FC2ブログ

明日へと続く記憶

アニメ、ゲーム、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

01«1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.»03

神様のメモ帳8 

神様のメモ帳〈8〉 (電撃文庫)神様のメモ帳〈8〉 (電撃文庫)
(2011/09/10)
杉井 光

商品詳細を見る
読書期間:2011/10/18~2011/10/19

【評価……A-
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ミステリー





 ★★★★★★☆☆☆ … 7






 年末年始、四代目を悩ませていたのは頻発する雀荘荒らしだった。なぜか麻雀打ちとして駆り出された僕は、雀荘で奇妙な男と出逢う。雛村玄一郎――なんと四代目の父親!
 緊迫する親子勝負の裏で、雀荘荒らしをはじめ、無関係に見えたいくつもの事件が結びついていき、やがてよみがえるのは一年前のあの悪夢。
 「あの事件をもう一度、完膚無きまでに終わらせるんだ」
 アリスが、テツ先輩と四代目が、そして彩夏までもが、赤い悪夢の残り滓に突き動かされて走り出す――加速するニートティーン・ストーリー、第8弾!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


ニート探偵物語、第8弾。
アニメ化真っ最中の時期に発売されたのは、偶然ではないでしょうね。

あー、読み応えあるなぁ。
アニメの内容は残念でしたけど、やっぱりこのシリーズは面白いです。

電撃MAGAZINEに掲載された「三代目襲来」に書き下ろしを2編加えた一冊。
各章ごとにある程度話がまとまっているため短編集のようにも感じられますが、最後に収束していく物語の伏線がしっかりと全体に張られているため、長編としても読めなくないですね。
全3章を無理矢理まとめたのではなく、あえて別々の形の話を組み合わせることで一つの全体像を表現してみましたという感じ。
コメディとシリアスのバランスがよく、満足度が非常に高い本でしたね。

原点回帰となる物語には、強烈な牽引力がありました。
終わっていなかったあの事件を今度こそ締めるために、暗中模索ながらも足掻こうとする彼や彼女らの心情が痛いほどに伝わってきます。
正しいことを選択しているつもりなのに、己と大切な人を傷つけ、衝突してしまう。
何もかもが上手くいくなんてことはなく、ただひたすらに悲劇を繰り返す。
それでも、真実を知ることで、過去と向き合い前に進もうとする彼らの姿が目に焼きつきました。

もどかしいほどに、本当にどうしようもなく不器用な人間達ばかりですね。
一人一人のスキルは、カタギとは比べ物にならないのに、頑なまでに心の柔らかいところを誰にも触れさせようとはしません。
いや、だからこそ独りで全て片付けようとしてしまおうとするのか。
そんな人間を繋ぐナルミは、ニート探偵団や平坂組にとって、切り離せない懸け橋となりましたね。
ナルミ自身、根本的な逃げの性格は改善されていませんが、初期のような情けないだけの人間ではなくなりました。

彼の両親と出逢う第1章のエピソードは、四代目の信念と優しさが滲み出るような良い話でした。
ナルミの発想は、強引過ぎるものでしたけど、それが許せてしまえる世界というのが凄い。
あと、想像していたよりも大阪人の血が濃い両親が面白かったですね。
このまま眠らせるには勿体無いキャラだなと思いました。

4巻以降出番が極端に減った彩夏に再びスポットが当てられたことが、何よりも嬉しい。
ヒロイン的なポジションを剥奪され、脇役というかモブキャラに近いものがありましたからね。
しかし、事ある毎に記憶喪失前の彩夏と比較してしまう自分がいます。
同じ人間なのに、一度死んでしまったんだなぁと、しみじみと痛感してしまいます。
ここまで明確なまでに書き分けられる技量は素晴らしいの一言ですね。

毎回楽しんで読んでいますが、そろそろ伏せられたままのアリスの事情が知りたいところ。
もちろん終わって欲しいわけではないんですけどね。

シビアな現実と向き合い、大切な人との絆を護ろうとする話

スポンサーサイト



テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  神様のメモ帳  杉井光  岸田メル  評価A- 

△page top

神様のメモ帳7 

神様のメモ帳〈7〉 (電撃文庫)神様のメモ帳〈7〉 (電撃文庫)
(2011/07/08)
杉井 光

商品詳細を見る
読書期間:2011/8/2~2011/8/4

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ミステリー
家族愛




 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7





 クリスマスが近づき、探偵事務所のそばにあるホームレス公園の改装工事が始まろうとしていた。そんなある日、事務所にやってきた依頼客は、なんと売り出し中のアイドル歌手。子供の頃に失踪した父親そっくりのホームレスをその公園で見かけたのだという。
 父親捜しの過程で浮かび上がる、エアガンで武装したホームレス狩り集団。そして、なぜか探偵団を離脱する少佐。
 「これは自分ひとりでかたをつける」
 やがて――事件が起きる。僕が探偵助手として体験した中で、最も奇怪なあの事件が……戦慄のニートティーン・ストーリー、第7弾!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


自称ニート探偵、第7弾。
アニメ放送開始直後に刊行されたところをみると、狙って出したようですね。
売り上げは期待したほど伸びなかったようですけども。

今回は、ちょっと雰囲気が違う話。
ニート探偵団と交流のあるホームレスたちの中に、失踪した父親がいるという話が舞い込む。
その話を持ってきたのは現役のアイドルだった。
ナルミは二人の中を取り持とうとするが、そんな時に事件が起こる……という流れ。
これまでと異なるアットホームな温もりと哀しい冷たさを感じる物語でした。

