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明日へと続く記憶

アニメ、ゲーム、ライトノベルの感想を書いたり、絵を描いたりしています。

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灼熱の小早川さん 

灼熱の小早川さん (ガガガ文庫)灼熱の小早川さん (ガガガ文庫)
(2011/09/17)
田中 ロミオ

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読書期間:2012/6/8

【評価……B+
発想 ★★★★★★★★☆☆ … 8
設定 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
青春
ラブコメ
リアリティ
構成


 ★★★★★★☆☆☆ … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
 ★★☆☆☆☆☆☆☆
 … 3



 人間関係も勉強もそつなくこなし、万事如才ない高校生となった飯嶋直幸。県下でもトップレベルの進学校に入学した彼は、なに不自由ない学園生活を手にした。伝統と自粛のバランス――そんな口当たりのいい雰囲気に突然水を差したのは、クラス代表となった小早川千尋。代表に立候補し、履行の邪魔なので副代表は不要と言いはなった眼鏡女子だ。常にテンション高め、ガチガチの規律でクラスを混乱に陥れる彼女のその手に、直幸は炎の剣を幻視する。そして彼女の心の闇を知るのだが――。
 田中ロミオ最新作は、ヒロイン観察系ラブコメ!?

【感想】


田中ロミオ氏が作り上げる新感覚ラブコメ。
AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~」と似て非なる作品です。

一つの作品で、これほど評価が自分の中で割れるものはなかったかもしれません。
メチャクチャ面白かったと思うと同時に読了感の酷さにムカムカとしました。

校則を守り、風紀の乱れを徹底的に正そうとするクラス代表・小早川千尋
厳しく律しようとする彼女は、明らかにクラスから浮いた存在だった。
そんな彼女を抑制するために、クラスメイト達から担がれた主人公・飯嶋直幸は、世渡り上手なスキルを活用して、彼女に取り込もうとするのだが――といったストーリー。

「炎の剣」なんて単語が登場するのでSF要素が混入するのかと思いきや、至極真っ当な学園モノでした。
客観的に見て正しいことをしてるのに孤立する千尋を観察しているうちに、クラス内のポジショニングを忘れて手助けに走る直幸の姿が胸を熱くさせてくれます。
たった二人でクラス行事や仕事をこなす彼らを見ていると、もどかしさと悔しさが募る一方でした。
それでも、距離を縮めていく二人が報われ、自分勝手なクラスメイト達には痛快なオチが容易されているのだと信じ、読み進めていったのですが……。

あえて一言で集約するならば……惜しい
明確なテーマを掲げ、着実に積み上げていったアプローチを台無しにするラストが勿体無さすぎる。
急展開といった類のものではなく、放り投げたとしか言いようがありません。

確かに、決着が非常に難しい題材ではあると思うんですよ。
学校のクラス内の空気は、数あるコミュニティの中でも特殊で、日本人特有の同調気質が悪い方へと働いた結果、いじめなどが生まれたりするわけです。
個別で対応すれば、誰だってイケないことだと理解しているのに、集団では理性よりも輪を保つ意識に傾いてしまいます。
これは、兼ねてより日本人の抱える悪癖でしょう。
それを真正面から捉え、生々しくて歯がゆい人間関係を描いたら、この人の右に出る方はそうはいないでしょうね。
良い意味で、嫌悪感を抱かせる内容となっています。

例えば、バットエンドでもキッチリ描ききっているのであれば、相応の評価を得られると思うんですよ。
でも、これは妥協したのか、問題提示をしたかったのか、とにかくエンターテイメント作品としては酷いラストです。
夢落ちばりに理不尽な方向転換に納得できる要素が見当たりません。
著者の実力を持ってすれば、感動的な盛り上がりを見せつけることも出来ただろうに、勿体無い。

