます。
もちろんこの作品に限らず、大方のラノベはそうなっているんですけど、BBBの場合、物語の後半部分過ぎるような気がしますね。

非戦闘員であるキャラたちにも見どころいっぱいです。
ミミコの揺れる心情には、切なさ以上に苦しさが込み上げてきます。
読んでいる途中、ミミコの溜息と同調して息を吐き出している自分に気付きました。

そんなミミコを育ての親としてではなく元上司として指導する陣内部長は、理想の上司を体現化していてやっぱりカッコ良すぎ。
香港聖戦でのジロー&陣内のタッグをいつか読んでみたいなぁ。

だらだらと語っている割に、内容が無味乾燥ですが、本の中身はホンモノです。
勢いのまま7巻を読むことを含めて推奨します。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  BLACK_BLOOD_BROTHERS  あざの耕平  草河遊也  評価A 

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BLACK BLOOD BROTHERS 5-ブラック・ブラッド・ブラザーズ 風雲急告- 

BLACK BLOOD BROTHERS〈5〉ブラック・ブラッド・ブラザーズ 風雲急告 (富士見ファンタジア文庫)BLACK BLOOD BROTHERS〈5〉ブラック・ブラッド・ブラザーズ 風雲急告 (富士見ファンタジア文庫)
(2006/02)
あざの 耕平草河 遊也

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【評価……A-
舞台 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
安定感 ★★★★★★★★
 … 9

……いい奴、なのに。
夕暮れ時の繁華街に佇む、人の血に手を染めた吸血鬼。その姿を見つめて、ミミコは思う。彼は同胞をかばっただけ。
――なのに、なぜこんなことに?
存在しないはずの“第11地区”の噂。そして実在した“九龍王の遺灰”。二つの要素が『カンパニー』と協定血族の関係に影を落とす中、吸血鬼の存在が公になる事件が発生した――。人間と吸血鬼の共存は、理想でしかないのか?それとも『九龍の血統』の陰謀なのか?不穏な風が吹く特区で、誰もが自分の道を探し迷走する。そして、調停員・葛城ミミコにも選択の時が迫っていた……。
望月兄弟の特区上陸から1年。運命の孵化が始まる新感覚吸血鬼ストーリー!!

<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>

BBBシリーズ第二部開始を告げる第5巻です。
今後の期待を抱かせるのに十分な出来となっていますね。
ってかね、次が気になり過ぎるんですよ、この最後の切り方w

第一部完結した3巻から1年後の話です。
ちなみに、この1年の間を描いた短編がs1~s3巻に収録されていて、時系列順に読んでも大丈夫なようになっています。

サブタイトルの付け方が絶妙ですね。
雲行きが怪しくなってきたと思ったら急転する物語に胸が踊らされます。
もう完全に引き込まれてしまいましたね。

まず、いきなり掴みが最強。
冒頭の2ページの文章が秀逸過ぎます。
2ページ目の文章を読んだとき、あれだけでゾクゾクと痺れました。
物語の導入として、これ以上ないシンプル且つ重みのある一文でした。

第一章「調停員葛城ミミコの日常」は、特区主要吸血鬼たちが第一部をおさらいするかのように登場します。
都合良くキャラが立ち替わるように出てくる見せ方は、アニメのOPを見ているようなテンポの良さがあって僕は好きですね。
どこか短編のノリが含んでいて、流れるように読み進めることが出来ます。

実質、本編といえるのは第二章「終わりの始まりの会議」から。
ここから、特区を包む空気が徐々に変わっていきます。
連鎖するかのように起こる事件に、吸血鬼もカンパニーも、そしてミミコも振り回されっぱなしです。

BBBで一番好きなキャラクターはゼルマンですけど、それに負けないくらい陣内が好きです。
ゼルマンの孤高なる気品の高さと、陣内の頭の回転の速さに惚れ惚れします。
そんな僕にとっては、二人の見せ場がある今巻は大満足でした。
この5巻に限れば、陣内の方がゼルマンよりも魅力が上かもしれないなぁ。
こんな上司がいるミミコたち調停員が羨ましいです。

多すぎるので自重しますが、他にも語りたいキャラがいくらでもいます。
中年オヤジの活躍が目立ちましたね。
渋いダンディなおじさまが好きな方には、満足してもらえるかと。
ラノベを読んでいる層に、どれだけそういう人がいるのか分かりませんけどねw