元々このシリーズのストーリーは、スカッとするものは皆無です。
全てが丸く収まるハッピーエンドなんて見たことがありません。
アリスは死者の代弁者と名乗り、墓を暴くことを自虐的に捉える傾向がありますけど、重くのしかかる哀しみの中で、僅かな希望を見出してくれる大事なキッカケだと思います。
救われるとまではいかずとも、しばらく歩みを止めた後、またもう一度歩き出すことが出来るのは、ニート探偵やその助手のおかげでしょう。

ヤクザとか中国マフィアとかクスリといった、きな臭い話が関わっていないのが何とも珍しい。
ニート探偵団で唯一メインを張っていない少佐のターンがやってきましたが、立ち位置が微妙ですね。
父娘の親子ストーリーと、少佐のルートが別々すぎて、溶け込み合っていません。
もう少し積極的に絡み合う物語だと良かったんですけどね。

内容的にも、もどかしさが募るもので、ストレスは感じませんけど、モヤモヤとしました。
心情的に理解は出来ても納得は出来ない類ですね。

それにしても、ナルミの次なるターゲットはアイドルですか。さすがッス。
この天然ジゴロ、着々と人脈を開拓していってますね。
下っ端から兄貴と呼ばれるのも似合ってきたように感じますよ。

岸田メルさんのイラストは、初期から随分とテイストに変化が見られます。
好みの差はあるでしょうけど、今も昔も魅力的な絵だと思いますね。
ただ、アイドルの衣装が古臭いのは気になりましたけど。

優しさと残酷さが入り混じる結末に、複雑な想いが胸を埋めつくします

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  神様のメモ帳  杉井光  岸田メル  評価B+ 

△page top

神様のメモ帳 page.12「君と僕と彼女のこと」  

アニメ「神様のメモ帳」を最終回まで観ました。
ブログでは3話までしか感想を書いていませんでしたが、一応その後も観続けていたのは、それだけ原作が好きだったからです。
結果的には、下方修正された期待を上回ることはありませんでしたね。

Q. どうしてこうなった……
A. J.C.STAFFだから


と言いたくなるぐらいJCの爆死率が高い。
もちろん良作もあるんですが、優良な原作を駄作にすることが目立ちます。
どうやら自分だけではなく、世間的にもそういう認知となっているようで、今回の神メモで更にその名を轟かせたようです。

アニメ向きとは言い過ぎですが、映像化は難しい作品ではなかったはずです。
見た目が特徴的なキャラがいて、動きのあるシーンも多い。
ミステリーとしても話が楽しめるよう練られているため、ストーリーも問題なし。
普通に作れば、佳作以上の仕上がりになってもおかしくなかったはずなんです。

それが構成を変えてしまったことで、大幅に狂ってしまいました。
一本道の物語をぶつ切りして継ぎ接ぎだらけにした結果、登場人物の感情の推移に繋がりが消失しました。
オリジナルエピソードに1時間SPの1話をぶつけるくらいなら、他にやりようがあっただろうに。

それ以降もミスの連続。
2,3話が原作2巻の内容で、全く尺が足りていませんでした。
4話は唐突に挿入されたミンさん回で、短編としては完成度はまあまあでしたが順番が×。
何故か原作4巻だけは5~8話の4話も使っていて、しかもこれでも説明不足というオチ。
9話の野球回は、駆け足すぎて内容が浅すぎる。
10~12話で、ようやく原作1巻の内容でしたが、時すでに遅し。

何もかもが負の連鎖となっており、酷い有様でした。
なまじ絵だけはそこそこ安定していただけに、余計に脚本の悪さが際立ちます。

アリスの無意味に難解な台詞回しは、アニメに向いておらず、頭に入ってきません。
こういうところこそ、アニメの監督や脚本家の腕の見せ所だと思うんですがねぇ。
ただ可愛さだけを売りつけようとしたのは失敗でした。

原作1~3巻を順番通りにアニメ化してくれるだけで良かったのになぁ。
ガッカリです。

テーマ: 神様のメモ帳

ジャンル: アニメ・コミック

タグ: 神様のメモ帳 

△page top

神様のメモ帳 page.3「僕が二人にできること」 

もうこれギャグアニメじゃねえか。

展開が早過ぎる。
300ページ以上あるラノベ1巻分をアニメ2話で収めようなど、無茶苦茶すぎる。
ミステリー的な要素もあるのに、カット多用しすぎていて話が繋がっていません。
主人公を筆頭に、行動理由が意味不明で唐突すぎます。

原作厨である自分の意見は置いといても、アニメ単体で観た場合、話に無理があり過ぎる。
何を考えてこの構成にしたのか。
原作レイプと言われても仕方がない内容ですよ、これは。

まず、原作1巻を飛ばしたことが全てにおいて裏目に出ています。
大事件を乗り越えたからこそ得られた信頼関係がないため、何もかもが薄っぺらい。
ナルミが探偵助手になったことも、四代目と杯を交わすことになったのも、カタルシスが全然足りていません。
「は?いきなり何を言ってるのコイツ?」といった感じで唖然となります。

2巻の内容もほぼ別物状態です。
重要なサブキャラである依林を出さなかったのは、今後にも影響出るんじゃないでしょうか。
軸となるマネーロンダリングについて、もっと説明するべきでしょう。
原作既読済みであっても、理解が追い付きません。