「人類は衰退しました」が特異な文体を求められることもあって、通常のロミオ節を久々に読みましたが、やはり良いですね。
深夜に読み始めたら、スルスルと入ってくる文章に虜となり、途中で本を閉じられなくなってしまいました。

クラスメイトを愚者と罵り、過激な発言が多い千尋の揺れる心情を垣間見る方法が新鮮でしたね。
気丈に振る舞いながらも、たまに凹んでしまう彼女の弱さに、完璧な人間などいないのだと改めて認識させられました。
直幸が表面上の付き合いを続ける友人達と比べると、如何に千尋の心がピュアであったかを思い知ります。
時が経つにつれて、どんどん愛おしい存在となっていきました。

面白かったのは確かなんですけどねぇ。
残り数ページでの超展開が、つくづく勿体無いと感じました。

ラストの駆け足が勿体無いと感じる程にスクールカーストがリアルに描かれています

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  灼熱の小早川さん  田中ロミオ  西邑  評価B+ 

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人類は衰退しました6 

人類は衰退しました 6 (ガガガ文庫)人類は衰退しました 6 (ガガガ文庫)
(2011/02/18)
田中 ロミオ

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読書期間:2011/7/30~2011/8/1

【評価……B-
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
ほのぼの
ダーク
パロディ



 ★★★★☆☆☆☆☆ … 5
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7




 わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は“妖精さん”のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の“調停官”であるわたしのお仕事。
 季節は冬。祖父の趣味サークル「大砲倶楽部」の一員として南に向かったわたしは、「鳥人間コンテスト」の安全対策係として、岬に集まった各チームの機体をチェックすることに。思うに……みなさん、死にそうです。
 クスノキの里を同類誌のイベント会場にしてしまった友人Yと、白い部屋に密室監禁!
 さて、どちらが危ない!?――記録、それは儚い。

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


約1年振りとなる人退シリーズ、第6弾。
帯にてアニメ化が発表されました。

薄っ!
久々だというのに200ページしかありません。
背表紙の一番上にあるレーベル名が見切れて「AGAG」になっちゃってますよ。
量的には満足には程遠く、無理矢理刊行した感がありありと出ていますね。

内容も同じことがいえます。
一定水準の面白さはあるんですが、表面的な話ばかりで作りが雑な印象を受けました。
パロディがアクセントになって面白可笑しい展開が起こるのが売りの一つですけど、今回のは少々安直かな。

確かに、アイデア自体は悪くありません。
「鳥人間コンテスト」と「同人誌」に関するエピソードは、楽しく読めました。
シュールかつブラックなネタが満載で、底意地の悪い作者だなぁと思いつつも、ニヤリとさせられます。

しかしこれは「人退」でやる必要性があったのかと疑問符が浮かびました。
人類が衰退していく退廃的な世界で、不思議な生き物である妖精さんの癒される挙動と、その結果生まれる恐ろしいギャップが良かっただけに、作品の売りを感じることができませんでした。
人間サイドの黒さや醜さが目立ち、それはそれで悪くないのですが、ほのぼのとした妖精さんの出番が少なくて残念です。
妖精さんを便利ツールとして利用しているのは作者も「わたし」も同じで引っかかりを覚えますね。

体全体を脱力させたくなるようなゆるさと、気の抜けた炭酸飲料水のようなゆるさは別物です。
今回は、どちからというと後者のような物でした。

絵師の交代ニュースが入ってきたばかりですが、今巻に挿絵がほぼなかったことに関係あるのかな。
口絵もはっきりいって手抜きで、既巻とは仕上がりがまるで違います。

某鍵ゲーのシナリオ担当していたことで、ラノベの執筆活動は停滞気味だったようですね。
今年はこちら方面にも力を入れるそうなので、今後の踏ん張りに期待します。

妖精さん成分少なめのブラックユーモアたっぷりなパロディコメディ

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  人類は衰退しました  田中ロミオ  山崎透  評価B- 