それに対して、主役であるジローは影薄め。
いつも物語が佳境に入ってこないと登場してこない主人公だなぁ……w

第二部に入っても安定した出来で何の心配もなく読めます。
いや、むしろスロースターターのエンジンがようやく暖まり出したところとも言えるのかなw

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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BLACK BLOOD BROTHERS s1-ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集- 

BLACK BLOOD BROTHERS (S)(1) ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集― (富士見ファンタジア文庫)BLACK BLOOD BROTHERS (S)(1) ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集― (富士見ファンタジア文庫)
(2005/07/20)
あざの 耕平

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【評価……B-
舞台 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
挿絵 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
オススメ度 ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5

■評価【B】⇒【B-】 2008.5.31修正

襲いかかる吸血鬼たちをなぎ倒し、赤き旋風は舞い降りた。の、だが……。
「狼藉者ども。この『銀刀』が相手です!」
「だぁぁっ!爽やかヒーロー風に登場したからって許されると思うな!そもそもジローさんが遅刻したから、ピンチに陥ったんでしょうが!!減俸の上、窓ふき、風呂掃除の罰則適応よっ!!」
「ああ、そんな殺生な!」
「黙んなさい!この役立たず吸血鬼!!」
人間と吸血鬼のトラブルを処理する、調停員・葛城ミミコは悩んでいた。最近、雇った護衛――『銀刀』の異名を持つ伝説の吸血鬼・望月ジロ―と、その弟のコタロウ。彼らが来てからあたしの不幸指数、メキメキ上がってるんじゃ……!?
新感覚吸血鬼ストーリー、血と汗と涙と労働の短編集登場!!

BBBシリーズ初の短編集です。
3巻以降の日常を描いた作品となっています。
発売順としては3巻と4巻の間に発売されていますが、4巻が過去編な上に、4巻のプロローグとエピローグが3巻直後のお話なので、時系列的にも4巻を読んだ後の方が読みやすいかもしれません。

中身はプロローグとエピローグを除けば、7話で構成されています。
1話ずつが割と短めの話になっていますね。1話辺り40ページくらいです。
本編と違って、9割がコメディになっているため、登場人物の異なる一面を垣間見ることが出来ます。
シリアスな話に下手な笑い話なんかいらねえ!って人は手を出さない方がいいかもしれません。
多少のキャラ崩壊が許容できる方でないと、付いていくのが辛い部分があります。

でも、短編で初登場したキャラがそのまま本編に関わってきたりもするため、抵抗ない方は是非。
読んでおくと、本編の物語も深く入り込めるかと思われます。

今回収録されている話は、全て月刊ドラゴンマガジンで連載したものです。
そのおかげなのか、イラストの枚数が多いのなんの。
1話につき、2,3枚は絵が挿入されています。しかも見せ場を集中的に描いているため、2,3ページめくればまたイラストがあるってことがザラです。
ほとんどの場合において、ラノベにはイラストが欠かせないものですが、絵の比率が高いってのも考えものですね。
漫画を読んでいる感覚に近づいてしまい、小説を読んでいるという意識が薄れます。
まぁ、贅沢なことを言っているとは思いますが、バランスも大事だなと感じました。

7話も入っているからバラエティに富んでいるんだろうなぁと思えば、似たような話が多いですね。
基本的に上記のあらすじのような流れです。
ミミコのピンチに遅れてきたジローが助ける図ばかりです。要するにお笑い用語でいう「天丼」です。
そんな本編では見られない登場人物たち――主にジロー、コタロウ、ミミコのメイン3人の壊れ気味の突っ走り具合が面白い。
笑い話で済ませられないぐらい危ない目に合っているミミコの怒りに共感を覚えます。吸血鬼兄弟、もうちょっとしっかり働けよ!とイラッとするのが正しい感性です、多分w

短編を読んで思いましたが、著者がスロースターターと呼ばれる由縁は、長編でこそ実力を発揮できるところにもあるのかもしれませんね。
決して悪くはないんですけど……何というか「普通に面白い」のではなく「面白いけど普通」って感じでした。
ギャーギャーと煩い連中のドタバタコメディがお好きな方なら、比較的気に入ってもらえるかな。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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BLACK BLOOD BROTHERS 4-ブラック・ブラッド・ブラザーズ 倫敦舞曲- 