はぁ、酷いなぁ……。
何故楽しみにしてたアニメを観て、憂鬱な気分にならなきゃいけないんだ。

テーマ: 神様のメモ帳

ジャンル: アニメ・コミック

タグ: 神様のメモ帳 

△page top

神様のメモ帳 page.2「君と旅行鞄」 

神様のメモ帳」2話を視聴しました。

ううーん、ちょっと嫌な予感がしてきました。
このままでは爆死しますよ、このアニメ。

どれもこれも噛み合っていない感じがしますね。
全体的な構成、原作&アニメの脚本、キャラクターのアニメ的魅力など、問題山積みです。

まず原作1巻を完全にすっ飛ばして、いきなり2巻の話に入ったことで、土台が作られておらず、登場人物たちの背景や行動が浅く見えてしまいます。
原作1巻の事件があったからこそ、ナルミがニート探偵団と密接に関わり合うようになったわけで、その辺りが全て省いてしまっているため、支柱となるべき要素が細すぎてグラグラ状態です。
オリジナル展開をするなら、それはそれで相応のストーリーを用意するべきだったのではないでしょうか。
1話で説明が付いたつもりなのかもしれませんが、全然足りていません。

さらに2話目の展開の早さも気になります。
繋がりを意識していない構成で、中身がスカスカです。
何故そういう流れになるのか理解が追い付きません。
原作未読の人は付いていけているんでしょうか。
中身がスカスカで、面白いところを見つけられるのか?ってレベルです。
適当に場面を切り貼りしているだけにしか見えませんよ。

アリスの回りくどい言葉選びは、ほぼ原作通りなんですけど、それは逆にアニメ的な変化を見せて欲しかった。
これじゃあ、厨二病を患った痛い女の子です。
右から左へ脳に引っかからずに言葉が流れていきます。
文語と口語では、受ける印象はまるで違うんですから、多少の工夫が必要だったと思います。

声優さんについては1話でも感想を書きましたが、やっぱり少佐とテツだけはないなぁ。
少佐は、まんまムッツリーニだし、テツはナヨナヨしていて声に張りがない。
どちらも声が悪いわけじゃないんだけど、キャラに合っていないように感じます。

四代目がナルミを信頼しているように見えるのが、不自然すぎます。
アニメでは大したことしていなし、絡みもほぼないのに。

まぁ、確かに原作2巻は、シリーズ内でも微妙な位置づけではあるんですけどね。
だからこそ、2話にして早くもこのエピソードを持ってきたことに、疑問を覚えます。

あと、どうでもいい突っ込みを一つ。
ナルミが探偵事務所に駆け込んだ際に、メオと彩夏の風呂上がりの姿を見つけて、ビンタを受けたシーン。
あの位置関係だと、わざわざ脱衣所から出てこないと彩夏はナルミを打てないと思うんですが。
細かいけれど、そういった甘さが目立ちます。

原作厨の戯言かもしれませんが、期待が大きかっただけに辛口になってしまいますね。
続きが怖くなってきました。

テーマ: 神様のメモ帳

ジャンル: アニメ・コミック

タグ: 神様のメモ帳 

△page top

神様のメモ帳 page.1「彼女について知っている二、三の事柄」 

個人的に今期一番の期待作「神様のメモ帳」の1話を観終わりました。
現在も刊行が続いているラノベの中でも、TOP10に入るお気に入り作品です。
アニメ化発表直後から期待していました。

アニメ単体として見るのであれば、ありだとは思います。
しかし、原作ファンからすると、これはない。

◆アニメオリジナルストーリー

わざわざ原作から大きく変えた理由は察しが付いています。
ヤクザもどきや裏社会はOKでも、クスリはNGということなんでしょう、きっと。
でも、そんなこと言ってたら、犯罪スレスレどころか真っ黒なネタばかりを扱うこの作品で、まともに原作エピソードを使用することは出来なくなりますよ。
8割ぐらいは、そっち系の話ですし。

いきなり原作と違う展開ってのは、設定が異なってくるから嫌なんですよねぇ。
彩夏との出会いは多少カットがあったもののそのままでしたが、アリスを除くニート探偵団との初接触を変更したのはいただけない。
ヒロさんがナルミに対して辛辣な言葉を浴びせる必要性はあったのか。

物語の内容的には、この作品らしいミステリー風味の話で悪くはなかったです。
キャラ紹介に大半の時間を割いているので、あっさりしていましたがね。

◆キャラクター

初期のアリスのウザったい語りは、声にするとさらに鬱陶しく感じますね。
文章でも慣れるまでは咀嚼するのに時間かかりました。
安易にデレて欲しくないとはいえ、しばらくこれだと可愛いとは思えないかもしれませんね。
あと、無駄というかあからさまなサービスシーンは要りません。

彩夏は良かったです。
もともと好きなキャラということもあって、動いている姿を見るだけでも感動しました。
ただ、ストーリー的に切ないほろ苦さが売りだったので、それが大幅にカットになりそうで少々不安。

声優さんは、ドラマCDの方が合っていたなぁ。
テツ、ヒロ、少佐、四代目のニート探偵団の男勢は特に。
彩夏はこれはこれでと思えたけれど、アリスはドラマCDよりも微妙でした。

◆設定

突っ込みどころが多い。

・アリスたちにとってのニートの定義がカットされている
・アリスの本名もカット
・壁殴りでひび割れさせるのは、いくらなんでもやりすぎ
・不自然にエロ要素を混ぜている
・四代目の服装が浮いていてダサイ
・電柱と岩男のキャラデザが違う