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人類は衰退しました5 

人類は衰退しました 5 (ガガガ文庫)人類は衰退しました 5 (ガガガ文庫)
(2010/01/19)
田中 ロミオ

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読書期間:2010/2/17~2010/2/18

【評価……B
発想 ★★★★★★★☆☆☆ … 7
設定 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
ほのぼの
ダーク
パロディ



 ★★★★☆☆☆☆☆ … 5
 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
 ★★★★★★★★☆☆
 … 8




 わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は“妖精さん”のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の“調停官”であるわたしのお仕事。
 そしてこの仕事に就く前、多くの時間を過ごしたのが≪学舎≫と呼ばれる人類最後の教育機関です。寄宿舎で出会った友人たち。RYOBO230r。秘密の倶楽部・のばら会。感傷に浸るにはまだ早いのに、なぜ思い出すの……?
 里に現れた侵略者!奪還チームを組んで地下に潜ったわたしたち――死亡!?ピロリロリン♪でCONTINUE?

【感想】<前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


1年以上のインターバルを挟み、帰ってきた田中ロミオ氏の人気シリーズ。

無邪気な妖精さんたちの可愛らしさにほのぼのとさせられるのが最大の魅力……だったはずですが、今ではブラックユーモアが売りとなっていますね。
隠し味の調味料に近い刺激だったはずが、いつの間にか作品そのものの味を左右するまでに。
盛り込まれている内容は同じでも、バランス配合が変わると印象が大きく異なる一例ですね。

ギャグとしては笑えるのですが、内容はかなり黒いので、人を選びます。
個人的には、妖精さんのゆる~いコメディが好きで読んでいる作品ですから、惜しいなと思ってしまいました。
風刺ネタは嫌いではないですし、実際面白いんですけどね。

前半の「妖精さんの、ひみつのおちゃかい」は、“わたし”の学生時代のお話。
凡庸に見えて、実は相当捻くれた性格をしている彼女の成長段階が描かれています。

これがまた生々しいのなんの。
未成熟な精神構造や、反抗的な物事の捉え方など、身に覚えのあるものばかりで、苦笑いさせられました。
己を守るために殻に籠りつつも人恋しい彼女が、学友と共に過ごしていくうちに、性格が丸くなっていく様子が見ていて嬉しかったですね。
全体的にシリアスで、ほのぼのとした雰囲気とはかけ離れているけれど、温かみのある良いお話でした。
あと、後輩の<巻き毛>のキャラ設定が色んな意味でドロドロと濃くて良かったですw

後半の「妖精さんたちの、いちにちいちじかん」は、恒例の妖精さんパワーによる環境変化のお話。
今回は、クスノキの里や住人がレトロゲーの設定に巻き込まれた展開。

敷居の高いネタだなぁ……w
主にファミコン時代のゲームネタなわけですが、半分ぐらいしか分かりませんでした。
読者にゲームの知識があるかどうかで、面白さがモロに影響します。
30代なら世代的にツボに入るかと。10代では付いて行くのは難しいかもしれません。
とりあえず、作者が2D派だということだけは、よく分かりましたw

ほのぼのギャグから、シニカルでシュールな笑いへとシフトしたコミカル作品

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  人類は衰退しました  田中ロミオ  山崎透  評価B 

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人類は衰退しました4 

人類は衰退しました 4 (ガガガ文庫)人類は衰退しました 4 (ガガガ文庫)
(2008/12/19)
田中 ロミオ

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【評価……B+
舞台 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
オススメ度 ★★★★★★★★
 … 9
ほのぼの ★★★★★★★★
 … 9

わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は“妖精さん”のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の“調停官”であるわたしのお仕事。里の娘さんがたからは、先生と呼ばれたりもしてます(恥ずい)。「妖精社」製の妙な品々が里に出回るのと前後して、走るチキンを目撃してしまったわたしは、祖父と助手さんとともに「妖精社」の工場視察に向かったのですが……。数か月でクスノキの里を、世界一の妖精人口過密地帯にしてしまったわたしの出張報告とともに、クニクニどうぞ。

【感想】 <前巻までのネタバレがありますので、ご注意ください>


少しだけ間が空いた「人類は衰退しました」シリーズ第4弾。
AURAが発表された当初は、もう出ないのかと思って焦ったりもしましたが、続いていて良かった。

あぁ、やっぱり妖精さんは和むわぁ~。
楽しい!