BLACK BLOOD BROTHERS〈4〉ブラック・ブラッド・ブラザーズ 倫敦舞曲 (富士見ファンタジア文庫)BLACK BLOOD BROTHERS〈4〉ブラック・ブラッド・ブラザーズ 倫敦舞曲 (富士見ファンタジア文庫)
(2005/11)
あざの 耕平草河 遊也

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【評価……B+
舞台 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★☆☆☆☆☆☆
 … 4
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
安定感 ★★★★★★★★☆☆
 … 8

やっと見つけた。もう迷わない。己の剣を捧げる相手。共に人生を歩む少女。
だから、次郎は――異形の牙をむくアリスに、微笑みかける。
「……私の血が、必要ですか?」
1895年、ロンドン。留学中の大日本帝国海軍少尉・望月次郎は、連続殺人事件の捜査に関わることになる。『7年前に姿を消した切り裂きジャックが、吸血鬼になって戻ってきた』――そう噂される不可解な事件の影には、闇の世界の住人たちも絡んでいた。謎の男装の麗人・カサンドラ。その僕・ケイン。そして、月光の化身のようなアリス・イヴ……。
人間・望月次郎から、吸血鬼・望月ジロ―へ。これは長い長い闇の歴史における、知られざる一頁。百年の夜の、幕開けの物語。
―― その夜、わたしは恋におちた ――

<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>

ジローとアリスの出会い、そして、カーサとの因縁の始まりが描かれた過去話です。
短編集ではなく本編の4巻目に過去編を挟んでくるあたり、意図的な何かが感じられますね。
きっと、今後の伏線がこの段階で張られているのでしょうね。

時代も舞台も違うため、雰囲気がガラリと変わりました。
空気はまさしく産業革命真っ只中の近代ヨーロッパ。
風景や状況の描写が少し多めになっていて、世界の中に入り込みやすくなっています。
歴史の背景に興味がない人にとっては逆に辛いかも。
僕もすっかりその辺りの知識が抜け落ちていたことを実感しましたよ。

まぁでもそれは今作の副次的な面白味であって、もちろん本題は吸血鬼の話です。
人間である次郎がどのようにして吸血鬼と関わるようになり、いかにして転化を果たしたのか、その一部始終が明らかになります。
起承転結でいうところの「承」に比重が置かれていて、じっくり物語に没入できるようになっています。
それは丁寧に描かれているということですからいいことではあるんですが、その反面、「転」はまだいいとして、「結」に当たる部分が少し物足りないかなー。
質じゃなくて量がね。
結末がどうなるかは過去編なので予想がつくわけですけど、もう少しページ数を割いて描いて欲しかったですね。蛇足と捉えたのかな?
とはいえ、読み応えはありますので、十分お勧めできる本です。

登場キャラでは、とうとうアリスが本格的に登場です。
今までは顔見せ程度にしか出てきませんでしたので、どういうキャラなのか分かりませんでした。
まぁ、予想通りというか、予想以上というかw
天真爛漫でそこにいるだけで場が明るくなるような少女ですね。
真正の天然ボケかと思いきや、長年生きているだけあってシリアスなシーンではしっかりと締めてくれています。
BBBは好みのキャラが男に偏っていますが、アリスは結構好きになれそうです。
ミミコよりも好きかもしれないw

脇役も魅力的なキャラが多くて素敵。
実在の人物である秋山真之や、ナイスミドルなダール卿、渋さの光るロイド警部と、本当に男キャラはいいのが揃ってます。

いつも冒頭に2ページ分、プロローグ的な文章があるのですが、これがまた巧い。
冒頭で読んだときと、実際に本文中に出てきたときでは、まるで受ける印象が違います。
この言葉を選ぶセンスには、脱帽です。

3巻がハイテンションな内容だったため、そのまま読むと減速した気分になるかもしれません。
5巻からはまたノンストップで先が気になってしまうため、小粋なインターバルとして捉えるべきでしょう。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  BLACK_BLOOD_BROTHERS  あざの耕平  草河遊也  評価B+ 

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BLACK BLOOD BROTHERS 3-ブラック・ブラッド・ブラザーズ 特区震撼- 

BLACK BLOOD BROTHERS(3) -ブラック・ブラッド・ブラザーズ 特区震撼- (富士見ファンタジア文庫)BLACK BLOOD BROTHERS(3) -ブラック・ブラッド・ブラザーズ 特区震撼- (富士見ファンタジア文庫)
(2005/03/18)
あざの耕平