◆総評

1話目ということを差し引いても、作画は素晴らしかった。
OPの動きや風景の美麗さなど見応えありました。
原作を無視すれば、話もそこそこ面白かったです。

原作とアニメは別物とは、よく言われるフレーズですが、この作品にも当てはまるようですね。
最終的に、それが良い意味として捉えられるようになっていればいいのですが。

テーマ: 神様のメモ帳

ジャンル: アニメ・コミック

タグ: 神様のメモ帳 

△page top

神様のメモ帳6 

神様のメモ帳〈6〉 (電撃文庫)神様のメモ帳〈6〉 (電撃文庫)
(2011/02/10)
杉井 光

商品詳細を見る
読書期間:2011/3/25

【評価……A-
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ミステリー
世界観




 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8





 高校の文化祭が押し迫る晩秋、ラーメンはなまるにやってきたのは、チャイナマフィアの後継者兄妹。なんとミンさんの親戚だという。ミン父・花田勝の引き起こした事件をきっかけに、なぜか持ち上がるミンさんの縁談。それに憤然と立ち上がったのは、ヒロさんだった。
 「おれからの依頼。この婚約、ぶっ壊してくれ」
 ヒモのくせして、ついにミンさんに本気!二転三転の結婚騒動を描いた「電撃MAGAZINE」掲載作に、ヒロさんの師匠初登場の書き下ろし短編『ジゴロ先生、最後の授業』を加えた、大ボリュームのニートティーン・ストーリー第6弾!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


ニート探偵第6弾。
帯にてアニメ化が発表され、これから活気づくことが期待される人気シリーズです。

今回は、ニート探偵団のうちの一人であるヒロさん、そしてラーメンはなまるの現店主であるミンさんを主軸に置いたお話……であるのは間違いなのですが、それだけでは終わりませんでした。
冒頭やあとがきで語っている通り、これはある一人の男の物語でした。

熱い、切ない、楽しい……作品を評価する上で、色々な形容詞がありますが、この本の場合、面白いというシンプルな言葉が一番ピッタリときます。
どっぷりと漬かることのできる物語は、読了後の充実感が素晴らしく、とても良い時間の過ごし方をしたなぁという満足感を得られます。

ヘタレ気味のナルミが致命的なミスを犯し、終盤で起死回生の案を提示する流れは、もはや様式美。
今回はミステリー要素は少なめで、伏線が分かりやす過ぎたので、途中で作戦なども予想がついてしまいましたが、最後のオチは死角から殴られたようにガツンと来ました。
ううむ、これは何とも言葉にし辛い。

ニート探偵団を始めとしたキャラクターの立ち具合は、まさにお見事。
登場人物が纏う空気さえも感覚的に伝わってくるほどに、明確に色付けされた描写が凄い。
ナルミなんて、高校生活を送っていることに違和感すら覚えるほどニートが様になってきましたしw

アリスのデレ期がますます加速していて、ナルミに対する挙動が取り乱すことが多くなってますね。
相変わらず犯罪的なまでの鈍感っぷりを発揮しているナルミですが、彩夏推しの立場ということもあって、あまり腹が立ちません。
本人は無意識の天然系ジゴロになりつつありますが、果たしてこれは成長と呼べるんでしょうかw

彩夏をもっと絡めた青春模様が見てみたいなぁ。
今となっては、どちらもほとんど意識していないようで、寂しい気持ちになります。
アリスが妬くような展開になれば面白いんですがね。

書き下ろし短編である「ジゴロ先生、最後の授業」も良かったです。
ヒモも、ここまで来ると屑を通り越して立派に見えるというのが、よく分かりましたw

岸田メルさんのイラストは、塗りが丁寧で惹きこまれます。
微妙にリアルらしさも入り混じっていて、無二の絵師さんだなぁと思わされます。

さて、次は順番で行けば少佐の番なのかな?
アニメ直前に発売されるそうですが、待ち遠しいですね。

ミンさんの結婚騒動の裏で泥臭く躍動する男達の格好良さに惚れます

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  神様のメモ帳  杉井光  岸田メル  評価A- 

△page top

電撃文庫アニメ化ラッシュ 

電撃文庫のアニメラッシュが凄い。
早売りされている今月の電撃文庫をゲットした人の報告で、一気に3つもアニメ化が発表されています。
ソースは、挟み込んである電撃の缶詰で、大手ニュースサイトに画像がうpされているので、まだ見ていない人は要チェックです。

▼電撃文庫『ロウきゅーぶ!』&『神様のメモ帳』がアニメ化決定!
http://yaraon.blog109.fc2.com/blog-entry-714.html

ロウきゅーぶ!」は、いつかはアニメ化するだろうなと思っていましたが、予想以上に早かった。
きっとバスケではなく、ロリに傾倒したアニメになるんだろうなぁ。
もしかして、例の条例を意識して早めにアニメ化に動いたとか……考えすぎかなw

それにしても、同期であり毎回仲良く発売している「アクセル・ワールド」は見送りなんですね。
まぁ、あれはまだまだ物語の全貌が明らかになってないから仕方ないか。

神様のメモ帳」は、初期こそ刊行ペースが早かったものの、途中で停滞してしまっていたから、アニメ化まで持っていくのは無理だと思っていました。
これはおそらく、絵師の岸田メルさんの株が急上昇したことが関係しているんでしょうね。
アニメでは「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」、ゲームでは「ロロナのアトリエ」で注目を浴び、今春にもさらにアニメ「花咲くいろは」が放送されるということで、旬のイラストレーターさんを活用しない手はないでしょう。
内容も言うまでもなく素晴らしいのだけど、だからこそ不安だ。

▼川上稔『境界線上のホライゾン』がサンライズでアニメ化決定!
http://yaraon.blog109.fc2.com/blog-entry-716.html

そして、一番意外だったのが、まさかのラノベ界の鈍器こと「境界線上のホライゾン」アニメ化。
しかも、サンライズ……だと……!?
どこまで本気でやる気なのか。
もし完璧に原作再現したならば、とんでもないことになるだろうけど、あの物量は無理だろうなw
中途半端になって、原作ファン憤怒ってことにならなきゃいいけど。
「終わりのクロニクル」だったら、完結しているからペース配分も計算しやすいんだけどね。