これを待っていたんだ、って感じです。
巻を追うごとに妖精さん成分が減少していた本シリーズでしたが、今回は1巻の頃の密度が戻ってきてます。
助手さんやP子&O太郎も悪くはないけど、この作品の最大の魅力はやはり妖精さんなんですよ!

今回は中篇が2つ収録されています。
妖精さんがまた何やら新しいことを始めたので調査することになった話、「妖精さんの、ひみつこうじょう」。
弄られたがりやのマゾ気質な妖精さんたちが、ドSの「わたし」にいいように扱き使われる話、「妖精さんの、ひょうりゅうきょうしつ」。

どちらも面白かったですが、後者は特に良かったです。
妖精さんのセリフがいつも以上にダークサイドに堕ちているのに、ほのぼのとしてしまうのは無邪気で可愛らしい存在だからでしょうかね。
シュールさが病みつきになります。

しかし、巻を追うごとに「わたし」が駄目な方向に成長してしまっているような気がする。
妖精さんに巻き込まれてサバイバル体質になっていくのはいいとしても、性格が黒過ぎるよw

ストーリーがないと飽きてしまうという方もいるかもしれませんが、個人的には今回のような方向性で進んで欲しいな。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  人類は衰退しました  田中ロミオ  山崎透  評価B+ 

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AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ 

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)
(2008/07/19)
田中 ロミオ

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【評価……B+
舞台 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
オススメ度 ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5
ラブコメ ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
青春 ★★★★★★★★
 … 9

その日。教科書を忘れた俺は、夜半に忍び込んだ学校で彼女に出会った。教室に向かう階段の踊り場。冷たい月の光のスポットライトを浴び、闇を見据えている少女。美しい――。そこは、人を惹き付けるオーラを放つ青の魔女がいた。
……いや待て、冗談じゃない。妄想はやめた。俺は高校デビューに成功したんだ!そのはずだったのに、この妄想女はッ!「情報体の干渉は、プロテクトを持たない現象界人には防ぐことはできない」「「何いってんだかわかんねーよ」実はだいたい理解できていた。田中ロミオ、学園ラブコメに挑む――!?

【感想】

人類は衰退しました」の田中ロミオ氏が描く学園ラブコメ……らしい。
いやー、これをラブコメというカテゴリーで括っていいんでしょうかね。
少なくともこれまでになかったラブコメ作品だといっていいかと思います。

とりあえず、読んでいる間に痛感させられた思いを一言。

何という厨二病

これは痛い。痛過ぎる。
タイトルからある程度予想はしていましたが、ここまで忠実に厨二病を描ききるとは。
あとがきにて否定していますが、著者も元厨二病患者だったとしか思えません。

この作品は間違いなく人を選びます。
一般人には全く勧められないけれど、オタクや元厨二病患者には文句なしにお勧め。

邪気眼」や「エターナルフォースブリザード」といった単語が分かる人なら、説明は簡単。
要するに、そんな妄想癖を持つ患者らに懐かれて巻き込まれてしまう、脱オタした一人の高校生の物語です。
意味が分からないという人には楽しめないかと思われるので素直にスルーでよろしいかと。
読む際は、冒頭は読み辛いけど途中から面白さが加速するので、挫折せずに読んで欲しいですね。