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【評価……A
舞台 ★★★★★★★★★
 … 9
物語 ★★★★★★★★★
 … 9
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★★
 … 9
挿絵 ★★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
オススメ度 ★★★★★★★★★★
 … 10
燃え ★★★★★★★★
 … 9

『ジローは、周りに目を向けなきゃ。もっと大きな流れになるために、ね』
昔。闇の母たる、彼女はそう言った。
そして今。目の前でミミコが告げる。
「あなたはちっぽけな流れでしかないの。……独りでいようとする限りは!」
吹き荒れる嵐の中で、ジローは思う。
何故、彼女たちはどんな時も、希望に満ちた眼差しを失わないのか――と。
世界で唯一、人間と吸血鬼が共存する場所・特区。しかし、忌むべき血族『九龍の血統』の暗躍で特区は崩壊の危機に直面していた!兄弟上陸事件、ついにクライマックスへ――。
赤も黒も、全ての“血”が交じり合う真実がここに在る、シリーズ第3弾!

この3巻は、2巻の後編であり、1巻から続く第1部の完結でもあります。
BBBを手に取った人は、どうかこの3巻までは読んで欲しいかなと思いますね。
1,2巻も十分楽しめましたが、今巻でこのシリーズの面白さが本物だと確信しました。
おかげで、残りを一気に買い集めましたよ。

<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>

いやー、とにかく熱い!
この一言に尽きますね。
ジローが焦り、ミミコが悩み苦しむ裏で、『九龍の血統』の恐怖が特区を包み込みます。
「特区震撼」というよりも、カンパニー震撼と言った方が適切かもしれませんね。
後半のスピード感溢れる展開には、テンションが上がりっぱなしです。
まるでドラマティックなアクション映画のように盛り上がる場面が止まりません。
近頃、燃え要素が不足しているなぁという方にお勧めですよ。

ジロー、コタロウ、ミミコ、カンパニー、そして『九龍の血統』の動向が、別々の方向に動き出したかと思えば、ラストに向かって収束していく様は凄いっすね。
まるでそれぞれの往く道が螺旋を描きつつ交わっていくかのような物語の完成度には驚かされます。
しかも、これで序章にすぎないというのですから、どれだけ壮大なストーリーなんだよ、とw

ただでさえ面白い物語をさらに深みを与えている要素として大きなものが設定とキャラクターですね。
2巻の感想でも言いましたが、プロットの完成度が半端じゃないです。
読めば読むほど明らかになっていく事実が、この吸血鬼ワールドを形成するほんの片鱗にすぎないというのを肌で感じてしまうんですから、練り込み具合には感服しますよ。

キャラクターは、主役よりも下手すると目立っているんじゃないかと思われるくらいの脇役たちがいい味を出しています。
頻繁に場面転換する小説の場合、続きが気になるタイミングで別のキャラの話を挿入されると高まった熱が引いてしまうこともありますが、BBBはどのキャラ達の話も読みたくて、それはそれで困ってしまうくらいですw

その中でも別格なのは、ゼルマン・クロック!
サユカが惚れるのも納得できる格好良さっ。やっぱりいいわー。
ヒール役らしい笑みが一々絵になる吸血鬼だことでw
様付けで呼ぶ信者がいるのも頷けますねw
コタロウとの掛け合いが、何だか微笑ましくて、この3巻の中でも随所のお気に入りシーンとなりました。

セイやケインの見せ場はもちろん、カンパニー組の活躍にも目を見張ります。
いまいちキャラがつかめなかった尾根崎会長のイメージがこれで固まりました。
そんな過去を秘めていたんですね。ちょっと意外でした。

一方、主人公のジローやミミコは、今回の件で互いに確かな一歩を踏んでいます。
ミミコがどれだけジローに近づけるか、見物ですね。
ライバルも障害も盛り沢山で、ミミコは本当に苦労しているよねぇ。

他にもカーサや陣内など、敵味方隔たりなく濃いキャラが勢揃いしています。
唯一足りていないかなと感じるのは、萌えキャラの存在かな?w
女の子よりも、年季の入った中年たちの方が魅力的に感じてしまうんだよねw
まぁ、カッコイイおじさんは大好きだし、萌えよりも燃え!の作柄だからいいんだけどさw

あざの耕平氏のポテンシャルを身をもって実感した一冊となりましたね。
評判の高さに、嘘偽りなしでした。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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