▼『電波女と青春男』アニメ版のキャラデザに覇権オーラ確認
http://yaraon.blog109.fc2.com/blog-entry-720.html

こちらは、放送が近づいてきた「電波女と青春男」のアニメ続報。
ブリキさんの絵を再現するのは、難しいだろうと思っていたけれど、あら可愛い。
このクオリティで動いたらいいんだけど、それは欲張り過ぎかな。
原作が何故か4月に2冊発売するのもアニメと何か関係あるのだろうか。

果たしてこのうち、いくつがヒットして、いくつが爆死するのかね。

テーマ: アニメ

ジャンル: アニメ・コミック

タグ: ロウきゅーぶ!  神様のメモ帳  境界線上のホライゾン  電波女と青春男 

△page top

神様のメモ帳5 

神様のメモ帳〈5〉 (電撃文庫)神様のメモ帳〈5〉 (電撃文庫)
(2010/05/10)
杉井 光

商品詳細を見る
読書期間:2010/5/11~2010/5/13

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ミステリー
青春
燃え



 ★★★★★★☆☆☆☆ … 6
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7




 ニート探偵アリスとその助手である僕は、深刻な事件の合間にも、ばかばかしくてつまらない、けれど忘れられない揉め事にいくつも巻き込まれている。今回はそんな僕らの事件簿から、いくつかをご紹介しよう――
 ミンさんを巡るストーカー事件「はなまるスープ顛末」、アリスご執心の酒屋を襲った営業妨害事件「探偵の愛した博士」、平坂組のバカども総勢を巻き込んだ誘拐事件「大バカ仁侠入門編」に、特大100ページ書き下ろしのオールスター野球騒動「あの夏の21球」を収録。
 泣き笑いの日常満載のニートティーン・ストーリー、待望の短編集が登場!

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


ニート探偵、初の短編集。
不器用な人間達の甘さとほろ苦さが混ざり合った、味わいのあるエピソードが収録されています。

あー、面白かったぁー。
思わずそう独り言を呟いてしまうほど、満足させられる本でした。

短編ということで、いつもと比べると物語はシンプルかつコメディ寄りなものとなっています。
紙幅が限られていると、裏をかかれることもなく、事件も推理しやすくなってしまう欠点がありますが、それでもなお十分すぎる読み応えがあり、各エピソードの読了後は充実感に浸ることができます。
雑誌掲載した名残で、短編内で初出するキャラに軽い説明が入るのは分かっていてもクドかったけれども。

はなまるスープ顛末
ラーメン「はなまる」の店主であるミンさんのおっぱいの話。
……いやいや、語弊はないですよ、ええ!
基本的にミンさんは性格きつめですから、たまに優しくされると惚れてしまいます。
これがギャップ萌えの威力かッ……!
まぁ、普通にイイお話でした。

探偵の愛した博士
ミンさんの同窓生が経営している酒屋の酒に異物が混入させられた話。
アリスが酒屋の店主に恋心を抱いていると勘違いするナルミには違和感あったなぁ。
いつもの鈍感っぷりからすると、アリスに対して特別な感情は一切ないと思っていたので。

大バカ任侠入門編
サブタイトルの時点でアホな話と思っていました。
予想通り平坂組のおバカな面々のやり取りが笑えたんですが、それだけではなくて、ストーリーとしてもきちんと成り立っているのが凄い。
幸せを築くことがどれだけ難しいことなのかを教えてくれる、いつものニート探偵らしい話でした。

あの二十一球の夏
ひょんなことから野球をすることになるニート軍団たちを描いた書き下ろし。
あらすじ通り、懐かしい顔も含めて全員集合となる贅沢な短編でした。
物語の畳み方が秀逸で、爽快感と笑いのあるオチが素晴らしかった。
しかし、ナルミの青春は何故かいつも相手がヤクザだなぁw
今回の短編集で、このエピソードが一番面白くて熱かった。

このシリーズは、作品内の雰囲気を感じるどころか、読書中は、その世界に引き込まれてしまいますね。
自分もナルミを通して、ニートたちの仲間になった気分が味わえるのが魅力的です。
楽しさも緊張感も自分自身が体感しているようで、夢中になれます。

挿絵も、一部ギャグ絵を除き、濃いタッチで良質なものばかりでした。
岩男と電柱の絵がありましたが、ミンさんのおっぱいとは別の意味で頬が緩まされますw

唯一残念な点を挙げると、彩夏の出番が少なかったこと。
アリス好きにはたまらない回でしたでしょうが、彩夏好きには物足りませんでした。
彩夏との甘く切ない青春話が欲しいなぁ。

引きこもりやニートが誰かの幸せを守るために奮闘する心温まる短編集

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  神様のメモ帳  杉井光  岸田メル  評価B+ 

△page top

ドラマCD 神様のメモ帳「おしゃれサギ師の末路」 

『神様のメモ帳』ドラマCD『神様のメモ帳』ドラマCD
(2009/07/08)
イメージ・アルバム寿美菜子

商品詳細を見る

電撃文庫「神様のメモ帳」のドラマCDを購入しました。
ラノベ原作のドラマCDを買うのは、バカテスに次いでこれで2回目です。

購入理由としては、好きな作品だから単純に聞いてみたかったってのが一つ。
もう一つは、原作4巻で僅かに匂わせていた内容が気になったからです。

で、聞いてみた感想はというと……うん、まぁ悪くない出来でした。
なかなか面白かったと思います。
「神様のメモ帳」ファンで、ドラマCDという媒体に抵抗がない人なら概ね楽しめるんじゃないでしょうか。