アニメ、ゲームなどのオタク文化に漬かった中高生にありがちな妄想が何となく分かってしまう自分が痛いw
もちろん、他人に迷惑をかけるほど酷くはなかったけど。
でも、この登場人物たちとはベクトルの違いでしかないような気がする。
自分の場合は、妄想はRPGツクールみたいに作品を介して表現しようとしたわけだけど、この作品に出てくる人物たちは自分自身を特別な人間として周囲に表現したってことでしょうね。

どちらにも共通していえるのは、設定好きってことか。
楽しいんだよねぇ、妄想って。
現実逃避できるしさw

妄想戦士たちのインパクトが大きすぎるため、どうしても話題がそこに集中してしまいますが、個人的にはそれ以上に素晴らしいと感じたところがあります。
それは、学校という閉鎖的な環境における集団が作り出す雰囲気を見事に文章で表現している点。
教室内の雰囲気というのは、学生を経験したことがある人なら誰でもご存知の通り、かなり特殊です。
目には見えない壁や空気の流れとかありますよね。

入学まもない春の時期は、ほとんど差のない対等の立場なのに、1ヶ月も経てば何故かクラス内で自分のランク付けが確定してるんですよね。
イケメンは、その多くが集団の中でも自己主張ができて自然とクラスの中心的な役割を担うようになる傾向が強かったり。
そんな仲良しグループが形成されていく工程や、その上下関係などもリアリティがあって学生時代を思い出しました。

イラストのmebaeさんは、ノリの良い絵を描きますね。
アニメ塗りに近いんだけど、ちょっと違うこの独特のタッチに魅せられました。
ところで、P59のイラストがエロく見えたのは僕だけでしょうか?
何度見直しても丸見えにしか見えないんだけどw

いやはや、面白かった。
人類は衰退しました」といい、この作品といい、ブラックユーモアが楽しい作品を書く作家ですね。
12月18日発売の「人類は衰退しました」4巻も楽しみです。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  AURA~魔竜院光牙最後の闘い~  田中ロミオ  mebae  評価B+ 

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人類は衰退しました3 

人類は衰退しました 3 (ガガガ文庫)人類は衰退しました 3 (ガガガ文庫)
(2008/04/19)
田中 ロミオ

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【評価……B-
舞台 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
オススメ度 ★★★★★★☆☆☆
 … 7
ほのぼの ★★★★☆☆☆☆☆
 … 5

わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は“妖精さん”のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の“調停官”のお仕事。……閑職ですが。そんな絶賛衰退中の人類のすべての記録を目指した、ヒト・モニュメント計画の影響で通電することとなったクスノキの里では、“夏の電気まつり”が開催されることに。一方、妖精さんは里帰り。……!?妖精さんがいなくなる!?微妙なお別れののち、わたしたちは都市遺跡の調査に向かったのですが……。エネルギーの補給は計画的に!

田中ロミオ氏のほのぼの妖精さんシリーズ、第3弾。
しかし、今回はあまりほのぼのとしておりません。

1,2巻は中編2つで構成されていましたが、この3巻は長編一本となっています。
妖精さんの、おさとがえり」というサブタイトルにあるように、ひょんなことからクスノキの里から妖精さんが消えてしまう話。
きっと妖精さんがいなくなることでトラブルが巻き起こって、妖精さんの偉大さを思い知ることになる話なんだろうなーと思っていたんですが、ちょっと違っていました。
まぁ、結果的に「わたし」はとんでもない苦労を強いられることになりますけどね。

うーん、少し物足りない……かな。
妖精さんの出番が少ないのが残念で仕方がありません。
新キャラクターも面白くはあるんですが、妖精さんのセラピー効果には負けるなぁと。

今更タイトルの人類が衰退していった理由が判明されようとしています。
この作品の場合、どんな裏があるにしてもその設定を作中に出す必要性がないと思うんですよね。
妖精さんの不思議な力と同様に、何でも曖昧に誤魔化すことができる作風なので、ロストテクノロジー関連の話については興味が持てませんでした。