ドラマCDとしては、そこそこ尺がある方で、全部で74分もの長さがあります。
上手い事まとまっていて、ストーリーそのものも楽しめました。
しかし、原作小説の凝縮された話と比べると、やはりどうしても簡素な印象を受けてしまいますね。
まぁ、セリフだけで構成するドラマCDでは限界があるので、仕方のないことではあるんですけどね。

欲を言えば、ゲストキャラよりもレギュラーメンバーの台詞を増やして欲しかったかな。
それでも主要人物にちゃんと見せ場が用意されているのは好印象でした。

キャラの声は大体合っていたと思います。
ナルミ役の阿部敦さんはバッチリでした。
禁書の上条さんの声で聞いたことはあったけど、こういうヘタレ系キャラでも案外イイね。

アリスは一番微妙だったかも。
寿美菜子さんといえば、「けいおん!」のムギ役で有名で、売り出し中の若手声優の一人です。
確かにアリスはキャラ的に淡々と同じトーンで喋るキャラではありますが、これは棒読みすぎるかなぁ。
声質は個人的なイメージとは違うだけで、アリかナシかといえば、アリだと思いますが。

少佐は幼さが残るダミ声で、まさに想像通りでした。
テツさんも演技が巧く、格好良い声で良かったです。
ヒロさん役は間島淳司さんで驚きましたが、配役的には間違ってませんね。合ってました。
四代目は渋くて野太かった。いくつだコイツと思いながら聞いてましたw
ミンさんはちょっと若々しいかなと思わないでもないですが、姉御肌の雰囲気は完璧でした。
彩夏は素直に可愛かったですw

そして、オリジナルキャラの相賀沢淳役の藤原啓示さんの暴走が面白すぎましたw
これは声だからこそ伝わってくるニュアンスですね。

当然、原作を読んでいなければ分からないネタばかりです。
ですが、原作を読んでいる人がみんな読まないといけないような内容かと問われればNOでしょうね。
岸田メルさんのイラストもジャケット以外は、オリキャラの絵が一枚あるだけで、いつもの面子は使い回しでしたしね。
個人的には買ってよかったと思えましたが、そんなに積極的にはお勧めできないかなといった評価に落ち着きそうです。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 神様のメモ帳 

△page top

神様のメモ帳4 

神様のメモ帳〈4〉 (電撃文庫)神様のメモ帳〈4〉 (電撃文庫)
(2009/07/10)
杉井 光

商品詳細を見る
読書期間:2009/7/22

【評価……A-
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★★
 … 9
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ミステリー ★★★★★★☆☆☆
 … 7
燃え ★★★★★★★★☆☆
 … 8

あの男が戻ってきた――四代目率いる不良少年チーム・平坂組の、もう一人の創設者、平坂。
折しも四代目は音楽イベントの運営に乗り出し、夏休み中の僕もその手伝いに駆り出される。しかし平坂の指示で動く不良たちが次々に妨害工作をしかけ、やがて平坂組との全面対決に突入する。
四代目は平坂との間になにがあったのかも語らず、僕らの協力を突っぱね、かつての友とひとりで戦おうとする。
「四代目は間違っている。ぼくは今、探偵の禁を犯す」――ニート探偵アリスがえぐり出す、五年前の悲劇の真実とは!?
白熱のニートティーン・ストーリー、第4弾。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


ニート探偵第4弾。
3巻で最終巻か?という噂もあったから、続いてくれて良かったです。

まさに隙のない良作。

久しぶりの今シリーズでしたが、クオリティは落ちることなく、むしろ面白くなって帰ってきました。
話が気になって、夢中で読みふけりましたよ。

今回の主役は四代目こと雛村壮一郎
かつて、四代目と共に組を立ち上げた人物・平坂が戻ってきたところから物語が始まります。
何故か四代目が運営するイベントを潰そうとする平坂と知り合ってしまったナルミは、対立の渦中に巻き込まれていく……というお話。

いやはや、熱いなーこれ。
四代目と平坂の絆、諦めないナルミの想い、そして何より四代目とナルミの信頼関係に胸が熱くなりました。

他のニート達がハイスペック過ぎるだけで、ナルミも相当動ける範囲が広くなったなぁ。
精神的に不安定なところはあるけれど、もうこのまま普通に社会に出ることもできるよ、きっと。
初期の頃はヘタレっぷりに腹が立ったこともありましたが、随分と成長しましたね。
素直にカッコイイと思いました。

しかし、それとは反比例するかのように作中ではナルミの罵られようが加速しています。
みんなで寄ってたかってナルミを口撃するのが酷過ぎて面白い。
素でナルミを追い詰める彩夏やミンさんの毒舌は特に最高。
彩夏、こんなに黒いキャラだったかなぁ……?w

まぁ、確かにナルミが格好良く見えるのは、相対的に平坂組の面々がおバカすぎるという点もありますね。
あの仁侠バカたちが喋るたびに笑えて仕方ありません。
コイツら大好きだ。

逆にアリスは、ナルミに対して好意がだだ漏れ状態で、ニヤニヤとさせてくれます。
ツンデレと鈍感な二人だから、発展するのには時間かかるだろうなぁw

岸田メルさんのイラストは、さらに少し変わってきていますね。
どちらも綺麗な絵で素晴らしいことには間違いありません。

やっぱりこのシリーズは好きだなー。
次は誰の話になるのは今からワクワクします。
個人的には、ミンさんの話が早く読みたいな。

隠された優しい嘘を暴く探偵物語

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  神様のメモ帳  杉井光  岸田メル  評価A- 

△page top

神様のメモ帳3 

神様のメモ帳〈3〉 (電撃文庫)神様のメモ帳〈3〉 (電撃文庫)
(2008/06/10)
杉井 光

商品詳細を見る

【評価……B+
舞台 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
ミステリー ★★★★★★☆☆☆
 … 7

彩夏が戻ってきた。冬の事件の後遺症で、僕との過去をみんな忘れて――。
ぎこちない関係のまま、僕らが昔通りの園芸部の活動を再開した矢先、僕は生徒会長に呼び出される。
「園芸部は廃部にするから」
廃部の理由である、設立時のうさんくさい経緯を調べていくうちに、四年前の不可解な生徒死亡事件が浮かび上がる。その容疑者は、テツ先輩だった。口を噤み協力を拒否するテツ先輩とニート探偵団を敵に回しアリスと僕は捜査を始める。
はたして事件の真相は、そして彩夏と僕の居場所である園芸部の存続は?
緊迫のニートティーン・ストーリー、第3弾!

【感想】 <前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>

ニート探偵第3弾。
世間一般の使われているニートの定義とは、少し異なる若者たちの物語。

久しぶりの今シリーズですが、一時は打ち切りかと残念に思っていました。
「さよならピアノソナタ」が単発物で終わるかと思いきやシリーズ化されましたからね。
さらに他レーベルでも執筆している中、この「神様のメモ帳」も書き上げるんですから執筆速度はラノベ作家の中でも随一ではないでしょうか。

ただ、読む前から一つの不安が自分の中にありました。
「神様のメモ帳」も「さよならピアノソナタ」も2巻にて、主人公があまり好きになれなかったので、もしかしたら作者との相性が悪いのかなぁと感じていたんです。
設定に惹かれるものがあっても、キャラに好感を持てなければライトノベルとしては厳しいですからね。
この「神様のメモ帳」3巻は非常に評判が良かったので、逆にこれでまた合わないと感じたら、これから杉井光さんの本を読むのは躊躇ってしまうなぁと思っていました。

しかし、それは杞憂に終わりました。

声を大にして言いましょう。面白かった!と。

これまでとストーリーの取っ付きやすさが段違いですね。
巻き込まれた非日常の世界の話と違い、今回の話は主人公のナルミ側で起こる話なので動機が明確でイイ。
スッキリと読みやすい文章で、ほとんど詰まることなく読み切りました。
アリスの独特の言い回しも悪くないですが、自分にはこのくらいが適度でいいですね。

彩夏が戻ってきてくれたのが何よりも嬉しいなぁー。
以前までの彼女とは違うけれど、それでも「ラーメンはなまる」に集うニート達にとって彩夏の存在は大きすぎる。
2巻はそれが物足りなかったんですよね。

インパクトに関しては1巻を超えるのは難しいけど、構成に関してはこちらのが上。
まるで最終巻のように綺麗に伏線消化しています。
ナルミと彩夏の話は、見事に完結したと言ってもいいでしょう。
記憶を失ってどのように振る舞えばいいのかと悩む彩夏と、もともと不器用な性格のナルミが、言葉を交わして向き合っていく様は心が温まりましたね。

2巻の感想でヘタレと称した主人公のナルミは、生まれ変わったかのように積極的に動いてます。
彩夏が帰ってきたことに対して、自分自身の感情に上手く整理付けられていないところなんかは、見ていてもどかしかった。
もう一言かければいいと分かっていても、反応が怖くてかけられない気持ちは共感できますね。

あと、とうとうアリスにデレ期が到来したようです。
こんなにも分かりやすいツンデレキャラになるとは。
ロリっ子のデレはいいね。うむうむ。

ロリといえば、イラストの幼児化現象は歯止めが利きませんね。
特にアリスは、1巻の時より明らかに年齢下がっているだろうとツッコミを入れざる得ません。
個人的には、前の方が好きだったかなぁ。

これで完結と言われても不思議ではない終わり方でしたが、これって続き出るのでしょうかね?
ああでも、アリスの過去の話については全然触れられていないんで、それを最後に持ってくるのかな。
どちらにせよ、続きが出たら絶対に買いますね。
「さよならピアノソナタ」よりもこちらを優先して書いてくれないかなー。

そういえば、この作品に出てくるニートたちって、人見知りしないですよねぇ。
現実のニートとは大違いだなw

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  神様のメモ帳  杉井光  岸田メル  評価B+ 

△page top

神様のメモ帳2 

神様のメモ帳 2 (2) (電撃文庫 す 9-5)神様のメモ帳 2 (2) (電撃文庫 す 9-5)
(2007/06)
杉井 光

商品詳細を見る

【評価……B
舞台 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6

春休みのある日、NEET探偵事務所に駆け込んできた依頼主は、変にテンションの高いタイ人の女の子だった。
失踪した彼女の父親が残したバッグに入っていたのは、二億円もの大金。
彼女の依頼は、「お父さんを、助けて」
ひきこもりパジャマ少女の《ニート探偵》ことアリスと、その助手である僕は、ニート探偵団のテツ先輩、少佐、ヒロさんの力も借りて調査を始める。街の不良を束ねる四代目まで巻き込んでやがて事件は思わぬ方向へと転がり始めるが――
情けなくておかしくて、だけどほんの少し勇気がでる、青春ニートティーン・ストーリー第2弾。

<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>

ニート探偵第2弾。
今回は、ヤクザの世界に足を突っ込むと大変だよって話。
まぁ、まだこの程度のものはぬるいくらいだとは思いますがね。

1巻で活躍したニートメンバーがもれなく登場。
それぞれニートとは思えない特技を駆使して事件を解決に導いていくのも前回同様ですが、あまり勢いがありません。
最初から割と真面目に探偵業務をする展開だったので、コメディ要素が少なかったのが原因かな。
あれだけキャラの個性が強かったアリスもパッとしませんね。
唯一輝いていたのが四代目。
イラストも多めなので、四代目ファンには嬉しい内容だったんじゃないでしょうか。