中途半端にシリアスな面もあったり、逆に深刻な状況の割にギャグをかましていたりするのは、終始「わたし」に緊張感が薄いからでしょうかね。
今回は遺跡の探検が主体となっているんですが、ここの描写がだらだらとしていた感があります。
文章的な面白さがなければ辛かったかもしれません。

とまぁ、シリーズ比較をしてしまいますと、どうしても評価は落ちてしまいますが、良かったところもあります。
助手さんのキャラが、ようやくこの3巻で見えてきました。
妖精さんに負けず劣らず可愛らしい性格してますねぇw
妖精さんがペット的な可愛らしさだとすると、助手さんは小学生くらいの子どものような無邪気さが見ていて微笑ましいです。
かと思えば、残酷なところもあって。……いや、それもまた子どもらしいと言えるのか?
とにかくラストのオチには盛大に噴き出しましたよw

内容のクオリティが低下したわけではなく、自分の好みと差があっただけなので、このシリーズが好きな人なら楽しめると思います。
個人的には、1巻の頃の絵本感覚で読める内容を期待したいですね。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

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人類は衰退しました2 

人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫 た 1-2)人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫 た 1-2)
(2007/12/19)
田中 ロミオ

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【評価……B
舞台 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
物語 ★★★★★★☆☆☆☆
 … 6
人物 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
オススメ度 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
ほのぼの ★★★★★★☆☆☆
 … 7

わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は“妖精さん”のものだったりします。そんな妖精さんと人間の間を取り持つのが、国際公務員の“調停官”であるわたしのお仕事。……なんですが。高い知能を持つ妖精さんのまわりは不思議なことだらけ。理解不能なおかしな道具を創って、わたしの身体を小さくしたり。現場復帰する祖父の助手さんのお迎えに、何度も何度も行かせたり。……そんなこと、報告書には書けません!えっ?わたしが一因?ではないですよ!?お疲れの人類の脳に刺激と安らぎを……。

ゆるーい妖精さんたちの観察日記がお仕事である「わたし」の物語、第2弾。
今巻もちっこい妖精さんたちが自由気ままに暴れております。

妖精さんたちの愛くるしさは相変わらずで、ちっこい姿が縦横無尽に走り回る様はある意味無敵。
何気にドSな「わたし」と、明らかにM属性な妖精さんたちとのやり取りは和まされます。

話は2編に分かれています。

「人間さんの、じゃくにくきょうしょく」は、妖精さん並、またはそれ以上に可愛らしい「わたし」が見どころ。
一見ほのぼの描かれていますが、冷静に読めばシュールというか微妙に怖い話っすね、これ。
パロネタも豊富ですが、作品名を挙げると内容バレしてしまうので言えませんw

「妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ」は、なかなか凝った構成になっていて、意外と難解な内容です。
話の造りは面白い試みをやっているなと思うんですが、ちょっと読み難かったかな。

どちらも面白かったのは確かなんだけど、自分がこのシリーズに求めているものと若干のズレを感じました。
もっと「わたし」と妖精さんたちのニヤニヤするような絡みが欲しいんですよ!
非常に残念なことに、今回は肝心の妖精さんたちとの接触シーンが少なかったんですよねぇ。
その部分で、少し星を落としてしまいました。

しかし、しっかりと読み込むと実は深いテーマが隠されていることに気付きます。
そういう意味では、作者の実力を感じさせる一冊ですね。

まるで絵本のようなタッチで描かれるイラストは温もりを感じさせてくれます。
この作品の雰囲気作りに一役買っていますね。

1巻とはちょっと毛色の違いを感じましたが、十分楽しめました。
田中ロミオさんのファンなら買って損はないんじゃないかなと思います。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  人類は衰退しました  田中ロミオ  山崎透  評価B 

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人類は衰退しました 

人類は衰退しました (ガガガ文庫 た 1-1)人類は衰退しました (ガガガ文庫 た 1-1)
(2007/05/24)
田中 ロミオ

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【評価……B+
舞台 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
物語 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
人物 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
文章 ★★★★★★★☆☆☆
 … 7
挿絵 ★★★★★★★★☆☆
 … 8
オススメ度 ★★★★★★★★
 … 9
ほのぼの ★★★★★★★★
 … 9

わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は“妖精さん”のものだったりします。
平均身長10センチで3頭身、高い知能を持ち、お菓子が大好きな妖精さんたち。わたしは、そんな妖精さんと人との間を取り持つ重要な職、国際公務員の“調停員”となり、故郷のクスノキの里に帰ってきました。
祖父の年齢でも現役でできる仕事なのだから、さぞや楽なのだろうとこの職を選んだわたしは、さっそく妖精さんたちに挨拶に出向いたのですが……。
田中ロミオ、新境地に挑む作家デビュー作。

ほのぼの。ゆるゆる。のほほん。まったり。ほんわか。
こういった言葉がぴったりの優しい雰囲気を持っている本です。
絵本のような穏やかな世界に浸ることができる珍しい良作ラノベです。

著者は一部で有名な田中ロミオ氏。
まぁ、知っている人も多いので隠すこともないですが、エロゲのシナリオライターですね。
「家族計画」や「CROSS†CHANNEL」など、エロゲをやったことのない僕でもタイトル名を聞いたことのある名作に携わっているらしいです。
「CROSS†CHANNEL」といえばPS2版はKIDが出していたはずですよね。
まぁ、そんな人気のライターさんではありますが、僕にとってはこの本が初めての出会いとなりました。

読んでみてまず思ったのは、なるほど、確かに良い文章書きますなぁ。
独特のゆる~い文章が癖になります。
一度味を知ってしまうと抜け出せない蜜のような魅力に溢れています。

タイトルの「人類は衰退しました」というネーミングは惹かれましたが、読み進めていくとそこは結構どうでもよくなってきますw
主人公の少女「わたし」とその祖父、そしてちびっこい妖精さんたちの会話がたまらなく面白い。
少女の面倒くさがり屋の性格には、人類が衰退に至った理由が見て取れるような気がしますね。
一見表紙のイラストではピュアに見えるこの娘、意外と神経図太い……というか腹黒いですw
時々見せるいじめっ子気質には、見た目とのギャップがありますが、それも仕方ないかなと思わされます。

だって、妖精さんたちが反則的に可愛すぎるんですよ!
何かね、1匹2匹くらいどこかから攫ってきて飼いたくなるくらい。(←危険発言)
小さな体がちょこまかと駆け回る姿が愛くるしい。

「にんげんさんだー」「うおー」「まじなのです」「ちかよってもへーき?」「おこられない?」「これからどーなってしまうのかー?」「あやー」「おおきいですー」「ごぼてんすきです?」「ひえー、ひえー」「のっけてくださいー」

妖精さんのセリフ全てがひらがなというのも、柔らかい印象を与えてくれます。
少女との会話で、とぼけた返答する妖精さんが愛くるしい。

イラストも可愛らしい絵で作風にピッタリですね。
上の画像ではほとんど見えないでしょうが、手のひらサイズの妖精さんたちが潜んでいるのが素敵。

紛れもなく癒し系の作品です。
ストーリーを必死に追いかける必要もないので、妖精さんたちとの会話にほくそ笑むのが正しい楽しみ方でしょう。
安心して読めますので、疲れたときに読むと心が洗われます。
万人にお勧めできますので、ライトノベルに抵抗がある方でも読みやすい内容になっているかと思います。
これはまた追いかけないといけないシリーズが増えてしまいましたね。

テーマ: ライトノベル

ジャンル: 小説・文学

タグ: 書評  人類は衰退しました  田中ロミオ  山崎透  評価B+ 

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