物語の方はというと、ニートとか関係なく普通の探偵ものっぽくなっています。
安定というか、無難というか、とにかく悪くはないんです。
でも、どうしてもインパクトに欠けてしまいますね。
1巻では彩夏のあの出来事や終盤の屋上シーンなど、今でも印象深かったりしますけど、今回はそういった心が揺さぶられたり感動したりするところは残念ながらなかったです。

そして、今作の一番の減点ポイントはナルミのヘタレっぷり。
1巻のレビューを書いた時にも指摘した部分ですが、前回はヘタレてしまうのも仕方のないような話だったので十分感情移入できたし、それでも前進しようする姿に感動さえ覚えました。
今回は、あの時の成長は何だったのかと言いたくなるような言動や行動が目に余ります。
人に対しては厳しいのに自分には甘くて、それゆえに自己嫌悪に陥っているのだから困ったもんです。
主人公補正で最後は頭が異様に冴えているのはいいんですが、前半のダメダメっぷりを見ているとその差が激しすぎて一瞬別人のようにも感じました。
ニート予備軍の高校生としてリアリティがあるとも言えるので、この辺りは主人公の好みの問題もあるかもしれません。

総じて見ると、彩夏の存在の大きさを如実に感じられる結果となってました。
自分が彩夏好きってことを置いといたとしてもねw
ナルミにはアリスのような罵倒により発破をかけてくれる相手よりも、彩夏のように強引にでも手を引っ張ってくれる存在の方が必要なんじゃないかなぁー。

何だか随分と酷評のように見えますが、完成度は高いので楽しく読むことはできましたよ。
1巻に比べて、インパクトが弱かったり、ニート探偵団のメンツが活かしきれていないのが気になるとはいえ、場面を想像しやすい文章は終始安定していますし、新キャラのメオもいい味出していて決して評価が低い作品というわけではありません。
ヤクザの世界には詳しくないですが、妙な本物っぽさを感じるところもありました。
探偵物として読むならば、確実に1巻を上回っていると言えるんじゃないでしょうか。

しかし、少し時間をおいてレビューをすると、読了感の良さに対して思ったよりも印象に残らなかったというのも事実。
惜しい……というべきなのかなぁ?
ラストは続きがあるようで、これで完結のようにも見えますね。
次があるのなら、好きなシリーズですので盛り返しを期待したいところです。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  神様のメモ帳  杉井光  岸田メル  評価B 

△page top

神様のメモ帳 

神様のメモ帳 (電撃文庫 す 9-4)神様のメモ帳 (電撃文庫 す 9-4)
(2007/01/06)
杉井 光

商品詳細を見る

【評価……B+
舞台 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆
 … 7

「ただの探偵じゃない。ニート探偵だ。世界を検索し死者の言葉を見つけ出す」
路地裏に吹き溜まるニートたちを統べる《ニート探偵》アリスは言った。
高校一年の冬に僕と同級生の彩夏を巻き込んだ事件、都市を蝕む凶悪ドラッグ《エンジェル・フィックス》――すべての謎は、部屋にひきこもる少女探偵アリスの手によって解体されていく。
「真実はきみの平穏を破壊する可能性がある。それでも知りたいかい?」
僕の答えに、普段は不真面目なニートたちが事件解決へと動き出す!
情けなくておかしくて、ほんの少し切ない青春を描くニートティーン・ストーリー。

あらすじと最初の1ページ目だけ読んで買った今作は、見事に僕の予想を超える良作でした。
ニート探偵という単語が、興味を惹かれた第一要因です。
神宮寺三郎のような渋くてダンディな探偵が可愛らしいロリっ子と一緒に事件に巻き込まれながらも解決に導いていく、という想像は、かすりもしてませんでしたがw

奇抜な設定かと思いきや、主人公はそこら辺にいる一介の高校生。
前半は、予想に反して、よくある学園青春ドラマ主体に話が進みます。
広義的にニートである若者たちの日々は、少し羨望の目で見てしまいそうなくらい楽しそうに見えます。

だからこそ、中盤から後半のシリアスな展開には、前半との落差に衝撃を受けました。
ニートですらないただの高校生が、もがき苦しみ、ボロボロになって、ようやく進むべき道を見つけ出す姿は感動します。
一歩間違えればヘタレと思われそうな主人公のナルミに、感情移入している自分がいるんですよね。
確かに、鬱な展開が続くんで、その気持ちは分かります。
でも、それだけではなく、文章の導き方が上手いおかげで、同調しちゃってるんだろうなぁと感じます。
他の登場人物も、反感を買う恐れのある要素を、逆に魅力に転じさせています。
この辺り、作者上手いです。

キャラクターのインパクトとして一番強いのは、やはりニート探偵であるアリスかな。
ロリなボクっ娘のツンデレ風味がお好きな人は、アリスに萌えられるかと思いますw
しかし、誰が何と言おうと、僕は彩夏が一番好きですけどね、ええ。

やっと、お薦めできるラノベかなって思う。
全体的にバランスがよく、しっかりと世界が作られているため、イメージしやすく、話を把握しやすいですね。
終わりの見せ方にも、僕は満足できました。

この調子で2巻にも手を出したいところなんですが、微妙に評判が悪そうなのが気になっています……。
1巻だけでも、綺麗にまとまっていると感じますし、蛇足っぽくなっていなければいいのですが。
まぁ、それを自分の目で確認するためにも、そのうち買ってきて読もうと思います。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  神様のメモ帳  杉井光  岸田メル  評価B+ 

△page top

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

△page top